359 / 409
第三部 降誕す
第359話 蒼竜との御契 其の七 ★
しおりを挟む窄みが充分に濡れてくると、僅かにある凹みに唾液の溜まりが出来始める。無意識の内にひくついた蕾が、薄桃色をした花片を覗かせて、唾液を呑み込もうとしているかのようだ。
受け止め切れずに零れ落ちそうな唾液を蒼竜が舌で受け止めて、後蕾へ押し込めながらも浅い部分を抽送する。
柔らかく動く舌先が執拗に蕾の表面を往復し、硬く閉ざされたそこを割り開いた。小刻みに浅い部分の挿入を繰り返しながら、確実にゆっくりと胎内へ入ろうとする。
蒼竜はすぐ知ることになるだろう。
硬いのは蕾と浅い部分だけで、その奥は。
貴方の物の匂いのする、貴方の為だけの蜜で、すでに熟れていることを。
「はっ……あっ……」
舌は胎内のある所まで達した時点で侵入を止める。
ぐる……と低く唸った蒼竜は、やがて嬉しそうな高い声を上げた。
きっと気付いたのだ。
御手付きの身体が、発情期の蒼竜の匂いに触発されて、蒼竜を受け入れる為の身体へと変化していることを。
だがそれでもまだ足りないだろうとばかりに、蠢く舌が胎内を舐め上げて拡げる。その熱さがどうにも堪らず、香彩は頭を横に振った。
本来ならば性急に太い舌を入れられて、苦痛しかないはずのその場所は、唾液に含まれている神気と、体液の催淫の効果、そして発情の匂いに作り変えられた身体によって、じわじわと灼かれていくかのような、快感を生み出している。
香彩の若茎が再び熱を孕んで、ゆるりと擡げ始めた。
その様子を蒼竜がじっと見つめていることを、香彩はよく知っていた。毅い視線を感じるのだ。
じっくり、ゆっくりと。
熱い舌が、じゅくと淫らな音を立てて、蕾の中を掻き回す。
「んっ……! ぁっ……! っ……んんっ、ん」
艶声を上げながらも香彩は負けじと、美味しそうな蜜を垂らす目の前の竜の陰茎を、啄みながら舐めて吸い上げる。
「んっ…ぁっ…! あぁぁ…っ!」
だが蒼竜の舌先が腹側にある弱い部分に触れた途端、香彩は思わず陰茎を口から離し、一層色付いた声を上げた。
自分の御手付きが深い喘ぎ声を上げたのだ。それを見逃す蒼竜ではない。
蒼竜の舌先が執拗に、腹側のしこりを責める。
「んっ、んっ……! あぁっ……は……」
背筋を駆け上った感覚の鋭さに、覚えず身悶えて甘い喉声を立てた。視界が裏返ってしまうかのような、明滅に襲われて、思わず背筋が反り返る。
そうしていつの間にか四つん這いのまま、求めるがままに腰を突き出したような格好だ。
はしたない、恥ずかしいと頭の隅でそんなことを思いながらも、拒みようもなく与えられる思いもかけないほどの淫靡な刺激に、身体の奥から滲み出す熱の甘さがやり切れない。
0
お気に入りに追加
141
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる