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病研究編
病弱聖女は身体が病に蝕まれていく
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何日も何日も訓練をし続ける
治療の仕事が入ったら治療をする
治療を終えて城に戻る
「今日の治療多かったですが魔物の襲撃でもありました?」
「あぁ数は少ないが城壁付近に現れてそれの対応でやられたそうだ」
「そうなんですか……」
あの大規模襲撃の後もちょくちょく魔物が現れてそれの対応に追われている
襲撃の時の残党だろうか
ゴーレムやサンドワーム程の魔物は出てこないがそれでも弱くない魔物も出てきて門番だけでは苦戦しているようだ
「私にも出来る事有りますか?」
「治療で充分だ。今は遠征も出来ないしな」
「遠征ですか」
「遠くに生息する魔物の素材、材料を手に入れる物だ。数十人規模で向かう」
「成程」
私は1つ考える
遠征に参加すれば比較的安全に素材を入手出来るんじゃないかと
数十人規模なら戦力も充分
「遠征って聖女も行きますか?」
「いや、基本は付いていかない。殲滅作戦に同行する事があるくらいで何があってもいいように国に待機する」
「そうですか」
「なんだ行きたい場所でもあるのか?」
「外に興味があるってのと魔物の素材が必要なので」
「魔物の素材? あれでは足りなかったのか?」
「実は」
アカリさんと話した内容を教える(私が取りに行こうとしている事は伏せる)
レオナルドさんは成程と納得する
「高濃度魔素か。厄介だな」
「アカリさんが言ってたんですがやっぱり危険なんですか?」
「魔物の種類によるとしか言えないが強い奴は騎士団長でも厳しい」
「騎士団長でも……」
「だから中々難しい注文だ。遠征でも無理に戦う気は無い」
「そうですか」
そう簡単には行かないようだ
……無理かぁ
城の外で訓練を始める
小さな玉を作って数を増やす
時間が経ち小さな玉が順調に増えている
今では7個ならしっかり維持が出来る
……最低でも後8個、倍以上を維持しないと
8個目を作ると爆散する
また7個作って維持をしていく
少しずつ形も綺麗な球形にしていく
「もう7個か成長が早いな」
「出来るだけ早く技術力を上げておきたいので何があってもいいように」
「そうか」
レオナルドさんも試している
「成程、確かにこれは技術が無いと難しいな」
そう言って15個の小さな玉を作っている
ヒナ程ではないがそれでも相当な技術
……普通に越えられた。いやまぁレオナルドさんは元々戦ってたからうん
焦らずに小さな玉を1つずつ増やしていく
それから一月の時間が経ち城壁の修復が終わり、残党も現れなくなった
私は聖女の役目を行いながら実験を見に行ったり訓練を積み重ねていた
朝、私は自分の体調の悪化に気付く
魔法で抑えていた症状が抑えられなくなっているようだ
薬を服用しても効果が殆ど無い
身体機能は魔法で何とか補えているが取り繕うので限界
……まだ時間はあったはずなのに
まだ2年は持つと言われていた
力を得てから無理をしたからだろうか、間違いなく病の症状が進行している
私は口を抑える
食事を持ってきていたエルリカが入ってくる
「食事を持ってきました。今日は……アナスタシア様!」
私の手から零れる血に気付いたエルリカが駆け寄ってくる
「血が……すぐに医者を呼んできます」
「大丈夫」
血で汚れていない方の手でエルリカの手を掴む
この状況がバレたら私は多分動く事を止められる
そうなったら自由に動けない
漸く動けるようになった
そして目的もある今、それを阻まれたくない
「私は大丈夫、この程度なら前からあったから」
血を吐く事はあった
しかし、血の量が今までの比では無い
平気だと嘘をつく
苦しいが我慢をする、この程度なら耐えられる
「で、ですが……」
「ちょっと血が多く出ただけ、他の異変は無い。布団を汚してごめん」
「そのくらいは問題ありません!」
「私は! 止まる訳には行かないんだ」
「……分かりました」
エルリカはこれ以上触れない
心配そうに見てはいるが
血を拭いてから食事を取るが鉄の味がする
……急がないとダメか
悪化したのならもう長くは持たないのだろうと理解する
なら急ぐ必要が出てくる
私が出来る事を生きている間にやる為に
研究の成果は出たがまだ足りない、他の研究者も動く程の成果が必要
その為には高濃度魔素を保有する魔物の討伐
一先ず私に出来るのはそれだけ
……他にも何か私が残せる物を探さないと
前から生きている間に出来る事をやると言うのは変わらないがその中に死後私が残せる物を残すと言う考えも出始めた
昔の私なら考えもしなかったが今の私なら何か残せるかも知れない
平然を装っていつも通りの行動を取る
訓練中に考える
……聖女の魔法についてなら……いや既に情報はあるなら新しい魔法の作成? いや私にそんな才能は無い。せめて長所と短所を纏めておこう
聖女の魔法はそれぞれの使い手が少ない
だから私のような特異な聖女が使って長所と短所を書き記していれば後から役に立つ
魔力の玉が爆散してハッとする
考え事をしていて魔力操作を疎かにしていた
「何か考え事?」
「ちょっとね」
「多分あの2ヶ月くらいで15個は行けると思うよ」
「2ヶ月かぁ早い?」
「かなり早いペース、才能あるよ」
「それは良かった」
……2ヶ月
2ヶ月後も私が動けるか分からない
アカリさんに焦るなと言われているが今の状況では焦らないのは難しい
訓練を続けて夜になり終わりにして自室に向かう
治療の仕事が入ったら治療をする
治療を終えて城に戻る
「今日の治療多かったですが魔物の襲撃でもありました?」
「あぁ数は少ないが城壁付近に現れてそれの対応でやられたそうだ」
「そうなんですか……」
あの大規模襲撃の後もちょくちょく魔物が現れてそれの対応に追われている
襲撃の時の残党だろうか
ゴーレムやサンドワーム程の魔物は出てこないがそれでも弱くない魔物も出てきて門番だけでは苦戦しているようだ
「私にも出来る事有りますか?」
「治療で充分だ。今は遠征も出来ないしな」
「遠征ですか」
「遠くに生息する魔物の素材、材料を手に入れる物だ。数十人規模で向かう」
「成程」
私は1つ考える
遠征に参加すれば比較的安全に素材を入手出来るんじゃないかと
数十人規模なら戦力も充分
「遠征って聖女も行きますか?」
「いや、基本は付いていかない。殲滅作戦に同行する事があるくらいで何があってもいいように国に待機する」
「そうですか」
「なんだ行きたい場所でもあるのか?」
「外に興味があるってのと魔物の素材が必要なので」
「魔物の素材? あれでは足りなかったのか?」
「実は」
アカリさんと話した内容を教える(私が取りに行こうとしている事は伏せる)
レオナルドさんは成程と納得する
「高濃度魔素か。厄介だな」
「アカリさんが言ってたんですがやっぱり危険なんですか?」
「魔物の種類によるとしか言えないが強い奴は騎士団長でも厳しい」
「騎士団長でも……」
「だから中々難しい注文だ。遠征でも無理に戦う気は無い」
「そうですか」
そう簡単には行かないようだ
……無理かぁ
城の外で訓練を始める
小さな玉を作って数を増やす
時間が経ち小さな玉が順調に増えている
今では7個ならしっかり維持が出来る
……最低でも後8個、倍以上を維持しないと
8個目を作ると爆散する
また7個作って維持をしていく
少しずつ形も綺麗な球形にしていく
「もう7個か成長が早いな」
「出来るだけ早く技術力を上げておきたいので何があってもいいように」
「そうか」
レオナルドさんも試している
「成程、確かにこれは技術が無いと難しいな」
そう言って15個の小さな玉を作っている
ヒナ程ではないがそれでも相当な技術
……普通に越えられた。いやまぁレオナルドさんは元々戦ってたからうん
焦らずに小さな玉を1つずつ増やしていく
それから一月の時間が経ち城壁の修復が終わり、残党も現れなくなった
私は聖女の役目を行いながら実験を見に行ったり訓練を積み重ねていた
朝、私は自分の体調の悪化に気付く
魔法で抑えていた症状が抑えられなくなっているようだ
薬を服用しても効果が殆ど無い
身体機能は魔法で何とか補えているが取り繕うので限界
……まだ時間はあったはずなのに
まだ2年は持つと言われていた
力を得てから無理をしたからだろうか、間違いなく病の症状が進行している
私は口を抑える
食事を持ってきていたエルリカが入ってくる
「食事を持ってきました。今日は……アナスタシア様!」
私の手から零れる血に気付いたエルリカが駆け寄ってくる
「血が……すぐに医者を呼んできます」
「大丈夫」
血で汚れていない方の手でエルリカの手を掴む
この状況がバレたら私は多分動く事を止められる
そうなったら自由に動けない
漸く動けるようになった
そして目的もある今、それを阻まれたくない
「私は大丈夫、この程度なら前からあったから」
血を吐く事はあった
しかし、血の量が今までの比では無い
平気だと嘘をつく
苦しいが我慢をする、この程度なら耐えられる
「で、ですが……」
「ちょっと血が多く出ただけ、他の異変は無い。布団を汚してごめん」
「そのくらいは問題ありません!」
「私は! 止まる訳には行かないんだ」
「……分かりました」
エルリカはこれ以上触れない
心配そうに見てはいるが
血を拭いてから食事を取るが鉄の味がする
……急がないとダメか
悪化したのならもう長くは持たないのだろうと理解する
なら急ぐ必要が出てくる
私が出来る事を生きている間にやる為に
研究の成果は出たがまだ足りない、他の研究者も動く程の成果が必要
その為には高濃度魔素を保有する魔物の討伐
一先ず私に出来るのはそれだけ
……他にも何か私が残せる物を探さないと
前から生きている間に出来る事をやると言うのは変わらないがその中に死後私が残せる物を残すと言う考えも出始めた
昔の私なら考えもしなかったが今の私なら何か残せるかも知れない
平然を装っていつも通りの行動を取る
訓練中に考える
……聖女の魔法についてなら……いや既に情報はあるなら新しい魔法の作成? いや私にそんな才能は無い。せめて長所と短所を纏めておこう
聖女の魔法はそれぞれの使い手が少ない
だから私のような特異な聖女が使って長所と短所を書き記していれば後から役に立つ
魔力の玉が爆散してハッとする
考え事をしていて魔力操作を疎かにしていた
「何か考え事?」
「ちょっとね」
「多分あの2ヶ月くらいで15個は行けると思うよ」
「2ヶ月かぁ早い?」
「かなり早いペース、才能あるよ」
「それは良かった」
……2ヶ月
2ヶ月後も私が動けるか分からない
アカリさんに焦るなと言われているが今の状況では焦らないのは難しい
訓練を続けて夜になり終わりにして自室に向かう
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