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Ⅳ セブンリーフ新北中同盟女王選定会議

エ、エーッ!? 〇が有る?? の巻き!! 下 THE夢オチへの道!!

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 直後、最大限赤面したスナコは、がばっと破れた部分を片手で押さえた。押さえた手に柔らかい胸の膨らみの感触が伝わる。

(ええっ私本当に女の子になっちゃったんでしょうかー?? 私の願いが神に通じ、強〇装甲ガ〇バーみたいに胸の細胞が異常進化してオッパイに……なんと言う事でしょうーー。でも下半身の方はどうなっているのでしょうかー? そう言えば先程から何かが無くなっている気が……もしかしてそっちの方も女の子に!? 調べたい……今すぐお風呂に入って調べ倒したい!!)
「ハァハァ……」

 スナコは片手が塞がっている為にもはやホワイトボードを書く事も不可能になってしまった。

「あらまあ、セクシーですわね」

 七華メイドも思わずスナコの胸元に視線が行った。

「良かったわ、スナコちゃんが普通の女の子並みの羞恥心があって。あのまま全裸で戦ってくれたりしたら目も当てられなかったわねえ」
「全裸で戦ってくれたらって望んでた様な言い方だな」
「でも相当戦い辛そうだにゃー」

 しばらくスナコの痴態を眺めていたお館さまがスチャッと剣を構え直した。

「どうするのかね? もう降参かね、私は女の子には優しい性格なのでね。余興としては楽しかったぞハハハハハ」
「くっこんなに服がビリビリじゃ戦いにくいわ……ハァハァ」

 スナコは赤面したまま胸元の破れをぎゅっと押さえた。

「酷いヤツだわっ! 女の子の服を破いて喜ぶだなんて……私が魔銃で撃ってやろうかしら?」
「こらこら。てかいつからスナコちゃんが女の子になったんだよ、スンナリ納得すんなよ雪ちゃん!」
「何を言ってるのにゃ? スナコちゃんは私達仲良し四人娘のメンバーじゃないかっ!」
「そうよ、セレネこそ何言ってるの?? あたかもスナコちゃんが実は男だなんてマンガみたいな事を口走って……」
「え?」
「はぁ~~新ニナルティナで全員一緒にお風呂入った仲だニャ~~?」
「え? そうだっけ。てか猫呼先輩、ニャーの頻度高過ぎないか??」
「ニャー?」

 もはやスナコが女の子で乙女の乳房がある事に全く疑問を感じなくなっている雪布瑠ユキ・ふると猫呼に違和感を感じまくるセレネだったが、しかしなんだか自分でも良く分からなくなって来ていた。

「ではこっちから行くぞ!! てやっ」
「きゃあっ」

 お館様はニヤリと笑いながら剣を振ると、スナコは胸元を押さえながらギリギリ寸前で避け、ホワイトボードを使う余裕も無く地声で叫び声を上げてしまった。

「あれ、声が!?」
「まあ小鳥のさえずりの様な可愛い声ね」
「……声まで!?」
「何を言ってるのよ、スナコちゃんの声は元々可愛い事で有名だニャー」
「そうだっけ?」

 ……ここで残念なお知らせをしなければならない。スナコの正体である砂緒の身体が、願いが天に通じ強〇装甲ガ〇バーの様に猛烈に細胞分裂して女体化した訳でも無く、これは全てお館さまこと貴城乃たかぎのシューネの幻惑魔法による物だった。つまり全て夢オチである。所が問題なのはシューネ自身が城全体の兵士や職員を一気に操ろうとして、元々セレネが"海と山とに挟まれた小さき王国"の結界魔器を参考にして作らせて設置していた物をシューネがブースターとして利用したのだが、それがシューネの想定以上に威力が強く、貴城乃シューネ自分自身までもがやがて催眠の影響下に入ってしまっていた。つまりお館様はスナコに適当に話を合わせているのでは無く、本当に可愛い女の子と戦っているつもりなのだった。

「ま、まだまだ負けないわっ! 私の大切なセレネを侮辱した者を許さない!!」

 しかし大赤面しながらもスナコは再び剣を構えた。

「す、スナコあたしの為にそこまで……」
(い、いや違う……スナコは砂緒、あたしの大切な砂緒、女の子じゃないよ、こんなの変だよ!)

 セレネはすっかり騙されている雪と猫呼を横目に首を振った。
 カキンカキン!! ビュンッ!!
再び激しい斬り合いの後、スナコの剣を遂に手元から弾き飛ばすと、フッとお館様がスナコの間合いに接近して、彼女の腰に手を回した。

「な、何をするの??」

 腰に回した腕でスナコを抱き寄せると、顔を近付け顎クイをする。

「ふふ、君は本当に可愛いね、私の物にしたいぐらいさ」
「は、離せっこのヘンタイッ!!」

 ポカポカとお館様の胸板を叩きまくるスナコ。彼女は電気が使える事も中程度の怪力も忘れていた。

「キャーーッ大変BLよビーエル!!」
「フーーッッなんてこと!? BLだにゃーっ」

 雪と猫呼は赤面して顔を覆った。

「さっきスナコは女の子だって言ってたじゃん! BLじゃねーだろが、混乱してんな」

 しかしその間も顎クイをされたスナコの唇はお館様の唇にどんどんと接近して行く。

「い、いや……止めて……」
(セ、セレネ、雪ちゃんこんな姿……み、見ないでェ)
「くくく、少女の非力ではどうにも出来ないかね?」

 セレネも危うく見とれ掛けたが、一人冷静になり目を細めて眉間にシワを寄せた。

「いかん、もし男とチューでもしたら砂緒の心に計り知れないダメージを与えてしまう! アイツのプライドには悪いがあたしが助けに入ろう……」

 遂に決心したセレネが剣を構えた直後だった。
 バーーーン!!
突然大広間のドアが勢いよく開け放たれた。静かに壁に立ち尽くす七華メイドが思わずドアを見た。

「そこまでだっっ!! 女の子を……特に可愛い女の子をいじめる奴は、この紅蓮アルフォードが許さん!!」

 同じく幻惑の影響下に入ってしまった紅蓮が突入して来た。カオスだった……
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