上 下
388 / 588
Ⅳ セブンリーフ新北中同盟女王選定会議

エ、エーッ!? 〇が有る?? の巻き!! 下 THE夢オチへの道!!

しおりを挟む
 直後、最大限赤面したスナコは、がばっと破れた部分を片手で押さえた。押さえた手に柔らかい胸の膨らみの感触が伝わる。

(ええっ私本当に女の子になっちゃったんでしょうかー?? 私の願いが神に通じ、強〇装甲ガ〇バーみたいに胸の細胞が異常進化してオッパイに……なんと言う事でしょうーー。でも下半身の方はどうなっているのでしょうかー? そう言えば先程から何かが無くなっている気が……もしかしてそっちの方も女の子に!? 調べたい……今すぐお風呂に入って調べ倒したい!!)
「ハァハァ……」

 スナコは片手が塞がっている為にもはやホワイトボードを書く事も不可能になってしまった。

「あらまあ、セクシーですわね」

 七華メイドも思わずスナコの胸元に視線が行った。

「良かったわ、スナコちゃんが普通の女の子並みの羞恥心があって。あのまま全裸で戦ってくれたりしたら目も当てられなかったわねえ」
「全裸で戦ってくれたらって望んでた様な言い方だな」
「でも相当戦い辛そうだにゃー」

 しばらくスナコの痴態を眺めていたお館さまがスチャッと剣を構え直した。

「どうするのかね? もう降参かね、私は女の子には優しい性格なのでね。余興としては楽しかったぞハハハハハ」
「くっこんなに服がビリビリじゃ戦いにくいわ……ハァハァ」

 スナコは赤面したまま胸元の破れをぎゅっと押さえた。

「酷いヤツだわっ! 女の子の服を破いて喜ぶだなんて……私が魔銃で撃ってやろうかしら?」
「こらこら。てかいつからスナコちゃんが女の子になったんだよ、スンナリ納得すんなよ雪ちゃん!」
「何を言ってるのにゃ? スナコちゃんは私達仲良し四人娘のメンバーじゃないかっ!」
「そうよ、セレネこそ何言ってるの?? あたかもスナコちゃんが実は男だなんてマンガみたいな事を口走って……」
「え?」
「はぁ~~新ニナルティナで全員一緒にお風呂入った仲だニャ~~?」
「え? そうだっけ。てか猫呼先輩、ニャーの頻度高過ぎないか??」
「ニャー?」

 もはやスナコが女の子で乙女の乳房がある事に全く疑問を感じなくなっている雪布瑠ユキ・ふると猫呼に違和感を感じまくるセレネだったが、しかしなんだか自分でも良く分からなくなって来ていた。

「ではこっちから行くぞ!! てやっ」
「きゃあっ」

 お館様はニヤリと笑いながら剣を振ると、スナコは胸元を押さえながらギリギリ寸前で避け、ホワイトボードを使う余裕も無く地声で叫び声を上げてしまった。

「あれ、声が!?」
「まあ小鳥のさえずりの様な可愛い声ね」
「……声まで!?」
「何を言ってるのよ、スナコちゃんの声は元々可愛い事で有名だニャー」
「そうだっけ?」

 ……ここで残念なお知らせをしなければならない。スナコの正体である砂緒の身体が、願いが天に通じ強〇装甲ガ〇バーの様に猛烈に細胞分裂して女体化した訳でも無く、これは全てお館さまこと貴城乃たかぎのシューネの幻惑魔法による物だった。つまり全て夢オチである。所が問題なのはシューネ自身が城全体の兵士や職員を一気に操ろうとして、元々セレネが"海と山とに挟まれた小さき王国"の結界魔器を参考にして作らせて設置していた物をシューネがブースターとして利用したのだが、それがシューネの想定以上に威力が強く、貴城乃シューネ自分自身までもがやがて催眠の影響下に入ってしまっていた。つまりお館様はスナコに適当に話を合わせているのでは無く、本当に可愛い女の子と戦っているつもりなのだった。

「ま、まだまだ負けないわっ! 私の大切なセレネを侮辱した者を許さない!!」

 しかし大赤面しながらもスナコは再び剣を構えた。

「す、スナコあたしの為にそこまで……」
(い、いや違う……スナコは砂緒、あたしの大切な砂緒、女の子じゃないよ、こんなの変だよ!)

 セレネはすっかり騙されている雪と猫呼を横目に首を振った。
 カキンカキン!! ビュンッ!!
再び激しい斬り合いの後、スナコの剣を遂に手元から弾き飛ばすと、フッとお館様がスナコの間合いに接近して、彼女の腰に手を回した。

「な、何をするの??」

 腰に回した腕でスナコを抱き寄せると、顔を近付け顎クイをする。

「ふふ、君は本当に可愛いね、私の物にしたいぐらいさ」
「は、離せっこのヘンタイッ!!」

 ポカポカとお館様の胸板を叩きまくるスナコ。彼女は電気が使える事も中程度の怪力も忘れていた。

「キャーーッ大変BLよビーエル!!」
「フーーッッなんてこと!? BLだにゃーっ」

 雪と猫呼は赤面して顔を覆った。

「さっきスナコは女の子だって言ってたじゃん! BLじゃねーだろが、混乱してんな」

 しかしその間も顎クイをされたスナコの唇はお館様の唇にどんどんと接近して行く。

「い、いや……止めて……」
(セ、セレネ、雪ちゃんこんな姿……み、見ないでェ)
「くくく、少女の非力ではどうにも出来ないかね?」

 セレネも危うく見とれ掛けたが、一人冷静になり目を細めて眉間にシワを寄せた。

「いかん、もし男とチューでもしたら砂緒の心に計り知れないダメージを与えてしまう! アイツのプライドには悪いがあたしが助けに入ろう……」

 遂に決心したセレネが剣を構えた直後だった。
 バーーーン!!
突然大広間のドアが勢いよく開け放たれた。静かに壁に立ち尽くす七華メイドが思わずドアを見た。

「そこまでだっっ!! 女の子を……特に可愛い女の子をいじめる奴は、この紅蓮アルフォードが許さん!!」

 同じく幻惑の影響下に入ってしまった紅蓮が突入して来た。カオスだった……
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...