498 / 588
Ⅴ 千岐大蛇(チマタノカガチ)
来ちゃった……Ⅱ 下 反省して落ち込む
しおりを挟む
兎幸は部屋の中心に降り立つと、両手を広げて姉妹の前に立ち塞がった。
「ダメーーーッ!! 愛が無いからダメーーーッ!!」
「なんでじゃーー!! 何でなんじゃーーー! 早過ぎるわっあと五分いや、あとせめて一分待ってくれてたらおっぱいのひと揉みふた揉み出来ていたのに!? そんなメルヘンタイムの一つや二つご褒美としてあっても良いんじゃないんでしょ~~かっ??」
砂緒は泣きながら床を殴り続けた。
「お姉さま……?」
「見てはいけません、目と耳を塞ぐのです!」
七華は戸惑う五華を抱き抱えて目を塞いだ。
「ダメだよ~~」
カチャッガチャッガーーーンッ!
兎幸がしつこく言った直後、突然シャルのギルティハンドで外側から鍵が開けられると、ドアが蹴り開けられて複数の人間が突入して来た。
「動くなっ!」
最初に入って来たのは魔銃を構えたイェラと雪乃フルエレであった。
「被害者確保っ!」
次に入って来たイライザとライラが姉妹にバサッと毛布を掛けた。
「もう大丈夫ですよ、安心して下さい」
「えっえっ」
「あきれたわっ九歳の五華ちゃんにまで手を出そうとするなんて、洒落にならない警備兵案件だわっ」
フルエレが呟くと、最後にセレネが素早い動きで突入して来て砂緒の腕を捻り上げると床に組み伏せた。
「はい二時二十分淫行の容疑で確保!!」
「痛い痛い痛い、ギブギブギブ、セレネさん淫行の容疑って何ですか未遂ですよ未遂」
「ふーーふーーー」
「ちょっとセレネやり過ぎよ、離してあげて……」
最後に入って来た猫呼が自分の吹き込んだ情報でえらい騒ぎになったと怖くなってセレネを止めに入った。
「何ですのコレは! リュフミュラン王女として許しません事よ、早く砂緒さまを解放して上げなさい!」
毛布をバサッと投げ捨てた七華が一番嫌いなイェラに怒鳴りに掛かった。
「ふんっリュフミュラン王女としてチヤホヤされていたお前も、フルエレの同盟が出来て以来誰にも相手にされず、遂には幼い妹をダシに使ってまで砂緒に構ってもらいに来たか? 哀れだな」
パシィッ
イェラが言い終わるかどうかの寸前に、光の速さくらいで七華がイェラの頬を叩いた。七華は唯の王女なのに対してイェラはセレネ程では無いが歴戦の戦士である。本気になれば即座に半殺しに出来るが自分の頬を押さえるに留めた。思い切りシーーンとなる部屋の空気。
「何をする?」
「取り消しなさい! 妹をダシに使ったですって?? 構ってもらいに来たですって? そ、そんなのじゃ無いですわっ」
イェラはにやっと笑った。
「じゃ、何なんだ? 言ってみろよ」
「……愛していますの」
その声は小声だった。
「ふーん、じゃ何で妹を」
「違います! 私から一緒に行きたいと強く言いました。お姉さまを悪く言う人は許しません!」
「五華」
今度はリコシェ五華が背の高いイェラの前に立ちはだかった。
(こ、怖い……こんなんやない。私が欲していたハーレムはこんなんやない! もっとエッチで何も考えて無い女の子たちにキャアキャア言われて囲まれてまみれたかったんです。しかし……)
砂緒はセレネの手をすっとどけるとイェラの前に立った。
「今の言い方は七華に失礼ですぞ、取り消せ……い、いや取り消して下さい……」
砂緒の言葉にイェラはギロッと睨んでさらに前に近づいた。大き目の胸が触れるか触れないかくらいに近くなり、砂緒は一瞬眼球が胸の谷間に落ちたがすぐに戻した。
「あーー? 貴様こそ七華に酷い事をし続けているとは思わないのか? 何故服を脱がそうとした?」
砂緒は頭がクラッとなった。
(酷い事?? 何故と言われても……)
砂緒はチラッと周囲を見回すと七華五華始め皆が固唾を飲んで自分を見ていた。
「……愛でしょうか?」
「うそだーーーー!! 私のレーダーに愛の反応は無かったぞ!」
即座に兎幸が否定した。本当にそんなラブテスター的なレーダーがあるのかは不明である。
「そんな言い方される方が哀れですわ! 二人の間に割って入って来ないでくれます? イェラこそ砂緒さまに執着してますけど、相手にされて無いんじゃないですの?」
「何ッ?」
再び二人は睨み合った。
「砂緒、全て貴方がまいた種よ? ひとまず謝った上で、今誰が一番好きか一応発表しておきなさいよ?」
「それは良いな」
突然雪乃フルエレが謎のまとめを始めた。即座にそれにセレネが同意した。
「砂緒さま……?」
今度は七華も砂緒を哀願する様な目で見つめて来た。
(なんて意地悪な事を言い出すんだフルエレ! そんなのこの状況で誰が好きとか言えませんよ……でも七華以外、フルエレが好きとか言うと彼女のプライドが破壊される、かと言って嘘は言えない、どうすればーっ)
砂緒は心の中で頭を抱えた。
「砂緒さま、本当の事を言って下さっていいですのよ、ホンのあそ……」
七華が自嘲気味に笑ってホンの遊びなのでしょうと言い掛けた瞬間に砂緒は彼女を止めた。
「違いますよ! 私にとって七華も本当に大切な女性なんです。今日は本当に会えて嬉しかった。だけど今すぐに一番好きとは言えません、それだけです」
「うふふ、それで充分ですわ」
七華は満面の笑顔になって砂緒に抱き着いたが、セレネとイェラは渋い顔になって睨んだ。
(も、もう俺帰りたい……)
ドアの前でシャルは頭を掻いた。
「ダメーーーッ!! 愛が無いからダメーーーッ!!」
「なんでじゃーー!! 何でなんじゃーーー! 早過ぎるわっあと五分いや、あとせめて一分待ってくれてたらおっぱいのひと揉みふた揉み出来ていたのに!? そんなメルヘンタイムの一つや二つご褒美としてあっても良いんじゃないんでしょ~~かっ??」
砂緒は泣きながら床を殴り続けた。
「お姉さま……?」
「見てはいけません、目と耳を塞ぐのです!」
七華は戸惑う五華を抱き抱えて目を塞いだ。
「ダメだよ~~」
カチャッガチャッガーーーンッ!
兎幸がしつこく言った直後、突然シャルのギルティハンドで外側から鍵が開けられると、ドアが蹴り開けられて複数の人間が突入して来た。
「動くなっ!」
最初に入って来たのは魔銃を構えたイェラと雪乃フルエレであった。
「被害者確保っ!」
次に入って来たイライザとライラが姉妹にバサッと毛布を掛けた。
「もう大丈夫ですよ、安心して下さい」
「えっえっ」
「あきれたわっ九歳の五華ちゃんにまで手を出そうとするなんて、洒落にならない警備兵案件だわっ」
フルエレが呟くと、最後にセレネが素早い動きで突入して来て砂緒の腕を捻り上げると床に組み伏せた。
「はい二時二十分淫行の容疑で確保!!」
「痛い痛い痛い、ギブギブギブ、セレネさん淫行の容疑って何ですか未遂ですよ未遂」
「ふーーふーーー」
「ちょっとセレネやり過ぎよ、離してあげて……」
最後に入って来た猫呼が自分の吹き込んだ情報でえらい騒ぎになったと怖くなってセレネを止めに入った。
「何ですのコレは! リュフミュラン王女として許しません事よ、早く砂緒さまを解放して上げなさい!」
毛布をバサッと投げ捨てた七華が一番嫌いなイェラに怒鳴りに掛かった。
「ふんっリュフミュラン王女としてチヤホヤされていたお前も、フルエレの同盟が出来て以来誰にも相手にされず、遂には幼い妹をダシに使ってまで砂緒に構ってもらいに来たか? 哀れだな」
パシィッ
イェラが言い終わるかどうかの寸前に、光の速さくらいで七華がイェラの頬を叩いた。七華は唯の王女なのに対してイェラはセレネ程では無いが歴戦の戦士である。本気になれば即座に半殺しに出来るが自分の頬を押さえるに留めた。思い切りシーーンとなる部屋の空気。
「何をする?」
「取り消しなさい! 妹をダシに使ったですって?? 構ってもらいに来たですって? そ、そんなのじゃ無いですわっ」
イェラはにやっと笑った。
「じゃ、何なんだ? 言ってみろよ」
「……愛していますの」
その声は小声だった。
「ふーん、じゃ何で妹を」
「違います! 私から一緒に行きたいと強く言いました。お姉さまを悪く言う人は許しません!」
「五華」
今度はリコシェ五華が背の高いイェラの前に立ちはだかった。
(こ、怖い……こんなんやない。私が欲していたハーレムはこんなんやない! もっとエッチで何も考えて無い女の子たちにキャアキャア言われて囲まれてまみれたかったんです。しかし……)
砂緒はセレネの手をすっとどけるとイェラの前に立った。
「今の言い方は七華に失礼ですぞ、取り消せ……い、いや取り消して下さい……」
砂緒の言葉にイェラはギロッと睨んでさらに前に近づいた。大き目の胸が触れるか触れないかくらいに近くなり、砂緒は一瞬眼球が胸の谷間に落ちたがすぐに戻した。
「あーー? 貴様こそ七華に酷い事をし続けているとは思わないのか? 何故服を脱がそうとした?」
砂緒は頭がクラッとなった。
(酷い事?? 何故と言われても……)
砂緒はチラッと周囲を見回すと七華五華始め皆が固唾を飲んで自分を見ていた。
「……愛でしょうか?」
「うそだーーーー!! 私のレーダーに愛の反応は無かったぞ!」
即座に兎幸が否定した。本当にそんなラブテスター的なレーダーがあるのかは不明である。
「そんな言い方される方が哀れですわ! 二人の間に割って入って来ないでくれます? イェラこそ砂緒さまに執着してますけど、相手にされて無いんじゃないですの?」
「何ッ?」
再び二人は睨み合った。
「砂緒、全て貴方がまいた種よ? ひとまず謝った上で、今誰が一番好きか一応発表しておきなさいよ?」
「それは良いな」
突然雪乃フルエレが謎のまとめを始めた。即座にそれにセレネが同意した。
「砂緒さま……?」
今度は七華も砂緒を哀願する様な目で見つめて来た。
(なんて意地悪な事を言い出すんだフルエレ! そんなのこの状況で誰が好きとか言えませんよ……でも七華以外、フルエレが好きとか言うと彼女のプライドが破壊される、かと言って嘘は言えない、どうすればーっ)
砂緒は心の中で頭を抱えた。
「砂緒さま、本当の事を言って下さっていいですのよ、ホンのあそ……」
七華が自嘲気味に笑ってホンの遊びなのでしょうと言い掛けた瞬間に砂緒は彼女を止めた。
「違いますよ! 私にとって七華も本当に大切な女性なんです。今日は本当に会えて嬉しかった。だけど今すぐに一番好きとは言えません、それだけです」
「うふふ、それで充分ですわ」
七華は満面の笑顔になって砂緒に抱き着いたが、セレネとイェラは渋い顔になって睨んだ。
(も、もう俺帰りたい……)
ドアの前でシャルは頭を掻いた。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる