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ばいばい、工藤くん2
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鈍行に揺られて非日常から日常に戻る。
穏やかな日常があるから、
刺激的な非日常が喜びになるのです。
晩ご飯は近所に住む母にお任せしてある。
あたしは跡取り娘で、こんなイナカのことだから、
ムコムコ言われ続けて育ったけど、あたしの人生、
そんな因習に縛られてたまるものですか。
かといって、いずれ何らかの形で
親の面倒を見なくてはならなくなるのは、
避けられない。
鹿島先輩は、3人兄弟の次男坊で、
ニンゲンは堅いけど、結構な自由人。
婿養子についても「別にいーよ」と
気にしない様子だったけど、それではなんだか
イナカの「アタリマエ」に負けた気がするので、
「ご無理を言って」近くに就職して近くに
住んでもらうことにした。
おかげさまで、うちの親との関係も良好だ。
ダンナさまに駅まで車で迎えに来てもらって、
実家に寄って子どもたちを詰め込み、我が家に帰る。
狭いなんて言ったら怒られる、そこそこ大きな
庭付きの一戸建て。
もちろん、うちの親持ちだ。
小学1年生と3年生の息子たちは、まだ母が居ないと落ち着かない
お年頃で、いくらお父さんと一緒に普段母に
禁じられていることをして楽しく過ごせても、
やっぱりお母さんがのほうがいいようで、
力也さんはちょっと面白くなさそうだ。
「お母さん、お土産は?」
京都のラングドシャですよ。
ちゃんと3人で分けてね。
バサバサと包装を破り、箱を開け、
あっという間に食べ尽くし、寝る準備をして、
2階に上がって行った。
まだ母子3人で川の字で寝ている。
いつまで一緒に寝てくれるんだろう。
力也さんが、お茶を淹れてくれる。
「OB会どうだった?」
あまり興味なさそうな調子だけど、ひと通り、
あったことを詳らかにした。
「工藤くん、うちが痩せたことに気づかなかった!」
と不平を漏らしたら、
「変わってないからね」
と、力也さんまで笑う。
キッチンに立つ力也先輩の広い背中も
学生時代のままだけどね。
穏やかな日常があるから、
刺激的な非日常が喜びになるのです。
晩ご飯は近所に住む母にお任せしてある。
あたしは跡取り娘で、こんなイナカのことだから、
ムコムコ言われ続けて育ったけど、あたしの人生、
そんな因習に縛られてたまるものですか。
かといって、いずれ何らかの形で
親の面倒を見なくてはならなくなるのは、
避けられない。
鹿島先輩は、3人兄弟の次男坊で、
ニンゲンは堅いけど、結構な自由人。
婿養子についても「別にいーよ」と
気にしない様子だったけど、それではなんだか
イナカの「アタリマエ」に負けた気がするので、
「ご無理を言って」近くに就職して近くに
住んでもらうことにした。
おかげさまで、うちの親との関係も良好だ。
ダンナさまに駅まで車で迎えに来てもらって、
実家に寄って子どもたちを詰め込み、我が家に帰る。
狭いなんて言ったら怒られる、そこそこ大きな
庭付きの一戸建て。
もちろん、うちの親持ちだ。
小学1年生と3年生の息子たちは、まだ母が居ないと落ち着かない
お年頃で、いくらお父さんと一緒に普段母に
禁じられていることをして楽しく過ごせても、
やっぱりお母さんがのほうがいいようで、
力也さんはちょっと面白くなさそうだ。
「お母さん、お土産は?」
京都のラングドシャですよ。
ちゃんと3人で分けてね。
バサバサと包装を破り、箱を開け、
あっという間に食べ尽くし、寝る準備をして、
2階に上がって行った。
まだ母子3人で川の字で寝ている。
いつまで一緒に寝てくれるんだろう。
力也さんが、お茶を淹れてくれる。
「OB会どうだった?」
あまり興味なさそうな調子だけど、ひと通り、
あったことを詳らかにした。
「工藤くん、うちが痩せたことに気づかなかった!」
と不平を漏らしたら、
「変わってないからね」
と、力也さんまで笑う。
キッチンに立つ力也先輩の広い背中も
学生時代のままだけどね。
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