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III プレ女王国連合の成立
カレンの真意 イェラさんからの御褒美……
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「大丈夫だ、こんな可愛い子だからなっ!」
セレネはY子の平和ボケぶりに本気であきれた。もしこの元敵兵の少女が身体に魔法瓶を隠し持っていたり、魔法で自爆したりすれば大切な蛇輪を内部から破壊されてしまう。
「一旦降りるぞ!!」
鳥型に変形し、高度を上げて一気にコーディエ達の待つ、ミャマ地域軍に合流しようとしていた蛇輪は急降下して空白地帯に駐機した。
「砂緒に遠眼鏡の能力で見られてないだろうな、恥ずかしい。き、君が、か、カレンくんか? よろしくな。しかし妙な真似をすれば命は無い物と思えよ!」
剣を抜いたセレネは剣先をカレンの喉元に突き立てるが、気丈なカレンはセレネの目を見てピクリとも身じろがない。
「ちょっと! 年下の女の子に緊張しながら剣先を突き立てないで!! 貴方の方が圧倒されているではないか」
「Y子様、つい先日まで敵兵だったのです、当然の事ですから。セレネ様、よろしくお願いします」
「うむ、分かれば良い。身体に不審な物を隠し持ってなどいないな?」
一応剣を収めたセレネだが、カレンに武器を持っていないか尋ねた。
カシャッ。
ガチャッ、カランッ
「申し訳ありません、他意は無いのですが護身用に短魔銃二丁と魔法瓶一個、ナイフ三本を隠し持っていました、これ以上はありません」
「まあ凄い! どこにそんなに持っていたの!!」
Y子が関心して手を合わせた。
「関心するな!! ガチでヤバい子じゃないか!? あたしがボディチェックする!!」
数分間、セレネがカレンのボディチェックを念入りに続けた。
「もうありませんので」
「そうだな、魔法力の放出も無いし魔導士でも無い。もう安全だろう。でもY子殿、こんな事を続けているといつか本当に寝首を欠かれるぞ」
「大丈夫よ」
最後にずいっとセレネがカレンの前に立ちはだかった。
「やはりどういうつもりだ、どういうつもりでY子殿に取り入り、ここまでやって来た? 何か魂胆があるのだろう? 言え」
「……魂胆なんてありません。ただラン隊長や仲間達大勢が死んだこの戦争が何故起こったのか、この戦争がどう終わるのか……それを見定める為には貴方達の近くに居た方がよく見えると思ったのです。敵大将に仕えれる、普通こんな機会は願ってもありません。貴方達を攻撃しようとか命を狙おうだとか一切ありません。もしおかしいと思うならいつでも斬って下さい」
カレンは一切視線を逸らす事無くセレネに言いきった。セレネは内心初対面の少女と話すのが苦手で視線を逸らしたかったが、ビビリながら必死にこらえた。
(ヒッこの子怖い……砂緒がいたらこんな子蹴散らしてくれるのに)
「ほらっお姉さんが年下イジメちゃダメッ!」
Y子はがばっとカレンを抱き寄せた。そしてそのまま蛇輪に乗り込むと、三人は一直線に七葉後川を北側に渡った拠点に向かった。
(……全部嘘だ。戦争の行く末なんて私はもう興味無い。どうせメド国は負けてしまうだけだろう。けどもう一度サッワくんに会いたい。会ってどんな気持ちなのか話したい、それだけ……)
カレンはY子の後ろから魔法モニターに映る、流れる地上の景色を無言で見つめ続けた。
―深夜トリッシュ城内、砂緒の部屋。
(寝られん……)
砂緒は久しぶりにセレネ以外の女の子と接近して、ドキドキして興奮のまま眠れなくなってひたすら天井を見つめていた。
コンコン。
凄く小さいノックの音が鳴った。
「起きてるか?」
さらに小さいイェラの声が聞こえた。
「はい、起きてます、イェラ?」
ガチャッ
静かにドアを開けるとやたら薄着のイェラが立っていた。
「入るぞ」
「はい、あの、何でしょう……」
見慣れたイェラなのに、薄着で寝室に入って来てドキッとする。
「そう緊張するな! 取って食う訳じゃないぞ」
「はぁ」
「お前以前言っていただろう、引っ越しした直後に皆で一緒にお風呂に入りたいと」
「へっ? は、はあそんな事も言っていましたねえ、遠い昔の様だ」
イェラがガシッと砂緒の腕を掴んだ。
「王族用の二十四時間源泉かけ流しの温泉があるそうだ、一緒に入ろう」
「はい?」
砂緒は一瞬意味がよく分からなかった。
「……もしかして嫌か? 私が清純派だと思ってガッカリしたか??」
イェラは珍しく可愛らしい女の子らしい切ない顔をした。
「……いえ、まさか望む所ですよ……けど兎幸が……お邪魔虫なんですよ……」
砂緒は小声で兎幸の眠る近くの部屋の方向を見た。
「……安心しろ、先程気配を消して探った。すやすや眠っているぞ」
「プロですか!」
「シッ、静かにしろ、行くぞ……」
砂緒自身がすっかり忘れているが、直ぐに帰国するユッマランド王に次ぐ、一応この城のトップである砂緒が通り過ぎると、あちこちの警備兵が恭しく敬礼をした。しかし砂緒は美女と一緒に風呂に向かう後ろめたさか、いちいちビクッとした。
カラカラカラ……
風呂場に入る二人。すぐに躊躇無くイェラは服をぱさぱさと脱ぎ捨て始めた。やがて大きく屈んで下着をするすると脱ぎ落すと、完全に全裸となりいつも片方で結んでいるポニーテールを解くと、首を軽く振って、長い髪をふぁわさっと広げた。
「うゎ、うわあああ」
いつもの見慣れた男勝りのイェラの自然な髪型を見て、新鮮な姿にどきどきが止まらない。
「何をじろじろ見ている、早くお前も脱げっ」
「……ごくり……は、はい……お待ちを」
心臓が飛び出て死ぬのではないかと思うくらい緊張しながら服を脱いだ。
「では先に入ってお湯に浸かっていろ、私も後から入ろう……」
その言葉で砂緒はピーンと来た。
(ははーーん、どうせイェラさんは来ない気だな!!)
「はいはい、せいぜいお風呂に浸かって待っていますよ!!」
何故か緊張感から解放された砂緒は頭にタオルを乗せると、笑顔でお湯に浸かり目を閉じた。
「ふぅ~~~~、綺麗な裸だったな! 良い御褒美だ」
カラカラカラ……誰か入って来た。湯気の間から現れたのは見紛うこと無きイェラだった。
「本当に……来るパターン?」
「何を驚いている……来ると言っただろう」
イェラは砂緒の至近にちゃぽっと片足をゆっくり浸けると、真横に座った。
「近い、近いです……」
「当たり前だろう……それが目的なんだからな、覚悟しろ!」
「………………」
しばらく無言のまま並んで座っていると、イェラが突然腰を上げた。
「今からする事は二人だけの秘密だからな、特にセレネには内緒だぞ」
「も、もちろんです」
……詳述は避けるが、温泉の中イェラは砂緒の前にゆっくりと座り込んだ。しばらく源泉かけ流しの温泉の流れる音の中で静かに健康的な吐息が漏れ続けた。
「はぁ……はぁ……どうだ、この温泉気持ち、い、良いだろう?」
「……そ、そうですね、身体に良さそうな効能とか、はぁ……あり……そうですね」
またしばらく温泉に浸かった時特有の、ふぅ~~という吐息が漏れ続ける。
「あの……目の前に偶然温泉に浸かる全裸の美女がいるので……はぁはぁ……ラッキースケベで偶然手が当たっても良いでしょうか?」
「はぁはぁ……ワザとなら駄目だが、ラッキースケベなら仕方ないな……い、いいぞ」
砂緒の手が、お湯の中で陽炎の様にユラユラ揺れる、目の前に突き出たイェラの見事な胸に偶然当たった。
「……うっ」
ラッキースケベで偶然手が当たると、イェラは目を閉じてビクッとした。
「すいません、大丈夫ですか」
「謝るな、ラッキースケベじゃないか」
「はい……」
「はぁ……少しお湯に当たって来たので、肩に手を回して良いか?」
イェラの額に汗がびっしょりと張り付き目は虚ろになって来ている。
「どうぞ……あともう少しで……お湯から出ましょう……か」
「う、うん……」
どれ程の時間が経ったのだろうか、自室の窓から朝日が射して来ていた。
「な~~んだ、夢のオチと書いて夢落ちですか! ハハハ、そんないい事ある訳ないですねえ」
砂緒はベッドの中で何故かホッとしてくるりと回転して腕を伸ばそうとした。
「ん、起きたのか……おはようだな」
隣の目の前には、髪を解いたままのイェラが横になったまま、にこっと笑っていた。
(あっ大変な事になった……)
砂緒の血の気が引いた。
セレネはY子の平和ボケぶりに本気であきれた。もしこの元敵兵の少女が身体に魔法瓶を隠し持っていたり、魔法で自爆したりすれば大切な蛇輪を内部から破壊されてしまう。
「一旦降りるぞ!!」
鳥型に変形し、高度を上げて一気にコーディエ達の待つ、ミャマ地域軍に合流しようとしていた蛇輪は急降下して空白地帯に駐機した。
「砂緒に遠眼鏡の能力で見られてないだろうな、恥ずかしい。き、君が、か、カレンくんか? よろしくな。しかし妙な真似をすれば命は無い物と思えよ!」
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一応剣を収めたセレネだが、カレンに武器を持っていないか尋ねた。
カシャッ。
ガチャッ、カランッ
「申し訳ありません、他意は無いのですが護身用に短魔銃二丁と魔法瓶一個、ナイフ三本を隠し持っていました、これ以上はありません」
「まあ凄い! どこにそんなに持っていたの!!」
Y子が関心して手を合わせた。
「関心するな!! ガチでヤバい子じゃないか!? あたしがボディチェックする!!」
数分間、セレネがカレンのボディチェックを念入りに続けた。
「もうありませんので」
「そうだな、魔法力の放出も無いし魔導士でも無い。もう安全だろう。でもY子殿、こんな事を続けているといつか本当に寝首を欠かれるぞ」
「大丈夫よ」
最後にずいっとセレネがカレンの前に立ちはだかった。
「やはりどういうつもりだ、どういうつもりでY子殿に取り入り、ここまでやって来た? 何か魂胆があるのだろう? 言え」
「……魂胆なんてありません。ただラン隊長や仲間達大勢が死んだこの戦争が何故起こったのか、この戦争がどう終わるのか……それを見定める為には貴方達の近くに居た方がよく見えると思ったのです。敵大将に仕えれる、普通こんな機会は願ってもありません。貴方達を攻撃しようとか命を狙おうだとか一切ありません。もしおかしいと思うならいつでも斬って下さい」
カレンは一切視線を逸らす事無くセレネに言いきった。セレネは内心初対面の少女と話すのが苦手で視線を逸らしたかったが、ビビリながら必死にこらえた。
(ヒッこの子怖い……砂緒がいたらこんな子蹴散らしてくれるのに)
「ほらっお姉さんが年下イジメちゃダメッ!」
Y子はがばっとカレンを抱き寄せた。そしてそのまま蛇輪に乗り込むと、三人は一直線に七葉後川を北側に渡った拠点に向かった。
(……全部嘘だ。戦争の行く末なんて私はもう興味無い。どうせメド国は負けてしまうだけだろう。けどもう一度サッワくんに会いたい。会ってどんな気持ちなのか話したい、それだけ……)
カレンはY子の後ろから魔法モニターに映る、流れる地上の景色を無言で見つめ続けた。
―深夜トリッシュ城内、砂緒の部屋。
(寝られん……)
砂緒は久しぶりにセレネ以外の女の子と接近して、ドキドキして興奮のまま眠れなくなってひたすら天井を見つめていた。
コンコン。
凄く小さいノックの音が鳴った。
「起きてるか?」
さらに小さいイェラの声が聞こえた。
「はい、起きてます、イェラ?」
ガチャッ
静かにドアを開けるとやたら薄着のイェラが立っていた。
「入るぞ」
「はい、あの、何でしょう……」
見慣れたイェラなのに、薄着で寝室に入って来てドキッとする。
「そう緊張するな! 取って食う訳じゃないぞ」
「はぁ」
「お前以前言っていただろう、引っ越しした直後に皆で一緒にお風呂に入りたいと」
「へっ? は、はあそんな事も言っていましたねえ、遠い昔の様だ」
イェラがガシッと砂緒の腕を掴んだ。
「王族用の二十四時間源泉かけ流しの温泉があるそうだ、一緒に入ろう」
「はい?」
砂緒は一瞬意味がよく分からなかった。
「……もしかして嫌か? 私が清純派だと思ってガッカリしたか??」
イェラは珍しく可愛らしい女の子らしい切ない顔をした。
「……いえ、まさか望む所ですよ……けど兎幸が……お邪魔虫なんですよ……」
砂緒は小声で兎幸の眠る近くの部屋の方向を見た。
「……安心しろ、先程気配を消して探った。すやすや眠っているぞ」
「プロですか!」
「シッ、静かにしろ、行くぞ……」
砂緒自身がすっかり忘れているが、直ぐに帰国するユッマランド王に次ぐ、一応この城のトップである砂緒が通り過ぎると、あちこちの警備兵が恭しく敬礼をした。しかし砂緒は美女と一緒に風呂に向かう後ろめたさか、いちいちビクッとした。
カラカラカラ……
風呂場に入る二人。すぐに躊躇無くイェラは服をぱさぱさと脱ぎ捨て始めた。やがて大きく屈んで下着をするすると脱ぎ落すと、完全に全裸となりいつも片方で結んでいるポニーテールを解くと、首を軽く振って、長い髪をふぁわさっと広げた。
「うゎ、うわあああ」
いつもの見慣れた男勝りのイェラの自然な髪型を見て、新鮮な姿にどきどきが止まらない。
「何をじろじろ見ている、早くお前も脱げっ」
「……ごくり……は、はい……お待ちを」
心臓が飛び出て死ぬのではないかと思うくらい緊張しながら服を脱いだ。
「では先に入ってお湯に浸かっていろ、私も後から入ろう……」
その言葉で砂緒はピーンと来た。
(ははーーん、どうせイェラさんは来ない気だな!!)
「はいはい、せいぜいお風呂に浸かって待っていますよ!!」
何故か緊張感から解放された砂緒は頭にタオルを乗せると、笑顔でお湯に浸かり目を閉じた。
「ふぅ~~~~、綺麗な裸だったな! 良い御褒美だ」
カラカラカラ……誰か入って来た。湯気の間から現れたのは見紛うこと無きイェラだった。
「本当に……来るパターン?」
「何を驚いている……来ると言っただろう」
イェラは砂緒の至近にちゃぽっと片足をゆっくり浸けると、真横に座った。
「近い、近いです……」
「当たり前だろう……それが目的なんだからな、覚悟しろ!」
「………………」
しばらく無言のまま並んで座っていると、イェラが突然腰を上げた。
「今からする事は二人だけの秘密だからな、特にセレネには内緒だぞ」
「も、もちろんです」
……詳述は避けるが、温泉の中イェラは砂緒の前にゆっくりと座り込んだ。しばらく源泉かけ流しの温泉の流れる音の中で静かに健康的な吐息が漏れ続けた。
「はぁ……はぁ……どうだ、この温泉気持ち、い、良いだろう?」
「……そ、そうですね、身体に良さそうな効能とか、はぁ……あり……そうですね」
またしばらく温泉に浸かった時特有の、ふぅ~~という吐息が漏れ続ける。
「あの……目の前に偶然温泉に浸かる全裸の美女がいるので……はぁはぁ……ラッキースケベで偶然手が当たっても良いでしょうか?」
「はぁはぁ……ワザとなら駄目だが、ラッキースケベなら仕方ないな……い、いいぞ」
砂緒の手が、お湯の中で陽炎の様にユラユラ揺れる、目の前に突き出たイェラの見事な胸に偶然当たった。
「……うっ」
ラッキースケベで偶然手が当たると、イェラは目を閉じてビクッとした。
「すいません、大丈夫ですか」
「謝るな、ラッキースケベじゃないか」
「はい……」
「はぁ……少しお湯に当たって来たので、肩に手を回して良いか?」
イェラの額に汗がびっしょりと張り付き目は虚ろになって来ている。
「どうぞ……あともう少しで……お湯から出ましょう……か」
「う、うん……」
どれ程の時間が経ったのだろうか、自室の窓から朝日が射して来ていた。
「な~~んだ、夢のオチと書いて夢落ちですか! ハハハ、そんないい事ある訳ないですねえ」
砂緒はベッドの中で何故かホッとしてくるりと回転して腕を伸ばそうとした。
「ん、起きたのか……おはようだな」
隣の目の前には、髪を解いたままのイェラが横になったまま、にこっと笑っていた。
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砂緒の血の気が引いた。
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