スズメの涙

でーすけ

文字の大きさ
上 下
2 / 4

幼馴染のギョソウ

しおりを挟む
眩しい光が

入ったり閉じたり


うぅ目を開けられない


かあさんが
餌を持ってきてくれた。


なせだか
口だけは思い通りに動く


かあさんの喉から
なんとも言えない
喉越しのいいミミズが…


「かあさん!もっと!
もっとちょうだい!!!」


「あらあら」


満面の笑みで笑う、かあさんは
すぐさま飛んでどこかへ
行ってしまった。



「けっ!だっせぇな。」


ん?


隣の木の枝から
なんだかコケにしてきたような
声が聴こえた。



「お前、まだ食べさせてもらってるのかよ
だらしねぇなぁ」


身体に卵の殻が点々とついたやつが
こっちを見てしゃべっている。


「君だって、食べさせてもらってるじゃないか
君のおかあさんに」


顔を真っ赤にしたその雛鳥は
立ち上がり


「なんだと!?偉そうに!
今そっち行くから!首を洗って待ってろ!」


その雛鳥は、巣の淵に顎をつけ
今にも飛びかかってきそうだ



「バカたれ!」


「いてぇ!!!」


あの雛鳥のおかあさんだ


「ギョソウ!今度また
ここから出ようとしたらもう
ご飯食べさせてあげないからね!」



「ぅ………うぁぁぁん
ごめんよぉかぁちゃぁぁん」



その雛鳥の名前はギョソウ


変な名前。




その日から
ギョソウとの喧嘩は
日常茶飯事になった。




将来のリーダーになるのは
ジャンかギョソウと
大人たちが言っている。



ぼくたちは
大人たちがなにを言ってるか
その時はわからなかった。
しおりを挟む

処理中です...