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III プレ女王国連合の成立
居候女がぁゃしぃ……
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―ラ・マッロカンプ王国、ウララ川のほとりカラス城ウェカ王子の部屋。
「ウェカ王子、一体何時まで寝てるおつもりですかっ! これ以上眠って脳が溶けたら一人で出歩けなくなりますよっ!」
この王国のウェカ王子というちょっとオツムがアレな王子様を篭絡し、将来玉の輿に乗ろうと画策しているセクシーなメイドさんのメアが、何時もの様にウェカ王子を起こしに来る。
「何だ何だ~~? こんな朝っぱらから~~一体今何時だ??」
「今何時って、もう九時ですけど……」
メアは呆れて王子の寝ているシーツをめくった。
「ギャーーーーーーーーー!!」
シーツをめくったメアが叫び声を上げた。
「なんやなんや、こんな朝っぱらから……もうちょっと寝させてえな、ん~~~」
めくったシーツの下には、謎の居候女の瑠璃ィキャナリーが全裸で転がっていて、その彼女が見事な形をした大きい胸を丸出しで背伸びをする。メアにとっては何度見てもギョッとするシーンだった。
「ぶっっコラッ瑠璃ィ! 人の顔に生おっぱいを押し付けるな~~~、てかいい加減自分の部屋で寝ろよ、ボクのベッドで全裸で寝るなっていつも言ってるだろう! 寝る時狭いんだよっ!」
ウェカ王子が瑠璃ィの見事なおっぱいを顔に突き刺したまま平然と喋っている。
「王子、まずは顔をおっぱいから引き剥がしてから話して下さい。それに瑠璃ィさんもいい加減全裸で勝手に王子のベッドに入るのはお止め下さい!」
「全裸ちゃうでーパンツ履いてるでー」
「パンツの面積が狭いんですっ!」
メアは急いで瑠璃ィの胸から王子の顔を引き剥がす。
「え~~~~なんでや~~~、王子かて一緒に寝てる時は子供みたいにおっぱいに抱き着いてくるんやで~~」
「えええええ!? そ、それは本当ですか??」
玉の輿を狙うメアにとっては聞き捨てならぬ台詞だった。
「嘘を言うな瑠璃ィ、ボクは依世ちゃん以外の女の子には一切興味無いと言ってるだろうがっ!」
「ちょっと王子失礼します」
メアは試しにウェカ王子の頭を両手でガシッと掴むと、上下左右に動かしてみた。すると王子の眼球はまるで自動追尾カメラの様に瑠璃ィキャナリーの見事な形をした全裸のバストトップに固定されている。
「メアな、何をしている!?」
「お、王子、眼球が……眼球がバストトップを自動追尾しています! どうしたんですか??」
「はぁ? 一か所だけ色が違って的みたいな物だから偶然見るのは仕方無いだろう~~たまたまだろーが」
「王子かわいいわぁ~~遂にウチの魅力に気付いてくれたんやなあ~~」
「ぶっっだから生おっぱいを押し付けんなって!!」
再び瑠璃ィが上半身裸のままウェカ王子を強く抱きしめ、大きな胸の谷間に王子の顔を埋める様にぎゅむぎゅむする。それを見てセクシーなメイドさんのメアは頭がくらくらした。今頃彼女の計画では自慢の色気で王子を虜にして将来の玉の輿を確約させるつもりだったのだが、それが今は見事に正体不明年齢不詳の居候女にその座を奪われつつある。王子の妄想の幼馴染美幼女依世の他に、新たなる実体のある強力なライバルの出現にメアは焦りに焦った。
(な、何なのこのオバ、いやお姉さま……何が目的なの?? それに王子も王子よ、もうちょっと強く出ればいいのに、何だかんだ言っていつも瑠璃ィさんのペースに巻き込まれている……もしかしてもう王子は瑠璃ィさんの事が……!? い、いえいくら王子の脳がアレでもさすがにこれ程年齢差があったら……いやいや王子が実はマザコンだったら?? 依世ちゃん依世ちゃん言ってる反動で、逆に年増に興味が湧いたら?? だ、ダメよ駄目、絶対駄目だわ……何とかしなくっちゃ私の玉の輿がパァよ)
「何をやってるメア! 早くしろ、今日はパパ上の軍議に行くぞっ」
「おっそいな~~~メアちゃん何を一人でぼーっとしてるんや? ほっとくで~~~」
「ええっ!? 貴方達に言われたく無いです」
メアが振り返ると、王子も瑠璃ィも既にきっちりと身支度を整えていた。
「……早っ」
ラ・マッロカンプ王による軍議が終わった。ウェカ王子と王子の子分で客分である瑠璃ィ、それに王子という怪獣と唯一心を通わせる事が可能な感応少女的な扱いのメアも軍議に顔を出していたが、普段から依世ちゃん連呼している王子には当然何の発言権も無かった。
「疲れた~~~それにしても何なんだ~~SRVとか言う魔ローダーを追加でくれるからって、あのユティトレッドの使者の偉そうな態度は~~同盟で我が物顔にしてるよなっ……て同盟って確か、新ニナルティナの女王雪乃……ふる……あれ? そう言えば女王の顔が……なんか引っ掛かる物が」
普段あまり物を深く考えない王子が同盟の女王と言い出した途端、突然珍しく物思いに耽り出す。その様子を見て瑠璃ィとメアが冷や汗を流し顔を見合わせた。
ガシッ!!
「ウッッ!!」
直後に瑠璃ィが王子の後頭部に目に見えない速さのチョップを食らわし、ウェカ王子を気絶させ、ガクッと倒れ込んだ所を瑠璃ィに受け止められた。雪乃フルエレ女王を一目見て王子が探し求める依世ちゃんに似ていると言った……この事を思い出しそうになると、両者は何故か思惑が一致して、即座に王子を気絶させる事にしていた。
「うっ……ううっ……」
「王子~~~しっかりしぃや~~~いきなり寝てしもてどしたんや~~」
気絶から覚め掛けた王子に瑠璃ィが優しく声を掛ける。しかし彼女が王子を気絶させた張本人なのだが。もちろんその傍らにはメアも居た。
「ああ、そうだそうだ、思い出した。ユティトレッドの連中魔ローダーをくれるのは良いが、もっと兵を用意しろだのいつでもメドース・リガリァに攻め込める様に準備しとけだのと、偉そうなんだよっ!! それにセブンリーフ大陸で域外の帝国に最も近い我が国が何であんな連中に偉そうにされないと駄目なんだよっ! このままじゃあ、あの国に頭が上がらなくなってしまうぞ……なんとかしなくちゃ」
しゃべり続ける王子にメアがスッと手を伸ばして額に掌を置いた。ちなみにこの地に住む者達はこの地をセブンリーフ大陸と呼び、神聖連邦帝国に代表される東の地に住む者達は七葉島と呼んだ……
「ウェカ王子、一体何時まで寝てるおつもりですかっ! これ以上眠って脳が溶けたら一人で出歩けなくなりますよっ!」
この王国のウェカ王子というちょっとオツムがアレな王子様を篭絡し、将来玉の輿に乗ろうと画策しているセクシーなメイドさんのメアが、何時もの様にウェカ王子を起こしに来る。
「何だ何だ~~? こんな朝っぱらから~~一体今何時だ??」
「今何時って、もう九時ですけど……」
メアは呆れて王子の寝ているシーツをめくった。
「ギャーーーーーーーーー!!」
シーツをめくったメアが叫び声を上げた。
「なんやなんや、こんな朝っぱらから……もうちょっと寝させてえな、ん~~~」
めくったシーツの下には、謎の居候女の瑠璃ィキャナリーが全裸で転がっていて、その彼女が見事な形をした大きい胸を丸出しで背伸びをする。メアにとっては何度見てもギョッとするシーンだった。
「ぶっっコラッ瑠璃ィ! 人の顔に生おっぱいを押し付けるな~~~、てかいい加減自分の部屋で寝ろよ、ボクのベッドで全裸で寝るなっていつも言ってるだろう! 寝る時狭いんだよっ!」
ウェカ王子が瑠璃ィの見事なおっぱいを顔に突き刺したまま平然と喋っている。
「王子、まずは顔をおっぱいから引き剥がしてから話して下さい。それに瑠璃ィさんもいい加減全裸で勝手に王子のベッドに入るのはお止め下さい!」
「全裸ちゃうでーパンツ履いてるでー」
「パンツの面積が狭いんですっ!」
メアは急いで瑠璃ィの胸から王子の顔を引き剥がす。
「え~~~~なんでや~~~、王子かて一緒に寝てる時は子供みたいにおっぱいに抱き着いてくるんやで~~」
「えええええ!? そ、それは本当ですか??」
玉の輿を狙うメアにとっては聞き捨てならぬ台詞だった。
「嘘を言うな瑠璃ィ、ボクは依世ちゃん以外の女の子には一切興味無いと言ってるだろうがっ!」
「ちょっと王子失礼します」
メアは試しにウェカ王子の頭を両手でガシッと掴むと、上下左右に動かしてみた。すると王子の眼球はまるで自動追尾カメラの様に瑠璃ィキャナリーの見事な形をした全裸のバストトップに固定されている。
「メアな、何をしている!?」
「お、王子、眼球が……眼球がバストトップを自動追尾しています! どうしたんですか??」
「はぁ? 一か所だけ色が違って的みたいな物だから偶然見るのは仕方無いだろう~~たまたまだろーが」
「王子かわいいわぁ~~遂にウチの魅力に気付いてくれたんやなあ~~」
「ぶっっだから生おっぱいを押し付けんなって!!」
再び瑠璃ィが上半身裸のままウェカ王子を強く抱きしめ、大きな胸の谷間に王子の顔を埋める様にぎゅむぎゅむする。それを見てセクシーなメイドさんのメアは頭がくらくらした。今頃彼女の計画では自慢の色気で王子を虜にして将来の玉の輿を確約させるつもりだったのだが、それが今は見事に正体不明年齢不詳の居候女にその座を奪われつつある。王子の妄想の幼馴染美幼女依世の他に、新たなる実体のある強力なライバルの出現にメアは焦りに焦った。
(な、何なのこのオバ、いやお姉さま……何が目的なの?? それに王子も王子よ、もうちょっと強く出ればいいのに、何だかんだ言っていつも瑠璃ィさんのペースに巻き込まれている……もしかしてもう王子は瑠璃ィさんの事が……!? い、いえいくら王子の脳がアレでもさすがにこれ程年齢差があったら……いやいや王子が実はマザコンだったら?? 依世ちゃん依世ちゃん言ってる反動で、逆に年増に興味が湧いたら?? だ、ダメよ駄目、絶対駄目だわ……何とかしなくっちゃ私の玉の輿がパァよ)
「何をやってるメア! 早くしろ、今日はパパ上の軍議に行くぞっ」
「おっそいな~~~メアちゃん何を一人でぼーっとしてるんや? ほっとくで~~~」
「ええっ!? 貴方達に言われたく無いです」
メアが振り返ると、王子も瑠璃ィも既にきっちりと身支度を整えていた。
「……早っ」
ラ・マッロカンプ王による軍議が終わった。ウェカ王子と王子の子分で客分である瑠璃ィ、それに王子という怪獣と唯一心を通わせる事が可能な感応少女的な扱いのメアも軍議に顔を出していたが、普段から依世ちゃん連呼している王子には当然何の発言権も無かった。
「疲れた~~~それにしても何なんだ~~SRVとか言う魔ローダーを追加でくれるからって、あのユティトレッドの使者の偉そうな態度は~~同盟で我が物顔にしてるよなっ……て同盟って確か、新ニナルティナの女王雪乃……ふる……あれ? そう言えば女王の顔が……なんか引っ掛かる物が」
普段あまり物を深く考えない王子が同盟の女王と言い出した途端、突然珍しく物思いに耽り出す。その様子を見て瑠璃ィとメアが冷や汗を流し顔を見合わせた。
ガシッ!!
「ウッッ!!」
直後に瑠璃ィが王子の後頭部に目に見えない速さのチョップを食らわし、ウェカ王子を気絶させ、ガクッと倒れ込んだ所を瑠璃ィに受け止められた。雪乃フルエレ女王を一目見て王子が探し求める依世ちゃんに似ていると言った……この事を思い出しそうになると、両者は何故か思惑が一致して、即座に王子を気絶させる事にしていた。
「うっ……ううっ……」
「王子~~~しっかりしぃや~~~いきなり寝てしもてどしたんや~~」
気絶から覚め掛けた王子に瑠璃ィが優しく声を掛ける。しかし彼女が王子を気絶させた張本人なのだが。もちろんその傍らにはメアも居た。
「ああ、そうだそうだ、思い出した。ユティトレッドの連中魔ローダーをくれるのは良いが、もっと兵を用意しろだのいつでもメドース・リガリァに攻め込める様に準備しとけだのと、偉そうなんだよっ!! それにセブンリーフ大陸で域外の帝国に最も近い我が国が何であんな連中に偉そうにされないと駄目なんだよっ! このままじゃあ、あの国に頭が上がらなくなってしまうぞ……なんとかしなくちゃ」
しゃべり続ける王子にメアがスッと手を伸ばして額に掌を置いた。ちなみにこの地に住む者達はこの地をセブンリーフ大陸と呼び、神聖連邦帝国に代表される東の地に住む者達は七葉島と呼んだ……
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