26 / 29
呪い編
呪いの専門家
しおりを挟む
アルトは騎士団に向かい2人はギルドへ向かう
「まさか裏で貴族が無法者と繋がっているとは」
「驚きだねぇ」
コットーとは別の貴族がスラム街の元締めと繋がっていたとはクロナも思ってはいなかった
……それも騎士団の副団長の兄妹とは
ギルドに行くがユイラは見つからない
「騎士団?」
「かもね。そんなに時間は経ってないし」
「呪使いの事がわかったとしてもどうやって見つけるつもり?」
「……さぁ?」
「え?」
「まぁでも知ってる人間なら大体の活動域は分かるんじゃない?」
「呪いの解除は本人以外は無理?」
「多分? 他の手が使えるならそっち試してると思うし」
「リミットは?」
「……後11ヶ月」
「短い」
「そう、短いんだよ」
1年という時間でたった1人を見つけ出すのは困難を極める
王都に居れば良いが国外に逃亡していたら騎士団の協力があったとしても他国での捜査は厳しい
「そろそろ合流の時間だから行こう」
2人はリードロの言っていた場所へ向かう
……騎士団にもユイラ居なかったらどうしよう
ユイラが騎士団に居る保証は無いが待っている事を祈って向かう
「確かこの辺のはず」
大通りとは違い薄暗い
家が立ち並んでいる、人気は無いが周辺の家も住んでいる人は居る
「研究所と言うのだから何か分かりやすい物がある筈……あれ」
ミラが指を差した所には看板が置いてある
文字が書かれていてその文字は呪い専門店と書いてある
間違いなくここだと確信する
「呪いの専門店って……呪いってそんな堂々と書いてていいの?」
「呪いを使っているんじゃなくて呪いを研究しているなら問題無いと思うけど」
「あぁ、確かにそうか」
「それより騎士が来ない」
「少し遅れてるね。まぁ待とう。ユイラ居ないとだし」
「人の家の前で屯ってるのは誰?」
クロナ達が来た方角から1人の少女が来る
12歳程度の見た目の少女
平民っぽい服装をしている
「家の主……って事は……」
「フォーネ・リルクール」
「僕を知ってるって事はリードロの客?」
「客……まぁ取引したからそうか」
「それで何用? 聞いてると思うけど僕は呪いの専門家、呪いに関して以外は受け付けてない」
「呪いに関する物」
「呪いを覚えたい? それとも呪いを解除する方法?」
「呪いを解除する方法、それで掛けた呪使いの事を知りたい」
「掛けられた人間は?」
「合流の予定」
「そう、なら来たら入ると良い」
そう言い残してフォーネは研究所に入っていく
その後10分程度待っているとアルトとユイラが来る
ユイラはミラの前に立つ
「事情は聞いています。御協力感謝します」
「都合が良かったから手伝ってるだけ」
「集まったし入ろう」
「フォーネさんは居るんですか?」
「さっき会ったから居るのは確定」
「それはタイミングが良かったですね」
「だねぇ。早かったら留守だった」
合流して研究所に入る
中に入ると大きな部屋が1つ、その先に2つの扉がある
応対用の部屋なのか、簡易な机と椅子が置かれている
それ以外には特に何も置いていない質素な部屋
「奥の部屋に行ってるのかな?」
「ですかね」
左側の扉からフォーネが出てくる
そしてアルトとユイラを見る
「呪いが掛けられてるのは貴女か」
「わかるんだ」
「僕は呪いの専門家だ。そのくらいは分かる。取り敢えず座ると良い」
フォーネは椅子を5つ用意する
全員座る
「呪いはどのような呪いだ?」
「これです」
首元の模様を見せる
フォーネは頷き紙に文字を書く
「成程、いつ掛けられた?」
「3週間前です」
「なら後11ヶ月程度か。何故掛けられたか分かるか?」
「雇われたから?」
「その雇い主の動機だ」
「当主の座を磐石にするために私が厄介だったからかと」
「成程、貴族にはよくある話か。解除方法は幾つかあるが呪使い探しでいいのか? 貴族に雇われるような呪使いなら相当の手練れの可能性が高い」
「えっ? 他にもあるの?」
……そんな方法があるなら呪使いを探すより……いやそれより難しいのかな
呪使い探しと言う困難な物以外の方法があるのなら騎士団がその手を取らないのはおかしい
考えられるのは呪使い探しよりも難易度が高い物なのだろう
「あるよ」
「他に1つだけなら聞いた事があります」
「聖水ですか?」
「聖水?」
「そう、聖水」
「しかし、あれは入手法が分かっていないはず、そもそも存在しているかも」
「聖水……なんか特殊な水?」
「あらゆる呪いを解くと言われている水です。しかし、発見された事例は無い伝説上の物」
伝説上の存在、聖水
あらゆる呪いを解ける特別な水
ここ数百年聖水の発見事例はなく今ではもう詐欺に使われる名前でしかない
「成程、聖水は見つかっているとか?」
「あらゆる呪いを解ける訳では無いがその呪いであれば解除出来る水がある」
「聞いた事がありません」
「私も調べては見ましたがそのような話は聞いた事ないです」
「詐欺師じゃないよね?」
「確かに貴族から金を取る術としては詐欺はうってつけ、だけど騎士団と大貴族を相手に出来るほど肝は座ってない」
「知ってるんだ」
「当然、貴族ならこの2人を知らないわけが無い。それにアルト副団長に関しては兄が同じ副団長で居るから」
「あぁそう言えば副団長に居るって」
……どの副団長だろ。斬ってたらやばいな。いやバレなければ大丈夫
クロナは3人の副団長を斬っている
もしその3人のうちの誰かがフォーネの兄であったら不味い
「その水は何処にあるんですか?」
「エンリスオ山」
「エンリスオですか」
「どこ?」
「隣国のアルトラの更に南にある山です」
「アルトラって山に囲まれてるんだ」
「はい、アルトラは北と南に山がある国です。骸龍が居たエルダス山と同じく危険な地帯と言われています」
「まさか龍が?」
「龍は居ませんが瘴気が強く強力な魔物が多いです」
「瘴気、確か魔物が好む魔力の塊だよね?」
瘴気、紫色の魔力の霧
魔物が好み魔石の魔力を強化する
少量であれば問題ないが長時間、大量に吸い込んでしまうと人には毒となる
「その認識で大丈夫です。補足するなら人が多く吸ってしまうと毒となる危険な物という事です」
「成程、そんなところに呪いを解く水が?」
「ある、僕もたった一度だけしか見た事は無いけど」
「一度しか見た事が無いのになんでこの呪いは解けると?」
「その水でその呪いを解いたから」
「経験者?」
「その呪いを昔掛けられた事がある。別の呪いは解けなかったがその水でその呪いは解いた」
フォーネはかつて別の貴族に複数の呪いを掛けられていた
隣国にも渡り呪いを解く方法を探した結果、山にある特殊な水を見つけ呪いを解いた
「成程、なら山に行こう!」
「危険です。魔物の強さではなく瘴気が」
「可能性は多い方がいい。アルトや騎士団は呪使いを探して私が水を探す。どの辺に合ったか覚えてる?」
フォーネは首を横に振るう
「山奥という記憶しかない。あの時以降は行っていない」
「私も行きます」
「危険だって」
「それは貴女も同じ事」
「ましてや魔力で瘴気を防げないクロナさんは更に危険性が……しかし、騎士団が隣国を通るのは……」
「その辺の話は後にして、呪使いを探すなら魔力の検査をしないと行けないからちょっと来て」
ユイラを連れて奥の部屋へ行く
「別れて行動した方がいい。時間は無いから、騎士団で呪使いを探して貰えれば」
「呪使いの捜索はします。私が言っているのは危険性が高いという事です、瘴気は骸龍とは勝手が違います。強ければ問題無いという話では無いんですよ」
「いやでも誰かが行かないと」
「せめて魔力で瘴気から身を守れる人でないと」
「騎士団は行けないんでしょ?」
「不可能ではないと思いますが時間がかかりますね」
騎士団が他国の領地を通るにはその国の許可が必要になる
許可は得られるだろうが時間がかかる、どのくらいかかるかも正確な事は分からない
その上で活動出来る時間が決まっている
「なら私が行く」
ミラが手を上げる
「ミラが?」
「大丈夫なんですか?」
「魔石の魔力を使える私なら瘴気の中でも問題なく活動出来る」
魔石を取り込んで特異魔法で魔石の魔力を使えるミラは瘴気の中でも問題なく活動が出来る
……確かにミラなら強いから魔物の心配も無い、ならミラに任せる?
「私も行く」
「1人くらいなら瘴気から守る事は出来る。どこにあるか分からない以上人数が多い方がいい」
呪いを解く水はエンリスオ山の山奥にあるという情報しかない
エンリスオ山も大きな山、全体を1人で探索するのは時間がかかり過ぎる
「なら分かりました。しかし、無理は絶対にしないでください」
「分かってる。そっちも任せたからね」
「はい、呪使いを見つけ出します」
話し合いを終えて検査が終わるまで暫く待つ
……魔力の主が簡単に見つかればいいけど、手練れって言ってから難しいかな
かなり時間がかかっている
「長い」
「長いですね」
「検査ってそんな時間かかるの?」
「呪いの検査は苦手ですが普通ならこれほどかかる事は無いかと」
「何か異常事態が起きたと考えるべきかも」
「異常事態……ただ手こずってるだけであって欲しいな」
暫くして2人が戻ってくる
椅子に座ったフォーネが真剣な表情で話し始める
「魔力の検査をしたけど2つ知らない魔力だった」
「知らないか」
「2つはね」
「どういう事? 呪使いは1人じゃないの?」
「検査してよかった、大元の魔力に隠れてもう2人呪いを掛けるのに協力をした人間が居る」
「2人!?」
……1人は多分ユイラの兄だけどもう1人居るの?
3人の人間が呪いに関わっている
「大元の呪使いに関しては知ってる。だけど他のもう2人については知らない」
「大元が解除すれば大丈夫じゃないの?」
「最低でも2人、最悪3人全員の解除条件を満たさないとあの呪いは解けない」
「先にその呪使いの情報を」
「1人は知ってます」
「それって兄?」
「はい、私の兄です」
「ただの雇い主じゃなくて呪いにも関わっていたか。大貴族の長男となると無理やり解除させる方法は無理、これは厄介」
「大貴族となると捕まえるのは騎士団でも難しいですね」
「呪使いの情報だ」
呪使いの情報が書かれた紙を机に置く
「どうするかはそちらで決めるんだ。僕の仕事は終わった」
そう言ってフォーネは奥の部屋に行く
4人は研究所を出る
「まさか裏で貴族が無法者と繋がっているとは」
「驚きだねぇ」
コットーとは別の貴族がスラム街の元締めと繋がっていたとはクロナも思ってはいなかった
……それも騎士団の副団長の兄妹とは
ギルドに行くがユイラは見つからない
「騎士団?」
「かもね。そんなに時間は経ってないし」
「呪使いの事がわかったとしてもどうやって見つけるつもり?」
「……さぁ?」
「え?」
「まぁでも知ってる人間なら大体の活動域は分かるんじゃない?」
「呪いの解除は本人以外は無理?」
「多分? 他の手が使えるならそっち試してると思うし」
「リミットは?」
「……後11ヶ月」
「短い」
「そう、短いんだよ」
1年という時間でたった1人を見つけ出すのは困難を極める
王都に居れば良いが国外に逃亡していたら騎士団の協力があったとしても他国での捜査は厳しい
「そろそろ合流の時間だから行こう」
2人はリードロの言っていた場所へ向かう
……騎士団にもユイラ居なかったらどうしよう
ユイラが騎士団に居る保証は無いが待っている事を祈って向かう
「確かこの辺のはず」
大通りとは違い薄暗い
家が立ち並んでいる、人気は無いが周辺の家も住んでいる人は居る
「研究所と言うのだから何か分かりやすい物がある筈……あれ」
ミラが指を差した所には看板が置いてある
文字が書かれていてその文字は呪い専門店と書いてある
間違いなくここだと確信する
「呪いの専門店って……呪いってそんな堂々と書いてていいの?」
「呪いを使っているんじゃなくて呪いを研究しているなら問題無いと思うけど」
「あぁ、確かにそうか」
「それより騎士が来ない」
「少し遅れてるね。まぁ待とう。ユイラ居ないとだし」
「人の家の前で屯ってるのは誰?」
クロナ達が来た方角から1人の少女が来る
12歳程度の見た目の少女
平民っぽい服装をしている
「家の主……って事は……」
「フォーネ・リルクール」
「僕を知ってるって事はリードロの客?」
「客……まぁ取引したからそうか」
「それで何用? 聞いてると思うけど僕は呪いの専門家、呪いに関して以外は受け付けてない」
「呪いに関する物」
「呪いを覚えたい? それとも呪いを解除する方法?」
「呪いを解除する方法、それで掛けた呪使いの事を知りたい」
「掛けられた人間は?」
「合流の予定」
「そう、なら来たら入ると良い」
そう言い残してフォーネは研究所に入っていく
その後10分程度待っているとアルトとユイラが来る
ユイラはミラの前に立つ
「事情は聞いています。御協力感謝します」
「都合が良かったから手伝ってるだけ」
「集まったし入ろう」
「フォーネさんは居るんですか?」
「さっき会ったから居るのは確定」
「それはタイミングが良かったですね」
「だねぇ。早かったら留守だった」
合流して研究所に入る
中に入ると大きな部屋が1つ、その先に2つの扉がある
応対用の部屋なのか、簡易な机と椅子が置かれている
それ以外には特に何も置いていない質素な部屋
「奥の部屋に行ってるのかな?」
「ですかね」
左側の扉からフォーネが出てくる
そしてアルトとユイラを見る
「呪いが掛けられてるのは貴女か」
「わかるんだ」
「僕は呪いの専門家だ。そのくらいは分かる。取り敢えず座ると良い」
フォーネは椅子を5つ用意する
全員座る
「呪いはどのような呪いだ?」
「これです」
首元の模様を見せる
フォーネは頷き紙に文字を書く
「成程、いつ掛けられた?」
「3週間前です」
「なら後11ヶ月程度か。何故掛けられたか分かるか?」
「雇われたから?」
「その雇い主の動機だ」
「当主の座を磐石にするために私が厄介だったからかと」
「成程、貴族にはよくある話か。解除方法は幾つかあるが呪使い探しでいいのか? 貴族に雇われるような呪使いなら相当の手練れの可能性が高い」
「えっ? 他にもあるの?」
……そんな方法があるなら呪使いを探すより……いやそれより難しいのかな
呪使い探しと言う困難な物以外の方法があるのなら騎士団がその手を取らないのはおかしい
考えられるのは呪使い探しよりも難易度が高い物なのだろう
「あるよ」
「他に1つだけなら聞いた事があります」
「聖水ですか?」
「聖水?」
「そう、聖水」
「しかし、あれは入手法が分かっていないはず、そもそも存在しているかも」
「聖水……なんか特殊な水?」
「あらゆる呪いを解くと言われている水です。しかし、発見された事例は無い伝説上の物」
伝説上の存在、聖水
あらゆる呪いを解ける特別な水
ここ数百年聖水の発見事例はなく今ではもう詐欺に使われる名前でしかない
「成程、聖水は見つかっているとか?」
「あらゆる呪いを解ける訳では無いがその呪いであれば解除出来る水がある」
「聞いた事がありません」
「私も調べては見ましたがそのような話は聞いた事ないです」
「詐欺師じゃないよね?」
「確かに貴族から金を取る術としては詐欺はうってつけ、だけど騎士団と大貴族を相手に出来るほど肝は座ってない」
「知ってるんだ」
「当然、貴族ならこの2人を知らないわけが無い。それにアルト副団長に関しては兄が同じ副団長で居るから」
「あぁそう言えば副団長に居るって」
……どの副団長だろ。斬ってたらやばいな。いやバレなければ大丈夫
クロナは3人の副団長を斬っている
もしその3人のうちの誰かがフォーネの兄であったら不味い
「その水は何処にあるんですか?」
「エンリスオ山」
「エンリスオですか」
「どこ?」
「隣国のアルトラの更に南にある山です」
「アルトラって山に囲まれてるんだ」
「はい、アルトラは北と南に山がある国です。骸龍が居たエルダス山と同じく危険な地帯と言われています」
「まさか龍が?」
「龍は居ませんが瘴気が強く強力な魔物が多いです」
「瘴気、確か魔物が好む魔力の塊だよね?」
瘴気、紫色の魔力の霧
魔物が好み魔石の魔力を強化する
少量であれば問題ないが長時間、大量に吸い込んでしまうと人には毒となる
「その認識で大丈夫です。補足するなら人が多く吸ってしまうと毒となる危険な物という事です」
「成程、そんなところに呪いを解く水が?」
「ある、僕もたった一度だけしか見た事は無いけど」
「一度しか見た事が無いのになんでこの呪いは解けると?」
「その水でその呪いを解いたから」
「経験者?」
「その呪いを昔掛けられた事がある。別の呪いは解けなかったがその水でその呪いは解いた」
フォーネはかつて別の貴族に複数の呪いを掛けられていた
隣国にも渡り呪いを解く方法を探した結果、山にある特殊な水を見つけ呪いを解いた
「成程、なら山に行こう!」
「危険です。魔物の強さではなく瘴気が」
「可能性は多い方がいい。アルトや騎士団は呪使いを探して私が水を探す。どの辺に合ったか覚えてる?」
フォーネは首を横に振るう
「山奥という記憶しかない。あの時以降は行っていない」
「私も行きます」
「危険だって」
「それは貴女も同じ事」
「ましてや魔力で瘴気を防げないクロナさんは更に危険性が……しかし、騎士団が隣国を通るのは……」
「その辺の話は後にして、呪使いを探すなら魔力の検査をしないと行けないからちょっと来て」
ユイラを連れて奥の部屋へ行く
「別れて行動した方がいい。時間は無いから、騎士団で呪使いを探して貰えれば」
「呪使いの捜索はします。私が言っているのは危険性が高いという事です、瘴気は骸龍とは勝手が違います。強ければ問題無いという話では無いんですよ」
「いやでも誰かが行かないと」
「せめて魔力で瘴気から身を守れる人でないと」
「騎士団は行けないんでしょ?」
「不可能ではないと思いますが時間がかかりますね」
騎士団が他国の領地を通るにはその国の許可が必要になる
許可は得られるだろうが時間がかかる、どのくらいかかるかも正確な事は分からない
その上で活動出来る時間が決まっている
「なら私が行く」
ミラが手を上げる
「ミラが?」
「大丈夫なんですか?」
「魔石の魔力を使える私なら瘴気の中でも問題なく活動出来る」
魔石を取り込んで特異魔法で魔石の魔力を使えるミラは瘴気の中でも問題なく活動が出来る
……確かにミラなら強いから魔物の心配も無い、ならミラに任せる?
「私も行く」
「1人くらいなら瘴気から守る事は出来る。どこにあるか分からない以上人数が多い方がいい」
呪いを解く水はエンリスオ山の山奥にあるという情報しかない
エンリスオ山も大きな山、全体を1人で探索するのは時間がかかり過ぎる
「なら分かりました。しかし、無理は絶対にしないでください」
「分かってる。そっちも任せたからね」
「はい、呪使いを見つけ出します」
話し合いを終えて検査が終わるまで暫く待つ
……魔力の主が簡単に見つかればいいけど、手練れって言ってから難しいかな
かなり時間がかかっている
「長い」
「長いですね」
「検査ってそんな時間かかるの?」
「呪いの検査は苦手ですが普通ならこれほどかかる事は無いかと」
「何か異常事態が起きたと考えるべきかも」
「異常事態……ただ手こずってるだけであって欲しいな」
暫くして2人が戻ってくる
椅子に座ったフォーネが真剣な表情で話し始める
「魔力の検査をしたけど2つ知らない魔力だった」
「知らないか」
「2つはね」
「どういう事? 呪使いは1人じゃないの?」
「検査してよかった、大元の魔力に隠れてもう2人呪いを掛けるのに協力をした人間が居る」
「2人!?」
……1人は多分ユイラの兄だけどもう1人居るの?
3人の人間が呪いに関わっている
「大元の呪使いに関しては知ってる。だけど他のもう2人については知らない」
「大元が解除すれば大丈夫じゃないの?」
「最低でも2人、最悪3人全員の解除条件を満たさないとあの呪いは解けない」
「先にその呪使いの情報を」
「1人は知ってます」
「それって兄?」
「はい、私の兄です」
「ただの雇い主じゃなくて呪いにも関わっていたか。大貴族の長男となると無理やり解除させる方法は無理、これは厄介」
「大貴族となると捕まえるのは騎士団でも難しいですね」
「呪使いの情報だ」
呪使いの情報が書かれた紙を机に置く
「どうするかはそちらで決めるんだ。僕の仕事は終わった」
そう言ってフォーネは奥の部屋に行く
4人は研究所を出る
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
次男坊と言っても末っ子です。
もちた企画
ファンタジー
人類において環境に準じるのは容易くは無いファンタジーな世界で集落より少し外れると魔物が溢れかえり人類存亡の危機がそこにはあった。
主神メガイス様の力で増えすぎた魔物を封じることに成功したがそれは当時の話、今は封じた空間に穴が空いて魔物が一部姿を表していた。
名称は「ダンジョン」
主神の妻で豊穣の女神アストレアは人類に加護を与えた。四大属性「火・水・風・土」。
人々は体内に流れる魔力を感じ精霊に感謝をして魔法を使えるようになった。
特に強い属性魔法の使い手を王の側近貴族として囲い込んだのが今の魔法至上主義だ。
自分の属性に合った生活をする人々で構成され、それぞれの生活を送っていた。
時はヴァルデン四世治めるウェストヴァルデン。
その首都から西に進んだ伯爵領地の首都カイランで生まれたシティーボーイ次男坊が6歳で執り行われる祝福の儀で土属性を扱えるようになったお話。
主要な国
ウェストヴァルデン (Westvalden)
- 古い森と堅牢な城塞が特徴の西部の王国。長い歴史を持ち、貴族階級と騎士道が重んじられる国。
イーストリア (Eastria)
- 東方に位置する、交易と文化が栄える国。多くの学者や魔法使いが集まり、学問や魔術が発展している。
ノルデンヘイム (Nordenheim)
- 北方にある寒冷な地域に広がる王国。厳しい自然環境の中で強靭な戦士たちが育ち、騎士団が国を守っている。
ルミナス (Luminis)
- 女神アストレア信仰を中心とする宗教国家。教会の影響力が強く、神聖な儀式や聖騎士団による巡礼が盛んに行われている。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー
芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。
42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。
下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。
約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。
それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。
一話当たりは短いです。
通勤通学の合間などにどうぞ。
あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。
完結しました。

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
ガチャからは99.7%パンが出るけど、世界で一番の素質を持ってるので今日もがんばります
ベルピー
ファンタジー
幼い頃にラッキーは迷子になっている少女を助けた。助けた少女は神様だった。今まで誰にも恩恵を授けなかった少女はラッキーに自分の恩恵を授けるのだが。。。
今まで誰も発現したことの無い素質に、初めは周りから期待されるラッキーだったが、ラッキーの授かった素質は周りに理解される事はなかった。そして、ラッキーの事を受け入れる事ができず冷遇。親はそんなラッキーを追放してしまう。
追放されたラッキーはそんな世の中を見返す為に旅を続けるのだが。。。
ラッキーのざまぁ冒険譚と、それを見守る神様の笑いと苦悩の物語。
恩恵はガチャスキルだが99.7%はパンが出ます!

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる