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D.D.クエスト
断固たる決意
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「次は6を出したレッドだね。『プレイヤーが受け取った水晶玉は黒い光を放っている。そしてその光が一瞬水晶玉の中に凝縮したかと思うと、その中から妖精・ジンがプレイヤーの前に姿を現した』」
「何かすごい状況だな。その妖精、いきなり俺を襲ってきたりしないだろうな?」
「ご心配なく。姿を現したジンはプレイヤーに話しかけてくるよ」
『お主が我を呼び出した者か。ずいぶん貧相な姿をしている』
「貧相で悪かったな。GM、この妖精の本体は俺の持っている水晶なんだよな?と言うことはこの水晶を地面に叩きつけて粉々に砕けばこいつもこの世から消滅するってことで良いよな?」
そういえば俺って投擲が得意なんだよなと言ってレッドは水晶片手に地面に向かって勢いよく振りかぶる。
「落ち着いてレッド!こういうキャラなんだから我慢してよ!」
『水晶を叩きつけるのは止めろ!それに我はお前に益をもたらす妖精ぞ!お前の願いを一つ叶えてやろう!』
「マジでか!それなら俺をこの国の、いやこの世界の王に・・・!」
「残念だけど何でもじゃないんだよね。プレイヤーには技能を一つ選んでもらって、その技能に適したアイテムをジンが与えてくれるんだ。と言うことでどの技能にする?」
「なるほど・・・それじゃあ〈芸術(モンスター)〉で!」
レッドのその発言にその場にいたキャラクター全員が驚きをみせた。アプゥは急いでゲームブックのページをめくっている。
「ほ、本当にその技能にするんですか!?」
『よ、よく考えろ人間!そんな技能よりお主はもっと選ぶべき技能が山ほどあるだろう!?投擲が得意と言っていたな!それなら〈投擲〉の技能数値を+10し、攻撃対象の〈回避〉の数値を-10にする『エナジーボール』はどうだ!?〈投擲〉を選ぶとこのアイテムを与えるぞ!』
「〈投擲〉の技能値は十分だし、相手の〈回避〉の数値を下げてもらってもうれしくないな」
「それなら〈信用〉はどうかな!?もらえるアイテムは『イロメガネ』って言うアイテムで戦闘の際に敵からの攻撃対象にされにくくなるんだ!戦闘で役に立つよ!」
「攻撃対象にされても回避すれば良いから問題ない。それにアイテム名が気に入らないな。いらん!」
『それなら〈乗馬〉だ!〈乗馬〉にすればDEXが二倍になる馬、『コクオーゴウ』を与えるぞ!欲しいだろう!』
「妖精よ、馬はアイテムじゃないぞ・・・?」
GMとNPCの意見を悉く却下していくレッドの姿を見て、ただ呆然と立ち尽くすまりも。自分のステータス改変の成功が些細なことであったかのように感じていた。店主である魔法使いの少女もその光景を見てオロオロしている。
「俺は絶対〈芸術(モンスター)〉選ぶ!早くアイテム寄越せ!」
「もうわかったよ!それに適したアイテムをあげるよ!ジン、お願い・・・」
アプゥはそう言って疲れたようにため息をつくとジンに向かってアイテムを渡すように促した。
『GM、お主もこのようなプレイヤーがいると苦労するな・・・レッドと言ったか?お主も少しはGMの気持ちを考えて・・・』
「早く寄越せ水晶たたき割るぞ」
『お主に与えるアイテムは『モンスター大図鑑』だ!古今東西あらゆるモンスターの詳細が載っている本ぞ!大切に扱うのだ!』
「よっしゃ!良アイテムゲットだぜ!」
レッドは手に入れたアイテムを掲げてガッツポーズをとった。アイテムを渡したジンは、用件は済んだなと足早に水晶の中に戻っていった。水晶はレッドの手を離れるとまりもの時と同様に店主の乗っているシャボン玉へと還っていった。
「何かすごい状況だな。その妖精、いきなり俺を襲ってきたりしないだろうな?」
「ご心配なく。姿を現したジンはプレイヤーに話しかけてくるよ」
『お主が我を呼び出した者か。ずいぶん貧相な姿をしている』
「貧相で悪かったな。GM、この妖精の本体は俺の持っている水晶なんだよな?と言うことはこの水晶を地面に叩きつけて粉々に砕けばこいつもこの世から消滅するってことで良いよな?」
そういえば俺って投擲が得意なんだよなと言ってレッドは水晶片手に地面に向かって勢いよく振りかぶる。
「落ち着いてレッド!こういうキャラなんだから我慢してよ!」
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「マジでか!それなら俺をこの国の、いやこの世界の王に・・・!」
「残念だけど何でもじゃないんだよね。プレイヤーには技能を一つ選んでもらって、その技能に適したアイテムをジンが与えてくれるんだ。と言うことでどの技能にする?」
「なるほど・・・それじゃあ〈芸術(モンスター)〉で!」
レッドのその発言にその場にいたキャラクター全員が驚きをみせた。アプゥは急いでゲームブックのページをめくっている。
「ほ、本当にその技能にするんですか!?」
『よ、よく考えろ人間!そんな技能よりお主はもっと選ぶべき技能が山ほどあるだろう!?投擲が得意と言っていたな!それなら〈投擲〉の技能数値を+10し、攻撃対象の〈回避〉の数値を-10にする『エナジーボール』はどうだ!?〈投擲〉を選ぶとこのアイテムを与えるぞ!』
「〈投擲〉の技能値は十分だし、相手の〈回避〉の数値を下げてもらってもうれしくないな」
「それなら〈信用〉はどうかな!?もらえるアイテムは『イロメガネ』って言うアイテムで戦闘の際に敵からの攻撃対象にされにくくなるんだ!戦闘で役に立つよ!」
「攻撃対象にされても回避すれば良いから問題ない。それにアイテム名が気に入らないな。いらん!」
『それなら〈乗馬〉だ!〈乗馬〉にすればDEXが二倍になる馬、『コクオーゴウ』を与えるぞ!欲しいだろう!』
「妖精よ、馬はアイテムじゃないぞ・・・?」
GMとNPCの意見を悉く却下していくレッドの姿を見て、ただ呆然と立ち尽くすまりも。自分のステータス改変の成功が些細なことであったかのように感じていた。店主である魔法使いの少女もその光景を見てオロオロしている。
「俺は絶対〈芸術(モンスター)〉選ぶ!早くアイテム寄越せ!」
「もうわかったよ!それに適したアイテムをあげるよ!ジン、お願い・・・」
アプゥはそう言って疲れたようにため息をつくとジンに向かってアイテムを渡すように促した。
『GM、お主もこのようなプレイヤーがいると苦労するな・・・レッドと言ったか?お主も少しはGMの気持ちを考えて・・・』
「早く寄越せ水晶たたき割るぞ」
『お主に与えるアイテムは『モンスター大図鑑』だ!古今東西あらゆるモンスターの詳細が載っている本ぞ!大切に扱うのだ!』
「よっしゃ!良アイテムゲットだぜ!」
レッドは手に入れたアイテムを掲げてガッツポーズをとった。アイテムを渡したジンは、用件は済んだなと足早に水晶の中に戻っていった。水晶はレッドの手を離れるとまりもの時と同様に店主の乗っているシャボン玉へと還っていった。
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