450 / 588
Ⅳ セブンリーフ新北中同盟女王選定会議
反撃! 上 フルエレ衝撃……
しおりを挟む
「ハハハハハ、お前達がいくら束になって掛かって来ても敵う事はあるまい。この神聖連邦帝国四旗機は全て一対多の戦闘で無敵の強さを誇る。その中でもこの黄金の機体金輪は本来若君がお乗りあそばす最も尊い帝機。その帝機を聖都で侮辱した罪、とくと味わうが良いわっ!!」
足元に転がるSRV達の残骸を眺め、貴城乃シューネは満足気に高笑いを続けた。
「もういいんじゃないか? 満足しただろうこのまま船まで飛んで帰ろうよ」
シューネが機嫌が良さそうな所で猫弐矢は刺激しない様に慎重に言った。
「……? はてそう言えば私は何をしに来たのであったか?」
猫弐矢に言われて周囲を見回したシューネは、前のめりで倒れ込んだ蛇輪を再び見つけた。
「もういいだろう?」
「忘れていた! あの銀色だ、アレが動き出すのをずっと待っていたが……もう良い猫弐矢が言う様にアレを破壊して帰るとするか」
猫弐矢は藪蛇になったと後悔した。
「あ、あんなのと戦うなんて無理だよ!? あんなのどうかしてるよ」
駐機場から一歩も動けない残り十数機程のSRV達は、どうする事も出来ず指を咥えて経緯を見つめていた。その中でもこれが初陣となるジェンナは震えが来る程に恐れ戦いていた。
「落ち着いてジェンナ、まだ何の命令も出ていないわ」
「でも何だか自分の判断でアレに突っ込んでいくみたいな空気になってるわよ!?」
ジェンナは魔法モニター上で後光を背負い空中浮遊する異様な姿の金輪に指をさした。
「そんな空気は無いわよっ!」
「私怖い、凄い意気地なしだって今気付いた」
ジェンナは本気でガタガタ震え始めた。
「そりゃあんなの見せられたら誰でも怖いわよ。そうだわ、もし無理ならSRV捨てて今すぐ脱走しよ! 戦場って不利になったら兵士は逃げる物らしいわよ!」
メドース・リガリァのシャクシュカ隊として戦ったジェンナと言っても、それは魔法で洗脳された状態であり、素の状態で戦うのはこれが正真正銘初めてのジェンナは恐怖に慄いていたが、逆にカレンは何度も死線を掻い潜っていて妙に性根が座っていた。
「そ、そうだよね私達元々砂緒やフルエレさんと敵対してた訳だし……命懸ける必要ないもんね!?」
という結論に至った。駐機場から出撃しない残りのSRV乗り達も似たり寄ったりであった……
ガンッッ!!
「おいコラーーッ!! 高貴なるボクが乗る魔呂を早く準備しろオラーッ!!」
「へっ?」
何かが装甲に投げ付けられて、ジェンナとカレンが魔法モニターを観ると、足元には縄でグルグル巻きにされ猿ぐつわまでされた巨乳のセクシーメイドさんを連れた、犯罪者にしか見えない石を握ったウェカ王子が居た。
「むぐうむぐう!!」
(いやあああ、あんなのと戦う魔呂に乗りたくないですーーー!!)
メアは泣きながら首を振っていた……
―ザ・イ・オサ新城内、雪乃フルエレ控室。
「お、おいフルエレなんだか外でズバンズバン言ってるけど放置してていいのかよ? 微妙に振動とか衝撃まである気がするんだけどさ」
窓を閉め切った部屋に籠っているフルエレを護衛中のシャルは、異様な衝撃や騒音の連続にさすがに不安を感じていた。
「何を慌ててるのよ? どうせ大した騒ぎじゃないわよ。それに何かあっても結局セレネと砂緒がパパッと解決しちゃうのよ。そんな事より貴方も紅茶飲みなさい」
バンッ!!
その直後、血相を変えた侍女がノックもする事無くドアを開けて入って来た。
「失礼致します! 女王陛下大変で御座います!! 投票結果発表中に謎の魔ローダーが乱入、攻撃を開始して会場は大混乱となっております!!」
シャルは言わんこっちゃ無いという顔をした。
「う、嘘よ、戦闘にしては静かだわ。本当の戦闘はもっとドゴンドゴン言うものよ?」
確かにそれもそうだった。戦っている金輪が音も無く敵を撃破出来る機体であるからの特殊状況でもあったが、フルエレは少し引きつり笑いしながら窓を開けて見た。
「え……何これ?」
窓を開けたフルエレの眼前には、謎の後光を背負った魔ローダーが浮遊し、その足元には複数の魔呂のパーツとおぼしき物が山積みになって煙を上げて転がっていた。まさにカオスな状況であった。……フルエレは無言で窓をそっと閉じた。
「閉じんなっ!」
シャルが思わず叫んだ。
「砂緒は? セレネは?? 何とかしてくれるハズよ」
「申し上げ難いのですが……セレネ様が真っ先に撃破されて行方不明、蛇輪は倒れたまま放置され砂緒様は当初から衣図ライグ様と何処かへ……既に脱走したのではとの噂が……」
足元に転がるSRV達の残骸を眺め、貴城乃シューネは満足気に高笑いを続けた。
「もういいんじゃないか? 満足しただろうこのまま船まで飛んで帰ろうよ」
シューネが機嫌が良さそうな所で猫弐矢は刺激しない様に慎重に言った。
「……? はてそう言えば私は何をしに来たのであったか?」
猫弐矢に言われて周囲を見回したシューネは、前のめりで倒れ込んだ蛇輪を再び見つけた。
「もういいだろう?」
「忘れていた! あの銀色だ、アレが動き出すのをずっと待っていたが……もう良い猫弐矢が言う様にアレを破壊して帰るとするか」
猫弐矢は藪蛇になったと後悔した。
「あ、あんなのと戦うなんて無理だよ!? あんなのどうかしてるよ」
駐機場から一歩も動けない残り十数機程のSRV達は、どうする事も出来ず指を咥えて経緯を見つめていた。その中でもこれが初陣となるジェンナは震えが来る程に恐れ戦いていた。
「落ち着いてジェンナ、まだ何の命令も出ていないわ」
「でも何だか自分の判断でアレに突っ込んでいくみたいな空気になってるわよ!?」
ジェンナは魔法モニター上で後光を背負い空中浮遊する異様な姿の金輪に指をさした。
「そんな空気は無いわよっ!」
「私怖い、凄い意気地なしだって今気付いた」
ジェンナは本気でガタガタ震え始めた。
「そりゃあんなの見せられたら誰でも怖いわよ。そうだわ、もし無理ならSRV捨てて今すぐ脱走しよ! 戦場って不利になったら兵士は逃げる物らしいわよ!」
メドース・リガリァのシャクシュカ隊として戦ったジェンナと言っても、それは魔法で洗脳された状態であり、素の状態で戦うのはこれが正真正銘初めてのジェンナは恐怖に慄いていたが、逆にカレンは何度も死線を掻い潜っていて妙に性根が座っていた。
「そ、そうだよね私達元々砂緒やフルエレさんと敵対してた訳だし……命懸ける必要ないもんね!?」
という結論に至った。駐機場から出撃しない残りのSRV乗り達も似たり寄ったりであった……
ガンッッ!!
「おいコラーーッ!! 高貴なるボクが乗る魔呂を早く準備しろオラーッ!!」
「へっ?」
何かが装甲に投げ付けられて、ジェンナとカレンが魔法モニターを観ると、足元には縄でグルグル巻きにされ猿ぐつわまでされた巨乳のセクシーメイドさんを連れた、犯罪者にしか見えない石を握ったウェカ王子が居た。
「むぐうむぐう!!」
(いやあああ、あんなのと戦う魔呂に乗りたくないですーーー!!)
メアは泣きながら首を振っていた……
―ザ・イ・オサ新城内、雪乃フルエレ控室。
「お、おいフルエレなんだか外でズバンズバン言ってるけど放置してていいのかよ? 微妙に振動とか衝撃まである気がするんだけどさ」
窓を閉め切った部屋に籠っているフルエレを護衛中のシャルは、異様な衝撃や騒音の連続にさすがに不安を感じていた。
「何を慌ててるのよ? どうせ大した騒ぎじゃないわよ。それに何かあっても結局セレネと砂緒がパパッと解決しちゃうのよ。そんな事より貴方も紅茶飲みなさい」
バンッ!!
その直後、血相を変えた侍女がノックもする事無くドアを開けて入って来た。
「失礼致します! 女王陛下大変で御座います!! 投票結果発表中に謎の魔ローダーが乱入、攻撃を開始して会場は大混乱となっております!!」
シャルは言わんこっちゃ無いという顔をした。
「う、嘘よ、戦闘にしては静かだわ。本当の戦闘はもっとドゴンドゴン言うものよ?」
確かにそれもそうだった。戦っている金輪が音も無く敵を撃破出来る機体であるからの特殊状況でもあったが、フルエレは少し引きつり笑いしながら窓を開けて見た。
「え……何これ?」
窓を開けたフルエレの眼前には、謎の後光を背負った魔ローダーが浮遊し、その足元には複数の魔呂のパーツとおぼしき物が山積みになって煙を上げて転がっていた。まさにカオスな状況であった。……フルエレは無言で窓をそっと閉じた。
「閉じんなっ!」
シャルが思わず叫んだ。
「砂緒は? セレネは?? 何とかしてくれるハズよ」
「申し上げ難いのですが……セレネ様が真っ先に撃破されて行方不明、蛇輪は倒れたまま放置され砂緒様は当初から衣図ライグ様と何処かへ……既に脱走したのではとの噂が……」
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる