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勇士集う
試験会場
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「ジークは歳いくつ?」
メタルモンキーの集団を一網打尽にしたサイガ達は目的地へむかって長い一本道を話しながら歩いていた。先程サイガがされたように今度はジークがアリシアから質問攻めにあっていた。
「もうすぐ19だな。あと二ヶ月くらいだけど」
「私も!同い年なんだね!」
「とてもタメには見えないけどな」
それはどういう意味かしらとアリシアはサイガをにらむ。別にと言ってサイガは肩をすくめた。質問をずっとされていたジークは、今度は逆に二人に対して質問する。
「お前ら二人は付き合い長いのか?」
「いや、さっき町で会ったばかりだ」
「この人ひどいんだよ、私にお金払わせてさ!」
全部返しただろうとしれっと言うサイガを見て、アリシアは苛立ちからか拳を強く握っていた。
「さっき会ったばかり?それにしては、なんつーか・・・親密?そうに見えるけどな」
「親密?止めてくれよ、こいつが馴れ馴れしいだけだ」
「ちょっと!どういう意味!?」
生意気!うるせぇ!と口論する二人を見て、ジークは笑う。一通り言いたいこと言った二人はお互い冷静になると、アリシアが再びジークに質問し始める。
「ジークは何で勇英士の試験を受けに来たの?」
「ちょっと訳ありでな、今俺は探してる奴がいるんだ。勇英士のライセンス持ってればそいつも探しやすいと思ってな」
「そうなんだ。私なんか勇英士に憧れているからって単純な理由だけどしっかりと明確な理由があるんだね」
こんな理由で試験受けちゃマズいかなと言ってアリシアは額に手を当てる。どうやら何か考えているようだ。
「サイガはどうなんだ?なんで試験を受けようと?」
「似たようなもんだ。俺も知りたいことがあってな。そのためのいろいろな情報を手に入れやすいからって理由だ」
なるほどなと言ってジ-クは頷く。そんなことを話しながら歩いていると、道の先に黒い建物が見えてくる。どうやら目的地の試験会場のようである。サイガはそれを見てやっとかとため息をつく。アリシアはこれから試験が始まるんだと胸躍らせていた。
建物の前にまで来た三人は扉の前に立っているボロボロになった木造の看板に目を通していた。看板には貼り紙がしてあり、その貼り紙には『勇英士試験会場』とだけ大きな文字で書かれていた。サイガ達は試験会場と示されていた建物を眺める。扉の両脇に小さな窓が付いている一軒家のような黒い建物で、とても試験会場と呼べるような場所とは三人には思えなかった。
「なんか・・・小さくない?ここ本当に試験会場?」
「看板の貼り紙にはそう書かれていたが・・・」
とりあえず入ってみるかと扉を開け三人は建物の中に入った。中は建物の外見とは打って変わって真っ白で、奇妙なことに机や椅子など一切置いておらず、天井の電灯だけが部屋の中を照らしていた。
「中も何も置いてないよ・・・もしかして私たち会場を間違えたのかな?」
「いやそんなわけはないだろ、看板もあったし・・・」
ジークは何かあるんじゃ無いかと壁や床などを触り始める。アリシアもそれに習って何か無いかと調べ始めた。
サイガはゆっくりと建物の中を見回した。物は何も置いておらず、壁には等間隔で窓が二つ設置されている。天井には電灯が六つ並んでおり、床は汚れや傷等目立った物は見受けられなかった。
そしてサイガは振り返り入ってきた扉に目を向ける。開いていた扉は閉められていたが、その扉には何か貼り紙が二枚貼られていた。扉に近づき、貼り紙に書かれた内容を確認する。
片方の貼り紙には『休止に吉報』と書かれており、もう片方には『不動佇立』と書かれていた。
「なあ、この貼り紙の言葉はどういう意味なんだ?」
中を隅々まで調べていた二人はサイガの言葉を聞いて扉の貼り紙の言葉を見る。二人はなんだこれはと訝しげな顔をしており、アリシアは思わず額に手を当てている。
「『休止に吉報』は待つことが大切って意味で、『不動佇立』は全く動かない様子のことを表す言葉だけど・・・」
「待ってろって事なのか?どこからか迎えが来たりするのか?」
さっぱりわかんねえと呟くジークを余所にサイガは何か考えを巡らせていた。そして何か思いついたようになるほどと言って手をたたくとその場に座り込んだ。
「どうしたのサイガ、急に座り込んじゃって。もしかして諦めたりしてないよね?」
「そんなわけないだろう。二人とも俺と同じように座れよ」
なんでよ?と疑問の目を向けるアリシアに対して良いから言うとおりにしろと言ってサイガは座ることを促す。わかったわよとアリシアは手をあげるとサイガと同じように座り込み、ジークもまた同じように座り込んだ。
「何かわかったんでしょ?教えてよ」
「とりあえずじっとしていることだな。いいか、少しでも動いたら駄目だぞ。じっと、大仏のように動かずにいるんだ」
「何それ、どういう意味?」
「どういうことだよ?」
「そのうちわかるさ。俺のこと信じろって」
アリシアとジークは腑に落ちないような顔をしていたがサイガの言うとおりずっと動かず黙って座っていた。そしてそのまま時間が過ぎていき、三人が座り込んでから30分近く経とうとしていた。何も起こらない事に痺れを切らしたジークが立ち上がろうと決心したときである。不意に彼らが座っていた床が不自然に動き出した。そして段々と三人の身体が沈み始めたのである。
「な、なんだ一体!?何が起こっているんだ!」
「いきなり床が沈んで・・・!」
「二人とも落ち着け!絶対に動くなよ!」
三人は息をのみながら、自らが沈んでいくのをじっと動かずに待った。三人の身体が床に呑み込まれていき、段々と沈んでいく。奇妙な感覚と若干の恐怖を抱きながらも三人は微動だにしなかった。そして完全に床に呑み込まれた三人であったが、不意に床が抜けて三人とも宙に投げ出される。そしてそのまま落下していき、何やら白い風船のような物に弾かれると三人とも見事に地面に着地して見せた。
「試験会場にやっと来れたか」
三人の前には建物の前にあったような木造の看板とは違ったしっかりした看板が立っており、そこにはそのままお進みくださいと大きく書かれていた。
「サイガ、なんで動かずにじっとしていればここに来れるってわかったの?」
「建物の中にあった二枚の貼り紙見て閃いただけだ。二つの言葉の意味さえわかれば、俺たちのような行動を誰だってとる」
「そうか?俺は全然わからなかったぞ」
そう言ってジークは頭を掻いている。わ、私はわかっていたけどねと明らかな見栄を張るアリシアを余所のサイガはどんどん進んでいく。
「あの建物内に何も置いてなかっただろ?あれはたぶん置いておくと俺たちみたいに床に沈んでいくからだ」
「そうか、机や椅子は勝手に動いたりしないからな」
なるほどなと言ってジークは頷く。三人が落ちてきた場所は周りがコンクリートで固められたトンネルの様な場所でずいぶんと声が通る場所であった。しばらく三人が歩いていると前方に白い扉が見えてきた。三人はその扉の前に立つ。扉にはプレートが埋め込まれており、そこには『勇英士本試験会場』と刻まれていた。
「いよいよだね」
三人はここまで来たという達成感とこれから試験が始まるという緊張感に胸を躍らせていた。アリシアは息を吸ったり吐いたり深呼吸をして緊張を抑えようとしている。ジークも神妙な顔つきで扉のプレートを見ていた。
「それじゃあ行くか」
サイガはそう言って扉を開ける。長かったここまでの道のりを終え、これからまさに試験が始まろうとしていた。
メタルモンキーの集団を一網打尽にしたサイガ達は目的地へむかって長い一本道を話しながら歩いていた。先程サイガがされたように今度はジークがアリシアから質問攻めにあっていた。
「もうすぐ19だな。あと二ヶ月くらいだけど」
「私も!同い年なんだね!」
「とてもタメには見えないけどな」
それはどういう意味かしらとアリシアはサイガをにらむ。別にと言ってサイガは肩をすくめた。質問をずっとされていたジークは、今度は逆に二人に対して質問する。
「お前ら二人は付き合い長いのか?」
「いや、さっき町で会ったばかりだ」
「この人ひどいんだよ、私にお金払わせてさ!」
全部返しただろうとしれっと言うサイガを見て、アリシアは苛立ちからか拳を強く握っていた。
「さっき会ったばかり?それにしては、なんつーか・・・親密?そうに見えるけどな」
「親密?止めてくれよ、こいつが馴れ馴れしいだけだ」
「ちょっと!どういう意味!?」
生意気!うるせぇ!と口論する二人を見て、ジークは笑う。一通り言いたいこと言った二人はお互い冷静になると、アリシアが再びジークに質問し始める。
「ジークは何で勇英士の試験を受けに来たの?」
「ちょっと訳ありでな、今俺は探してる奴がいるんだ。勇英士のライセンス持ってればそいつも探しやすいと思ってな」
「そうなんだ。私なんか勇英士に憧れているからって単純な理由だけどしっかりと明確な理由があるんだね」
こんな理由で試験受けちゃマズいかなと言ってアリシアは額に手を当てる。どうやら何か考えているようだ。
「サイガはどうなんだ?なんで試験を受けようと?」
「似たようなもんだ。俺も知りたいことがあってな。そのためのいろいろな情報を手に入れやすいからって理由だ」
なるほどなと言ってジ-クは頷く。そんなことを話しながら歩いていると、道の先に黒い建物が見えてくる。どうやら目的地の試験会場のようである。サイガはそれを見てやっとかとため息をつく。アリシアはこれから試験が始まるんだと胸躍らせていた。
建物の前にまで来た三人は扉の前に立っているボロボロになった木造の看板に目を通していた。看板には貼り紙がしてあり、その貼り紙には『勇英士試験会場』とだけ大きな文字で書かれていた。サイガ達は試験会場と示されていた建物を眺める。扉の両脇に小さな窓が付いている一軒家のような黒い建物で、とても試験会場と呼べるような場所とは三人には思えなかった。
「なんか・・・小さくない?ここ本当に試験会場?」
「看板の貼り紙にはそう書かれていたが・・・」
とりあえず入ってみるかと扉を開け三人は建物の中に入った。中は建物の外見とは打って変わって真っ白で、奇妙なことに机や椅子など一切置いておらず、天井の電灯だけが部屋の中を照らしていた。
「中も何も置いてないよ・・・もしかして私たち会場を間違えたのかな?」
「いやそんなわけはないだろ、看板もあったし・・・」
ジークは何かあるんじゃ無いかと壁や床などを触り始める。アリシアもそれに習って何か無いかと調べ始めた。
サイガはゆっくりと建物の中を見回した。物は何も置いておらず、壁には等間隔で窓が二つ設置されている。天井には電灯が六つ並んでおり、床は汚れや傷等目立った物は見受けられなかった。
そしてサイガは振り返り入ってきた扉に目を向ける。開いていた扉は閉められていたが、その扉には何か貼り紙が二枚貼られていた。扉に近づき、貼り紙に書かれた内容を確認する。
片方の貼り紙には『休止に吉報』と書かれており、もう片方には『不動佇立』と書かれていた。
「なあ、この貼り紙の言葉はどういう意味なんだ?」
中を隅々まで調べていた二人はサイガの言葉を聞いて扉の貼り紙の言葉を見る。二人はなんだこれはと訝しげな顔をしており、アリシアは思わず額に手を当てている。
「『休止に吉報』は待つことが大切って意味で、『不動佇立』は全く動かない様子のことを表す言葉だけど・・・」
「待ってろって事なのか?どこからか迎えが来たりするのか?」
さっぱりわかんねえと呟くジークを余所にサイガは何か考えを巡らせていた。そして何か思いついたようになるほどと言って手をたたくとその場に座り込んだ。
「どうしたのサイガ、急に座り込んじゃって。もしかして諦めたりしてないよね?」
「そんなわけないだろう。二人とも俺と同じように座れよ」
なんでよ?と疑問の目を向けるアリシアに対して良いから言うとおりにしろと言ってサイガは座ることを促す。わかったわよとアリシアは手をあげるとサイガと同じように座り込み、ジークもまた同じように座り込んだ。
「何かわかったんでしょ?教えてよ」
「とりあえずじっとしていることだな。いいか、少しでも動いたら駄目だぞ。じっと、大仏のように動かずにいるんだ」
「何それ、どういう意味?」
「どういうことだよ?」
「そのうちわかるさ。俺のこと信じろって」
アリシアとジークは腑に落ちないような顔をしていたがサイガの言うとおりずっと動かず黙って座っていた。そしてそのまま時間が過ぎていき、三人が座り込んでから30分近く経とうとしていた。何も起こらない事に痺れを切らしたジークが立ち上がろうと決心したときである。不意に彼らが座っていた床が不自然に動き出した。そして段々と三人の身体が沈み始めたのである。
「な、なんだ一体!?何が起こっているんだ!」
「いきなり床が沈んで・・・!」
「二人とも落ち着け!絶対に動くなよ!」
三人は息をのみながら、自らが沈んでいくのをじっと動かずに待った。三人の身体が床に呑み込まれていき、段々と沈んでいく。奇妙な感覚と若干の恐怖を抱きながらも三人は微動だにしなかった。そして完全に床に呑み込まれた三人であったが、不意に床が抜けて三人とも宙に投げ出される。そしてそのまま落下していき、何やら白い風船のような物に弾かれると三人とも見事に地面に着地して見せた。
「試験会場にやっと来れたか」
三人の前には建物の前にあったような木造の看板とは違ったしっかりした看板が立っており、そこにはそのままお進みくださいと大きく書かれていた。
「サイガ、なんで動かずにじっとしていればここに来れるってわかったの?」
「建物の中にあった二枚の貼り紙見て閃いただけだ。二つの言葉の意味さえわかれば、俺たちのような行動を誰だってとる」
「そうか?俺は全然わからなかったぞ」
そう言ってジークは頭を掻いている。わ、私はわかっていたけどねと明らかな見栄を張るアリシアを余所のサイガはどんどん進んでいく。
「あの建物内に何も置いてなかっただろ?あれはたぶん置いておくと俺たちみたいに床に沈んでいくからだ」
「そうか、机や椅子は勝手に動いたりしないからな」
なるほどなと言ってジークは頷く。三人が落ちてきた場所は周りがコンクリートで固められたトンネルの様な場所でずいぶんと声が通る場所であった。しばらく三人が歩いていると前方に白い扉が見えてきた。三人はその扉の前に立つ。扉にはプレートが埋め込まれており、そこには『勇英士本試験会場』と刻まれていた。
「いよいよだね」
三人はここまで来たという達成感とこれから試験が始まるという緊張感に胸を躍らせていた。アリシアは息を吸ったり吐いたり深呼吸をして緊張を抑えようとしている。ジークも神妙な顔つきで扉のプレートを見ていた。
「それじゃあ行くか」
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