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エピローグ
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彼がその日の施術を終えて帰った後。俺は水上空が、テレビで引っ張りだこの人気アイドルだということを知った。
(あの顔と性格なら、これから出世していくんだろうな……)
事務所のテレビで彼の笑顔を見ていると、電話応対中のスタッフがそれを保留にしてこっちを向いた。
「水上空くん、三カ月待ちは嫌だってごねてます」
「え……?」
「天木さん、彼にだいぶ気に入られちゃったみたいですけど、何かしました?」
「何かって……施術をしただけだよ。電話は俺が」
ハラハラしながら電話を取ると、空くんの明るい声が聞こえてきた。
「あのね、天木さん、予約がダメならプライベートで会えないかな? 僕、天木さんの私服姿も見てみたい」
「あー……、申し訳ございません。そういったサービスは取り扱っていなくて……」
ビジネスの体裁を崩すまいとしながらも、彼の甘い声を聞かされると胸がざわついて敵わない。
「わかった。じゃあ僕のこのスマホの番号メモってね。そっちから電話くれなかったら、明日もお店に電話しちゃうから」
「…………」
敵はなかなか手ごわそうだ。
あまりにかわいいからって、手を出してしまった俺が馬鹿なのか。
(とりあえずあの子の年齢、確認しておかなきゃな……)
俺はそんなことを考えながら、電話機の液晶画面に映し出される番号をメモするのだった――。
end.
(あの顔と性格なら、これから出世していくんだろうな……)
事務所のテレビで彼の笑顔を見ていると、電話応対中のスタッフがそれを保留にしてこっちを向いた。
「水上空くん、三カ月待ちは嫌だってごねてます」
「え……?」
「天木さん、彼にだいぶ気に入られちゃったみたいですけど、何かしました?」
「何かって……施術をしただけだよ。電話は俺が」
ハラハラしながら電話を取ると、空くんの明るい声が聞こえてきた。
「あのね、天木さん、予約がダメならプライベートで会えないかな? 僕、天木さんの私服姿も見てみたい」
「あー……、申し訳ございません。そういったサービスは取り扱っていなくて……」
ビジネスの体裁を崩すまいとしながらも、彼の甘い声を聞かされると胸がざわついて敵わない。
「わかった。じゃあ僕のこのスマホの番号メモってね。そっちから電話くれなかったら、明日もお店に電話しちゃうから」
「…………」
敵はなかなか手ごわそうだ。
あまりにかわいいからって、手を出してしまった俺が馬鹿なのか。
(とりあえずあの子の年齢、確認しておかなきゃな……)
俺はそんなことを考えながら、電話機の液晶画面に映し出される番号をメモするのだった――。
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