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III プレ女王国連合の成立
砂緒疾走る。 中 Y子、ユッマランド王へ悲しい報告
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「いやそれはさすがに誤情報であろう……もう一度ちゃんと精査しろ」
「私もそう思いますが」
三十機以上の魔ローダーと一万人以上の兵員が出陣して、いきなり敗走してしかも主要メンバーであるミミイが戦死、そんな訳は無かろうと砂緒もセレネも二人共が信じられなかったが、その後の追加情報でもそれが事実だと伝わり、あらためて司令部はお通夜の様な状態となった。
「……それでY子殿やイェラ達は無事なのですか?」
「はい、総指揮官Y子殿、イェラ殿、メラン殿、衣図ライグ殿そのほかの指揮官は全員無事だと聞いております」
「い、いや兎幸は無事なのですかっ!?」
「ウサコさまですか……申し訳ありません、少しお時間を……」
砂緒が兎幸の安否が不明で情報士官に掴みかかるが、セレネがそれを制止した。
「安心しろ、Y子殿とメラン殿がご無事なら兎幸先輩はそのどちらかの魔呂に同乗していたはず。必ず無事であろう」
「ホッッそうでしょうか……ならば少し安心です」
「お、おい人前だぞ」
ミミイ王女が戦死したにも関わらず、交流が深く無かった事からか薄情な砂緒があまりにも悲しまず、逆に自分の好きな人物達が無事だった事を知って、あからさまにホッとした顔をした事にセレネがギョッとして、多くの部下達の手前慌てて小刻みに首を振った。
「これは申し訳無い。惜しい人材を無くしました」
「…………理由は伏せた上で半旗を掲げよ」
「ハッ」
「セレネ、ちょいちょい、来て下さい」
「何だ? すぐ戻る待て」
「ハッ」
珍しく神妙な顔つきで砂緒はセレネを二人きりになれる別室に呼んだ。
「何用だ、早くしろよ」
「ちょっと行って来ますね。セレネ後を頼みますよ」
砂緒はぴっと手を上げた。
「行くってどこへ??」
「Y子殿が心配です。いますぐ行ってあげます」
「何故??」
「何故って……それが普通でしょう」
「普通じゃない。お前は薄情で有名じゃないか、なんでそんなY子さんに拘る?」
珍しく普段さばさばしているセレネが食い下がって来る。
「いやいやいや、でもセレネが命令して総大将になって、今えらい目に逢っているんですよ、それを助けに行って何が悪いんですか? まさかとは思いますがセレネ、Y子殿がこんな風になると思って指揮官に任命したんじゃないですよね? まさかねえ」
砂緒にしては珍しく探り探りセレネの表情を見ながら言った。
「まさか……そんな訳無いだろうが!!」
セレネははっきり言い切ったが、実はいきなり大軍の指揮を任されて困るだろうなとは想像していた。しかし当然ミミイ王女がいきなり戦死する等とは露とも想像出来なかった。
「じゃ、という訳で行きますよ」
「駄目だ。お前は蛇輪の二人目の搭乗者として私の相方として、東の中央軍と西のミャマ軍、どちらにも即応体制で飛んで当たれる様に此処にいるんだ! いつどこに半透明が出て来るかも知れないのだぞ」
「うん、わかりました。じゃあそろそろ出発しますね」
砂緒は何事も無かった様に再びぴっと片手を上げた。
「話聞け!!」
「はいはい、話聞いてますって。じゃあ、行って来ます!!」
「聞いてないだろがっ」
「お願いしますよ……蛇輪ならセレネ一人で動かせますし、それに魔法だって使えますし剣も強い、私の様なゴミムシが居なくともセレネは十分一人で戦えます。でもY子殿は必ず憔悴しているはずですから」
「お願いっ行かないでっ」
セレネは踵を返した砂緒の背中に抱き着いた。
「どーしたんですか急に? セレネらしくも無い」
「あたしらしいって何だよ。居て欲しいよ。あたしだって不安なんだからな」
「またまたあ……離して下さい」
「いやだ。行かせない」
セレネは頑として砂緒の背中を離そうとしない。
「お願いします。ちょっと行って、パッとやってピッと帰って来ますから。私、嘘じゃなくて本当にセレネの事は好きなので、こんな事でケンカしたく無いです」
「………………」
セレネは砂緒の背中に抱き着きながら何も言わなかった。
「じゃ、行って来ます」
「じゃ、行って来いよ。走って行くのか?」
「はい、出来れば馬に乗りたいのですが、此処あんまり馬いないですよね」
「魔戦車の駐車場に情報将校用の大型蓄念池付き魔輪がある。それに乗って行け」
「おお、有難い! はい、では~~~」
「軽いな……」
挨拶もそこそこに、あっさりと出て行く砂緒をセレネは無言で見送った。
「むむっこれが魔輪……よく考えたらいつもフルエレかセレネに動かしてもらっていましたねえ」
眉間にシワを寄せると、砂緒は魔輪をまじまじと見た。
「むむっ……!? そこの君、この魔輪には横の箱とコマが付いていませんが」
「コマ?? 箱??」
いつしか砂緒の頭の中では魔輪とはイコール、サイドカー魔輪という事になっていた。その砂緒から見ればこの魔輪はサイドカーも無く三個めのタイヤも無く極めて不安定な不完全な物に見えた。
「サイドカーの事ですか? これはこういう物で横のスタンドを外して走り出せば良いのですが」
「君は私を馬鹿にしているのかね? ……ハッそう言えばオートバイってこういう物でしたね……」
「ちゃんと乗れるんですか? スタンドを外してアクセルを回せばとりあえず動きますので」
「馬鹿にしないで頂きたい。スタンドを外して、このちくわ的な物を握って、くるりと回せば、あーーーーーーーーっっ」
砂緒の乗った魔輪は思い切りウイリーして疾走り出した。
―ユッマランド王国、クラッカ城。
「はぁはぁ……駄目だ……怖い……私帰る……ごめんなさい、やっぱり駄目、お父様に顔向けなんて出来ない」
「もう観念なさい。怖いのは私も同じよ……それにでも私達の怖いなんて気持ち、娘を亡くしたお父様の王様の悲しい気持ちに比べれば何でもないわよ」
兜を脱いで歩いている雪乃フルエレは、メランにたしなめられてハッとして、もうそれ以上何も言わなかった。
そして謁見が始まった。
「……そして娘は魔ローダーごと爆散して死体も見つからんのだな?」
「……はい、申し訳ありません」
雪乃フルエレは消え入りそうな小さな声で答えた。
「Y子殿とやら、其方が謝る事でもあるまい。全ては敵がした事。其方が娘を殺した訳では無いぞ。それにワシはずっと和議を結ぶべきと言い続けて来た。それを真っ先に破ったのは血気盛んなあ奴だ。今回の戦に行く事もワシは反対しておった。其方の責任では無いぞ……」
最初は拍子抜けして薄情なのかと誤解したが、それは全て上官であるY子を庇い、さらには自分の言う事を聞かず出て行った上での娘の死の悲しさを少しでも飲み込もうとする、王様自身が自分に言い聞かせている言葉ではないかと感じた。
「私もそう思いますが」
三十機以上の魔ローダーと一万人以上の兵員が出陣して、いきなり敗走してしかも主要メンバーであるミミイが戦死、そんな訳は無かろうと砂緒もセレネも二人共が信じられなかったが、その後の追加情報でもそれが事実だと伝わり、あらためて司令部はお通夜の様な状態となった。
「……それでY子殿やイェラ達は無事なのですか?」
「はい、総指揮官Y子殿、イェラ殿、メラン殿、衣図ライグ殿そのほかの指揮官は全員無事だと聞いております」
「い、いや兎幸は無事なのですかっ!?」
「ウサコさまですか……申し訳ありません、少しお時間を……」
砂緒が兎幸の安否が不明で情報士官に掴みかかるが、セレネがそれを制止した。
「安心しろ、Y子殿とメラン殿がご無事なら兎幸先輩はそのどちらかの魔呂に同乗していたはず。必ず無事であろう」
「ホッッそうでしょうか……ならば少し安心です」
「お、おい人前だぞ」
ミミイ王女が戦死したにも関わらず、交流が深く無かった事からか薄情な砂緒があまりにも悲しまず、逆に自分の好きな人物達が無事だった事を知って、あからさまにホッとした顔をした事にセレネがギョッとして、多くの部下達の手前慌てて小刻みに首を振った。
「これは申し訳無い。惜しい人材を無くしました」
「…………理由は伏せた上で半旗を掲げよ」
「ハッ」
「セレネ、ちょいちょい、来て下さい」
「何だ? すぐ戻る待て」
「ハッ」
珍しく神妙な顔つきで砂緒はセレネを二人きりになれる別室に呼んだ。
「何用だ、早くしろよ」
「ちょっと行って来ますね。セレネ後を頼みますよ」
砂緒はぴっと手を上げた。
「行くってどこへ??」
「Y子殿が心配です。いますぐ行ってあげます」
「何故??」
「何故って……それが普通でしょう」
「普通じゃない。お前は薄情で有名じゃないか、なんでそんなY子さんに拘る?」
珍しく普段さばさばしているセレネが食い下がって来る。
「いやいやいや、でもセレネが命令して総大将になって、今えらい目に逢っているんですよ、それを助けに行って何が悪いんですか? まさかとは思いますがセレネ、Y子殿がこんな風になると思って指揮官に任命したんじゃないですよね? まさかねえ」
砂緒にしては珍しく探り探りセレネの表情を見ながら言った。
「まさか……そんな訳無いだろうが!!」
セレネははっきり言い切ったが、実はいきなり大軍の指揮を任されて困るだろうなとは想像していた。しかし当然ミミイ王女がいきなり戦死する等とは露とも想像出来なかった。
「じゃ、という訳で行きますよ」
「駄目だ。お前は蛇輪の二人目の搭乗者として私の相方として、東の中央軍と西のミャマ軍、どちらにも即応体制で飛んで当たれる様に此処にいるんだ! いつどこに半透明が出て来るかも知れないのだぞ」
「うん、わかりました。じゃあそろそろ出発しますね」
砂緒は何事も無かった様に再びぴっと片手を上げた。
「話聞け!!」
「はいはい、話聞いてますって。じゃあ、行って来ます!!」
「聞いてないだろがっ」
「お願いしますよ……蛇輪ならセレネ一人で動かせますし、それに魔法だって使えますし剣も強い、私の様なゴミムシが居なくともセレネは十分一人で戦えます。でもY子殿は必ず憔悴しているはずですから」
「お願いっ行かないでっ」
セレネは踵を返した砂緒の背中に抱き着いた。
「どーしたんですか急に? セレネらしくも無い」
「あたしらしいって何だよ。居て欲しいよ。あたしだって不安なんだからな」
「またまたあ……離して下さい」
「いやだ。行かせない」
セレネは頑として砂緒の背中を離そうとしない。
「お願いします。ちょっと行って、パッとやってピッと帰って来ますから。私、嘘じゃなくて本当にセレネの事は好きなので、こんな事でケンカしたく無いです」
「………………」
セレネは砂緒の背中に抱き着きながら何も言わなかった。
「じゃ、行って来ます」
「じゃ、行って来いよ。走って行くのか?」
「はい、出来れば馬に乗りたいのですが、此処あんまり馬いないですよね」
「魔戦車の駐車場に情報将校用の大型蓄念池付き魔輪がある。それに乗って行け」
「おお、有難い! はい、では~~~」
「軽いな……」
挨拶もそこそこに、あっさりと出て行く砂緒をセレネは無言で見送った。
「むむっこれが魔輪……よく考えたらいつもフルエレかセレネに動かしてもらっていましたねえ」
眉間にシワを寄せると、砂緒は魔輪をまじまじと見た。
「むむっ……!? そこの君、この魔輪には横の箱とコマが付いていませんが」
「コマ?? 箱??」
いつしか砂緒の頭の中では魔輪とはイコール、サイドカー魔輪という事になっていた。その砂緒から見ればこの魔輪はサイドカーも無く三個めのタイヤも無く極めて不安定な不完全な物に見えた。
「サイドカーの事ですか? これはこういう物で横のスタンドを外して走り出せば良いのですが」
「君は私を馬鹿にしているのかね? ……ハッそう言えばオートバイってこういう物でしたね……」
「ちゃんと乗れるんですか? スタンドを外してアクセルを回せばとりあえず動きますので」
「馬鹿にしないで頂きたい。スタンドを外して、このちくわ的な物を握って、くるりと回せば、あーーーーーーーーっっ」
砂緒の乗った魔輪は思い切りウイリーして疾走り出した。
―ユッマランド王国、クラッカ城。
「はぁはぁ……駄目だ……怖い……私帰る……ごめんなさい、やっぱり駄目、お父様に顔向けなんて出来ない」
「もう観念なさい。怖いのは私も同じよ……それにでも私達の怖いなんて気持ち、娘を亡くしたお父様の王様の悲しい気持ちに比べれば何でもないわよ」
兜を脱いで歩いている雪乃フルエレは、メランにたしなめられてハッとして、もうそれ以上何も言わなかった。
そして謁見が始まった。
「……そして娘は魔ローダーごと爆散して死体も見つからんのだな?」
「……はい、申し訳ありません」
雪乃フルエレは消え入りそうな小さな声で答えた。
「Y子殿とやら、其方が謝る事でもあるまい。全ては敵がした事。其方が娘を殺した訳では無いぞ。それにワシはずっと和議を結ぶべきと言い続けて来た。それを真っ先に破ったのは血気盛んなあ奴だ。今回の戦に行く事もワシは反対しておった。其方の責任では無いぞ……」
最初は拍子抜けして薄情なのかと誤解したが、それは全て上官であるY子を庇い、さらには自分の言う事を聞かず出て行った上での娘の死の悲しさを少しでも飲み込もうとする、王様自身が自分に言い聞かせている言葉ではないかと感じた。
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