そして俺は召喚士に

ふぃる

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19話 ハルルの手伝い⑥

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 夕飯を食べ終え一息つき、ハルルが話を切り出す。
「さて、もうちょっと時間いいでしょうか?」
「ん、どうした?」
「前回から手伝ってもらってばかりで返礼がまだできてませんでしたので。
 とはいっても、ここでできるのは座学くらいしかありませんが。」
「ん、あぁ、まだ平気だ。」
 突然で心の準備が整わないまま、反射的に返答していた。

「とはいったものの、どこから入りましょう…魔法とは何か、とは以前話しましたね?」
「あぁ、『思念を映し出す』だとかの話か?」
「その少し先の話を、今回はしようと思います。」
 ハルルが改まり、雰囲気が変わる。

「あの時は色々と省いてああ言いましたが、実際は人によって制約というか、得手不得手はあります。
 どれほどの術を扱えるか、そして、どういった術を得意とするかの適性ですね。」
「もしかして属性ってやつか?」
「そう、まさにそれです!」
 一気にそれっぽい話が来たな。
「ただ…この話は今でも新説が挙がったり開拓が為されている話なので、ましてや異世界のこちらでどれほど当てはまるか分かりません。
 その前提でお願いします。」
「おっけ、了解。」

「属性は6つあり、学問上では3対に分けられるとされてます。
 それぞれ炎と水、風と土、光と闇。対となる組み合わせを除き、適性の可否があります。」
「つまり例えば炎の魔法が使えるって場合、水属性は使えないのか?」
「そうですね。補助の道具を使えば使えはしますが、それでも並より不得手になります。」
「それが…最大3属性使いか?」
「実情としては、大体の人は1属性で、2属性使いですら希ですね。
 補助道具の精度も上がってきてはいる…とはいえ複数を素で使える利は強いです。やはり複数属性併用する時の精度に、どうしても差は出ます。
 ちなみに私は炎・風・光の3属性使えるのです。ふふん。」
 そう話すハルルは、これまでにない程に得意げだ。
「ユートがどの属性持ちか、あるいはまた違った概念を使うか…私としても興味深いところです。」


「次は実践も視野に入れられるよう取り計らいましょう。
 …ところで大分遅い時間ですが、夜道大丈夫でしょうか?」
「あぁ、大丈夫。
 俺の自宅、ここの別部屋だから。」
「……えっ!?」
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