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Ⅳ セブンリーフ新北中同盟女王選定会議
フルエレ一味のリュフミュラン出張 中 閉会、出発
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「では一同、北部中部新同盟女王選定会議は二週間後で場所は、ザ・イ・オサ新城でよいですね」
「ははっ」
「ハイッ」
最後に雪乃フルエレ女王が聞くと皆賛成した。
「それではセレネ王女が進められていたフルエレ女王以外の候補者の選定と投票用紙の送付、よろしく頼みますぞ。もはや期間がありませんからな」
「分かっている!」
ライス氏に念を押されてセレネがイラッとしながら答えた。早速二人は馬が合わない様だった。
「わたくしの一票はフルエレ女王に投票致しまする」
「おおーーー」
ライス氏の投票宣言で地響きの様などよめきが起こった。
「これ、事前に言う物ではありませんし、私は特に嬉しくありません」
「はは、出過ぎた真似を致しました」
その時一人の重臣が挙手をして発言の許可を求めたので、砂緒が嬉しそうに指をさした。
「許可するぞ!」
「有難う御座います。女王選定会議に関して一つ懸念が御座います」
「何か」
「はい、実は我が新ニナルティナとユティトレッド同様、北部海峡列国同盟の創設メンバー国である東のリュフミュランにおかしな動きがあるとか無いとか噂があります」
「おかしな動きとは?」
セレネが厳しい顔で聞き返した。
「はい……何やら東の地から貴人を招いて交流したり交易を再開したとか。というのも先の首都襲撃事件の時に二千の兵を率いて駆け付けたのは良いが、助けた女王が猫呼様演じる影武者だったのが癪に障った様でして、謝礼を受ける前に激怒して帰られ、それ以来増々同盟に対して不満を高めておられる様なのです……」
「何よソレ失礼だわっ!」
後ろで控える猫呼が怒って立ち上がった。
「猫呼は影武者等ではありません。私の留守の間は真の女王で私の分身と考えて下さい。それはセレネ王女も同じ事です」
「フルエレ……」
猫呼はゆっくりと席に着いた。
「しかし困りましたな、新同盟が成立するという時に創設メンバーと不和だと分かると沽券に関わりますな」
ライス氏が頭を抱えた。
「まああの者の頭上にフルエレが蛇輪で手刀を突き入れましたからなあ、昔から嫌われておるのでしょう」
「昔から滅茶苦茶するなあフルエレさん……」
「しっ砂緒セレネ黙ってて!!」
「仕方がありません、わたくしが感状と粗品を持ってリュフミュラン王に直接、感謝の念を伝えに参りましょう」
フルエレ女王が言うとライス氏や一部の事情を知る者以外、多くの者がびっくりした。此処にいる人々の殆どが雪乃フルエレの私生活を知らず、普段から街をふらふら出歩いてる事など知らないので女王に危険は無いのかと危惧をした。普段の彼女は人知れず宮殿の奥で一人で居ると思われていた……
「危険です、お考え直しを……何か代わりの者を立てても」
「何を言うのですか、同じ同盟国で何が危険なのです? それに私は先のメドース・リガリァ戦で矢面に立った身です。貴方達よりも身を守る術は心得ております。私が行かねばあの者の考えは変わりません」
フルエレの言葉に一同シーンとなった。
「じゃあ決まりだな、あたしも喜んで学校休んで付き合うよ!」
「貴方学校休みたいだけでしょ、それにリュフミュランには貴方が嫌いな七華もいるのよ!」
「うっあのエロ女か……まあいいや、会わなきゃ良いだけだ」
セレネはペロッと舌を出して嫌悪感を表した。
「可愛いですね舌、吸っていいですか? しかしそういう事ならば私も同行しましょう」
「吸えよ」
「貴方は七華に会いたいだけでしょ」
「あ、じゃーー久々に私も行くー」
「猫呼は居てよ……」
「うげっ何でよ」
「あんた今影武者の話してたでしょ」
「影武者じゃ無いんでしょーが」
「あんなの言葉の綾よあんたは影武者なのよ」
「ひ酷い人だ」
フルエレ達は重臣会議だという事を忘れて盛り上がった。
「あのフルエレ女王様、此処は宮殿なんだぜもう閉会かな?」
「そうねじゃあ閉会で良いわ、ここら辺で解散ね、皆ご苦労であった」
フルエレ達はわいわい雑談しながら控室に戻って行き、重臣達はポカーンとなった……
―次の日、喫茶猫呼ビル駐輪場。
「フルエレさん、本当に蛇輪で行かなくて良いのですか?」
メランが心配顔でフルエレに聞いた。
「蛇輪で行って威嚇したら逆効果だわ。それに最近魔輪に乗って無かったし」
「フルエレさんは、あたしと遠乗りは初めてだよな」
セレネは壁に激突させて燃やしたばかりなので新車に乗り換えている。
「やっぱり私も行きたーーい!」
「猫呼は居てよ……」
「あ、じゃあじゃあこの私が女王の影武者しましょうかっ!?」
メランが手を合わせ笑顔で言った。
「メラン、貴方は王族でも貴族でも無い平民出じゃない、平民に女王役は無理に決まってるわ!」
「ふ、フルエレそれ悪役令嬢が言うセリフですぞ……早く訂正して下さい」
「メラン、人間に身分なんて関係ないのよ」
「遅いわっ!」
しばし黙っていたセレネが赤面しつつ聞いて来た。
「それで、砂緒は私の魔輪とフルエレさんのサイドカーとどっちに乗るんだ?」
「昔みたいに私のサイドカーに決まっているじゃない?」
「い、いや今はもうあたしの後ろに乗るだろ」
「もうどっちに乗るの? 早く決めてっ」
「砂緒、早く乗れ」
セレネは赤面しつつタンデムシートをぽんぽん叩いた。
「急ーにある種のゲームみたいな展開になりましたな」
「砂緒~スナコちゃんに変身したくなったらいつでも天に向かって叫んでね、未確認飛行物体で飛んでくから~」
「分かり申した兎幸」
「自分の乗ってる物は未確認じゃ無いだろ兎幸先輩、で、どっちなんだよ?」
兎幸が出て来て一瞬カオス化し掛けたが、砂緒はどちらに乗るか真剣に悩んだ。
(タンデムだとセレネに密着出来る……でもフルエレのサイドカーにも久々に乗りたい気が……)
「ははっ」
「ハイッ」
最後に雪乃フルエレ女王が聞くと皆賛成した。
「それではセレネ王女が進められていたフルエレ女王以外の候補者の選定と投票用紙の送付、よろしく頼みますぞ。もはや期間がありませんからな」
「分かっている!」
ライス氏に念を押されてセレネがイラッとしながら答えた。早速二人は馬が合わない様だった。
「わたくしの一票はフルエレ女王に投票致しまする」
「おおーーー」
ライス氏の投票宣言で地響きの様などよめきが起こった。
「これ、事前に言う物ではありませんし、私は特に嬉しくありません」
「はは、出過ぎた真似を致しました」
その時一人の重臣が挙手をして発言の許可を求めたので、砂緒が嬉しそうに指をさした。
「許可するぞ!」
「有難う御座います。女王選定会議に関して一つ懸念が御座います」
「何か」
「はい、実は我が新ニナルティナとユティトレッド同様、北部海峡列国同盟の創設メンバー国である東のリュフミュランにおかしな動きがあるとか無いとか噂があります」
「おかしな動きとは?」
セレネが厳しい顔で聞き返した。
「はい……何やら東の地から貴人を招いて交流したり交易を再開したとか。というのも先の首都襲撃事件の時に二千の兵を率いて駆け付けたのは良いが、助けた女王が猫呼様演じる影武者だったのが癪に障った様でして、謝礼を受ける前に激怒して帰られ、それ以来増々同盟に対して不満を高めておられる様なのです……」
「何よソレ失礼だわっ!」
後ろで控える猫呼が怒って立ち上がった。
「猫呼は影武者等ではありません。私の留守の間は真の女王で私の分身と考えて下さい。それはセレネ王女も同じ事です」
「フルエレ……」
猫呼はゆっくりと席に着いた。
「しかし困りましたな、新同盟が成立するという時に創設メンバーと不和だと分かると沽券に関わりますな」
ライス氏が頭を抱えた。
「まああの者の頭上にフルエレが蛇輪で手刀を突き入れましたからなあ、昔から嫌われておるのでしょう」
「昔から滅茶苦茶するなあフルエレさん……」
「しっ砂緒セレネ黙ってて!!」
「仕方がありません、わたくしが感状と粗品を持ってリュフミュラン王に直接、感謝の念を伝えに参りましょう」
フルエレ女王が言うとライス氏や一部の事情を知る者以外、多くの者がびっくりした。此処にいる人々の殆どが雪乃フルエレの私生活を知らず、普段から街をふらふら出歩いてる事など知らないので女王に危険は無いのかと危惧をした。普段の彼女は人知れず宮殿の奥で一人で居ると思われていた……
「危険です、お考え直しを……何か代わりの者を立てても」
「何を言うのですか、同じ同盟国で何が危険なのです? それに私は先のメドース・リガリァ戦で矢面に立った身です。貴方達よりも身を守る術は心得ております。私が行かねばあの者の考えは変わりません」
フルエレの言葉に一同シーンとなった。
「じゃあ決まりだな、あたしも喜んで学校休んで付き合うよ!」
「貴方学校休みたいだけでしょ、それにリュフミュランには貴方が嫌いな七華もいるのよ!」
「うっあのエロ女か……まあいいや、会わなきゃ良いだけだ」
セレネはペロッと舌を出して嫌悪感を表した。
「可愛いですね舌、吸っていいですか? しかしそういう事ならば私も同行しましょう」
「吸えよ」
「貴方は七華に会いたいだけでしょ」
「あ、じゃーー久々に私も行くー」
「猫呼は居てよ……」
「うげっ何でよ」
「あんた今影武者の話してたでしょ」
「影武者じゃ無いんでしょーが」
「あんなの言葉の綾よあんたは影武者なのよ」
「ひ酷い人だ」
フルエレ達は重臣会議だという事を忘れて盛り上がった。
「あのフルエレ女王様、此処は宮殿なんだぜもう閉会かな?」
「そうねじゃあ閉会で良いわ、ここら辺で解散ね、皆ご苦労であった」
フルエレ達はわいわい雑談しながら控室に戻って行き、重臣達はポカーンとなった……
―次の日、喫茶猫呼ビル駐輪場。
「フルエレさん、本当に蛇輪で行かなくて良いのですか?」
メランが心配顔でフルエレに聞いた。
「蛇輪で行って威嚇したら逆効果だわ。それに最近魔輪に乗って無かったし」
「フルエレさんは、あたしと遠乗りは初めてだよな」
セレネは壁に激突させて燃やしたばかりなので新車に乗り換えている。
「やっぱり私も行きたーーい!」
「猫呼は居てよ……」
「あ、じゃあじゃあこの私が女王の影武者しましょうかっ!?」
メランが手を合わせ笑顔で言った。
「メラン、貴方は王族でも貴族でも無い平民出じゃない、平民に女王役は無理に決まってるわ!」
「ふ、フルエレそれ悪役令嬢が言うセリフですぞ……早く訂正して下さい」
「メラン、人間に身分なんて関係ないのよ」
「遅いわっ!」
しばし黙っていたセレネが赤面しつつ聞いて来た。
「それで、砂緒は私の魔輪とフルエレさんのサイドカーとどっちに乗るんだ?」
「昔みたいに私のサイドカーに決まっているじゃない?」
「い、いや今はもうあたしの後ろに乗るだろ」
「もうどっちに乗るの? 早く決めてっ」
「砂緒、早く乗れ」
セレネは赤面しつつタンデムシートをぽんぽん叩いた。
「急ーにある種のゲームみたいな展開になりましたな」
「砂緒~スナコちゃんに変身したくなったらいつでも天に向かって叫んでね、未確認飛行物体で飛んでくから~」
「分かり申した兎幸」
「自分の乗ってる物は未確認じゃ無いだろ兎幸先輩、で、どっちなんだよ?」
兎幸が出て来て一瞬カオス化し掛けたが、砂緒はどちらに乗るか真剣に悩んだ。
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