そして俺は召喚士に

ふぃる

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21話 娯楽の時間①

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 インストールよし、グループチャットよし。
 スマホアプリの通話を繋ぎ、ゲーム機の画面に新たに増えたアイコン「エンパイアハント」を起動する。
 初見ではあるが、タイトルを聞いた事はあったくらいに有名なタイトルだ。


 こうなったきっかけは、今日の昼休みの事だった。

 ショウヤとキリがやってるオンラインゲームがあるから、一緒にやらないかと誘われ。
 やや唐突感はあったが、どうせならって思いやってみる事にした。基本無料系だし。

 そして帰りのバスの中で、キリから個人チャットが入り。
 要約すると「疑ってかかるつもりはないけど、一方的に秘密握られてる状態が快くない。だからとにかく交流だ。秘密のひとつくらい握られてても別にいいやと思えるように。」だそうだ。
 交流としてゲームは短絡的な気もしたが、その理屈には分かるところもあった。
 自分には交換になるような秘密は無いし、かといってここでハルルの事を出すのも違うと思った。

 それに、あの一件移行キリに対する見方が変わったのは少なからず自覚はある。
 …というのもエルフくらいならともかく、日常的なところに獣人が混じるのは、すぐに慣れろという方が無理な話だった。
 だから「人に紛れる異形の存在」ではなく「キリ」として見れるよう、ちゃんと知るべき、そう思った。


「よ、起動できたか?」
「あぁ、今アカウント作ってるとこだ。」
 ボイチャの向こうからキリの声。ショウヤはちょっと遅れてくるそうだ。
「キャラクリが終わった後に、ちょっとストーリーパートとソロチュートリアルがある。
 そこで分からない事が出たら聞いてくれ」
「おっけ。」


 ログイン後、空白のキャラ選択画面から新規作成に行く。
 最初に4種族からの選択画面だ。それぞれで特性が違うらしい。

 ヒュム族、いわゆる人間。
 やや物理偏重のオールラウンダー、と説明にある。
 エルヴ族、いわゆるエルフのような見た目。
 おおよそはヒュム族と同じだが、こちらは魔法寄りで、ジャストアクションとか色々違うらしい。
 ビート族、スレンダーなマスコットのような小柄の猫獣人だ。
 リーチの短さもあって物理は不得手だが、その分五角形グラフは魔法に突出してる。
 オルグ族、大柄な筋肉の種族。
 こちらは物理に突出していて、耐久のステータスも高い。

 キャラは複数作れるみたいだし、後で気になったら別途作ればいいか。
 そう思い、とりあえずくらいの気持ちでヒュム男を選び。
 細かい見た目設定を済ませ、決定ボタンを選ぶ。
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