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III プレ女王国連合の成立
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ル・ワンの首が飛んだ事で半狂乱になったサッワが大剣を振り上げてセレネに襲い掛かるが、セレネはヒョイヒョイと余裕でその攻撃を全て避けて行く。
『おらっ!!』
バサッ!!
『ぐわっ』
しかし逆にセレネの一振りでサッワのレヴェルの片腕が飛ばされた。
『アハハハ、片腕でその大剣振り回せるかな!』
『く、くそーー!!』
しかしサッワは最初こそバランスを崩しがちになるが、すぐに片手で大剣を振り回す。
『せ、セレネさん台詞回しがほぼ悪役です……』
それに比べ、自信喪失したココナツヒメは自信家の彼女らしくも無く、戦う気力が果て掛けていた。
『まさかこんな所でこの私が終わるなんて……瞬間移動が使えれば……サッワちゃんジェンナごめんね』
『まだ、まだまだですっ!』
「あ、あのサッワさま、瞬間移動を使う手が……」
その時操縦席の後ろからジェンナがぼそっと言った。
「どうするんだ?」
「はい、結界兵器の範囲外は輪の外だけじゃ無いと思うんです」
そう言うとジェンナは上を向いた。それを見てサッワはハッとした。
『ココナさま、最後まで諦めないで!! 上に飛びましょう一緒に! さっきのメッキ野郎と同じ事をするんです!!』
サッワが言った事でココナツヒメは一瞬で全てを理解して戦う気持ちが復活した。
『良いわ。戦うフリをしつつ、ル・ツーとメッキ野郎を接近させて、1・2・3で飛ぶわよ!』
『はいっ!!』
ドンッバシャッ!!
ココナツヒメはより視界が開ける様にハッチをパージした。
『おや、ハッチをパージして涼しくして、どうするつもりだよっ! しっかりアンタの姿を拝んだからねっ!!』
セレネは意表を突いたル・ワンの動きに一瞬驚いたが、相手が死を覚悟して姿を晒したと理解した。しかしそれは完全にセレネの油断であった。
『行くよ! はああああああ!!』
『うおおおおおお!!』
ココナツヒメのル・ワンとサッワのレヴェルはそれぞれ同時に蛇輪とル・ツーに斬りかかった。
『良い覚悟だっ死ぬ気だなっ!』
『油断しないでっ!』
セレネと砂緒も最後の斬り合いと覚悟して剣を交えた。
『ぎゃあっ!!』
ビュンッ!! ザクッ
しかしすぐに一瞬でセレネの魔法剣の一閃でル・ワンの片腕が斬り落とされる。
『あはは、やっぱり弱いなお前は!』
『舐めるなっ!!』
片腕を落とされながらもしかしひるむ事無く、ココナツヒメは剣を振るい続けた。
『うわ。うわわわわ』
「砂緒さんしっかり! 相手は片腕大剣ですよっ! 隙を突いてっ」
メランが必死に応援するが、逆に砂緒は片腕のレヴェルのサッワに押され始めた。
ザンッ!!
『ぐはっ!!』
「砂緒さん!?」
遂に砂緒はサッワに片腕を落とされた……
『砂緒ーーー!?』
セレネは砂緒が片腕を落とされた事で一瞬動揺して隙が出来た。
『今よっ!』
『今です、1・2・3!!』
ドンッ!! シュタッ!!
サッワは大剣をそのまま地面に突き刺し、その剣をも踏み台にしてル・ツーの肩に駆け上がった。同時の合図でル・ワンも蛇輪の肩にピョンと飛び乗った。
『な? 舐めんなあああーーーっ!!』
セレネが自分の機体の肩の上でバネの様に縮み、勢いを付けてジャンプしようとする半透明ル・ワンに激怒して魔法剣を振り上げた。
『飛べ!!』
サッワの合図で二機とも同時にそれぞれの敵の肩から飛んだ。
『なろーーー!!』
ザンッ!!
二機が飛んだ瞬間、セレネが超反応で剣を振り、半透明の片足を切り落とした。
『ココナッ!!』
サッワは手を伸ばした。
シュンッ!!
サッワの手が触れた瞬間、ココナツヒメは瞬間移動(短)を発動しまんまと逃げおおせた。
『くっそーーーーーー!!』
ダンッ!!
セレネは叫びながら剣を地面に叩き付けた。
『セレネさん美しい乙女がクソとか言ってはイケマセン』
『セレネ、貴方がSRV達に加勢するなとかカッコ付けるからじゃない。あの壊れた半透明はもうこの戦争の帰趨が決するまでに修理するのは不可能だわ。事実上私達の勝ちよ。あとは事前情報から逆算して黒かグレーのヤツとレヴェルが三機程残ってるだけよ。今度はカッコ付けずに残ったSRV十七機と私達蛇輪と砂緒のル・ツーで全力で仕掛ければ今度こそ同盟の勝ちよ。この戦争も終わるわ』
今まで自分が不得意な剣での戦いを黙って見守っていたY子がセレネを諫めた。
『Y子殿、私片腕斬られてるのは無視ですか?』
『知らん』
『そうだな……濃いグレーのヤツはトリッキーな動きをする。油断せずに最初から全力で皆で戦おう。それでこの戦争も終わりだな』
セレネはサッワが捨てて行った壊れた魔砲ライフルを見ながら言った。Y子もセレネも、そのスピネルのデスペラード改Ⅲが同盟首都新ニナルティナを襲い、しかし既にウェカ王子と瑠璃ィキャナリーに撃退された事など知らない。そしてY子こと雪乃フルエレ女王にとって耐えがたい悲しい知らせがある事も当然まだ知らない。
『あ、あの皆さん黒い稲妻Ⅱの片腕はともかく、地上兵の事忘れてませんか~~~?』
メランが同盟地上兵とメドース・リガリァ地上兵がまだまだ激闘を繰り広げる北の方向を見て、冷や汗を流しつつ皆に警告した。
『おらっ!!』
バサッ!!
『ぐわっ』
しかし逆にセレネの一振りでサッワのレヴェルの片腕が飛ばされた。
『アハハハ、片腕でその大剣振り回せるかな!』
『く、くそーー!!』
しかしサッワは最初こそバランスを崩しがちになるが、すぐに片手で大剣を振り回す。
『せ、セレネさん台詞回しがほぼ悪役です……』
それに比べ、自信喪失したココナツヒメは自信家の彼女らしくも無く、戦う気力が果て掛けていた。
『まさかこんな所でこの私が終わるなんて……瞬間移動が使えれば……サッワちゃんジェンナごめんね』
『まだ、まだまだですっ!』
「あ、あのサッワさま、瞬間移動を使う手が……」
その時操縦席の後ろからジェンナがぼそっと言った。
「どうするんだ?」
「はい、結界兵器の範囲外は輪の外だけじゃ無いと思うんです」
そう言うとジェンナは上を向いた。それを見てサッワはハッとした。
『ココナさま、最後まで諦めないで!! 上に飛びましょう一緒に! さっきのメッキ野郎と同じ事をするんです!!』
サッワが言った事でココナツヒメは一瞬で全てを理解して戦う気持ちが復活した。
『良いわ。戦うフリをしつつ、ル・ツーとメッキ野郎を接近させて、1・2・3で飛ぶわよ!』
『はいっ!!』
ドンッバシャッ!!
ココナツヒメはより視界が開ける様にハッチをパージした。
『おや、ハッチをパージして涼しくして、どうするつもりだよっ! しっかりアンタの姿を拝んだからねっ!!』
セレネは意表を突いたル・ワンの動きに一瞬驚いたが、相手が死を覚悟して姿を晒したと理解した。しかしそれは完全にセレネの油断であった。
『行くよ! はああああああ!!』
『うおおおおおお!!』
ココナツヒメのル・ワンとサッワのレヴェルはそれぞれ同時に蛇輪とル・ツーに斬りかかった。
『良い覚悟だっ死ぬ気だなっ!』
『油断しないでっ!』
セレネと砂緒も最後の斬り合いと覚悟して剣を交えた。
『ぎゃあっ!!』
ビュンッ!! ザクッ
しかしすぐに一瞬でセレネの魔法剣の一閃でル・ワンの片腕が斬り落とされる。
『あはは、やっぱり弱いなお前は!』
『舐めるなっ!!』
片腕を落とされながらもしかしひるむ事無く、ココナツヒメは剣を振るい続けた。
『うわ。うわわわわ』
「砂緒さんしっかり! 相手は片腕大剣ですよっ! 隙を突いてっ」
メランが必死に応援するが、逆に砂緒は片腕のレヴェルのサッワに押され始めた。
ザンッ!!
『ぐはっ!!』
「砂緒さん!?」
遂に砂緒はサッワに片腕を落とされた……
『砂緒ーーー!?』
セレネは砂緒が片腕を落とされた事で一瞬動揺して隙が出来た。
『今よっ!』
『今です、1・2・3!!』
ドンッ!! シュタッ!!
サッワは大剣をそのまま地面に突き刺し、その剣をも踏み台にしてル・ツーの肩に駆け上がった。同時の合図でル・ワンも蛇輪の肩にピョンと飛び乗った。
『な? 舐めんなあああーーーっ!!』
セレネが自分の機体の肩の上でバネの様に縮み、勢いを付けてジャンプしようとする半透明ル・ワンに激怒して魔法剣を振り上げた。
『飛べ!!』
サッワの合図で二機とも同時にそれぞれの敵の肩から飛んだ。
『なろーーー!!』
ザンッ!!
二機が飛んだ瞬間、セレネが超反応で剣を振り、半透明の片足を切り落とした。
『ココナッ!!』
サッワは手を伸ばした。
シュンッ!!
サッワの手が触れた瞬間、ココナツヒメは瞬間移動(短)を発動しまんまと逃げおおせた。
『くっそーーーーーー!!』
ダンッ!!
セレネは叫びながら剣を地面に叩き付けた。
『セレネさん美しい乙女がクソとか言ってはイケマセン』
『セレネ、貴方がSRV達に加勢するなとかカッコ付けるからじゃない。あの壊れた半透明はもうこの戦争の帰趨が決するまでに修理するのは不可能だわ。事実上私達の勝ちよ。あとは事前情報から逆算して黒かグレーのヤツとレヴェルが三機程残ってるだけよ。今度はカッコ付けずに残ったSRV十七機と私達蛇輪と砂緒のル・ツーで全力で仕掛ければ今度こそ同盟の勝ちよ。この戦争も終わるわ』
今まで自分が不得意な剣での戦いを黙って見守っていたY子がセレネを諫めた。
『Y子殿、私片腕斬られてるのは無視ですか?』
『知らん』
『そうだな……濃いグレーのヤツはトリッキーな動きをする。油断せずに最初から全力で皆で戦おう。それでこの戦争も終わりだな』
セレネはサッワが捨てて行った壊れた魔砲ライフルを見ながら言った。Y子もセレネも、そのスピネルのデスペラード改Ⅲが同盟首都新ニナルティナを襲い、しかし既にウェカ王子と瑠璃ィキャナリーに撃退された事など知らない。そしてY子こと雪乃フルエレ女王にとって耐えがたい悲しい知らせがある事も当然まだ知らない。
『あ、あの皆さん黒い稲妻Ⅱの片腕はともかく、地上兵の事忘れてませんか~~~?』
メランが同盟地上兵とメドース・リガリァ地上兵がまだまだ激闘を繰り広げる北の方向を見て、冷や汗を流しつつ皆に警告した。
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