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III プレ女王国連合の成立
砂緒いーじすシステムの発動!!
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サッワは急いで自前の弾道計算により魔砲の仰角を大きく取り射撃体勢に戻った。もはやこの撃ち方では魔法スコープは関係が無い。
『撃ちます!!』
『ええ』
ドーーーーン!!
大きく仰角の取られた魔砲から空高く魔砲弾が撃ち上げられた。
ヒューーーーーーーーーン……
すぐさま兎幸の二機の魔ローンが曲線を描く敵弾を探知した。
『砂緒、なんか変だ、今までと軌道が違うよっ!!』
「ど、どういう事!?」
『何だか良く分からない……でも当たりはしない、通り過ぎるみたい!!』
「えっえっどうなるんですか!?」
『ちょと!! さっきまでの自信は何処に行ったのだ!!』
Y子が叫んだ直後だった、ヒューーーーンと不気味な音を立てて、サッワの魔砲弾が六機の先頭列の魔ローダーを飛び越し、後ろに居並ぶ地上兵の列のほぼ真横に落ちた。
ドカーーーーン!!
「うわーーーーーーー!!」
「何だ!? 飛んで来たぞ!!」
「防いでくれるんじゃ!?」
余りに至近の地面で炸裂した為に魔ローダー一機分の幅で行進していた地上兵達が乱れかける。
『乱れるなっ!! 乱れると的になるぞっ!!』
途端に後ろの魔ローダー群の最前列で進むメランが怒鳴った。
「曲射ですね。弧を描いて撃っているので我らを飛び越えた訳です。兎幸、残りの三機の魔ローンを展開して下さい、それで黒い稲妻Ⅱを支えて下さい!!」
『あいあい!!』
『え、え、どうするの!?』
「私を信じなさいY子殿」
不気味にも兎幸は砂緒が何を考えているのか一瞬で諒解した。
『サッワちゃん、残念! 着弾地点縦-XXX 横-XXXよ。少し外れたけど上手く行きそうよ。敵さんパニくってるけど今まで通り列を崩さず進んでいるわ。次で致命的なダメージを与えて!!』
『分かりました!』
ココナツヒメの弾着観測を元に巨大魔砲ライフルの位置を微妙に調整する。
『撃ちます、当たれっっ!!』
ドーーーーーーーン!!
ヒューーーーーーーーーーーンン
『来たよっ、さっきと同じ軌道を描いてる!!』
「兎幸、飛びます!! タイミングは任せます!!」
『あいっ』
砂緒が叫んだ途端にル・ツーは三機の魔ローンに腰を挟まれて身体を支えられながらびよーーーんと高くジャンプすると、砂緒を掴んだ片腕を大きく後ろに振り被った。
「SM3ブロック2A発射!! アターーーーーーーーーーッック!!」
そして列を飛び越えようとする弾頭を先程までと同じ要領で硬化した砂緒が片手で凄い勢いで叩き落とす。
バシーーーーーーーーーン!! ドカーーーーーーーーン!!!
『何!? メッキ野郎じゃない、ル・ツーが飛んだ!!』
『え、どうしたんですかココナツヒメさまっ』
『弾頭が撃ち落とされたわよ……信じられないわ』
『………………まだまだ……二発連続で撃ちます。二発目は気持ち強めに魔法剣の魔力を込めます』
少々解説すると、サッワは毎回魔法剣の要領で魔砲の弾丸に射程と威力が増大する特殊効果を付与しているが、それを二発連続で撃ち放ち、二発目の威力を気持ち強める事で、時間差攻撃を演出しようという事だった。
ドーーーーーン カシャッガチャッ!!
一発目を撃ち、そして一瞬で巨大ボルトを操作して次弾を発射した。
ドーーーーーン!!
『これなら絶対に当たる!!!』
『砂緒来たよ!!』
「おうっ飛べ兎幸っ!!」
『あいあい』
砂緒に促されるまま兎幸はジャンプして先程と同じ様に一発目を撃ち落としに掛かる。
『あ、ヤバイ!? 次がもう来た!!』
ドーーーーーン!!
サッワはさらに駄目押しで三発目を撃った。
『あっっまた発射音探知……』
「え?」
バチーーーーーン!! ドカーーーーーン!!
最初に一発目を落とした。しかし魔ローンのサポートを受けているとは言え、三機では二十五Nメートルのル・ツーの巨体の自由落下を止める事は出来ず、そのままル・ツーが落下しつつある最中、その頭の上を二発目の弾頭が通り過ぎていく。もちろんこれらは一瞬の出来事だ。そしてその視線の先には三発目の弾頭が飛んで来た。さしもの砂緒と兎幸のコンビも三連射には全く対応出来なかった。
「あっしまっ……あた……」
いつもポーカーフェイスの砂緒がセレネが襲われた時と同じくらいの焦りの色を見せた。もちろんこれも一瞬の出来事だ。このまま行けば二発目はル・ツーの後ろの五機の魔ローダーの内のどれかに、さらに三発目は地上兵か魔戦車の列に突入しそうな状況だった。とっさの事と、列を守れという厳命の為にすぐさま散開出来る訳も無かった。
ピシャアアアアアアアアアッッゴロゴロゴロ!!! バシイイッ!!
ピシャアアアアアアッッゴロゴロゴロ!!! ゴワッッ!!
その時だった、砂緒の顔から血の気が引いた瞬間、戦列の真上にいつのまにか発生していた黒雲から二つの巨大な稲妻が落ちて来て、飛来中の弾頭二発を撃ち落とした。魔呂の直前で炸裂した魔砲弾は魔法モニターを焼き付かせる勢いで白く光って消え、操縦席で顔を隠しておののいていた操縦者達を戸惑わせた。それは地上兵達も同じ事だった。
「おおおおおおおお凄い!!」
「神のイカヅチだっ!!」
「何だか良く分からんが我らには敵の弾は当たらんぞっ!!」
「おおおーーーーーーー!!」
『砂緒凄い……もうアタックとかジャンプとか必要無いじゃん、バカー』
『嘘、凄い……いつもの雷が蛇輪無しで出た……』
『何が起こったんですか? ぴかって光って訳が分からないですから!』
「い、いや実感無いです……」
二つの砲弾が味方に命中しようとする直前、突如落ちて来た雷で二発とも空中で消滅した事は、Y子やメラン達にとっても衝撃の出来事だったが、ココナツヒメにはさらに大きな衝撃を与えた。
『サッワちゃん……冷静に聞いてちょうだい、一発目はル・ツーが叩き落としたんだけど……』
『二発目、三発目は命中したんですね!?』
サッワの声が気色ばんだ。
『それが……何故かメッキ野郎の雷が出て来て消えたわよ……』
『え!? どういう事ですかっどうしてメッキ野郎の雷が!?』
『……もう仕方無いわね……サッワちゃん私透明のまま駆け抜けて、最初にル・ツーを破壊して、さらに二、三機斬って一旦後退してトリッシュ国のレヴェル五機と合流するわっ!! サッワちゃんは後退の準備を。弾を温存するのよ』
前回はすぐさま斬り込み提案を止めたサッワだったが、今回は逡巡してしばし考え込む。
『待って下さいココナツヒメさま、ならば僕も射撃位置を変え、連中の真横から撃ち込みます。もはや連中にも姿を晒す事になるでしょうが、至近からなら残り五発の弾丸、外さずに敵を破壊します!! 僕の射線に入るとヤバイので僕が五発撃ち切った所で、乱れた敵軍に存分に斬り込んで暴れて下さいっ!!』
『うふふっ最後はこうなるのね……いいわっお互い頑張りましょっ!!』
『はいっ!!』
サッワは巨大な魔砲ライフルのハンドルを持つと、魔呂の身を屈めたまま東に山肌を歩き出す。
『行くぞミリアッ!!』
『はいっ!』
ミリアとはシャクシュカ隊パート2の美女隊員であり、今はレヴェルでサッワに魔砲弾の供給と彼の周囲警戒を行っていた。
『撃ちます!!』
『ええ』
ドーーーーン!!
大きく仰角の取られた魔砲から空高く魔砲弾が撃ち上げられた。
ヒューーーーーーーーーン……
すぐさま兎幸の二機の魔ローンが曲線を描く敵弾を探知した。
『砂緒、なんか変だ、今までと軌道が違うよっ!!』
「ど、どういう事!?」
『何だか良く分からない……でも当たりはしない、通り過ぎるみたい!!』
「えっえっどうなるんですか!?」
『ちょと!! さっきまでの自信は何処に行ったのだ!!』
Y子が叫んだ直後だった、ヒューーーーンと不気味な音を立てて、サッワの魔砲弾が六機の先頭列の魔ローダーを飛び越し、後ろに居並ぶ地上兵の列のほぼ真横に落ちた。
ドカーーーーン!!
「うわーーーーーーー!!」
「何だ!? 飛んで来たぞ!!」
「防いでくれるんじゃ!?」
余りに至近の地面で炸裂した為に魔ローダー一機分の幅で行進していた地上兵達が乱れかける。
『乱れるなっ!! 乱れると的になるぞっ!!』
途端に後ろの魔ローダー群の最前列で進むメランが怒鳴った。
「曲射ですね。弧を描いて撃っているので我らを飛び越えた訳です。兎幸、残りの三機の魔ローンを展開して下さい、それで黒い稲妻Ⅱを支えて下さい!!」
『あいあい!!』
『え、え、どうするの!?』
「私を信じなさいY子殿」
不気味にも兎幸は砂緒が何を考えているのか一瞬で諒解した。
『サッワちゃん、残念! 着弾地点縦-XXX 横-XXXよ。少し外れたけど上手く行きそうよ。敵さんパニくってるけど今まで通り列を崩さず進んでいるわ。次で致命的なダメージを与えて!!』
『分かりました!』
ココナツヒメの弾着観測を元に巨大魔砲ライフルの位置を微妙に調整する。
『撃ちます、当たれっっ!!』
ドーーーーーーーン!!
ヒューーーーーーーーーーーンン
『来たよっ、さっきと同じ軌道を描いてる!!』
「兎幸、飛びます!! タイミングは任せます!!」
『あいっ』
砂緒が叫んだ途端にル・ツーは三機の魔ローンに腰を挟まれて身体を支えられながらびよーーーんと高くジャンプすると、砂緒を掴んだ片腕を大きく後ろに振り被った。
「SM3ブロック2A発射!! アターーーーーーーーーーッック!!」
そして列を飛び越えようとする弾頭を先程までと同じ要領で硬化した砂緒が片手で凄い勢いで叩き落とす。
バシーーーーーーーーーン!! ドカーーーーーーーーン!!!
『何!? メッキ野郎じゃない、ル・ツーが飛んだ!!』
『え、どうしたんですかココナツヒメさまっ』
『弾頭が撃ち落とされたわよ……信じられないわ』
『………………まだまだ……二発連続で撃ちます。二発目は気持ち強めに魔法剣の魔力を込めます』
少々解説すると、サッワは毎回魔法剣の要領で魔砲の弾丸に射程と威力が増大する特殊効果を付与しているが、それを二発連続で撃ち放ち、二発目の威力を気持ち強める事で、時間差攻撃を演出しようという事だった。
ドーーーーーン カシャッガチャッ!!
一発目を撃ち、そして一瞬で巨大ボルトを操作して次弾を発射した。
ドーーーーーン!!
『これなら絶対に当たる!!!』
『砂緒来たよ!!』
「おうっ飛べ兎幸っ!!」
『あいあい』
砂緒に促されるまま兎幸はジャンプして先程と同じ様に一発目を撃ち落としに掛かる。
『あ、ヤバイ!? 次がもう来た!!』
ドーーーーーン!!
サッワはさらに駄目押しで三発目を撃った。
『あっっまた発射音探知……』
「え?」
バチーーーーーン!! ドカーーーーーン!!
最初に一発目を落とした。しかし魔ローンのサポートを受けているとは言え、三機では二十五Nメートルのル・ツーの巨体の自由落下を止める事は出来ず、そのままル・ツーが落下しつつある最中、その頭の上を二発目の弾頭が通り過ぎていく。もちろんこれらは一瞬の出来事だ。そしてその視線の先には三発目の弾頭が飛んで来た。さしもの砂緒と兎幸のコンビも三連射には全く対応出来なかった。
「あっしまっ……あた……」
いつもポーカーフェイスの砂緒がセレネが襲われた時と同じくらいの焦りの色を見せた。もちろんこれも一瞬の出来事だ。このまま行けば二発目はル・ツーの後ろの五機の魔ローダーの内のどれかに、さらに三発目は地上兵か魔戦車の列に突入しそうな状況だった。とっさの事と、列を守れという厳命の為にすぐさま散開出来る訳も無かった。
ピシャアアアアアアアアアッッゴロゴロゴロ!!! バシイイッ!!
ピシャアアアアアアッッゴロゴロゴロ!!! ゴワッッ!!
その時だった、砂緒の顔から血の気が引いた瞬間、戦列の真上にいつのまにか発生していた黒雲から二つの巨大な稲妻が落ちて来て、飛来中の弾頭二発を撃ち落とした。魔呂の直前で炸裂した魔砲弾は魔法モニターを焼き付かせる勢いで白く光って消え、操縦席で顔を隠しておののいていた操縦者達を戸惑わせた。それは地上兵達も同じ事だった。
「おおおおおおおお凄い!!」
「神のイカヅチだっ!!」
「何だか良く分からんが我らには敵の弾は当たらんぞっ!!」
「おおおーーーーーーー!!」
『砂緒凄い……もうアタックとかジャンプとか必要無いじゃん、バカー』
『嘘、凄い……いつもの雷が蛇輪無しで出た……』
『何が起こったんですか? ぴかって光って訳が分からないですから!』
「い、いや実感無いです……」
二つの砲弾が味方に命中しようとする直前、突如落ちて来た雷で二発とも空中で消滅した事は、Y子やメラン達にとっても衝撃の出来事だったが、ココナツヒメにはさらに大きな衝撃を与えた。
『サッワちゃん……冷静に聞いてちょうだい、一発目はル・ツーが叩き落としたんだけど……』
『二発目、三発目は命中したんですね!?』
サッワの声が気色ばんだ。
『それが……何故かメッキ野郎の雷が出て来て消えたわよ……』
『え!? どういう事ですかっどうしてメッキ野郎の雷が!?』
『……もう仕方無いわね……サッワちゃん私透明のまま駆け抜けて、最初にル・ツーを破壊して、さらに二、三機斬って一旦後退してトリッシュ国のレヴェル五機と合流するわっ!! サッワちゃんは後退の準備を。弾を温存するのよ』
前回はすぐさま斬り込み提案を止めたサッワだったが、今回は逡巡してしばし考え込む。
『待って下さいココナツヒメさま、ならば僕も射撃位置を変え、連中の真横から撃ち込みます。もはや連中にも姿を晒す事になるでしょうが、至近からなら残り五発の弾丸、外さずに敵を破壊します!! 僕の射線に入るとヤバイので僕が五発撃ち切った所で、乱れた敵軍に存分に斬り込んで暴れて下さいっ!!』
『うふふっ最後はこうなるのね……いいわっお互い頑張りましょっ!!』
『はいっ!!』
サッワは巨大な魔砲ライフルのハンドルを持つと、魔呂の身を屈めたまま東に山肌を歩き出す。
『行くぞミリアッ!!』
『はいっ!』
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