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III プレ女王国連合の成立
遭遇、会敵・接敵……
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―バックマウンテン山中、サッワ達射撃ポイントのすこし北側の地点。
『鳴り響いていた大きな音が止んだ……瑠璃ィどう思う??』
山中で様子を伺っていたラ・マッロカンプ王国ウェカ王子のジェイドと瑠璃ィキャナリーのホーネット、そして瑠璃ィの部下達フード軍団が乗る三機のSRVが息を潜めている。敵の全容が分からない為に警戒し過ぎていたが、実は長物を持つサッワともう一機ミリアのレヴェルが居るだけで、実は戦力的にはウェカ王子達の方が圧倒的に優位だった。
『弾切れか……斬り合いが始まったか、何にしても戦況に変化があったんやろうなあ』
『難しいですねえ、誰かが見に行ったらいいんじゃないですかあ?』
「うん、そうだなあメア……って!? 何でお前が此処にいる??」
メアはウェカ王子の座席の後ろに隠れていた。
「私と王子は一心同体ですよっ!! 例えそれが……危険な戦場だとしても!!」
「メア……」
「王子……」(玉の輿、玉の輿ポイントアップ……むふふ)
「……お前運動神経めっちゃいいな! メイド服でどうやって上った?? 今度見せてくれ!!」
メアはずるっとコケた。
『瑠璃ィ、駄目だ。メアが勝手に操縦席に入って来た。危険だ戦闘は中止、後退する!!』
「え?? 私平気ですよー」
「駄目だ、メアを危険に晒したくないんだ」
「まっお、王子!? ……無理やり連れて来ておいてっ!?」
『ウチが単機で見て来るわっ皆はじっとしときやっ!!』
『おい勝手に行くなっコラッ!』
ウェカ王子が止めるのも聞かず、瑠璃ィのホーネット一機だけが山肌を駆け下りて行った。
『今の砂緒殿の雷落としで敵に迷いが生じたのか、砲撃が止んだな、少し急ごう!!』
Y子こと雪乃フルエレが全軍に命令した。
『この隙に人間が走れる限界までスピードアップしましょう!!』
「酷いですね……ですが列は乱さないで下さいよ!!」
メランが過酷な事を提案したが、砂緒以外誰も何も言わなかった。
「じゃあ俺達はトンネルの入り口が迫って来たから順次突入するわ、城で再会しようぜっ! 行くぞラフ」
「へいへい」
ちょうど上手い具合に偽装されたトンネルの入り口に辿り着いた衣図ライグ達が列から一隊を枝分かれさせて次々トンネルの入り口に入って行く。
『サッワちゃん、奴らスピードアップしたわっ早くしないと城壁に辿り着かれちゃうわよっ! 早くしないとトリッシュ国ごと敵魔呂を撃ち抜く事になるわよっ!!』
『はい、急いでいます。完全に真横に出なくとも、斜めからでも十分に列の側面を射撃出来ます!!』
サッワのレヴェルは巨大な魔砲ライフルのキャリングハンドルを握りながら必死に山の斜面を駆け抜けた。
「ウェカ王子……私達も瑠璃ィさん追い掛けないんですか?」
「いや止めておこう。もし団体で行って敵に見つかったら折角の山越え作戦がパアになってしまうよ。一機程度なら地上の同盟軍が偵察に出した機体だと勘違いしてくれるかもしれないしな! 瑠璃ィなら何があっても自分くらい守れるだろー」
「もしかして……まだメドース・リガリァ本国を急襲する策を諦めてないんですかぁ!?」
「い、いやそんな事ねーし??」
「バレバレですよ王子……」
メアは王子の座席の後ろから前を覗きながら、文句を言いつつも最近ますますまともになって来たウェカ王子を頼もしく感じた。
一方その頃瑠璃ィは単機で山を駆け下りていた。
「こっちからごっつい砲撃音みたいなんが聞こえてたんやんなあ……」
等と一人でぶつぶつ言いながら移動している最中だった。
「あっ」
『あっ会敵です!! 形式不明の魔呂単機と遭遇!! これより戦闘に入ります』
『どうしたのサッワちゃん!?』
巨大なライフルを運んでいる最中のサッワのレヴェルは瑠璃ィのホーネットと偶然鉢合わせした。
「敵と出会ってしもたわ、やらんとしゃーないな。そのやばそうな武器、確実に破壊したるわっ!」
等と言いながら瑠璃ィはホーネットの剣を抜いた。
「まずいな……」
サッワは巨大で邪魔になる銃を置くべきか、そのまま走って逃げるべきか一瞬逡巡した。
「迷ったな隙ありっ!!」
しかし逆に百戦錬磨の瑠璃ィは迷う事無く躊躇するサッワのレヴェルが持つ身長よりも長大な魔砲ライフル目掛けて切り掛かって来た。
「くっ」
サッワはあろう事か、とっさに長大なバレルを剣代わりに身構えてしまう。バレルを剣代わりに戦いなどすれば、照準に著しい乱れが生じてしまうだろう。さらに内部機構にガタが出るかもしれない、絶対に避けるべき行動だった。
『危ないっ!!』
とっさにライフルで身構えたサッワのレヴェルの前に、ミリアのレヴェルが立ちはだかった。
カキーーーン!!
ミリアの抜いた剣が瑠璃ィのホーネットの剣を弾き返す。
『ミリアッ!!』
『サッワ様、西にお退きをっ!! その武器はまだ必要です!!』
『いや、二対一で戦えば』
『いえっ感触から手練れと感じました!! 敵は真っすぐに魔砲を狙っていました。もし魔砲がやられれば大損害です!! まだ東に敵が潜んでいるやも!!』
カキーーーン ガキーーーーン!!
瑠璃ィの激しい剣の攻撃を全てかわしながらミリアはサッワを説得した。
『くっ』
魔砲ライフルを地面に置き剣の柄に手を掛けたサッワは迷った。しかし直ぐにミリアの想いを無駄にすまいと思った。仮にもう一機東から出てくれば確実にライフルは破壊されてしまうだろう。ミリアを犠牲にしてしまうかもしれない判断だがサッワは進言に従った。サッワの魔砲ライフルは極めて威力の高い兵器だったが、サッワ達はその温存に気を取られ柔軟性のある思考を失っていた。
『ミリア、危なくなったら逃げろ!!』
『はい、信用して頂いて嬉しいです!! では!!』
サッワのレヴェルは再び魔砲ライフルのハンドルを握ると戦うミリアに背を向けて、再び元の西の地点に走り出した。
「あ、待ていっ!! 卑怯やでっ!!」
「行かせませんよっ貴様の相手は私だっ!!」
追い掛けようとする瑠璃ィのホーネットの前に、なおもミリアのレヴェルが立ちはだかった。
「ならば倒すまでやっ!!」
「お前を倒せなくとも、時間を稼ぐ事はっ!!」
ミリアは瑠璃ィが手練れだと感じて、倒す事は諦め深く切り込む事をしないで右に左に避けながら、のらりくらりと攻撃をかわす動きに専念した。
カキーーーン ガキーーーーーン!!
「くっそーーーーなんや、ちゃんと戦え、ムカツク敵やでっ!! 本気出すで!!」
「ふふっまだまだ戦える!!」
『ココナツヒメさま、会敵して今はミリアが防いでくれています。銃は無事ですので、最初の砲撃ポイントに戻ります……』
『そう、こっちも敵の一軍がトリッシュ国の城壁にもうすぐ辿り着きそうよ……敵がトリッシュ国に辿り着いて、護衛している五機のレヴェルと戦闘が始まり次第、私は後ろから切り掛かるわよ』
『はい……』
サッワの声は重かった。
『サッワちゃんは敵の一万を超える地上兵が城内に侵入したタイミングで、トリッシュ王国ごと魔砲で市街を爆撃して欲しいの!! 爆撃が始まる直前に僚機と共に離脱するわっ!!』
『………………え?』
サッワがココナツヒメの言葉に驚愕していた丁度その時、遂に先頭を行くY子と兎幸の魔ローダール・ツーが東面の城壁に辿り着いた。
「わーーーーっもう敵魔呂が城壁に張り付いたっ!? 撃て撃てっっ!!」
ドンドンドン!!
一斉に城壁に待機していた義勇兵達が魔呂の巨大な顔や胸に向けて魔法や魔銃を撃ち始める。
『五機のSRVは東面の城壁を壊せっ!! その他は全機レヴェルを潰すっ城から離れ過ぎず散開!! 魔戦車は城壁上に砲撃開始!!』
メランの号令で、Y子の後ろに居た五機のSRVは一斉に東面の城壁にタックルしたり蹴ったりを始め、そのほかの残りの二十機のSRV達は、あまり城壁から離れて的にならない様に、散開して城を外から守る五機のレヴェルに襲い掛かった。SRVもレヴェルの搭乗者達も、もはや城壁に敵味方が接近していれば砲撃は無いと信じていた。
「Y子殿、私を城壁の中に投げて下さい!! 衣図ライグをサポートします!!」
砂緒が乱戦の中叫んだ。
『鳴り響いていた大きな音が止んだ……瑠璃ィどう思う??』
山中で様子を伺っていたラ・マッロカンプ王国ウェカ王子のジェイドと瑠璃ィキャナリーのホーネット、そして瑠璃ィの部下達フード軍団が乗る三機のSRVが息を潜めている。敵の全容が分からない為に警戒し過ぎていたが、実は長物を持つサッワともう一機ミリアのレヴェルが居るだけで、実は戦力的にはウェカ王子達の方が圧倒的に優位だった。
『弾切れか……斬り合いが始まったか、何にしても戦況に変化があったんやろうなあ』
『難しいですねえ、誰かが見に行ったらいいんじゃないですかあ?』
「うん、そうだなあメア……って!? 何でお前が此処にいる??」
メアはウェカ王子の座席の後ろに隠れていた。
「私と王子は一心同体ですよっ!! 例えそれが……危険な戦場だとしても!!」
「メア……」
「王子……」(玉の輿、玉の輿ポイントアップ……むふふ)
「……お前運動神経めっちゃいいな! メイド服でどうやって上った?? 今度見せてくれ!!」
メアはずるっとコケた。
『瑠璃ィ、駄目だ。メアが勝手に操縦席に入って来た。危険だ戦闘は中止、後退する!!』
「え?? 私平気ですよー」
「駄目だ、メアを危険に晒したくないんだ」
「まっお、王子!? ……無理やり連れて来ておいてっ!?」
『ウチが単機で見て来るわっ皆はじっとしときやっ!!』
『おい勝手に行くなっコラッ!』
ウェカ王子が止めるのも聞かず、瑠璃ィのホーネット一機だけが山肌を駆け下りて行った。
『今の砂緒殿の雷落としで敵に迷いが生じたのか、砲撃が止んだな、少し急ごう!!』
Y子こと雪乃フルエレが全軍に命令した。
『この隙に人間が走れる限界までスピードアップしましょう!!』
「酷いですね……ですが列は乱さないで下さいよ!!」
メランが過酷な事を提案したが、砂緒以外誰も何も言わなかった。
「じゃあ俺達はトンネルの入り口が迫って来たから順次突入するわ、城で再会しようぜっ! 行くぞラフ」
「へいへい」
ちょうど上手い具合に偽装されたトンネルの入り口に辿り着いた衣図ライグ達が列から一隊を枝分かれさせて次々トンネルの入り口に入って行く。
『サッワちゃん、奴らスピードアップしたわっ早くしないと城壁に辿り着かれちゃうわよっ! 早くしないとトリッシュ国ごと敵魔呂を撃ち抜く事になるわよっ!!』
『はい、急いでいます。完全に真横に出なくとも、斜めからでも十分に列の側面を射撃出来ます!!』
サッワのレヴェルは巨大な魔砲ライフルのキャリングハンドルを握りながら必死に山の斜面を駆け抜けた。
「ウェカ王子……私達も瑠璃ィさん追い掛けないんですか?」
「いや止めておこう。もし団体で行って敵に見つかったら折角の山越え作戦がパアになってしまうよ。一機程度なら地上の同盟軍が偵察に出した機体だと勘違いしてくれるかもしれないしな! 瑠璃ィなら何があっても自分くらい守れるだろー」
「もしかして……まだメドース・リガリァ本国を急襲する策を諦めてないんですかぁ!?」
「い、いやそんな事ねーし??」
「バレバレですよ王子……」
メアは王子の座席の後ろから前を覗きながら、文句を言いつつも最近ますますまともになって来たウェカ王子を頼もしく感じた。
一方その頃瑠璃ィは単機で山を駆け下りていた。
「こっちからごっつい砲撃音みたいなんが聞こえてたんやんなあ……」
等と一人でぶつぶつ言いながら移動している最中だった。
「あっ」
『あっ会敵です!! 形式不明の魔呂単機と遭遇!! これより戦闘に入ります』
『どうしたのサッワちゃん!?』
巨大なライフルを運んでいる最中のサッワのレヴェルは瑠璃ィのホーネットと偶然鉢合わせした。
「敵と出会ってしもたわ、やらんとしゃーないな。そのやばそうな武器、確実に破壊したるわっ!」
等と言いながら瑠璃ィはホーネットの剣を抜いた。
「まずいな……」
サッワは巨大で邪魔になる銃を置くべきか、そのまま走って逃げるべきか一瞬逡巡した。
「迷ったな隙ありっ!!」
しかし逆に百戦錬磨の瑠璃ィは迷う事無く躊躇するサッワのレヴェルが持つ身長よりも長大な魔砲ライフル目掛けて切り掛かって来た。
「くっ」
サッワはあろう事か、とっさに長大なバレルを剣代わりに身構えてしまう。バレルを剣代わりに戦いなどすれば、照準に著しい乱れが生じてしまうだろう。さらに内部機構にガタが出るかもしれない、絶対に避けるべき行動だった。
『危ないっ!!』
とっさにライフルで身構えたサッワのレヴェルの前に、ミリアのレヴェルが立ちはだかった。
カキーーーン!!
ミリアの抜いた剣が瑠璃ィのホーネットの剣を弾き返す。
『ミリアッ!!』
『サッワ様、西にお退きをっ!! その武器はまだ必要です!!』
『いや、二対一で戦えば』
『いえっ感触から手練れと感じました!! 敵は真っすぐに魔砲を狙っていました。もし魔砲がやられれば大損害です!! まだ東に敵が潜んでいるやも!!』
カキーーーン ガキーーーーン!!
瑠璃ィの激しい剣の攻撃を全てかわしながらミリアはサッワを説得した。
『くっ』
魔砲ライフルを地面に置き剣の柄に手を掛けたサッワは迷った。しかし直ぐにミリアの想いを無駄にすまいと思った。仮にもう一機東から出てくれば確実にライフルは破壊されてしまうだろう。ミリアを犠牲にしてしまうかもしれない判断だがサッワは進言に従った。サッワの魔砲ライフルは極めて威力の高い兵器だったが、サッワ達はその温存に気を取られ柔軟性のある思考を失っていた。
『ミリア、危なくなったら逃げろ!!』
『はい、信用して頂いて嬉しいです!! では!!』
サッワのレヴェルは再び魔砲ライフルのハンドルを握ると戦うミリアに背を向けて、再び元の西の地点に走り出した。
「あ、待ていっ!! 卑怯やでっ!!」
「行かせませんよっ貴様の相手は私だっ!!」
追い掛けようとする瑠璃ィのホーネットの前に、なおもミリアのレヴェルが立ちはだかった。
「ならば倒すまでやっ!!」
「お前を倒せなくとも、時間を稼ぐ事はっ!!」
ミリアは瑠璃ィが手練れだと感じて、倒す事は諦め深く切り込む事をしないで右に左に避けながら、のらりくらりと攻撃をかわす動きに専念した。
カキーーーン ガキーーーーーン!!
「くっそーーーーなんや、ちゃんと戦え、ムカツク敵やでっ!! 本気出すで!!」
「ふふっまだまだ戦える!!」
『ココナツヒメさま、会敵して今はミリアが防いでくれています。銃は無事ですので、最初の砲撃ポイントに戻ります……』
『そう、こっちも敵の一軍がトリッシュ国の城壁にもうすぐ辿り着きそうよ……敵がトリッシュ国に辿り着いて、護衛している五機のレヴェルと戦闘が始まり次第、私は後ろから切り掛かるわよ』
『はい……』
サッワの声は重かった。
『サッワちゃんは敵の一万を超える地上兵が城内に侵入したタイミングで、トリッシュ王国ごと魔砲で市街を爆撃して欲しいの!! 爆撃が始まる直前に僚機と共に離脱するわっ!!』
『………………え?』
サッワがココナツヒメの言葉に驚愕していた丁度その時、遂に先頭を行くY子と兎幸の魔ローダール・ツーが東面の城壁に辿り着いた。
「わーーーーっもう敵魔呂が城壁に張り付いたっ!? 撃て撃てっっ!!」
ドンドンドン!!
一斉に城壁に待機していた義勇兵達が魔呂の巨大な顔や胸に向けて魔法や魔銃を撃ち始める。
『五機のSRVは東面の城壁を壊せっ!! その他は全機レヴェルを潰すっ城から離れ過ぎず散開!! 魔戦車は城壁上に砲撃開始!!』
メランの号令で、Y子の後ろに居た五機のSRVは一斉に東面の城壁にタックルしたり蹴ったりを始め、そのほかの残りの二十機のSRV達は、あまり城壁から離れて的にならない様に、散開して城を外から守る五機のレヴェルに襲い掛かった。SRVもレヴェルの搭乗者達も、もはや城壁に敵味方が接近していれば砲撃は無いと信じていた。
「Y子殿、私を城壁の中に投げて下さい!! 衣図ライグをサポートします!!」
砂緒が乱戦の中叫んだ。
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