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III プレ女王国連合の成立
新ニナルティナ&ユッマランド合同軍事演習8 あからさまな敵の挑発
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「いやしかし、悪戯に敵国を刺激したくない。どこか国の中央部や南部で訓練を行う良い場所は無い物かな?」
「ありません」
とても冷たい無表情な顔できっぱりと言った。この態度から内心この若く美しい美魅ィ王女は新ニナルティナの煮え切らない態度に激怒している事を悟った。ここに来て事前の調整を入念に行わず、行き当たりばったりでこの様な大規模な訓練を実施した事を後悔した。
「我々はそう長い期間滞在出来る兵糧を持ち合わせていない。あまり長距離の移動をしたくないし出来ないのです」
「それはご安心下さい。ここから西の国境地帯の訓練区域に事前に十分な食料を準備してあります。今日は西に移動し、国境付近で野営して、明日の朝から合同訓練を開始する予定です。そのおつもりでお願いします」
こんどは強引に予定を組んで来た。アルベルトも相手は好きなフルエレでは無いので、簡単にカチンと来た。
「王女殿下には無礼を承知で言うが、多少我が国に対して強引で失礼ではないかな?」
「敵国を刺激したく無いと仰いますが、敵国とは何処の事でしょうか? 仮にメドース・リガリァだとして、何故自国で訓練を実施する事が刺激に繋がるのでしょうか? 自国で好きな事すら出来ないのであれば、我々はメドース・リガリァから支配を受けている事になりませんか」
まるで新ニナルティナ国内で重臣連中やライス氏から反論を受けている様だった。
「まあまあ、王女ちゃんもイケメン司令官殿も落ち着こうや!! 仲間割れしてたら敵の思うつぼだぜ、俺も王女ちゃんの意見に賛成だな。それにこの国は人口が多そうだ、中央部には街が広がりまともに大部隊が訓練出来る感じじゃねえな」
「嬉しいです。まさにその通りで、訓練したくとも西部の荒野以外に訓練出来る場所はありません。早速参りましょう!」
「おお、そうだなっ!! よし、全軍西へ進めっ!」
「なっ……勝手に何を!?」
最初にアルベルトが指揮権は全て自分にあると言ったが、ユッマランド到着早々に指揮は崩壊した……
「致し方あるまい。既にユッマランド軍が勝手に進発したか……我らも訓練区域に進軍する!」
アルベルトは渋々後追いで進軍を命令した。
ユッマランド西の国境付近。広大な荒野にアルベルトの新ニナルティナ軍と衣図ライグの西リュフミュラン軍、そして美魅ィ王女の率いるユッマランド軍が野営を始めた。
「王女が率いる軍は非常に数が多い様に感じるのですが、如何ほどいるのですか?」
「……はい、ユッマランド軍のほぼ全軍です」
アルベルトは飲んでいた温かいコーヒーを吹きかける。
「え? ほぼ全軍??」
「はい、南の国境だとか国内警備の兵士も含めてほぼ全軍が集結しています」
「おお、そりゃ今ユッマランドの国内じゃ泥棒天国じゃねえですか、最高だねヒヒ」
何故か最高指揮官達が集う場所に紛れ込んだラフが余計な一言を言う。
「てめえは黙ってな」
「へ、へい」
衣図ライグに軽く頭を殴られる。
「何故……ほぼ全軍を集結させる意味が分からないな」
「何故……とは? 失礼ですが貴国はメドース・リガリァと多く山を挟んでいますが、我が国は多く隣接して侵略の危険性を直接感じているのです。全軍が臨戦態勢で訓練してもおかしくは無いでしょう」
反論出来ないアルベルトは、この王女の同盟締結式の時のおきゃんな様子との、あまりの変化に驚いた。
「……我々はくれぐれも訓練であって、反撃では無い。その事は承知してくれているね?」
アルベルトはフルエレとの約束でもあるので一応きっちり言っておいた。
「もちろんですとも。では私は各部隊への見まわりがありますので!」
美魅ィ王女はくるりと踵を返すとすたすたと歩いて行く。本気でアルベルトの言葉を聞いているのか如何にも怪しい様子だった。
「あの王女ちゃん……既成事実を作って戦端を開く気まんまんだなありゃ。凄く面白そうなんだが……無謀な戦いで部下を死なせるのも意味がねえ。どっちが有利なのか様子見だな。メランちゃんにもそう伝えて置け、連中とは距離を取っておけとな」
「へい」
量産型の青い魔ローダーSRVの操縦席で、整備や調整を続けるメランに向けてラフが走った。衣図ライグはデカい図体と山賊の首領の様な乱暴者を思わせる容貌ながら、実際には非常に用心深く思慮深い人物だった。この合同訓練について来たのも、ユッマランドという他国領に自軍を進軍させて経験を積ませる事が第一で、文字通り訓練が目的であり、自らひと暴れして戦端のきっかけになってやろう……等という外見から期待される事は毛頭考えて無かった。
「よし、明日も早い、全部隊にしっかり休む様に伝えろ!」
アルベルトは自軍に休息を命令したが、自分自身は胸騒ぎがして眠る気になかなかならなかった。
次の日の朝、真っ先に目覚めて見まわりをしなければいけないアルベルトだったが、寝坊とまでは決して言えないが少しだけ起きるのが遅くなっていた。
「司令官殿、大変な騒ぎになっております、そろそろお目覚めを……」
「ん、んんん、済まないね、どうしたのかね?」
「どうぞ、双眼鏡でご覧下さい」
「ん? 何か急変が??」
何か異変を感じて慌てて起き上がると、部下に渡された双眼鏡で西部を覗いた。
「何だ……これは」
アルベルトは一言言って絶句した。双眼鏡で覗く必要が無い程に、ユッマランドの国境ぎりぎりの場所に六機の新型魔ローダーが林立していた。その場所はかつて美魅ィ王女と侍女璃凪が侵入し魔ローダーに乗って戦い、そして半透明の魔ローダール・ワンによって璃凪が戦死させられた場所だった。その場所に振動も無く見張りにも気付かれる事無く、朝に忽然と現れていた。
「ゆるっ……せない……い、今から奴らを殺しに行くわっ!!」
「どうぞお控えを……」
「撤退も含めてご検討を」
当の美魅ィ王女が唇から血が出そうな勢いで、下唇を噛みながら激怒したが、家臣達が必死に止める。通常戦力の有無は不明だが、魔ローダー六機対二機では明らかに不利であった。
「アルベルト様、メドース・リガリァ軍と自称する魔ローダー集団から軍使が到着し、無理やり一方的に書簡を手渡そうと携えて来ました。捕縛しますか?」
「いや、内容を吟味しよう。何かと理由を付けてその場に止め置け」
アルベルトに美魅ィ王女、それに衣図ライグの三司令官が揃って軍使の元に向かった。
「お、お初に……お、お目にかかります。め、メドース・リガリァ軍の使い、ふ、フゥーと思います、いえ申します」
軍使の元に向かった三人は拍子抜けした。てっきり死をも恐れぬ屈強な男か、もしくは全てを悟りきった白髪の老人が来るのかと思いきや、今にも消え入りそうな儚げな美少女がおたおたしながら佇んでいた。
「こ、これを……メドース・リガリァ軍の書簡に御座います」
あからさまに恐怖でガタガタ震える手を差し出し、書簡を渡そうとする。
「斬る!!」
「ヒッ」
差し出された震える両手を、血走った目で美魅ィ王女が斬ると叫ぶ。
「やめないかっ! 軍使ですぞ」
アルベルトが制止すると王女は憮然として引き下がった。
「預かりましょう」
アルベルトは書簡を受け取ると声を出して読み出した。
『親愛なるユッマランド及びニナルティナの諸君、今回君達が合同軍事訓練を行うと聞いて急いで駆け付けた。和議を結ぶ友好国として間近で見物させて頂く。心置きなく軍事訓練を実行されたい。メドース・リガリァ軍エース司令官、疾風のサッワ』
読み終わってアルベルトは携えて来た少女を見たが、いつ斬られるかとブルブル震えていた。彼女がエース司令官疾風のサッワという恥ずかしい二つ名を持つ上官から、大切にされていないのは明白だった。
「何よこれ……ふざけきってる……今すぐ攻め込むのよ!」
「君、今すぐ帰りなさい。ここに居ては安全は保障出来ない。護衛を付けて安全に国境の外までお送りしろ!」
「ハッ」
アルベルトはいきり立つ王女をなんとか制止して軍使を返してやった。
「さてどうする? 連中本当に見てるだけか? いつ襲い掛かってくるかもわからんぜ」
「……ここは口惜しいが城壁まで一旦引こう。魔ローダーの数が違い過ぎる。我らの二機だけでは対応出来ない。もっと多くの量産型魔ローダーを入手するか、黒い稲妻Ⅱと旗機蛇輪の復帰を待つ以外にありえない」
「そんなの絶対嫌です。それだと舐められっぱなしです。向こうは攻めて来るとは言ってません。訓練を実行しましょう」
放っておけば二人は堂々巡りする展開だった。
「そうだな、じゃ両者の意見を同時に実行すりゃいいじゃねえか! まず王女さんと我らの二機の魔ローダーが国境ギリギリに立って、連中の魔ローダーにガンを飛ばし続ける。これで王女さんの気も少しは済むだろ? で、俺たちはその後ろで全力で陣地と堀を作る。皆で穴掘り訓練だ。いくら魔ローダーがあっても、占領する為には兵員の移動が必要だからな、それを防ぐ為だ。残りの魔導士やら輸送部隊やら直接魔ローダー戦闘に関われ無い連中は全力で城壁まで後退する、これでどうだ?」
アルベルトは一番駄々をこねそうだと思っていた衣図ライグが、むしろ王女を落ち着かせながら、実際にはアルベルトの望む後退を提案している事に驚いた。砂緒やフルエレと友人だと言うのはあながち嘘では無いかもと思った。今はそれがベストだと感じた。
「そうだね、僕も衣図ライグ氏の提案に賛同する。これで二対一だね」
「はい……」
王女は不服そうだが、現実的にはそれしか無いと分かっていた。
「ありません」
とても冷たい無表情な顔できっぱりと言った。この態度から内心この若く美しい美魅ィ王女は新ニナルティナの煮え切らない態度に激怒している事を悟った。ここに来て事前の調整を入念に行わず、行き当たりばったりでこの様な大規模な訓練を実施した事を後悔した。
「我々はそう長い期間滞在出来る兵糧を持ち合わせていない。あまり長距離の移動をしたくないし出来ないのです」
「それはご安心下さい。ここから西の国境地帯の訓練区域に事前に十分な食料を準備してあります。今日は西に移動し、国境付近で野営して、明日の朝から合同訓練を開始する予定です。そのおつもりでお願いします」
こんどは強引に予定を組んで来た。アルベルトも相手は好きなフルエレでは無いので、簡単にカチンと来た。
「王女殿下には無礼を承知で言うが、多少我が国に対して強引で失礼ではないかな?」
「敵国を刺激したく無いと仰いますが、敵国とは何処の事でしょうか? 仮にメドース・リガリァだとして、何故自国で訓練を実施する事が刺激に繋がるのでしょうか? 自国で好きな事すら出来ないのであれば、我々はメドース・リガリァから支配を受けている事になりませんか」
まるで新ニナルティナ国内で重臣連中やライス氏から反論を受けている様だった。
「まあまあ、王女ちゃんもイケメン司令官殿も落ち着こうや!! 仲間割れしてたら敵の思うつぼだぜ、俺も王女ちゃんの意見に賛成だな。それにこの国は人口が多そうだ、中央部には街が広がりまともに大部隊が訓練出来る感じじゃねえな」
「嬉しいです。まさにその通りで、訓練したくとも西部の荒野以外に訓練出来る場所はありません。早速参りましょう!」
「おお、そうだなっ!! よし、全軍西へ進めっ!」
「なっ……勝手に何を!?」
最初にアルベルトが指揮権は全て自分にあると言ったが、ユッマランド到着早々に指揮は崩壊した……
「致し方あるまい。既にユッマランド軍が勝手に進発したか……我らも訓練区域に進軍する!」
アルベルトは渋々後追いで進軍を命令した。
ユッマランド西の国境付近。広大な荒野にアルベルトの新ニナルティナ軍と衣図ライグの西リュフミュラン軍、そして美魅ィ王女の率いるユッマランド軍が野営を始めた。
「王女が率いる軍は非常に数が多い様に感じるのですが、如何ほどいるのですか?」
「……はい、ユッマランド軍のほぼ全軍です」
アルベルトは飲んでいた温かいコーヒーを吹きかける。
「え? ほぼ全軍??」
「はい、南の国境だとか国内警備の兵士も含めてほぼ全軍が集結しています」
「おお、そりゃ今ユッマランドの国内じゃ泥棒天国じゃねえですか、最高だねヒヒ」
何故か最高指揮官達が集う場所に紛れ込んだラフが余計な一言を言う。
「てめえは黙ってな」
「へ、へい」
衣図ライグに軽く頭を殴られる。
「何故……ほぼ全軍を集結させる意味が分からないな」
「何故……とは? 失礼ですが貴国はメドース・リガリァと多く山を挟んでいますが、我が国は多く隣接して侵略の危険性を直接感じているのです。全軍が臨戦態勢で訓練してもおかしくは無いでしょう」
反論出来ないアルベルトは、この王女の同盟締結式の時のおきゃんな様子との、あまりの変化に驚いた。
「……我々はくれぐれも訓練であって、反撃では無い。その事は承知してくれているね?」
アルベルトはフルエレとの約束でもあるので一応きっちり言っておいた。
「もちろんですとも。では私は各部隊への見まわりがありますので!」
美魅ィ王女はくるりと踵を返すとすたすたと歩いて行く。本気でアルベルトの言葉を聞いているのか如何にも怪しい様子だった。
「あの王女ちゃん……既成事実を作って戦端を開く気まんまんだなありゃ。凄く面白そうなんだが……無謀な戦いで部下を死なせるのも意味がねえ。どっちが有利なのか様子見だな。メランちゃんにもそう伝えて置け、連中とは距離を取っておけとな」
「へい」
量産型の青い魔ローダーSRVの操縦席で、整備や調整を続けるメランに向けてラフが走った。衣図ライグはデカい図体と山賊の首領の様な乱暴者を思わせる容貌ながら、実際には非常に用心深く思慮深い人物だった。この合同訓練について来たのも、ユッマランドという他国領に自軍を進軍させて経験を積ませる事が第一で、文字通り訓練が目的であり、自らひと暴れして戦端のきっかけになってやろう……等という外見から期待される事は毛頭考えて無かった。
「よし、明日も早い、全部隊にしっかり休む様に伝えろ!」
アルベルトは自軍に休息を命令したが、自分自身は胸騒ぎがして眠る気になかなかならなかった。
次の日の朝、真っ先に目覚めて見まわりをしなければいけないアルベルトだったが、寝坊とまでは決して言えないが少しだけ起きるのが遅くなっていた。
「司令官殿、大変な騒ぎになっております、そろそろお目覚めを……」
「ん、んんん、済まないね、どうしたのかね?」
「どうぞ、双眼鏡でご覧下さい」
「ん? 何か急変が??」
何か異変を感じて慌てて起き上がると、部下に渡された双眼鏡で西部を覗いた。
「何だ……これは」
アルベルトは一言言って絶句した。双眼鏡で覗く必要が無い程に、ユッマランドの国境ぎりぎりの場所に六機の新型魔ローダーが林立していた。その場所はかつて美魅ィ王女と侍女璃凪が侵入し魔ローダーに乗って戦い、そして半透明の魔ローダール・ワンによって璃凪が戦死させられた場所だった。その場所に振動も無く見張りにも気付かれる事無く、朝に忽然と現れていた。
「ゆるっ……せない……い、今から奴らを殺しに行くわっ!!」
「どうぞお控えを……」
「撤退も含めてご検討を」
当の美魅ィ王女が唇から血が出そうな勢いで、下唇を噛みながら激怒したが、家臣達が必死に止める。通常戦力の有無は不明だが、魔ローダー六機対二機では明らかに不利であった。
「アルベルト様、メドース・リガリァ軍と自称する魔ローダー集団から軍使が到着し、無理やり一方的に書簡を手渡そうと携えて来ました。捕縛しますか?」
「いや、内容を吟味しよう。何かと理由を付けてその場に止め置け」
アルベルトに美魅ィ王女、それに衣図ライグの三司令官が揃って軍使の元に向かった。
「お、お初に……お、お目にかかります。め、メドース・リガリァ軍の使い、ふ、フゥーと思います、いえ申します」
軍使の元に向かった三人は拍子抜けした。てっきり死をも恐れぬ屈強な男か、もしくは全てを悟りきった白髪の老人が来るのかと思いきや、今にも消え入りそうな儚げな美少女がおたおたしながら佇んでいた。
「こ、これを……メドース・リガリァ軍の書簡に御座います」
あからさまに恐怖でガタガタ震える手を差し出し、書簡を渡そうとする。
「斬る!!」
「ヒッ」
差し出された震える両手を、血走った目で美魅ィ王女が斬ると叫ぶ。
「やめないかっ! 軍使ですぞ」
アルベルトが制止すると王女は憮然として引き下がった。
「預かりましょう」
アルベルトは書簡を受け取ると声を出して読み出した。
『親愛なるユッマランド及びニナルティナの諸君、今回君達が合同軍事訓練を行うと聞いて急いで駆け付けた。和議を結ぶ友好国として間近で見物させて頂く。心置きなく軍事訓練を実行されたい。メドース・リガリァ軍エース司令官、疾風のサッワ』
読み終わってアルベルトは携えて来た少女を見たが、いつ斬られるかとブルブル震えていた。彼女がエース司令官疾風のサッワという恥ずかしい二つ名を持つ上官から、大切にされていないのは明白だった。
「何よこれ……ふざけきってる……今すぐ攻め込むのよ!」
「君、今すぐ帰りなさい。ここに居ては安全は保障出来ない。護衛を付けて安全に国境の外までお送りしろ!」
「ハッ」
アルベルトはいきり立つ王女をなんとか制止して軍使を返してやった。
「さてどうする? 連中本当に見てるだけか? いつ襲い掛かってくるかもわからんぜ」
「……ここは口惜しいが城壁まで一旦引こう。魔ローダーの数が違い過ぎる。我らの二機だけでは対応出来ない。もっと多くの量産型魔ローダーを入手するか、黒い稲妻Ⅱと旗機蛇輪の復帰を待つ以外にありえない」
「そんなの絶対嫌です。それだと舐められっぱなしです。向こうは攻めて来るとは言ってません。訓練を実行しましょう」
放っておけば二人は堂々巡りする展開だった。
「そうだな、じゃ両者の意見を同時に実行すりゃいいじゃねえか! まず王女さんと我らの二機の魔ローダーが国境ギリギリに立って、連中の魔ローダーにガンを飛ばし続ける。これで王女さんの気も少しは済むだろ? で、俺たちはその後ろで全力で陣地と堀を作る。皆で穴掘り訓練だ。いくら魔ローダーがあっても、占領する為には兵員の移動が必要だからな、それを防ぐ為だ。残りの魔導士やら輸送部隊やら直接魔ローダー戦闘に関われ無い連中は全力で城壁まで後退する、これでどうだ?」
アルベルトは一番駄々をこねそうだと思っていた衣図ライグが、むしろ王女を落ち着かせながら、実際にはアルベルトの望む後退を提案している事に驚いた。砂緒やフルエレと友人だと言うのはあながち嘘では無いかもと思った。今はそれがベストだと感じた。
「そうだね、僕も衣図ライグ氏の提案に賛同する。これで二対一だね」
「はい……」
王女は不服そうだが、現実的にはそれしか無いと分かっていた。
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