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第93話 銀狐、目合う 其の十六 ※
しおりを挟む「あ……あ……」
晧は快楽の頂点からなかなか降りて来れずにいた。身体に感じる強い悦びを逸らせたくて、荒々しくも淫猥に染まった息を吐くが、それすらも悦楽への材料に変わってしまう。胎内は今まで以上に白霆の雄蕊を締め付けてはひくつき、無意識の蠕動を繰り返して扱き上げる。
「晧……こう……胎内で達して下さったんですね。貴方の胎内が私を締め付けて離してくれません……っ、なんて……愛らしい。では今度は……」
ぐっと白霆が雄蕊の先端を、結腸の弁蕾に押し付けた。
「この奥の奥にある、貴方の子袋で達して……晧」
「──は……ぁ……」
そう言いながら白霆が晧の身体を横に向ける。胎内に存在する雄蕊の擦れる感触に、達したばかりの身体は嫌でも反応を示して、まるで陸に上がった若魚のように、びくびくと跳ねて震え出した。
そんな晧の様子を見た白霆が、うっそりと笑みを浮かべる。
「晧……っ、四つ這いに……」
「っ、あ……!」
「今の貴方には少し辛いかもしれませんが……私も手伝いますので、敷包布にこちらの膝を付いて頂けますか?」
白霆の骨張った熱い手が、白い太腿から膝にかけてゆっくりと擦る。敏感になってしまった身体は、ただそれだけで新たな官能の熾火になった。
声に促されて片膝を敷包布に付ければ、白霆が晧の腰を少し持ち上げる。すると臀が白霆に向かって突き出すような体勢になった。その身体の動きの流れのままに、晧は上体を起こして肘を敷包布に付ける。
「っ……う、ああ、っ……こ、れ……!」
先程とは全く違う胎内の、熱くて硬い雄蕊の存在感。
より熱くて、より硬くて大きい。
どうしようもなく感じ入ってしまって、色付いた吐息と共に晧は、呻くような淫声を上げた。
そんな晧の息と重ねるように、白霆が荒々しく息をつく。
「こんなに尻尾を上げて下さって……可愛らしい」
白霆が手櫛で尻尾の毛並みを梳いた。途端に感じるぞわりとした快楽に、腹の奥が酷く疼く。彼の手はやがて尻尾の付け根に辿り着いた。
「あ……、だめだっ……それ……っ! っ、はぁ……」
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