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Ⅴ 千岐大蛇(チマタノカガチ)
カガチ③ マタマタⅡ進化
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兵士達はエロ竜のマタマタについて解説した……
「何ですかそれは破廉恥な。女性を襲って数時間掛けて弄んで放置するモンスターとな? という事は加耶殿は生存している可能性があるのではないですか?」
兵士達は顔を見合わせた。
「そうですねえ、大抵は生きています」
「そのモンスターの大きさと戦闘力は?」
「個体によりまちまちだと思うけど、二十Nメートルくらいかなあ?」
「もう少し大きいヤツもいるんじゃないか?」
兵士達はまちまちに言い合った。
「で、強さは?」
「人間じゃとても太刀打ち出来ないけど、魔ローダーなら余裕で倒せるんじゃないかなあ?」
「なら話は決まりです。我が神聖連邦帝国の魔ローダー部隊で捜索に行きますよっ! 早速案内しなさい」
猫弐矢と貴城乃シューネが去ったクラウディア王国で実質的に最高の地位にいる夜叛モズの命令には誰も逆らえず、神聖連邦とクラウディア軍の共同で夜にも関わらず南西の川上に捜索に向かったのだった。
魔法サーチライトをあかあかと照らした魔戦車が先頭を進み、その後ろから捜索隊が木々の間や川の中など方々を探し、さらにその後ろを対マタマタ戦闘用で桃伝説と三機の魔ローダーが続いた。
『どうしましたかっ? 見つかりましたか??』
せかす様にモズが聞く。
『いいえ、まだ何も。しかしここら辺りからエロ竜のマタマタの生息範囲で、加耶殿の靴と衣服が見つかったのもこの辺り。生存しているとしたらこの辺りで気を失っているのかも……』
魔戦車の隊長が魔法秘匿通信で答えた。
『そのエロ竜というの、何とかなりません? 私は不愉快です。以降エロ竜は省略なさいっ!』
夜叛モズ独特の中村〇水上司、田〇熊五郎みたいな口調で言われると、モロにフェミニストっぽく聞こえてしまって、魔戦車の隊長は笑い掛けたが状況的に不謹慎になるのでグッと堪えた。
『そのマタマタというのは襲い掛かって来るのですか?』
『いえ、満足したエ、マタマタは眠りに就く物ですからね、出て来るかどうか』
『出て来ないに越した事はありません。とにかく加耶殿を早く発見するのです!』
カサカサッ
うわっ何だ!?
「撃てっ!!」
パパンッ!!
暗い森から何か飛び出て来て焦った兵士がいきなり魔銃を撃った。
「こら貴様、撃つな! 加耶殿に当たったらどうするか!」
「申し訳ありません」
キュウキュウ……
出て来たのは夜光ウサギという無害な小型モンスターであった。
「なんだ夜光ウサギか、旨そうだな」
「真面目にやれ! 加耶殿~~~!! おられるかーーっ!」
「加耶殿ーーーーー!」
兵士達は必死に探した。
ピルルルリリピルルルリリ……
しばらく必死に探しても加耶クリソベリルの行方はようとして知れなかった。だが、その時森の木々の奥から奇妙な音がした気がした。
「今変な音がしなかったか?」
「いやわからん。魔戦車を止めてもらおう」
「今なんか聞こえた気がする、魔戦車を止めてくれ!!」
兵士達の要請でキュラキュラ鳴ってうるさい魔戦車が全輌止められた。
ピルルルリリピルルルリリ……
この異世界にはスマートフォンは無い。
「やっぱりなんか聞こえるぜ」
「そうだな。上に伝えよう」
夜の静寂の中で奇妙な音が聞こえるとモズ達に伝えられた。
『よし、勇気ある者数名で音がする方に加耶殿を探しに行くのですよ!』
モズの事実上命令で数名の魔銃を持った兵士が選抜されて、道路の横の林に分け入り坂を上って音が鳴る方に向かって行った。
「おおーい、加耶さんいらっしゃいますか~~?」
「恥ずかしく無いですよ、出て来て下さ~~~い」
兵士達は小声で叫びながらなおも坂道を上った。
ピルルルリリピルルルリリ……
「はっきり聞こえるな。何かモンスターがいるのかも知れない」
「皆気を付けろ」
「うっアレを見ろ」
一人の兵士が指を差した先には、暗闇に不気味な真っ赤な光が点々といくつも光っていた。
「これは最近噂になってた赤い目をした謎のモンスターじゃないか?」
「それならマタマタよりずっと小さいハズだ。とにかく油断するなっ」
「よし、加耶殿が襲われて無いか確認するぞ」
「エ~~」
兵士達はおっかなびっくりと魔銃を前に構えながら、真っ赤に光る幾つもの点々に向かって進んで行った。
パパン! パンパンパン!! パーンパンパン!!
道路で待つ本体に、突然魔銃を何発も撃つ戦闘音が聞こえ始めた。
『どうしましたか? 何故魔銃を撃ってるんですか??』
『分かりません。捜索隊との連絡が途絶えましたっ!』
『一体どうしたんですか?』
ガサガサバッサ、バサバサバサッッ!!
突如捜索隊が上って行った林の奥の方から巨大な力で木々がなぎ倒される様な音がし始めた。
「なんだ!? マタマタかも知れん警戒しろっ!!」
ドォーーーン!!
突如魔戦車の一両が爆発した。
『何だ!?』
「でたーーーーっ!!」
「マタマタかっ!?」
「いやマタマタじゃないぞ!!」
ドパパパパッ!!
パンパンッ!
ドォーーーーン!!
暗闇の中、魔戦車の車列の中央で突然戦闘が始まり、混乱が広がって大きくなっていく。
「何だあの赤い点々は?」
「目だっモンスターの目だっ!!」
「酸漿の様に真っ赤な目だっ!!」
兵士達は夜の暗闇の中で混乱して騒ぎ始めた。
『ええいい、魔ローダーはサーチライトを照射しろっ!!』
『ハッ』
パシャッパシャッ
瞬時に魔ローダー部隊が後ろから魔法サーチライトを、混乱する中央部に照射した。魔戦車に襲いかかる二十Nメートル程の何かがライトに照らされて浮かび上がるが、それが一体何なのか誰にも分からなかった。
「何だこれは、マタマタじゃないぞ!?」
「首が首が、沢山ある……何本あるのか分からんくらい首があるぞ!」
「そのどれもが真っ赤に目を光らせてて不気味だっ!!」
兵士達は指を差して言い合った。
『何ですかこれは!?』
桃伝説の操縦席で夜叛モズも驚愕していた。
『マタマタの進化系でしょうか?』
「何ですかそれは破廉恥な。女性を襲って数時間掛けて弄んで放置するモンスターとな? という事は加耶殿は生存している可能性があるのではないですか?」
兵士達は顔を見合わせた。
「そうですねえ、大抵は生きています」
「そのモンスターの大きさと戦闘力は?」
「個体によりまちまちだと思うけど、二十Nメートルくらいかなあ?」
「もう少し大きいヤツもいるんじゃないか?」
兵士達はまちまちに言い合った。
「で、強さは?」
「人間じゃとても太刀打ち出来ないけど、魔ローダーなら余裕で倒せるんじゃないかなあ?」
「なら話は決まりです。我が神聖連邦帝国の魔ローダー部隊で捜索に行きますよっ! 早速案内しなさい」
猫弐矢と貴城乃シューネが去ったクラウディア王国で実質的に最高の地位にいる夜叛モズの命令には誰も逆らえず、神聖連邦とクラウディア軍の共同で夜にも関わらず南西の川上に捜索に向かったのだった。
魔法サーチライトをあかあかと照らした魔戦車が先頭を進み、その後ろから捜索隊が木々の間や川の中など方々を探し、さらにその後ろを対マタマタ戦闘用で桃伝説と三機の魔ローダーが続いた。
『どうしましたかっ? 見つかりましたか??』
せかす様にモズが聞く。
『いいえ、まだ何も。しかしここら辺りからエロ竜のマタマタの生息範囲で、加耶殿の靴と衣服が見つかったのもこの辺り。生存しているとしたらこの辺りで気を失っているのかも……』
魔戦車の隊長が魔法秘匿通信で答えた。
『そのエロ竜というの、何とかなりません? 私は不愉快です。以降エロ竜は省略なさいっ!』
夜叛モズ独特の中村〇水上司、田〇熊五郎みたいな口調で言われると、モロにフェミニストっぽく聞こえてしまって、魔戦車の隊長は笑い掛けたが状況的に不謹慎になるのでグッと堪えた。
『そのマタマタというのは襲い掛かって来るのですか?』
『いえ、満足したエ、マタマタは眠りに就く物ですからね、出て来るかどうか』
『出て来ないに越した事はありません。とにかく加耶殿を早く発見するのです!』
カサカサッ
うわっ何だ!?
「撃てっ!!」
パパンッ!!
暗い森から何か飛び出て来て焦った兵士がいきなり魔銃を撃った。
「こら貴様、撃つな! 加耶殿に当たったらどうするか!」
「申し訳ありません」
キュウキュウ……
出て来たのは夜光ウサギという無害な小型モンスターであった。
「なんだ夜光ウサギか、旨そうだな」
「真面目にやれ! 加耶殿~~~!! おられるかーーっ!」
「加耶殿ーーーーー!」
兵士達は必死に探した。
ピルルルリリピルルルリリ……
しばらく必死に探しても加耶クリソベリルの行方はようとして知れなかった。だが、その時森の木々の奥から奇妙な音がした気がした。
「今変な音がしなかったか?」
「いやわからん。魔戦車を止めてもらおう」
「今なんか聞こえた気がする、魔戦車を止めてくれ!!」
兵士達の要請でキュラキュラ鳴ってうるさい魔戦車が全輌止められた。
ピルルルリリピルルルリリ……
この異世界にはスマートフォンは無い。
「やっぱりなんか聞こえるぜ」
「そうだな。上に伝えよう」
夜の静寂の中で奇妙な音が聞こえるとモズ達に伝えられた。
『よし、勇気ある者数名で音がする方に加耶殿を探しに行くのですよ!』
モズの事実上命令で数名の魔銃を持った兵士が選抜されて、道路の横の林に分け入り坂を上って音が鳴る方に向かって行った。
「おおーい、加耶さんいらっしゃいますか~~?」
「恥ずかしく無いですよ、出て来て下さ~~~い」
兵士達は小声で叫びながらなおも坂道を上った。
ピルルルリリピルルルリリ……
「はっきり聞こえるな。何かモンスターがいるのかも知れない」
「皆気を付けろ」
「うっアレを見ろ」
一人の兵士が指を差した先には、暗闇に不気味な真っ赤な光が点々といくつも光っていた。
「これは最近噂になってた赤い目をした謎のモンスターじゃないか?」
「それならマタマタよりずっと小さいハズだ。とにかく油断するなっ」
「よし、加耶殿が襲われて無いか確認するぞ」
「エ~~」
兵士達はおっかなびっくりと魔銃を前に構えながら、真っ赤に光る幾つもの点々に向かって進んで行った。
パパン! パンパンパン!! パーンパンパン!!
道路で待つ本体に、突然魔銃を何発も撃つ戦闘音が聞こえ始めた。
『どうしましたか? 何故魔銃を撃ってるんですか??』
『分かりません。捜索隊との連絡が途絶えましたっ!』
『一体どうしたんですか?』
ガサガサバッサ、バサバサバサッッ!!
突如捜索隊が上って行った林の奥の方から巨大な力で木々がなぎ倒される様な音がし始めた。
「なんだ!? マタマタかも知れん警戒しろっ!!」
ドォーーーン!!
突如魔戦車の一両が爆発した。
『何だ!?』
「でたーーーーっ!!」
「マタマタかっ!?」
「いやマタマタじゃないぞ!!」
ドパパパパッ!!
パンパンッ!
ドォーーーーン!!
暗闇の中、魔戦車の車列の中央で突然戦闘が始まり、混乱が広がって大きくなっていく。
「何だあの赤い点々は?」
「目だっモンスターの目だっ!!」
「酸漿の様に真っ赤な目だっ!!」
兵士達は夜の暗闇の中で混乱して騒ぎ始めた。
『ええいい、魔ローダーはサーチライトを照射しろっ!!』
『ハッ』
パシャッパシャッ
瞬時に魔ローダー部隊が後ろから魔法サーチライトを、混乱する中央部に照射した。魔戦車に襲いかかる二十Nメートル程の何かがライトに照らされて浮かび上がるが、それが一体何なのか誰にも分からなかった。
「何だこれは、マタマタじゃないぞ!?」
「首が首が、沢山ある……何本あるのか分からんくらい首があるぞ!」
「そのどれもが真っ赤に目を光らせてて不気味だっ!!」
兵士達は指を差して言い合った。
『何ですかこれは!?』
桃伝説の操縦席で夜叛モズも驚愕していた。
『マタマタの進化系でしょうか?』
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