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III プレ女王国連合の成立
仮面の黒い騎士とセレネの諍い
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「ではそのフルエレさん、いや同盟女王陛下の特使さんとやらか、貴方はどの様な使命を帯びて来たのかな? すなわち私が陛下にお伺いを立てていた海と山とに挟まれた小さき王国への参戦要請への賛否、どの様にお考えだったのかお伝え頂きたい」
ふわふわ前に出た砂緒を押しのけ、セレネが前に出て仮面の女黒騎士Y子と名乗る者に迫った。
「それについてはしっかり女王陛下のお考えをお伝えしよう。女王陛下は海と山とに挟まれた小さき王国の自主性を尊び無理強いは禁じると仰せだ」
「ほほう」
「それと女王陛下の御下命はもう一つある。七葉後川南側に集結しつつある敵兵力については、魔ローダーで一般地上兵を攻撃する事を禁ずると仰せだ。もし川を渡り退却するならばそれについては見逃す……という方針だ。セレネ総司令殿がお伺いを立てて返答があった以上、これについてはしっかり守って頂きたい。なにしろ貴方が御作りになった同盟なのだから」
女黒騎士Y子ははっきりと言い切った。彼女、つまり雪乃フルエレにとってすれば、古来から争いに関わらず中立を守って来た故郷、もっとはっきりと言えば争い事が大嫌いな父母に任せれば必ず参戦は避けられると思ったのだった。
「ふふふ、その様に女王陛下は仰せなのだな、この総司令セレネ畏れ多くも拝命つかまつる」
「では私はその事がしっかり守られるかこの戦場に居て監察しろとの命令を帯びている。よろしく頼む」
「ハハッ」
セレネはうやうやしく頭を下げた。
「ふふふ、しかし横に居る砂緒共々安心した。既に海と山と国には参戦要請の書簡を送ってある。しかも海と山と国の王様とお后様とは、やはりこの砂緒共々信頼を得た間柄、必ずや良き返事が貰える物と思う……」
セレネの自信たっぷりの言葉を聞いてドキッとするY子の正体であるフルエレ。
「そ、そうなの砂緒? い、いやそうなのであるか砂緒殿??」
フルエレが思わず地が出そうになるが慌てて修正する。
「ええ、以前貴方の主人であるフルエレには確か伝えたのですが、海と山と国がメドース・リガリァ軍に襲撃されるという事がありまして。詳しく述べますと、その時にこのセレネが油断して敵兵にさらわれ、衣服をビリビリと破かれた挙句、柔肌を辱められそうになり、いえ、未遂だったのですが、そこに私が颯爽と現れ見事に救出、その瞬間このセレネは涙を流しながら私の唇を激しく求め」
「そこはいいんじゃっ!!」
突然激赤面したセレネが止めに入る。
(唇を激しく求め?? ほ、本当にセレネと砂緒の間にもうそんな事が?)
「もとい、それは兎も角、敵軍を撃退した前後からもう王様お后様ともにマブのダチと書いてマブダチとも言える中になり、色々な話をしました。何でも夜宵さんという美しいお姫様が突然行方不明となりお二人が悲しみに打ちひしがれる中、さらにはその姉を追って妹さんの依世さんまでが失踪してしまうという悲劇……我々はまさに娘息子に成り代わった様にお二人と親身に話したのです!! さらに私はお后様に愛の告白までして王様に睨まれてしまいましたっ」
「え……依世が……依世も出てしまったの!?」
Y子は己を失った様に愕然として訊いた。依世が出た事が衝撃的過ぎて、砂緒がお后さまに告白した事はスルーした。
「おや、Y子殿他国の王家に詳しいですな、依世さんの事までご存じとは」
セレネがほくそ笑みながら言うと、Y子はぴくっとして元に戻った。
「え、ええあそこは特殊な国として情報通には有名なのです」
「ほほう」
セレネは目をつぶり笑った。
「し、しかしあの国は必ず参戦しない物と思う」
「まあ、期待して待っておりましょうフフ。それで貴方の処遇だが、女王陛下の特命を帯びているとは言え全軍の総司令はこの私、つまり私の指揮下に入って頂いて良いだろうか? まさか軍の中で自分だけ特例的に好き勝手動きたいと言われても困る」
セレネは腕を組み上から目線で言った。いつも同盟女王として目の上のたんこぶ的に感じていたフルエレにここぞとばかり偉そうにする腹づもりであった。
「良いでしょう……なんなりと」
「では差し当たっては、兎幸先輩が敵からダメージを食らい最近寝込みがちであるので、本来であれば誰か大魔法力を持つ者に魔力を注入してもらいたいのだが、なかなか上手く行かない。そこで貴方に看病してもらいたい」
「兎幸が!?」
「おやおや兎幸先輩の事までご存じとは本当に何でも知っておられるなフフ」
「ええ、まあ」
「それと……あたしと砂緒の愛の巣である、普段共同で使用している控室の掃除もお願いしたい」
「はぁ?? 何よそれ」
Y子は驚いて素に戻る。
「はぁ?? 何よそれとな? おやおやおかしな反応ですなあ」
(くっ……ここぞとばかり小姑の様に私をいびり倒すつもりね……)
「Y子様っ! どうぞ私がお手伝いしますわっ!!」
「あっコラミミイ、私もやるわよっ!!」
その時ミミイ王女とメランが両側からY子の腕を掴み助け船を出した。こんな戦場までやって来た雪乃フルエレをサポートする役を買って出たのだった。
(ミミイさん、メランちゃん……うう、ありがとう)
「ではあたしはこれから砂緒と共に七葉後川に掛かる橋を落として来る! Y子殿、お掃除頼むぞふふ」
「なっ!? 何よそれ! 陛下の命令を忘れたの?? 逃亡する兵士は攻撃するなと……」
「はは、何を仰るのかな、兵士は攻撃しない。橋を落とすだけだ。女王陛下は橋を落とすなと命令されたのかな? 貴方は陛下の特命を受け監察するかも知れんが、新たな命令を下す権限は無いはずだぞ。うふふ」
セレネは勝ち誇って不敵に笑った。
「そ、それは……ぐっ」
Y子は歯ぎしりした。
「さっ砂緒いつもみたいに手を繋いで一緒に行こっ」
「え、ええまあ……いいですけど。な、なんです今日は凄くくっついて来ますね」
砂緒はY子が気になるのか、チラチラ振り返りながらセレネと歩いて行った。セレネはいつも以上に砂緒に密着して胸をこすり付ける様に歩いて行く。
(砂緒……知らない内にあんなにセレネと親しくなってる……まんざらでも無いみたい……)
Y子の中の人フルエレはぼーっとして去り行く二人を眺めていた。
「ささっ、あんな二人放置して、まずはお疲れでしょう、滞在の為に貴方に空き部屋をご用意しますわっ」
ミミイ王女が満面の笑顔でY子の腕を掴んだ。
「もちろん私も一緒に行きます。この人一人だと危険過ぎる」
二人はY子の正体に見合う豪華で広い部屋を見繕った。
「ここなら貴方の部屋として最適でしょう」
「有難う……貴方達が居て本当に良かった……」
「あ、もう一つ貴方にご用意したい物がっ! ミミイ、絶対に変な事しちゃだめよ」
メランは言うと、慌てて部屋を飛び出た。
「………………」
「ンフフ、余計な人が出てってくれたっ!」
「……」
「貴方は本当に雪の様に白い肌ね……ここのジッパーを降ろすとどうなっちゃうのかしら?」
何のためらいも無く、ミミイ王女はY子の首元にあるジッパーをジャッと降ろした。その途端に峰不〇子のライダースーツの様に真っ白い胸元が露わになって、慌てるフルエレ。
「な、何をするんです?」
「ウフフ」
「って止めんかーーーーコラーーーーーっ!!」
「アウッ」
慌てて戻って来たメランがミミイに飛び蹴りを食らわした。
「本当にごめんなさい、この子ここまでの変態とは思わなくて。どうぞ、これを装着して下さい」
「これは?」
メランはY子にヘルメットの様な物を渡す。
「これは黒騎兵隊の女性用の軽量兜のチンガードを外してさらに軽量にした物です。その蝶の仮面ではあまりにも色々な意味で無防備過ぎます。これを装着なされば色々な意味で名誉が守られます」
「お、おお何から何まで有難い……では」
「わわっ、私達の前でマスク外しちゃだめっ! でしょう……」
「おお、そうであった」
思わず二人の前で蝶の仮面を外そうとしたY子を慌てて止めるメラン。そしてそのままY子は後ろを向くと、仮面を外し軽量兜を被ると、カチャッとバイザーを降ろした。
「これでどうかな?」
黒い騎兵隊用の兜を被ったY子が二人の前に向いた。
「いいっ凄く良い!! 仮面も良かったですけれど、悪の処刑人みたいなカンジで凄くかっこ良いエロいですっ! なんだか貴方にビシバシ責められたい気分……」
「もーーミミイは何でもそっち方面に持っていくのおよしなさい。けれど……唇だけ見えるメットがセクシーです。凄く良いです!!」
「有難う……貴方達二人が居てくれて凄く安心する」
Y子の中のフルエレは心から二人に感謝した。
ふわふわ前に出た砂緒を押しのけ、セレネが前に出て仮面の女黒騎士Y子と名乗る者に迫った。
「それについてはしっかり女王陛下のお考えをお伝えしよう。女王陛下は海と山とに挟まれた小さき王国の自主性を尊び無理強いは禁じると仰せだ」
「ほほう」
「それと女王陛下の御下命はもう一つある。七葉後川南側に集結しつつある敵兵力については、魔ローダーで一般地上兵を攻撃する事を禁ずると仰せだ。もし川を渡り退却するならばそれについては見逃す……という方針だ。セレネ総司令殿がお伺いを立てて返答があった以上、これについてはしっかり守って頂きたい。なにしろ貴方が御作りになった同盟なのだから」
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「ふふふ、その様に女王陛下は仰せなのだな、この総司令セレネ畏れ多くも拝命つかまつる」
「では私はその事がしっかり守られるかこの戦場に居て監察しろとの命令を帯びている。よろしく頼む」
「ハハッ」
セレネはうやうやしく頭を下げた。
「ふふふ、しかし横に居る砂緒共々安心した。既に海と山と国には参戦要請の書簡を送ってある。しかも海と山と国の王様とお后様とは、やはりこの砂緒共々信頼を得た間柄、必ずや良き返事が貰える物と思う……」
セレネの自信たっぷりの言葉を聞いてドキッとするY子の正体であるフルエレ。
「そ、そうなの砂緒? い、いやそうなのであるか砂緒殿??」
フルエレが思わず地が出そうになるが慌てて修正する。
「ええ、以前貴方の主人であるフルエレには確か伝えたのですが、海と山と国がメドース・リガリァ軍に襲撃されるという事がありまして。詳しく述べますと、その時にこのセレネが油断して敵兵にさらわれ、衣服をビリビリと破かれた挙句、柔肌を辱められそうになり、いえ、未遂だったのですが、そこに私が颯爽と現れ見事に救出、その瞬間このセレネは涙を流しながら私の唇を激しく求め」
「そこはいいんじゃっ!!」
突然激赤面したセレネが止めに入る。
(唇を激しく求め?? ほ、本当にセレネと砂緒の間にもうそんな事が?)
「もとい、それは兎も角、敵軍を撃退した前後からもう王様お后様ともにマブのダチと書いてマブダチとも言える中になり、色々な話をしました。何でも夜宵さんという美しいお姫様が突然行方不明となりお二人が悲しみに打ちひしがれる中、さらにはその姉を追って妹さんの依世さんまでが失踪してしまうという悲劇……我々はまさに娘息子に成り代わった様にお二人と親身に話したのです!! さらに私はお后様に愛の告白までして王様に睨まれてしまいましたっ」
「え……依世が……依世も出てしまったの!?」
Y子は己を失った様に愕然として訊いた。依世が出た事が衝撃的過ぎて、砂緒がお后さまに告白した事はスルーした。
「おや、Y子殿他国の王家に詳しいですな、依世さんの事までご存じとは」
セレネがほくそ笑みながら言うと、Y子はぴくっとして元に戻った。
「え、ええあそこは特殊な国として情報通には有名なのです」
「ほほう」
セレネは目をつぶり笑った。
「し、しかしあの国は必ず参戦しない物と思う」
「まあ、期待して待っておりましょうフフ。それで貴方の処遇だが、女王陛下の特命を帯びているとは言え全軍の総司令はこの私、つまり私の指揮下に入って頂いて良いだろうか? まさか軍の中で自分だけ特例的に好き勝手動きたいと言われても困る」
セレネは腕を組み上から目線で言った。いつも同盟女王として目の上のたんこぶ的に感じていたフルエレにここぞとばかり偉そうにする腹づもりであった。
「良いでしょう……なんなりと」
「では差し当たっては、兎幸先輩が敵からダメージを食らい最近寝込みがちであるので、本来であれば誰か大魔法力を持つ者に魔力を注入してもらいたいのだが、なかなか上手く行かない。そこで貴方に看病してもらいたい」
「兎幸が!?」
「おやおや兎幸先輩の事までご存じとは本当に何でも知っておられるなフフ」
「ええ、まあ」
「それと……あたしと砂緒の愛の巣である、普段共同で使用している控室の掃除もお願いしたい」
「はぁ?? 何よそれ」
Y子は驚いて素に戻る。
「はぁ?? 何よそれとな? おやおやおかしな反応ですなあ」
(くっ……ここぞとばかり小姑の様に私をいびり倒すつもりね……)
「Y子様っ! どうぞ私がお手伝いしますわっ!!」
「あっコラミミイ、私もやるわよっ!!」
その時ミミイ王女とメランが両側からY子の腕を掴み助け船を出した。こんな戦場までやって来た雪乃フルエレをサポートする役を買って出たのだった。
(ミミイさん、メランちゃん……うう、ありがとう)
「ではあたしはこれから砂緒と共に七葉後川に掛かる橋を落として来る! Y子殿、お掃除頼むぞふふ」
「なっ!? 何よそれ! 陛下の命令を忘れたの?? 逃亡する兵士は攻撃するなと……」
「はは、何を仰るのかな、兵士は攻撃しない。橋を落とすだけだ。女王陛下は橋を落とすなと命令されたのかな? 貴方は陛下の特命を受け監察するかも知れんが、新たな命令を下す権限は無いはずだぞ。うふふ」
セレネは勝ち誇って不敵に笑った。
「そ、それは……ぐっ」
Y子は歯ぎしりした。
「さっ砂緒いつもみたいに手を繋いで一緒に行こっ」
「え、ええまあ……いいですけど。な、なんです今日は凄くくっついて来ますね」
砂緒はY子が気になるのか、チラチラ振り返りながらセレネと歩いて行った。セレネはいつも以上に砂緒に密着して胸をこすり付ける様に歩いて行く。
(砂緒……知らない内にあんなにセレネと親しくなってる……まんざらでも無いみたい……)
Y子の中の人フルエレはぼーっとして去り行く二人を眺めていた。
「ささっ、あんな二人放置して、まずはお疲れでしょう、滞在の為に貴方に空き部屋をご用意しますわっ」
ミミイ王女が満面の笑顔でY子の腕を掴んだ。
「もちろん私も一緒に行きます。この人一人だと危険過ぎる」
二人はY子の正体に見合う豪華で広い部屋を見繕った。
「ここなら貴方の部屋として最適でしょう」
「有難う……貴方達が居て本当に良かった……」
「あ、もう一つ貴方にご用意したい物がっ! ミミイ、絶対に変な事しちゃだめよ」
メランは言うと、慌てて部屋を飛び出た。
「………………」
「ンフフ、余計な人が出てってくれたっ!」
「……」
「貴方は本当に雪の様に白い肌ね……ここのジッパーを降ろすとどうなっちゃうのかしら?」
何のためらいも無く、ミミイ王女はY子の首元にあるジッパーをジャッと降ろした。その途端に峰不〇子のライダースーツの様に真っ白い胸元が露わになって、慌てるフルエレ。
「な、何をするんです?」
「ウフフ」
「って止めんかーーーーコラーーーーーっ!!」
「アウッ」
慌てて戻って来たメランがミミイに飛び蹴りを食らわした。
「本当にごめんなさい、この子ここまでの変態とは思わなくて。どうぞ、これを装着して下さい」
「これは?」
メランはY子にヘルメットの様な物を渡す。
「これは黒騎兵隊の女性用の軽量兜のチンガードを外してさらに軽量にした物です。その蝶の仮面ではあまりにも色々な意味で無防備過ぎます。これを装着なされば色々な意味で名誉が守られます」
「お、おお何から何まで有難い……では」
「わわっ、私達の前でマスク外しちゃだめっ! でしょう……」
「おお、そうであった」
思わず二人の前で蝶の仮面を外そうとしたY子を慌てて止めるメラン。そしてそのままY子は後ろを向くと、仮面を外し軽量兜を被ると、カチャッとバイザーを降ろした。
「これでどうかな?」
黒い騎兵隊用の兜を被ったY子が二人の前に向いた。
「いいっ凄く良い!! 仮面も良かったですけれど、悪の処刑人みたいなカンジで凄くかっこ良いエロいですっ! なんだか貴方にビシバシ責められたい気分……」
「もーーミミイは何でもそっち方面に持っていくのおよしなさい。けれど……唇だけ見えるメットがセクシーです。凄く良いです!!」
「有難う……貴方達二人が居てくれて凄く安心する」
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