舞台の幕が下りるまで

代永 並木

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天音到着

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全員に通信機で天音の到着が遅れる事を言う

「まじか」
「分からないか」
「ダンジョン内でも異変起きてるのか。最悪だな」
「恋歌さんも分断されてる。守護隊の隊員が来たけどこれは……」
「耐えられるのか。後どのくらい耐えれば来れるかも分からないのだろ」
「きついなぁ」

数分だったからこの大群と対峙していても折れずに済んでいた
それがいつになるか分からないとなると変わってくる

「弱音吐くな。正直俺達は生き残れるか分からないがまだ終わってねぇ。諦めるにはまだ早い」
「そうだな。例え誰かが欠けたとしても攻略まで時間を稼ぎ切れれば俺達の勝ちだ」
「あぁ、俺達の代わりはいる。行こう」

「守護隊来たからだいぶ稼げるようにはなったけど」
「この数相手ではどれだけ持つか分かりません」
「だよね」
「もう体力は回復しました、動けます」

騎士達が前に出る
2人が戦っている少し休憩して体力を少しでも回復させていた

「もう少し休んでてもいいよ」
「戦うのでしたら5人で1体を相手してください」
「分かりました」
「はい!」

騎士達は指示に従い5人で行動する
1体を相手に5人で戦い倒していく

「残りは我々でやりましょう」
「そのつもり」

地を蹴り魔物へ突っ込む
斬り上げて胴体を真っ二つに、続けて近くの魔物の攻撃を躱して斬り上げて腕を切断する
一度構え直して踏み込み切り裂く
拳による攻撃を刀で防ぐ
その際拳に対して刃を立てる
そのまま刀を押し付けて引く
拳が縦に切れる、すぐに追撃して魔物の顔面を切り裂く
一旦引いて構える

「一向に数が減らない」
「群れの後方から攻撃をしている隊員から増えているとの報告が上がっています」
「この数はむしろ都市側へ行かなくてよかったとすら思う」
「そうですね。一斉に来たら最悪城壁は崩壊すると思います。今も彼女のお陰で食い止められていますし」

氷薙夢、大量の氷の礫による全方位への攻撃と氷柱による魔物の撃破をしている
魔物の足を氷の礫で傷を負わせて転ばして進行を遅らせている
氷柱で魔物を貫いて倒している、当たり所によっては一撃で仕留められる威力がある
氷の礫は氷柱程の威力は無いが数が多く魔物にダメージを与えそのお陰で前衛組が倒しやすくなっている

「氷薙夢……これ程強い異能者が居たとは」
「知り合いではなかったのですか?」
「基地に向かう途中に会っただけであの時が初対面」
「そうでしたか」

大盾で魔物をぶっ飛ばし縁で叩き潰す
攻撃を防ぎゼラが攻撃する隙を作る
(本当に戦いやすい)
夢と弓を持つ守護隊員の攻撃を突破した魔物を倒して時間を稼いでいく
全体に通信が入る

『遅れてごめん』

その通信が来ると同時にダンジョンの方向から大量の鎖が現れて次々と魔物を拘束していく

「これが……噂に聞く拘束の異能、とんでもないな」

拘束された魔物は身動きが取れない
拘束した鎖の縛りが強くなり魔物の体を千切る
(えげつない)
かなりえげつない倒し方にゼラは引く

「来たぞ」
「これでどうにかなる」
「これで押し返せる」
「行けるぞ!」
「行ける」

騎士達は天音の到着に喜ぶ
終わりが見えない戦いに希望が見えた

「これが竜胆副団長の異能、鎖いや拘束する異能」
「よく分かったね。私の異能は異能の鎖で拘束する、それも強制」
「強制……強過ぎません?」
「昔はこんな数は出せなかったし鎖の耐久も低かった。さて、反撃しましょうか」
「はい!」
「お待ちしておりました。ダンジョン内で何か異変が?」
「湧く魔物の量が思っていたよりも多かったの。まぁもうダンジョン内はあの2人に任せれば良いから」
「こちらは終わりが見えません。数名の守護隊員が後方から削っていますが未だに増え続けていると報告を受けています」
「それなら彼らと合流しましょう。居る場所は?」
「10時の方向です」

指を差して数名の守護隊員の居る方向を教える

「了解」

大量の鎖を召喚してその方向に居る魔物を縛り上げる
拘束した魔物を鎖で引っ張り拘束していない魔物に叩き付ける
拘束されていない魔物が鎖に攻撃を仕掛けるがビクともしない
他の方向から来ている魔物は2人で攻撃して食い止める

『後方で戦っている守護隊員と合流しよう』
「それでしたら私が魔物の群れに突っ込みましょう」
「流石にそれは……」
「問題ありません。一度やっていますので」
「そういえばやってたね。だけど」

体力が減っている、援護があるとはいえ今回も成功するとは限らない
そして前衛は7人、1人でも欠けたら一気に崩れる可能性がある

「行ってください。その間我々が突破してきた魔物を抑え込みます」
「合流出来れば戦力が増えます」
「1人で危険であればお2人で」
「死んでも必ず食い止めます」
「……わかった。念の為に2人で行こう」

連れてくるには時間がかかる
その間5人はほぼ援護無しで食い止めないといけない

「分かりました。逸れないようにお気をつけて」
『私が援護する』

ゼラと大盾を持つ守護隊員が魔物の群れに突っ込む
大量の鎖が魔物を拘束し倒していく
残った魔物を盾と刀で倒して進んでいく
盾を振るい小型の魔物を吹き飛ばす
接近してきた魔物が攻撃する前に素早く斬る
刀を振るい続けて二の太刀、三の太刀と勢いを殺さず繋げて魔物を次々と切っていく
様々な方向から5体の魔物が攻撃や拘束を突破する

「来るぞ!」
「止めろぉ!」

5人は分かれて盾を構えて迎え撃つ
攻撃を防いで剣を振るう
剣による攻撃を避けられ蹴りを食らう
激痛が走るが堪えて次の攻撃を盾で防ぐ
盾を弾かれ攻撃をギリギリで躱す
魔物を抑えるだけでなく倒さなければならない
2人が居ない今5人で止めなければならない

「ここで死んだとしても!」

今、戦力が必要
守護隊員は皆前衛で戦える
それなら少しでも早く彼らを連れてくるのが勝率が高い
連れてくる際に2人のうちどちらかを失う負傷する事を避けたい
それなら最善策は2人を送り5人の騎士が死んでも魔物を止める事
魔物を倒すが次の魔物がやってくる
盾を弾かれた騎士は盾を回収する暇はなく次の戦闘を行う
攻撃を受けても歯を食いしばり立ち上がり剣を振るう
鈍い音が響き血が飛び散る
(……本当に急がないと行けない。だけど)
ゼラはあれを使う覚悟が決まらない

「邪魔をするな!」

叫び刀を振るい進む
進んでいき魔物の群れの隙間から守護隊員の1人が見える距離まで来た

「見えた」
「突破します」

大盾を構えて魔物を吹き飛ばしていく
そして合流する
数人で集まり魔物を倒し続けていた

「副隊長?」
「代理で命令、防衛部隊と合流」
「了解」

短い会話で話を終えて守護隊員を連れて魔物の群れを蹴散らして戻る
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