魔法の魔ローダー✿セブンリーファ島建国記(工事中2)

佐藤うわ。

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Ⅳ セブンリーフ新北中同盟女王選定会議

雌伏のじっ、ジークフリード 上 フルエレ覚醒……

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「大将、魔呂に気を取られてる内に地上の傭兵達が侵入して来やした!」
「おっとそいつはいけねえな、魔呂はアイツらに任せて地上兵に当たろうか、行くぜ野郎ども!!」
「ウィーーーッ!!」

 謎の雄たけびを上げると衣図ライグらは破れた城壁に向かって行った。

「ちょっとちょっと! 既に侵入してる傭兵達をなんとかして!? 砂緒達は?」

 雪乃フルエレが見ると、セレネと砂緒は必死に戦おうとはしているが、そもそも魔呂は両者と組み合わない様に避けて避けまくっている感じだった。

「くっヤベー、砂緒とセレネが居る限りやっぱいつか負ける。此処はいち早く衣図ライグの館を潰して作戦成功って事でトンズラしよっと! 依頼金は前払いだしなヘヘ」

 魔呂アネーロに乗る騎士風の男はキャラ崩壊し始め、セコい事を考えながら中心の館に急いだ。

「俺達も魔呂に負けずにいち早く衣図ライグの家族をやるぞっ!」
「おおっ魔呂に賞金を独り占めさせるなっ!!」

 フルエレが砂緒達に注目している間に、既に先行して侵入していた傭兵達がフルエレの建物近くまで来ていた。

「おっこんな所に可愛いネコミミちゃんがいるぞ!?」
「にゃにゃっ!?」

 傭兵達に囲まれた猫呼がビクッとしてウーパーの素揚げを落とした。

「まだ子供じゃね?」
「お、オレこのくらいの子がドツボなんだよなー可愛いエプロンドレスだなあハァハァ」
「ヤバいなお前」
「よし、この子を俺の可愛い妹ちゃんにしてしまおう!」
「ひにゃ!?」

 等と言いながら傭兵の男はひょいっと猫呼の小さい身体を小脇に抱えた。

「か、可愛いなあ」
「にゃあ~~離せゴラーー!! 助けてお兄様~~」

 小脇に抱えられた猫呼は必死に空中で手足をジタバタさせた……

「い、いけないわっ!? 猫呼がならず者に捕まっちゃった!!」

 フルエレは無意識にリズに貸してもらったカートリッジレス魔銃を構えていた。すぐにターゲットサイトの凹みに猫呼を抱える男の顔が捉えられた。それを右にずらす。

「……肩を正確に撃ち抜けば猫呼は逃げ出せるはずよね」

 雪乃フルエレ女王は久しぶりの魔銃射撃に緊張が走った。笑い合う男の肩に正確に照準を合わせトリガーを絞る指に汗が滲んだ。

「猫呼、上手く逃げてッ!!」

 バンッ
 フルエレが建物の屋上から発射した魔法の魔銃弾は猫呼を抱える男の心臓を正確に撃ち抜いた……

「うぐっ!?」

 ドシャッ
 
「え?」
「ひぎゃーーー!? にゃわわわわわわ……」

 いきなり自分を抱える男が血を噴き出して倒れたので、地上に落とされた猫呼は驚いたが急いでゴキブリの様にカサカサ手足を動かして逃げ出した。

「ヤベッ狙撃だ!?」
「ちっならこの子は俺が貰う!!」
「しつっこいなゴラーー!!」

「ああっ!? 馬鹿猫呼がまた捕まった!! もう知らないわよ今度こそ!」

 また捕まった猫呼を助ける為にフルエレは多少震えながら魔銃ライフルを構えた。

「こ、今度こそ肩を狙って……走らないで! えいっ」

 バンッ!!

「うぐっ?」
「え??」

 ドシャッ
 再びフルエレの撃った魔法弾は傭兵の背中から正確に心臓を撃ち抜いた。

「ひぎゃーーバカーーー!!」

 再び落とされた猫呼は走り出し、ようやく男達から逃れたのだった。

「どうして心臓を撃ち抜いちゃうのよ!?」
「見ろ! スナイパーはあの建物だっやれ!!」

 魔銃のサイト越しから男達がこちらに指を指して走って来るのが見えた。

「い、いけない……撃たなきゃ……やられちゃう」

 ドンッ!!

「うぎゃっ」

 バンッッ!!

「ぐはっ!!」

 バーーンッ!!

「ゲッ」

 フルエレがハッと気が付いた時には、その場に居た五人の傭兵全員が正確に急所を撃ち抜かれて死んでいた……

「あぁ、私なんて事を……」

 等と言いつつも、フルエレはライグ村を守って若いニナルティナ正規兵を撃ってしまった時に比べ、見るからにガラの悪そうな傭兵達を撃った事に、余り実感も罪悪感も湧かない自分が恐ろしかった。

「やったーーーフルエレありがとーーーっ!!」
(見た目重視? 猫呼をさらってたもの……仕方ないわよ……でもごめんなさい)

 隠れていた猫呼が出て来て、エプロンポケットに隠し持っていたウーパーを持った両手を振っていた。それを見ながらガラの悪い傭兵にまで心の中で謝ってしまう優しいフルエレだった。

(う、ウーパールーパー好きね……)


「うははは、やれるっやれるぞっ! 中心の館を破壊してとっととトンズラすればまた栄光の日々に戻れる!!」

 魔呂アネーロはセレネと砂緒のアタックを必死に避けつつ確実にリズのいる中心の館に近付きつつあった。

「セレネッ! このまま下手に魔呂に仕掛け続ければ街の被害が拡大し続けますよ」
「でもどーすんだよ、あの魔呂の中の人、なんかあたし達の手の内を把握してる感じなんだが」
「ですね、セレネの氷魔法を避けつつ、私の痛撃も避けてますから」
「だからどーすんだよ?? お前抱えて魔呂に飛び移るか?」
「いえ、それも避けられるでしょ。でも私に考えがあります、セレネはフルエレを抱えて館目前のあの高い建物の屋上に彼女を置いて狙撃させ続けて下さい」
「そんなんしたらフルエレさんが危険だろ?」
「いえ大丈夫です。私が居る限り彼女は死にません」
「あっそ、知らんぞ」

 等と言いながらセレネはピョンピョンと飛んでフルエレを抱えた。

「きゃっセレネ何!?」
「場所移動しますっ!!」

 そして言われた通りセレネは指定された屋上にフルエレを置いて、自らは再び魔呂に氷魔法を掛け続けた。
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