そして俺は召喚士に

ふぃる

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24話 娯楽の時間④

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「ほぅ、サモナーか。」
 画面が戻り、ヘルステルが言う。
「魔力体に意識を持たせ形にし、相棒として共に戦う職だ。
 これでいくか?」
>はい
 選択肢ののち、キャラにエフェクトが入る。
 ステータス表示の所に「サモナー」の表記が加わる。


「なるほど、サモナーか。」
 ステータス画面を見たのだろう、キリが反応。
「一応、解説いるか?」
「そうだな、頼む。」
 プレイヤー目線での説明は助かる。が、それ以上にキリが説明したそうな調子だった。
「サモナーは3種の召喚体から1つ召喚して一緒に戦う職だな。
 基本的に召喚体が自立行動するから、始めたてに丁度いい。基本アクションに慣れるのに集中できるしな。
 その上でちゃんと使いこなせれば、十分高い火力も期待できる。その扱いは難しいけど。」
 聞きながらでスキルツリーを見る。
 ウルフ・リザード・バードの3種類の召喚が分岐していて、初期のポイントでどれか1つを取る事ができる。
「これ、取り返しがつかないとかはある?」
「いや、後々振り直しは安価でできるから、好きなのを取るといい。
 けどあえて言うなら…そうだな、リザードだと序盤がさくさく進んで便利だと思う。遠隔攻撃の砲台タイプだ。」
「了解。」
 折角だしと、アドバイス通り「召喚:リザード」にポイントを振る。


「アクションといえば、PV見たんだけどさ。
 実際あんな動きとかできるもんなのか?」
 帰りのバスの中でいくらか見たそのPVでは、プレイヤーキャラが縦横無尽なアクションをしてた。
「んー…見せた方が早いかな。
 ついてきな。」
 キリを追ってフィールドに出る。
 辺りに徘徊する小型モンスター。目星でもあるのか、それらを無視して進むキリを追う。
 やがて、遠目でも分かる大型モンスターの所に着く。
「タゲ貰わないよう、そこで見てな。」
 そう言いキリが仕掛ける。相手はゴリラ系モンスターだ。「ワッサ」という名前が頭上に出ている。いわゆるネームドというやつか。

 モンスターがキリに気付き、威嚇する。
 その隙に既にキリは先手を打ち、瞬間的なステップで接近し横一閃斬り。武器は槍だ。
 そこへワッサが両腕を組み振り下ろす。が、槍でそれを受け流し、キリの攻撃続行だ。
 一薙ぎ入れた後、キリがワッサを足場に三角飛び、同時に武器が切り替わり、斧になっている。
 さらに宙を蹴り跳躍すると共に、振る斧に白い魔力の龍が追従する。
 そのまま斧がワッサの芯を捉え、縦に両断する。
 ワッサがひるみ、その隙に今度はキリが後方跳躍。
 フィニッシュに火球を投げつけ止めを刺し、綺麗に自分の横に着地する。

「この辺じゃ敵が弱くてあんましだが、ざっとこんなもんだ。」
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