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Ⅳ セブンリーフ新北中同盟女王選定会議
反撃! 中 起き上がる蛇輪
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『セレネセレネ、どういう切っ掛けで砂緒と付き合う事になったんだっ? ちょっと教えてみ?』
動けないSRV隊員達から予備の剣を投げてもらい、ウェカ王子は再び魔法剣二刀流を展開すると、横たわる蛇輪の前に立ちはだかり金輪からの光の剣攻撃を受け続けた。
『は?』
同じく魔法剣二刀流でシューネの攻撃を受け続けるセレネは、余りにも気が抜けたウェカ王子の質問に一瞬我が耳を疑った。
『砂緒のどういう所が好きなんだ? あんまイケメンじゃ無いよね。馴れ初めは? あと二人きりの時はどんな会話してどんな事してるんだ? 二人でデートに行ったりするのか? どんな所に行くんだ? 何食べるの? 将来は結婚するのか? 子供は何人作るんだ?』
『え? あ、あの今、激しい戦闘中で……それ処じゃ』
セレネは上空から飛んで来る夥しい数の光剣を防ぎつつ、余りにも緊張感の無い王子の質問攻めにあっけに取られた。しかしそれ以上にウェカ王子がメラン同様にセレネが苦手なグイグイ来る人懐っこいタイプだと分かって年下にも関わらず恐怖を感じていた。
『王子! 戦闘中にそんなプライベートな事聞いちゃダメですよ!! 後で平時に聞き直せばいいじゃ無いですかっ』
(王子が遂に依世ちゃん以外のレンアイに興味を持ち始めた!? これは私にもチャンスなのウヘヘ?)
『そ、それもそうだナ~~お隣さんの国にこんな子が居たなんて早く教えてくれよ~、ボクは興味しんしんだぞ』
(ヒッ)
セレネは王子の朗らかな笑顔を魔法モニター上で観てさらに恐怖を感じ鳥肌が立った。この少年は自分が同盟軍の総司令官である事も一切気にする事無く、ずけずけとプライベートな事を聞いて来る……なんとかして沽券を保たなければならないと思った。
『こ、これでも同盟軍総司令官の私が命を懸けて駆け付けたのだ、礼くらい言ってもらおうか』
セレネは精一杯キリッとした真面目な顔で言った。
『おっセンキュー!』
ウェカ王子はスチャッと額の上で揃えた指を振って、それを見てセレネはコケた。
(何だこの子は……変な奴とは聞いていたが、砂緒みたいな奴だな……)
等とセレネが思っていた直後、事態は動いた。
『うおおおおおおお!!! 二人だけには戦わさせない!!』
突然セレネとウェカ王子の機体に共通の魔法秘匿通信が入ってビクッとなる。
『なんだぁ?』
『何だ?』
二機が光剣を受けながら振り返ると、突然遠くでメランが低い射撃姿勢から立ち上がり、腰だめで巨大な魔砲ライフルを抱えて走り出した。
『なんだアレは!?』
二機のSRXに向けて粘り強く光剣を撃ち続けていた貴城乃シューネは、突然の新たなる敵の出現に驚いた。
(ゲッあれは我が国のル・ツー漆黒ノ天! 何で此処にあるんだ?? 同盟が入手してたのか? それ早く言ってくれよ~~~砂緒くんセレネくん!)
その後ろで猫弐矢も飛び上がる程に驚いたが立場上じっと押し黙った。
『兎幸ちゃん魔ローン展開!!』
「エ~~嫌だなあ」
『早くっ!!』
「はぁ~~~い」
メランに言われて嫌々兎幸は魔ローンを六機全て展開した。背中からシュルシュルと回転して丸い円盤が複数飛び出る。
『うおおおおおおおおお!!!』
ドンドンッ! ドンドンッ!! ドンドン!
ル・ツー黒い稲妻Ⅱは腰だめで巨大な魔砲ライフルを上空の金輪に向けて乱射しながら突撃し始めた。熱い光の玉となった物理弾が、吸い込まれる様に金輪に向かって飛んで行く。
「何だ!? あれが長距離攻撃の正体か??」
初めて見る魔ローダーサイズの飛び道具に、自ら魔ローダースキルの光の剣を放出している癖に、かなり驚いたシューネだった。それは同乗するフゥーも猫弐矢も同じだった。
ヒューーーーンン
パキパキパキパキパキパキュパキュパキュ……
パキパキパキパキパキパキュパキュパキュ……
自動で湧き出た光の剣達は縦に並び、ミルフィーユ状の積層になって真横から魔砲ライフルの物理弾を受け、数多くの光の剣を割る内に威力が減衰してやがてパラパラと弾と共に弾け飛んだ。ようやくシューネ自身にもどうやって敵弾を防いでいるのか理解が出来た。
『くっ舐めた真似をっ!!』
シューネは上空から二機のSRXへの攻撃を止め、全ての光剣を突撃して来たメランの黒い魔ローダーに振り向けた。
シュパパパパパパ!!
タンッ! パンッ! カキン!!
「あいたっいたっイテテテテテッ!!」
直後に兎幸が展開した六機の魔ローンの盾が全て防いで弾き返して行く。
『兎幸ちゃん耐えてっうおおおおおりゃああああああああ!!』
ドンドン! ドンドンッッ!!
何か変なスイッチが入った様に、下唇を斜めにずらし鉢巻タンクトップ姿のメランは魔砲ライフルを連射し続けた。
「蛇輪起動!!」
ヒュイイイイイイインンン
その時だった、上空の金輪がメランのル・ツーに気を取られ、ふわふわと追い掛ける内に蛇輪に背を向ける形になった直後、その蛇輪がぐぎぎぎっとぎこちなく上半身を持ち上げた。
動けないSRV隊員達から予備の剣を投げてもらい、ウェカ王子は再び魔法剣二刀流を展開すると、横たわる蛇輪の前に立ちはだかり金輪からの光の剣攻撃を受け続けた。
『は?』
同じく魔法剣二刀流でシューネの攻撃を受け続けるセレネは、余りにも気が抜けたウェカ王子の質問に一瞬我が耳を疑った。
『砂緒のどういう所が好きなんだ? あんまイケメンじゃ無いよね。馴れ初めは? あと二人きりの時はどんな会話してどんな事してるんだ? 二人でデートに行ったりするのか? どんな所に行くんだ? 何食べるの? 将来は結婚するのか? 子供は何人作るんだ?』
『え? あ、あの今、激しい戦闘中で……それ処じゃ』
セレネは上空から飛んで来る夥しい数の光剣を防ぎつつ、余りにも緊張感の無い王子の質問攻めにあっけに取られた。しかしそれ以上にウェカ王子がメラン同様にセレネが苦手なグイグイ来る人懐っこいタイプだと分かって年下にも関わらず恐怖を感じていた。
『王子! 戦闘中にそんなプライベートな事聞いちゃダメですよ!! 後で平時に聞き直せばいいじゃ無いですかっ』
(王子が遂に依世ちゃん以外のレンアイに興味を持ち始めた!? これは私にもチャンスなのウヘヘ?)
『そ、それもそうだナ~~お隣さんの国にこんな子が居たなんて早く教えてくれよ~、ボクは興味しんしんだぞ』
(ヒッ)
セレネは王子の朗らかな笑顔を魔法モニター上で観てさらに恐怖を感じ鳥肌が立った。この少年は自分が同盟軍の総司令官である事も一切気にする事無く、ずけずけとプライベートな事を聞いて来る……なんとかして沽券を保たなければならないと思った。
『こ、これでも同盟軍総司令官の私が命を懸けて駆け付けたのだ、礼くらい言ってもらおうか』
セレネは精一杯キリッとした真面目な顔で言った。
『おっセンキュー!』
ウェカ王子はスチャッと額の上で揃えた指を振って、それを見てセレネはコケた。
(何だこの子は……変な奴とは聞いていたが、砂緒みたいな奴だな……)
等とセレネが思っていた直後、事態は動いた。
『うおおおおおおお!!! 二人だけには戦わさせない!!』
突然セレネとウェカ王子の機体に共通の魔法秘匿通信が入ってビクッとなる。
『なんだぁ?』
『何だ?』
二機が光剣を受けながら振り返ると、突然遠くでメランが低い射撃姿勢から立ち上がり、腰だめで巨大な魔砲ライフルを抱えて走り出した。
『なんだアレは!?』
二機のSRXに向けて粘り強く光剣を撃ち続けていた貴城乃シューネは、突然の新たなる敵の出現に驚いた。
(ゲッあれは我が国のル・ツー漆黒ノ天! 何で此処にあるんだ?? 同盟が入手してたのか? それ早く言ってくれよ~~~砂緒くんセレネくん!)
その後ろで猫弐矢も飛び上がる程に驚いたが立場上じっと押し黙った。
『兎幸ちゃん魔ローン展開!!』
「エ~~嫌だなあ」
『早くっ!!』
「はぁ~~~い」
メランに言われて嫌々兎幸は魔ローンを六機全て展開した。背中からシュルシュルと回転して丸い円盤が複数飛び出る。
『うおおおおおおおおお!!!』
ドンドンッ! ドンドンッ!! ドンドン!
ル・ツー黒い稲妻Ⅱは腰だめで巨大な魔砲ライフルを上空の金輪に向けて乱射しながら突撃し始めた。熱い光の玉となった物理弾が、吸い込まれる様に金輪に向かって飛んで行く。
「何だ!? あれが長距離攻撃の正体か??」
初めて見る魔ローダーサイズの飛び道具に、自ら魔ローダースキルの光の剣を放出している癖に、かなり驚いたシューネだった。それは同乗するフゥーも猫弐矢も同じだった。
ヒューーーーンン
パキパキパキパキパキパキュパキュパキュ……
パキパキパキパキパキパキュパキュパキュ……
自動で湧き出た光の剣達は縦に並び、ミルフィーユ状の積層になって真横から魔砲ライフルの物理弾を受け、数多くの光の剣を割る内に威力が減衰してやがてパラパラと弾と共に弾け飛んだ。ようやくシューネ自身にもどうやって敵弾を防いでいるのか理解が出来た。
『くっ舐めた真似をっ!!』
シューネは上空から二機のSRXへの攻撃を止め、全ての光剣を突撃して来たメランの黒い魔ローダーに振り向けた。
シュパパパパパパ!!
タンッ! パンッ! カキン!!
「あいたっいたっイテテテテテッ!!」
直後に兎幸が展開した六機の魔ローンの盾が全て防いで弾き返して行く。
『兎幸ちゃん耐えてっうおおおおおりゃああああああああ!!』
ドンドン! ドンドンッッ!!
何か変なスイッチが入った様に、下唇を斜めにずらし鉢巻タンクトップ姿のメランは魔砲ライフルを連射し続けた。
「蛇輪起動!!」
ヒュイイイイイイインンン
その時だった、上空の金輪がメランのル・ツーに気を取られ、ふわふわと追い掛ける内に蛇輪に背を向ける形になった直後、その蛇輪がぐぎぎぎっとぎこちなく上半身を持ち上げた。
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