無色の君

代永 並木

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8話

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家に着くと誰かが家の前に立っていてこちらに気がついたらしく近づいてくる
「おっ、ようやく帰って来たね。残念ながら美鶴ちゃんを説得は出来なかった。どうするの?」
茉耶姉であった。
茉耶姉は美鶴の説得を行っていたが成功しなかったらしい、まぁ、予想通りであったが無駄ではないだろう
「シーナさ作戦中に別行動するらしいから姉さんは佐原と一緒に居てくれ」
俺はそう言って部屋に入る
「分かったわよ。作戦が明日になったの聞いた?」
茉耶姉は扉を閉めようとしている俺に向かって話す
「聞いた。作戦は問題無いがその後が厄介らしいから準備しておけよ」
俺はそう言って扉を閉めて中に入る
(リンクは切ってあるから話す事は出来ないから少し面白いものでも作ろうかな?)
俺は部品になりそうなものをかき集めて机に置いてものを作り始める。
軽く2時間程度使って作り終えたので寝る支度を済ませてさっさと寝る。
翌日の朝俺は起き上がり昨日作ったものを持って準備をして扉を開けて外に出ると茉耶姉が待っていた
「そういえば美鶴ちゃんはどうするの?」
茉耶姉が聞いていた
「その件に関しては考えてあるから心配無いから作戦に集中する。まぁ、終わったらすぐにシーナを呼びに行って作戦後の事をゆっくりと考えるか国民が気づくのには2日程度掛かるかもしれないから決行は夜だと思うから少し余裕があるな」
俺は淡々と答える。
会議が行われるのは関係なくなっていたが夜は警備が緩くなる時間帯が存在している為その時間に制圧を行う。
時刻は12時であり12時には少人数制で警備をしているそうだ。ちなみにその警備担当が沖田さんたち2人である為絶好のチャンスなのだ。
そのため作戦日を変えたようだ。
美鶴は多分知っているから止めにくるだろうがあいつが止めるので安心して作戦を行える
作戦内容は重要拠点を叩くのと暗躍していた人物達の暗殺とその他お偉い方の捕獲である。
なぜか今日は会議が無いのに全員が揃うという情報を得たので決行するらしい……罠だよね? まぁ、罠でも概念武装で無理やり突破すれば関係ないよなぁ?
「美鶴ちゃんをどうするの?」
茉耶姉が少し質問を変えて聞いて来た。多分作戦終わった後の事を言っているのだろう
「さぁ、その時になってみないとな」
俺はそう答えた。実際のところもう決めてはあるがあいつの行動によって変わるのでこう答えた
「……そう、じゃあまた夜に」
茉耶姉はそう言って中に入る
「あぁ……さてと俺がほかに出来る事はなんだ? ……人を殺すのだからこいつを使うしか無いよな? 今更人を殺すのを戸惑ってなんて要られ無い。それに俺の目的は美鶴をどうにかする事だからな。あいつ自身の色は何かあるはずだから俺は見つけ出す」
俺は独り言を呟いて外に歩いて行く。
その後アジトに行って全員と少し話して準備を始める。リンクを繋いで2人と連絡を取れるようにして夜を待つ
……リンクを切ってどこに行っていたのかな?
……さぁな、言ってしまったらリンクを切った意味が無くなるだろう。まぁ、知り合いのところだけどな
……隠れて会うほどの人なの?
……人見知りでサイコパスで占い師に会って来た。家に着いた瞬間にナイフが飛んできて戦闘になってなんとか勝ったがその時に使った技は言えないな。まぁ、占い師に色々と言われてしまったが
……私達は世間話をしてた
……してましたね。知らない事を色々と教えてくれました
……そりゃあ良かったな。作戦を速攻で終わらせるぞ。
……鎧使う?
……最初から出し惜しみはないだ。手加減はしない。占い師によるとその後が困るらしいからすぐにそっちに取り掛かりたい
……その問題が解決したらどうするの?
……何も考えてないぞ。まぁ、何とかなるだろう。
……行き当たりばったりですね。
その後夜になった時俺と朝霧さんがその場所に移動する。移動中に朝霧さんが話しかけてきた
「なぁ、お前は国を変えたら何がしたいんだ? 俺たちはしっかりとした権利とか色々と求めているけどお前の目的が分からない」
「俺の目的はよく分かりませんが多分一番は美鶴ですかね?」
「美鶴? なぜあの子なんだ? あの子と戦っていたよなお前」
「嫌いになれないんですよ。多分好きなんだと思います。あいつが言っている事だって理解出来ない訳じゃないですしあいつと一緒に居た時は心地が良かった。無色だからなのかそれともそういう奴なのか分かりませんが」
俺はそう言って外を見る。建物が沢山建っておりコンクリートジャングルの異名は頷ける
「そうか、それなら彼女としっかりと話して彼女を守れよ」
「分かってますよと言ってもあいつの方が一応俺より実力は上ですけどね。ジャミングを最大にして戦ったから時間はかかったしそこまで強くなかった。いざとなればあいつは俺を容易く殺せるでしょうし」
俺は苦笑する。自分の弱さとあいつの強さを比べて自分がどれだけ弱く惨めなのか思い示されたからである
「そうか、そろそろ着くぞ。準備をしろ」
「分かりました」
俺たちは車から降りて建物の中に入るが誰もおらず真っ暗であった
……暗い? 何で沖田さんたちがいるんじゃないの?
……いるぞ。俺たちが入れるように暗くしてくれているんだよ
……暗くて援護が出来なそうです。すみません
……いや、お前は建物の周りの状況を確認しといてくれ
俺たちは素早く非常階段を使って二階に上がり沖田さんと歪鵞と合流して俺と沖田さんが前に出て概念武装を起動して構える
「しっかりとお偉い方は来ていたぞ。罠では無いようだ」
「そうですか、分かりました。一気に制圧しましょう」
「こいつらが暗殺のターゲットだ」
沖田さんが紙を渡してくる
「分かりました。俺1人やりますので3人は他のメンバーを確保してください」
「分かった。任せたぞ」
……鎧は黒いから潜入に向くけどどうするの?
……タイミングに合わせて歪鵞が照明を消すそうだ。そのタイミングで中に入ってターゲットを全員殺す。鎧は隠れるよう以外には使わない。俺のあの技でやる
……朝に言ってた奴? 分かった。暗闇に紛れられるようにより黒くする
……任せたぞ。
「歪鵞頼む」
「行くんだな任せろ」
歪鵞は手元にあるボタンを押すと照明が消えた。その瞬間に俺は中に入りターゲットを探して見つけ次第殺す
「まずは1人」
すぐに見つけた1人目のターゲットは何が起きたか分かっておらず正面から掌底を打ち込んで殺す。掌底で肋骨を折って心臓などの内臓にダメージを与える。
倒れたのを確認して次のターゲットを殺す。その後5人を殺してから照明がついた。全員がこちらを向いて驚いている
「悪魔」
「どうも悪魔です。殺す相手は全員殺したからあんたらは捕獲だ。殺さないし食ったりもしないから大丈夫だ。抵抗したら殺すがな」
俺は全員に伝える。その後すぐに3人が中に入って縄で縛る
「なぜ貴様らがテロリストになっている。答えろ」
「此方の方が俺達の目的に近かったからだ」
「こんな事やっていいと思っているのか?」
「良いとか悪いとか言う話じゃ無いですよ。勝った方が正義だ。国を変える為何ですみませんが少し黙れ」
俺はうるさかった1人を殴って気絶させる
……制圧完了
……早いね。あの技は何?
……暗殺拳だ。一年程前に習ったんだよ
……知らなかったです
……言ってなかったからな。占い師の時に使ったからそいつ以外今は誰も知らないと思うぜ
……この後どうするの?
……ここで別れて美鶴達の方に行く。その後アジトでその後について作戦会議だ。
「すみません。俺美鶴の方に行きますのでここを任せます」
「分かった。行ってこい」
「すぐに合流するのでそれまで頼みました」
俺はそう言って外に急いで出て最初に美鶴と戦った草むらに移動する。約20分程度経って着いたので見てみると戦闘を行っていた
「甘いな。この程度で勝てるとでも?」
「何で攻撃が見えるの? いやあの技すらも食らわないなんて一体どんな概念武装なんですか?」
「答えないよ。敵にわざわざ手の内を明かすような馬鹿では無いので」
「だよね。私もその意見に同意するよ。そんな馬鹿じゃない」
2人とも会話をしているが美鶴は全力で戦っているようだ。美鶴は姿を消しているがあいつは軽く避けている。しかし、かなり妙である。美鶴にはとつぜん何かが身体を貫くあの技があるはずなのに食らっているようには見えない
……使ったのに倒れなかった?
……そう考えるのが妥当だろう。止めるもの良いが見てみたい気がする
……確かにそうだね
……そうですね。そっちにはすぐに着きます
……そうか、あいつは完全に時間稼ぎっぽいから
……彼女の正体なんなの?
……あれ? 分からないのか。まぁ、これが終わったらわかる
その後すぐにニーナが合流して2人で観戦する。しばらく経った後ようやく動きがあった。義妹が突然何かに貫かれて倒れる。血が流れ即死に見える。
……嘘だろ。あいつが負けた
……死んだんじゃないの?
……分かりません。死んでいるみたいに見えますが生命活動が止まっていませんけど動きません
……早く治療しないと死ぬぞ
「あぁ、残念です。貴女は私を本気で殺そうとしましたので食らってください。我が概念武装の力を」
そういうと立ち上がり何事もなかったかのようにしている。服は破れているが白い綺麗な肌が見える
……貫かれた筈だよな?
……確かにそう見えた……美鶴ちゃん?
ニーナが叫んだので美鶴のいる方を見ると美鶴が倒れていた。大量に血が流れている
俺はすぐに立ち上がり美鶴に駆け寄る
「おい、美鶴大丈夫か?」
「私の時は心配しないのに酷いなぁ。兄さんはどいて少し聞きたい事があるから」
「聞きたい事?」
俺はどかされて美鶴に何やら聞いている
「ねぇ、美鶴ちゃん? 何かやり残した事ある?」
「やり……残し……た……事?……ある…」
「何かな?」
「……あの人……連君に……もう……一度……だけ……でも……言いたい……事が……ある」
「告白がしたいの? 条件があるよ。兄さんを私にくれたらいいよ」
「……ダメ‼︎……嫌だ……それだけは……私は……あの人が……好きで……好きに……なって……貰いたい……の……だから……貴女には……渡したくない‼︎……こんな女……嫌い……だろうけどね」
「おい、シーナ助けろ。こいつはお前の姉なんだろ? 椎名瑠衣」
俺は義妹の正体を明かす。シーナ・ホンシェルは偽名で本当は椎名瑠衣という名である。詳しくは占い師にメールで送られてきた
「よく分かったね。でもやだ。姉妹といっても彼女は椎名家の後継者で私は失敗作として見捨てられただから彼女は殺す。何が何でもね」
「こいつ自身がお前を失敗作として扱っていたなら俺は決して許さないだがこいつではなく家の奴らだけだったら助けて貰いたい」
「それは分からないけど嫌だ。こんな事がバレたら私は……嫌だ‼︎ 私は逃げたのにまたあそこに戻りたくない。彼女さえ死ねば私はあそこに戻る事はもう2度とない。あそこは暗い誰もいない何もない」
シーナは怯えて座り込んでしまう
「……牢獄部屋……本当にあっ……たんだね……それじゃあ……仕方が……ない……連君……ごめんなさい……作戦の……邪魔をして……しまって……でももう……邪魔する者は居ない」
美鶴はそう言って手を動かす。周りに水が現れて美鶴に攻撃を行うが俺とニーナで防ぐ
「死なせるかよ。シーナは美鶴を助けろ。心配するな俺が守ってやる。2人ともな」
俺がそういうとシーナは泣き出して美鶴の怪我を治したら1つの木がバギバギと言って倒れる。美鶴は何事も無かったかのように立ち上がった
「あれ? 痛みも傷もない」
「問題ってのは椎名家の事か? その程度ならすぐに終わらせてやる。美鶴に聞くがお前はこいつを見下していたか?」
「見下してない‼︎ 私は違う。むしろ知らなかったの私に姉妹がいることを知らなかったのだから嫌わないで」
「そうなのか?」
「知らなかった? 何で? 私は確かに貴女の前には出てなかったけど」
「存在を教えられてなかったのか。他は椎名家って全員がそうなのか?」
「そう、姉さん以外はそうだと思う。姉さんは分からないけど」
「まだ信じられない。すまないが美鶴に関しては信用が出来ない」
「えっ‼︎ どうしたら信用してくれるの? 何でもするから」
美鶴は必死に泣きそうな顔をしながら聞いてくる
……一途というか必死過ぎないこの子、可愛い過ぎる愛おしいよ。今抱きついて告白して見てよ
……いや、これをやるなら俺から告白しよう。これは本気だが抱き着きはしないだろう
……ほほう、いいねいいね。それで一体何なの?
「お前が椎名家を俺と一緒に滅ぼす事だ。今更1つの一族を滅ぼす程度俺には何ともない。今回はお前がその手で潰すことに意味がある。かと言って殺す必要はない。椎名家にもう2度と口を出さないようにさせれば問題ない」
「やる‼︎ あの人達は私も嫌いだから」
「そうか、それなら今から行くぞ。案内しろ。シーナも来い。必ずお前を守ってやるからな」
「分かった。兄さんお願いね」
俺たちはニーナも入れて椎名家に向かう。しばらくして椎名家に着く。大きい屋敷であった。
……デカイ
……屋敷だ。初めてみた
……屋敷なんて結構あると思うけど
……それはいつの話だ?
……200年以上前かな?
……最近はそんなにないんですよ。豪邸とかは有名人が住んでたりしますけど屋敷はお化け屋敷くらいしか
……あとは昔に建てられた屋敷しか知らないな。椎名家って結構お金持ち?
……多分地下に牢獄部屋があるのでしょう。牢獄部屋なんてものがありますからかなりお金持ちでしょう。
……金奪って行く?
……相手の対応によるが多少は貰って行くぞ
……相手の態度が悪ければ全財産貰い受ける。悪者には慈悲はいらないやるなら徹底的にです
……そうだな。徹底的に叩き潰すか。ニーナは待機な
屋敷の中に入ると人が立っていた
「楓‼︎ 何をしていた答えろ。失敗作と一緒か。失敗作なんぞ死んでくれて入ればよかったものの」
男が怒っているようで悪態を吐く。俺は男の首を掴んで持ち上げる
「どうも、失敗作の兄をやっております。篠原連と申します。今こいつは俺の可愛い妹なんでな。調子に乗っているとこのまま首をへし折るぞ」
俺は笑顔で力を入れる
「こんな事して良いのか? そいつらは俺達の道具に過ぎん。おい、こいつを追い払え」
「無理、私はこの人の命令になら聞くけど他の人の命令は聞く気にはならない」
「誰が貴様ごときの言葉を聞くと思ってるんですか? 悔いて死んでくれたら考えますよ?クソ野郎」
「口調が変わってるぞ。敬語を使ってるのになんかおかしい」
「お前ら、仕方がない殺せ」
……金巻き上げ決定
……これで働かなくても数年は生きられるよ
……そうだな。それは非常にありがたい
銃を持った人たちが集まりこちらに向けてくるが男がいるため撃てないようだ
「貴方がいるから撃てませんよ。それに少し前に俺は悪魔と呼ばれていた者ですので手加減は出来ませんというよりする気がありませんのでご注意をして死んで行ってください」
俺はそう言って男を離すと男が逃げて安全な場所に移動したのを確認して他の人々が撃ってくるが全弾水によって防がれる
「連君にも妹にも傷1つつけさせやしない」
そう言って美鶴は水で敵を薙ぎ払う。男はその様子を見て腰を抜かしている。男を見て俺は少し笑い近く
……合格だな。美鶴のはそういえば水を操る概念武装か片方は
……もう片方は認識かな?
……水になって避けたって事? 高等技術だよね?
……そうだね。肉体が戻らない可能性があるからかなり危険
……美鶴はそれを平然とやってのけたのかよやばいな
「よう、お前を殺す気は無いがさっきの言葉にはイラついてな? 全財産寄越せ。それで許してやるよ」
「ふざけるな。貴様等ごときにやる金なんぞ1円も無い‼︎……え?」
ハンドガンを持って男は強気で言ったが言い終わった後に少し驚く。何故なら男の腕を俺が持っていたからである。断面は綺麗で刀で斬られているかのようだった。血が沢山溢れている
「ヒィー俺の腕がーー」
男は叫ぶ。状況を把握して絶望していた。男は少し後ずさるが壁にぶつかった為必死に逃げる方法を模索している
……逃げられないのに
……逃す気は一切無いがまぁ、聞いてやろう
「待て、金をやるしお前の欲しいものをなんでもくれてやるから助けてくれ、そこの2人なんかよりも良い女だっているし地位だっ……」
……俺にとってこいつ等は最高だ。シーナは妹としても女としても十分だろうし美鶴は俺の1番好きな奴だ。馬鹿にすることは決して許さん
……君は結構シスコンなのかな? それと完全に隠す気ないね君
……作戦のためとはいえ一度断って良かったの? かなりショック受けてると思うけど
……仕方が無かったんだよあの時は本当だったら付き合いたかったさ
「……あれ?」
男はそれ以上語ることは無かった。いや、語る事が出来なかったのだ。首を切断されていた為、俺は腕を捨てて屋敷の中を探検して金目の物や金を取って2人を連れて外に出る。ニーナが待っていた。返り血が付着していたので奇襲されたのだろう
……結局殺したね全員
……そうだな。少しイラついてやってしまったが後悔はしていない
……どうするの? 信じる?
……信じるさ。問題はいつそれを言うかだなぁ。俺はこういうの初めてだから分からない
……今やっちゃいなよ。チャンスだよ
……今は駄目だせめて明日にしてもらいたい。覚悟が出来ていないんだよ。わかるよな?
……一度断ってる奴が何をほざいていやがりますか? とりあえず苛つくので当たって砕け散ってください
……お前なんでそんなに当たり強いんだ?
……なんというか彼女が努力して告白してたのに断った奴が告白する覚悟が欲しいとかほざいていたので
……それは仕方がない。では、行くが良いよマスター、心配無い断られることはないだろう………………多分?
……なんで最後に多分をつけるのかな? そこは言い切ってもらいたかった。せめて数分待ってくれ
……それぐらいなら良いですけど逃げたら私が全力で捕まえます。
……ちなみに身体強化補正はかなり高いからマスターが生身で逃げる事はまず無理だよ。まぁ、男ならビシッと決めなさい
俺は深呼吸をして覚悟を決めて言葉を考える。恋愛経験がない俺にとってはかなりきつい場面であり言葉が見つからない。一度断っている為何を言えばいいか分からない。
……ヘルプ何を言えばいいか分からん
……君のことが好きだった。付き合ってくれでいいんじゃないの?
……断った理由を聞かれたら作戦の事に力を入れたかったからあの時は断ったが本当は好きだったんだでいいんじゃないのかな?
……そういうのでいいのか?
……いいんじゃないの。むしろ彼女は嫌われていると思っているかもしれないし断ることは無いでしょうね。あんなに必死だと
……うんうん、無いでしょ。返り血を浴びてる人からの告白って結構凄い光景だけどね
……そこは気にしないでくれよ。まじで、仕方ないだろう。体が勝手に動いたんだから
……まぁ、仕方がないよね。
俺は止まり後ろに振り返るとニーナが笑って後ろに下がる。シーナも状況が分かったらしく後ろに下がってニーナと小声で話している
……絶対シーナちゃんにはバレたね。
……あいつは頭が良いからな。この状況になれば分かるよな
……分かっていますよ。邪魔をする気は無いそうです
俺は美鶴の前に立って深呼吸をする
「どうしたの?」
「えっと……あぁ、えっと……」
「兄さん早く話しなよ」
「そうだ話しなよ」
2人が急かしてくる
「うるせえ。ちょっと待てや」
「? 一体何なの?」
美鶴が首を傾げている。現在の状況では美鶴は理解ができていない為状況が分からないようだ
……遅いよ。遅過ぎる早くしなよ‼︎
……ちっと待ってくれ。
「俺はお前の事が好きだ。付き合ってくれ」
俺は意を決して美鶴に伝えると美鶴はポカーンと口を開けている
「どういう事? えっ⁉︎」
「好きだって言ってるんだ。まぁ、一度断った理由は作戦があったからってのだ。……信用なんねえか」
「兄さんキスすれば? 私としたんだし」
「お前はいきなりやっただろ。あれは俺の意思じゃ無いぞ」
「なら、してあげれば? 自分から」
……やっちゃってください
……やってしまえば良いよ。嫌がらないと思うよ。早くしないと誰かに取られてしまうかもしれない
「わかったよ。最初に謝っておくな。すまない」
俺はそう言って美鶴にキスをして抱き着く。離れると美鶴は座り込んで泣いてしまう
「あ、泣いた」
「あぁ、泣かしてしまったね」
「すまん。いや、謝っても意味が無いよな?」
「……謝る必要無いよ。う、嬉しかったし、断る理由はないから」
美鶴は顔を真っ赤にしている
「おやおや、まぁ、そんなんじゃあ私が兄さん貰っちゃうよ」
「駄目‼︎ 絶対に駄目、嫌だ」
美鶴は俺の手を強く抱きついている。美鶴は泣いている。
……結婚したら浮気とか許さないししないタイプだよね。後、男から暴行されても離れないかな?
……する気はないぞ。
……他の人達に言い寄られても? しないと言い切れる?
……少なくとも見捨てはしないぞ。見捨てはしない
……おや? 浮気はするって事かな? まぁ、みんな個性的だけど結構しっかりとしてるけどそんなことをしなそうだけど……いやしそうだね。まぁその事ちょっと聞いてみてニーナちゃん
……任されました。
「ねぇ、もしも私達が連君の愛人でもいいからなりたいと言ったらどうする?」
「え? それはどうしよう。うーん」
「考えるんだね。別に構わないの?」
美鶴が考えている間にニーナと話す
……さて、これが問題なのか?
……問題? 占い師に言われたの?
……そうだ。他にもあるんだったらあいつらと合流しないとな
……無理だよ。他のメンバーは自分のやる事を全員やっている。沖田さんたち3人は新しく警察を支配して闇ルートなどを利用して危険な人物を捕らえようとしているので復讐者の集いも裏でこの国に手を貸す方向でやっているよ。茉耶ちゃんは沖田さん達に力を貸すそうだよ。闇商人2人組は沖田さん達に力を貸していると思う
……どっからその情報を手にしたんだ?
……リンクを切っていた間に全員が話していたんだよ。知らないのは君だけだよ。沖田さんが持つ概念武装とリンクしてみたら監視が出来るようになったの。剣ちゃんは佐原さんが預かってる。君がやる事は取り敢えず中立組織を作ってそこでこの国を監視する事、抑止力になる事だよ
……分かった。取り敢えずはメンバーはここにいるメンバーで作るか
「私から奪わないなら構わないよ」
「シーナ‼︎ ここにいるメンバーで組織を作るでいいか?」
「これだけ? 情報を集める人が居ないと」
「あの2人を入れる。闇商人なら情報を手にすることが可能だ。あいつらには沖田さんも朝霧さんも情報を提供してくれるはずだ」
「あの2人ね。私が連絡を取るわ。アジトとなる場所は用意してあるわよ」
シーナは連絡を取りながら先頭を歩くので全員でついていく。しばらく歩くとシーナと会っていた店に行く。
「ここがアジトか?」
「そうだよ。今はオーナーが居ないからこの店をくれたんだよ」
「成る程な。中入るか」
全員で中に入る瞬間に撃たれる
「銃撃‼︎ 全員中に入れ‼︎」
俺は叫んで鎧をつけて撃ってきた方角を向く
……全員中に入ったな
……全員無事だよ。なんでバレたの?
……さぁな、それよりも問題がある。撃ってきたのが誰かによる。敵によっては面倒ごとになるぞ
……敵の予想は? また沖田さんでは無い筈だよね?
……違うな。音がしなかったからサプレッサーか? それとも聞こえない程の距離で撃っていたのか? 知っている限りそんな距離から撃てる奴なんて知らねえぞ
……1キロ以上ですよね?
……多分、スナイパーに関してはニーナがわかるよな?
……分からない。2キロ以上の狙撃手? でも日本には居ないはず
……そうなのか? じゃあ外国人か? いや日本人で海外活動して居た人物? くっそ分からん。対物じゃないからこちらにダメージがないよな?
……ないよ。
俺は撃ってきた方角に向かってしばらく走るが狙撃手が見えない。
……見えねぇぞ。逃げたのか?
……多分逃げたのかな?
……一体誰が? こんな事を、この中で命が狙われている人って誰?
……分からん。取り敢えず戻る……‼︎ また撃たれた何処にいるんだ?
……戻るよ。場所が分からない以上戻って作戦を考えるよ
俺はスピードを上げて逃げる。その最中に狙撃をしては来なかった。逃げたのであろう。俺は店に着いてすぐに中に入ると美鶴が概念武装を使う
「認識か?」
「そうよ。私の概念武装ファラの力」
「ファラトラス……ファラとラスか。成る程な」
「これからどうする? 店だから食べ物と部屋はここにあるから住めるけど狙撃手の事が分からないから外に出られないね」
「じゃあどうするか?俺は鎧をつければ大丈夫だけど」
「相手のことさえ分かれば私の概念武装が使えるけど見えなかったんでしょ?」
「取り敢えず待機だな」
「私も認識を操れば行ける」
俺たちは取り敢えず待機することになった。夜鬽や澪には伝えた為この件が終わるまでここには来ない。
……なんで外したんだろう?
……外した? あぁ、1発不意打ちしたのに外れてたな。ミスをした?
……当たる可能性がある狙撃はおかしいよ。それだったら距離を縮めてでも撃つ筈、あえて外す理由も分からないけど
……警告? 命を狙っていると思わせて動きを制限する気なんじゃないの?
……それとも監視している事を伝えた? どちらにしても理由が分からない
……なんなんだろうな。早く調べないと不味くなりそうだ
俺はそう言って鎧を纏って外に出る。もう一度あいつに会いに行く。今回はリンクを切らないでおくことでニーナと会話がいつでもできるようにする。危険が分かればすぐにでも向かえるように余力を残しながら行く。約2時間かけて家のあった場所に着いたが家は無く木が飛び散ってた
「なっ‼︎……美空‼︎ 何処だ」
俺は呼びかけるが返事がない
……どうしたの?
……あいつが居ねえ。何処にいる
……占い師がやられたの?
……あいつは概念武装こそ持っていないが中々の実力を持っているしガチの戦いで負けそうになると身を引く
……それじゃあその隙が無かったのかな?
……この事をその場の全員に伝えておけ。守れよ。俺はこのまま探す
俺はそう言って家のあった場所の木を退かして探す
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