最強の探索者、呪いを掛けられ美少女に!? TS少女は親友を巻き込んで配信をして大人気配信者に

代永 並木

文字の大きさ
上 下
20 / 42

しおりを挟む
「あれも魔導具か」

 先に入った狛が言う
 なんだと思いゲートに入って狛の視線の先を見る
 ゲートのある広場の先の通路にローブを身に付けた人物が立っていた
 ぞくりと背中に悪寒が走る
 あれはやばいと直感で理解する

 ……なんだあれは殺意? やべぇ

「狛戻るぞ」
「えっ?」

 狛を引っ張って6階層に戻る

「どうしたんだ」
「あれはやべぇ」
「やべぇって何が」
「雰囲気だな。逃げるぞ」

 地上を目指して走ろうとする
 後ろから音がする
 足音
 追ってきている
 走っているが恐らくすぐ追いつかれる
 そう思っていた時、雷が走る
 横に雷が駆け抜ける
 近くで音が轟く、雷が落ちた時ほどの音はしないが似たような音が辺りに響く
 雷が駆け抜けた瞬間、ローブの人物は目の前に立っていた

 ……雷魔法、それも身体能力強化の魔法! 鳴と同じタイプか

 その人物は剣を持っている
 顔が見えないどころか体格も分からない
 恐らくローブも魔導具、仮面と似たような魔導具だろう

「狛、下がってろ」
「俺も」
「ダメだ、あれは無理だ」

 狛の持ってるバックから刀を取り出す

「……刀」

 殺人鬼に使った戦法を取ろうとする
 スキルで無理やり底上げしたステータスで放つ八重の剣で切り裂く
 間違いなく殺人鬼より格上
 通じるかは分からない
 スキルを使いステータスを底上げする
 刀を抜いてスキルで八重の剣を放つ

 高速で繰り出す一撃目
 現状最速の一撃、ここから残り七連撃を叩き込む
 それしか勝ち目は無い

 ガキッン
 相手の振るった剣が刀にぶつかる、いや、当てられた
 高速で振るった刀に正確に剣をぶつけられた
 そしてそのまま剣が振り切られる
 刀が弾かれる

「ぐっぁ……」

 持っていた両腕に衝撃が流れる
 手が痺れる
 咄嗟に腕は使い物にならないと考え翼を構える

 ~~~

「てめぇ!」

 戦乙女の祝福を使って魔法を使い突っ込む
 怒りに身を任せての突撃、それは見えない壁に阻まれる

「なんだこれ、邪魔だ!」

 剣を叩き付けるがビクともしない
 何度も切りかかるが傷はつかない

 ……硬ぇ、なんだこれ魔法か!? 防御、結界? クソが!

 結界に蹴りを入れる

「それは突破出来んよ」
「……確か詠見だったか」

 見覚えのある人物がいた
 詠見、悠永の知り合いであり高レベル探索者

「そやでー」
「どういう事だ?」
「どう言う……うーん主は知っているんでは?」

 詠見は一瞬で距離を詰める
 その動きは一度見ている
 高レベル探索者、勝てる気はしないが
 魔法で強化した身体能力で剣を振るう

「危ないわァ」

 何かに止められる
 剣先を見ると薄透明な何かに剣が止めていると分かった

 ……障壁か

「何をだ?」
「あの子の事」
「あぁ」

 何となくだが予想が付いた
 悠永の関係者による行為、詠見は接触したあの1回で何かに気づいていた
 恐らく少女の正体について
 そして今日行動を取ったのなら昨日何かあったのだと予想は付く

 ……昨日と言えば殺人鬼、その殺人鬼も確か悠永の後輩が倒したんだったか

 剣を仕舞う

「後であいつ1発殴らせろ」

 後ろを親指で差す
 そこにはローブの人物が立っている
 理由は分かったが少なくとも殴らなければ気が済まない

「女の子だけど?」
「知るか。やり方考えろ馬鹿が」
「馬鹿? わらわに言ってるのかしら?」
「あぁそうだが? 高レベル探索者だからって調子に乗ってんなよ?」
「は?」
「あ?」

 喧嘩腰で言い合い睨み合う
 予想した通りなら事情は分かるがやり方が気に入らない

 ~~~

 ……まだ残ってる

 スキルの負荷はまだ来ない、まだ動ける
 地を蹴り翼を振るう
 軽く避けられる

 ……攻撃はしてこないのか?

 目的が分からない、何故か攻撃をしてこない
 距離を取ろうと後ろに飛ぶとローブの人物は剣を振るう
 再び音が轟く
 そして雷の斬撃が壁を切り裂く
 雷の余波が仮面に当たり破損して落ちる

 ……この技、まさか、いや流石に無いよな。あと一度は動けるな

 脳裏にある可能性が過ぎるがすぐに振り払う
 速刀刺突をスキルで放つ
 高速の突き、素早く接近し繰り出す

 ローブの人物は剣で軽々と防ぐ

 ……ビクともしない

 弾かれ淡々と振るわれた剣で翼が切られる
 翼に痛みは無い、切られても問題は無いがもう翼は出せない
 翼は出す時に魔力を消費するがその分の足りない
 ステータス移行の効果で魔力を敏捷に回している
 その為魔力が足りない
 そしてスキル多重発動及びステータスを無理やり伸ばした負荷で膝をつく

 ……タイムアップか

 短剣を持とうにも両手が痺れて思う様に動かせない

「何者だ」
「…………」
「その技は知り合いが使っていた物に似てる」
「技名は?」
「確か雷一閃らいいっせんだったか」

 雷の魔法を操り近接主体で戦う人間
 1人だけ知っている
 結塚鳴
 近接主体ではあるが近接特化では無い
 主に身体強化系統の雷魔法を使うが魔法も複数の派生、進化を習得している
 魔法、近接両方使える怪物
 歴やレベルこそ皇さんや詠見クラスには劣るがそれでも充分強い

「探索者の知り合いが多いのですか」
「多くは無いがまぁ居るな。何が目的だ?」
「目的は確認」
「確認?」
「貴女の生配信を見た」
「リスナーって奴かそれは嬉しいね」
「あの時もさっきもあの技を使ってた」
「あの技?」

 ……あの時使ったのは速刀刺突、普通に見る限りだとただの突き攻撃なんだが

 確かに俺が編み出した技だが類似した技は多くある
 寧ろそういった技を真似て編み出した技

「速刀刺突、最初の技は恐らく八重の剣、何故使える?」

 剣先が首元に当たる
 ひんやりと冷たい刃
 言葉の選択を間違えたら死ぬと理解する

 ……くっそ、どう答えればいい
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~

川嶋マサヒロ
ファンタジー
 ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。  かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。  それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。  現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。  引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。  あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。  そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。 イラストは ジュエルセイバーFREE 様です。 URL:http://www.jewel-s.jp/

救助者ギルドから追放された俺は、ハズレだと思われていたスキル【思念収集】でやり返す

名無し
ファンタジー
 アセンドラの都で暮らす少年テッドは救助者ギルドに在籍しており、【思念収集】というスキルによって、ダンジョンで亡くなった冒険者の最期の思いを遺族に伝える仕事をしていた。  だが、ある日思わぬ冤罪をかけられ、幼馴染で親友だったはずのギルド長ライルによって除名を言い渡された挙句、最凶最悪と言われる異次元の監獄へと送り込まれてしまう。  それでも、幼馴染の少女シェリアとの面会をきっかけに、ハズレ認定されていた【思念収集】のスキルが本領を発揮する。喧嘩で最も強い者がここから出られることを知ったテッドは、最強の囚人王を目指すとともに、自分を陥れた者たちへの復讐を誓うのであった……。

最強のコミュ障探索者、Sランクモンスターから美少女配信者を助けてバズりたおす~でも人前で喋るとか無理なのでコラボ配信は断固お断りします!~

尾藤みそぎ
ファンタジー
陰キャのコミュ障女子高生、灰戸亜紀は人見知りが過ぎるあまりソロでのダンジョン探索をライフワークにしている変わり者。そんな彼女は、ダンジョンの出現に呼応して「プライムアビリティ」に覚醒した希少な特級探索者の1人でもあった。 ある日、亜紀はダンジョンの中層に突如現れたSランクモンスターのサラマンドラに襲われている探索者と遭遇する。 亜紀は人助けと思って、サラマンドラを一撃で撃破し探索者を救出。 ところが、襲われていたのは探索者兼インフルエンサーとして知られる水無瀬しずくで。しかも、救出の様子はすべて生配信されてしまっていた!? そして配信された動画がバズりまくる中、偶然にも同じ学校の生徒だった水無瀬しずくがお礼に現れたことで、亜紀は瞬く間に身バレしてしまう。 さらには、ダンジョン管理局に目をつけられて依頼が舞い込んだり、水無瀬しずくからコラボ配信を持ちかけられたり。 コミュ障を極めてひっそりと生活していた亜紀の日常はガラリと様相を変えて行く! はたして表舞台に立たされてしまった亜紀は安らぎのぼっちライフを守り抜くことができるのか!?

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

処理中です...