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*エピローグ(R18)
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目覚めてからさらに二カ月かけて、僕は再び自分で歩けるようになるためのリハビリに励んだ。寝たきりで衰えてしまった筋力を復活させるための運動やストレッチ、松葉杖の使い方などを教えてもらい、一昨日ようやく退院できた。
「あー……すごく懐かしい。自分の部屋って落ち着くね」
実に数カ月ぶりとなる帰宅に、僕は胸に迫る懐かしさを覚えながらリビングのソファに身を沈める。まだ松葉杖を使いながらの生活だけれど、晴斗と暮らす部屋に変えることができた悦びは何物にも代えがたい。
小さな二人掛けのソファ、そしてそこに置いたクッション。身を沈めると微かに鼻先をくすぐるこの部屋のにおいが何よりも僕がここに帰ってきたことを知らせてくれる。
まるで小さな子犬が縄張りを確かめるように顔をクッションにうずめている僕の隣に晴斗が座り、そっと頭を撫でてくる。
「俺も、いるはずの存在がいてくれて、ホッとしてるよ、光」
「我が家が一番、だね」
頭を撫でられながら僕がくすくす笑ってうなずいていると、晴斗がその手を停め、そのまま頬に触れ、そして顎の下に宛がい上を向かせてキスをしてきた。
あ、ハイターと同じ手順だ……そう気づきながら受け止めた唇は、やはりよく肌馴染みするそれで、安堵感すら覚える感触に涙がにじんでいく。
僕は光で、彼は晴斗。ここは2020年代の日本の東京で、僕らは互いに20歳の若い男同士だ。どこか知らない遠い国の全寮制の学校に閉じ込められている18歳の生徒たちではない。
もしあのまま、なにも気づかずにいたなら――そのもしもに背筋が凍りそうになる。いま感じているぬくもりも、愛しさも、思い出すことも再び感じることもできなかったのだから。
挿し込まれる舌の淫靡な動きと、蕩かされる感触が心地よく、僕は凍りかけた心が溶かされていくのを感じる。その喜びが、頬を伝って流れていく。
「光? 脚、痛むか?」
「ううん、そうじゃなくて……帰って来られて、本当に良かったな、って思って……」
「うん、そうだな……」
「晴斗、僕、もうどこにも行かないよ」
「俺も、光を離さないからな」
「どこにいても、どんな僕でも、ずっと愛してくれる?」
潤んでにじむに視界に映し出される愛しい彼は、この上なく甘くやさしい顔をしてうなずき、強く僕を抱きしめながら答える。その声は、熱く震えていた。
「――当たり前だろ……地の果てにいても、光を絶対に探し出して、愛するよ」
刻み込むように囁かれた言葉は、僕の中のあの遠い異国の風景を消し去り、意識をいまへと戻していく。
僕は、いま、愛しい彼と抱き合ってこの世界に生きている――それがすべてで、真実だ。
噛み締める真実を分かち合うように、僕らはもう一度深く口付けをかわし、肌を重ねていく。
「ン……ンぅ、っは、あ……晴、斗」
「光……ああ、やっとこうして触れられる……」
「僕も、触ってもらえ、て……嬉し……ッあぁ!」
ソファの背もたれに身を預けるようにキスをして抱き合いながら、僕らは距離を失くしていく。
だけど、僕の脚がギプスで覆われていて、自由があまり効かないことに晴斗が気付き、ハッと顔をあげる。目に痛々しいほど白い包帯を巻かれたそれを撫で、慰めるように晴斗はそこにもキスをしてくれた。
キスは、ギプスに覆われた膝の辺りから腿の方、その内側……と、ゆっくりと昇ってきて、やがてハーフパンツから覗く僕の脚の付け根の肌の上に触れる。
熱のこもった舌先の感触に肌が過敏に反応し、体が震えてしまう。事件に巻き込まれ、眠り続け……いつ振りになるかわからない、晴斗の熱を思いがけない形で感じて甘く悲鳴を上げた。
「ひぁ! ッや、ンぅ」
「相変わらず、かわいい反応みせてくれるな、光」
くすりといたずらっぽく笑う晴斗の言葉に、耳の端まで赤く染まりながら軽くにらんでも、晴斗は足の付け根に口付けるのをやめない。それどころか、どんどん奥へと舌が進んでいく。
やがて舌は、ハーフパンツの布越しに存在を誇示し始めた僕の屹立に辿り着き、また晴斗はそこに口付ける。
「なあ、光……ここ、俺が愛してもいいか?」
「愛す、る?」
「触れ合えなかった分、いや、それ以上に光を愛してとろかせたい」
真剣で、僕を求めて濡れた晴斗の瞳から注がれる情熱とも言える想いは強く、僕は見つめられるだけで身体の奥がじんわりと甘く痺れてしまう。
甘い痺れに呼び起こされるように、僕の眠っていた欲情が晴斗を求めて目を覚ますのを感じる。その最たるものが、晴斗の言葉にうなずいたことで服をはぎ取られ露わになった屹立だろう。
「うん……いっぱい愛して、晴斗」
囁いた言葉にうなずく代わりに、晴斗は僕の下着をゆっくりとはぎ取っていく。
そうして、彼をともめてやまない熱が露わにされたのだ。
愛撫とも言えないふれあいで、既に屹立の先端からは先走りの蜜があふれている。それがたまらなく恥ずかしいのに、晴斗はわざとのように音を立てて味わったりする。
「ッやぁ! や、だぁ……」
「ちゃんと、光の味がする」
「バカ! もう、恥ずかしいじゃんか……」
「ごめん。でも、ちゃんと俺を感じて、欲しがってくれて、嬉しいよ」
当たり前じゃないか、と言いたいのに、晴斗の言葉に胸が締め付けられるように切なく痛んで、何も言えなくなってしまった。目覚めるまでの間、どれほど彼を心配させ、苦しませ、寂しい想いをさせていたかと思うと、僕はうつむくしかない。
「……ごめん、晴斗。僕、心配ばっかりかけてる」
「そんなことない。またこうして愛し合えるんだから……な、光」
「あ、ン、あぅ!」
晴斗が僕の名を囁いたと思ったら、その言葉ごと彼は僕の屹立に口付けをし、深く呑み込んだ。熱い口中と淫らな舌の動きに絆され、僕はすぐに体を震わせて感じてしまう。
言葉にならない声を漏らし、彼の激しくも甘い愛撫を受ける。段々と水に濡れた音を立て始めたそこからは先走りがどんどんあふれてく。
血液がギュッとそこに集中していき、熱が高まっていく感触がする。呼吸が速まり、息を吸うことも吐くこともままならない。
その内に、もっと高い熱を求め僕の身体の奥が疼くのを感じ、自然と腰を浮かせていた。それに。晴斗にも気付かれてしまい、ニヤリと笑った目から見上げられる。
「……そんな意地悪な顔、しないでよ、晴斗」
「本当にお前はかわいいな……口だけでイかせたかったけれど……やっぱり、繋がり合いたい」
そうして晴斗は僕の脚の付け根辺りから顔をあげ、自分の着ていたシャツなどを脱ぎ捨てて僕と同じ何もまとっていない姿になった。
晴斗もまた、屹立の熱が高まっているようで、隆々とした雄芯が天を突くように起き上がっている。
ハイターとして会っていた頃よりもはるかにたくましく、鍛えられた肉体に、僕は思わずため息を漏らす。ああ、この体の熱を、僕はとてもよく知っている……だからこそ、いま、欲しくてたまらない、と。
ソファの近くにあるサイドボードの引き出しから、晴斗はコンドームとローションを取り出し、丁寧に装着していく。手のひらで温められたローションは心地よく、晴斗の骨っぽく長い指で秘所にたっぷりと施されながら、僕はそれだけでも達してしまいそうだ。
「晴、斗……も、いい、よ……ッあ、ン……指だけ、で、イッちゃいそ……ッあ、ンぅ!」
「随分久しぶりだから、良くほぐしておかないと、光がツラいからな……もうちょっと、我慢してくれ」
「ッあ! ッや! あぁ、ンぅ! っら、らめ……ッはぁ、ンぅ……も、出ちゃ、うぅ」
そう、首を振りながら悶えた途端、僕の屹立は白濁を吐き出してしまった。震えながら熱を吐き、僕はひとりで達してしまった恥ずかしさで泣き出しそうな気分でいっぱいだ。
実際、目許も潤んでいたのかもしれない。晴斗が触れていなかった方の手で僕の目許を拭い、それからキスをして囁いてくる。
「ごめん、光……でも、最高にかわいい。いますぐ、お前のナカを満たしたい」
いいかな? と、問うように見つめられ、僕は「……来て、晴斗」と、返すと、晴斗は安堵したように微笑み、それから大きく開かれた僕の脚を抱え上げるように更に広げ、露わになった秘所に熱い屹立を挿し抜いてきた。
ゆっくりと、しかしためらいのない熱と、その存在感、そして圧迫感に僕は呼吸が止まりそうなほどの衝撃を受けていた。熱に脳天まで貫かれた、そんな感触がした程に、それは僕を甘く痺れさせて動きを奪っていく。
ソファにうずめられるように晴斗が重なり、彼が動くたびに、奥へ、さらに奥へと入り込んでくる感触がする。
「ッは、あぁ……お腹、晴斗で、いっぱい……」
この圧迫感から来る苦しさに、僕は甘い記憶が蘇る。苦しいのに心地よい、相反する感覚が僕を満たしていく快感が。
数カ月ぶりに呑み込んだ熱の形を、僕の身体は思い起こそうとばかりに包み込んでいくのがわかる。その感触に、晴斗が低く甘い声をこぼす。
「ッあぁ……すごい、しがみついてくる……光も、嬉しいんだな」
「ンぅ、嬉し……嬉しい、よ……だって、僕……晴斗、愛して、る……」
「俺もだ、光……」
「ッあ、ン! 晴斗、愛してる、愛してる……もっと、もっとぉ」
ねだるように晴斗の名を呼び、愛を囁く。そのたびに僕のナカの彼が熱をあげ、より存在感を増していく。それがまた一層、僕を酔わせて痺れさせていく。
腕を伸ばして晴斗を抱き寄せ、距離を失くしていく。濡れた音を立てながら奥に入り込んでくる雄芯が与える快感に、僕は悲鳴さえ上げられない。
「ッは、あぁ、あ、あ、あぁう! 晴斗、ン、ンぅ」
「光……愛してるよ、ずっと……」
「どこに、いても?」
快感の波に飲まれて途切れそうになる呼吸の狭間でそう訊ねると、晴斗はこの上なくやさしい顔をし。僕の額に口付けて答えた。
「どこにいても、誰に転生していても……俺はきっと、光を見つけ出し、愛するよ」
そうして、晴斗が僕に口移しでその言葉を注ぎ込むように口付けた瞬間、僕は快感が全身に駆け巡り、絶頂を迎えてしまう。晴斗は、甘い悲鳴ごと飲み込むように、僕が絶頂している間ずっと口付けていた。
激しくも甘い、そして確実に僕を愛してくれるぬくもりに包まれながら、僕は愛しい人と抱き合ったまま、その腕の中で意識を飛ばした。
でも、次に目覚めてもきっと――僕は彼と愛し合って生きていく。どこにいても、どんな姿になっていても。
(終)
「あー……すごく懐かしい。自分の部屋って落ち着くね」
実に数カ月ぶりとなる帰宅に、僕は胸に迫る懐かしさを覚えながらリビングのソファに身を沈める。まだ松葉杖を使いながらの生活だけれど、晴斗と暮らす部屋に変えることができた悦びは何物にも代えがたい。
小さな二人掛けのソファ、そしてそこに置いたクッション。身を沈めると微かに鼻先をくすぐるこの部屋のにおいが何よりも僕がここに帰ってきたことを知らせてくれる。
まるで小さな子犬が縄張りを確かめるように顔をクッションにうずめている僕の隣に晴斗が座り、そっと頭を撫でてくる。
「俺も、いるはずの存在がいてくれて、ホッとしてるよ、光」
「我が家が一番、だね」
頭を撫でられながら僕がくすくす笑ってうなずいていると、晴斗がその手を停め、そのまま頬に触れ、そして顎の下に宛がい上を向かせてキスをしてきた。
あ、ハイターと同じ手順だ……そう気づきながら受け止めた唇は、やはりよく肌馴染みするそれで、安堵感すら覚える感触に涙がにじんでいく。
僕は光で、彼は晴斗。ここは2020年代の日本の東京で、僕らは互いに20歳の若い男同士だ。どこか知らない遠い国の全寮制の学校に閉じ込められている18歳の生徒たちではない。
もしあのまま、なにも気づかずにいたなら――そのもしもに背筋が凍りそうになる。いま感じているぬくもりも、愛しさも、思い出すことも再び感じることもできなかったのだから。
挿し込まれる舌の淫靡な動きと、蕩かされる感触が心地よく、僕は凍りかけた心が溶かされていくのを感じる。その喜びが、頬を伝って流れていく。
「光? 脚、痛むか?」
「ううん、そうじゃなくて……帰って来られて、本当に良かったな、って思って……」
「うん、そうだな……」
「晴斗、僕、もうどこにも行かないよ」
「俺も、光を離さないからな」
「どこにいても、どんな僕でも、ずっと愛してくれる?」
潤んでにじむに視界に映し出される愛しい彼は、この上なく甘くやさしい顔をしてうなずき、強く僕を抱きしめながら答える。その声は、熱く震えていた。
「――当たり前だろ……地の果てにいても、光を絶対に探し出して、愛するよ」
刻み込むように囁かれた言葉は、僕の中のあの遠い異国の風景を消し去り、意識をいまへと戻していく。
僕は、いま、愛しい彼と抱き合ってこの世界に生きている――それがすべてで、真実だ。
噛み締める真実を分かち合うように、僕らはもう一度深く口付けをかわし、肌を重ねていく。
「ン……ンぅ、っは、あ……晴、斗」
「光……ああ、やっとこうして触れられる……」
「僕も、触ってもらえ、て……嬉し……ッあぁ!」
ソファの背もたれに身を預けるようにキスをして抱き合いながら、僕らは距離を失くしていく。
だけど、僕の脚がギプスで覆われていて、自由があまり効かないことに晴斗が気付き、ハッと顔をあげる。目に痛々しいほど白い包帯を巻かれたそれを撫で、慰めるように晴斗はそこにもキスをしてくれた。
キスは、ギプスに覆われた膝の辺りから腿の方、その内側……と、ゆっくりと昇ってきて、やがてハーフパンツから覗く僕の脚の付け根の肌の上に触れる。
熱のこもった舌先の感触に肌が過敏に反応し、体が震えてしまう。事件に巻き込まれ、眠り続け……いつ振りになるかわからない、晴斗の熱を思いがけない形で感じて甘く悲鳴を上げた。
「ひぁ! ッや、ンぅ」
「相変わらず、かわいい反応みせてくれるな、光」
くすりといたずらっぽく笑う晴斗の言葉に、耳の端まで赤く染まりながら軽くにらんでも、晴斗は足の付け根に口付けるのをやめない。それどころか、どんどん奥へと舌が進んでいく。
やがて舌は、ハーフパンツの布越しに存在を誇示し始めた僕の屹立に辿り着き、また晴斗はそこに口付ける。
「なあ、光……ここ、俺が愛してもいいか?」
「愛す、る?」
「触れ合えなかった分、いや、それ以上に光を愛してとろかせたい」
真剣で、僕を求めて濡れた晴斗の瞳から注がれる情熱とも言える想いは強く、僕は見つめられるだけで身体の奥がじんわりと甘く痺れてしまう。
甘い痺れに呼び起こされるように、僕の眠っていた欲情が晴斗を求めて目を覚ますのを感じる。その最たるものが、晴斗の言葉にうなずいたことで服をはぎ取られ露わになった屹立だろう。
「うん……いっぱい愛して、晴斗」
囁いた言葉にうなずく代わりに、晴斗は僕の下着をゆっくりとはぎ取っていく。
そうして、彼をともめてやまない熱が露わにされたのだ。
愛撫とも言えないふれあいで、既に屹立の先端からは先走りの蜜があふれている。それがたまらなく恥ずかしいのに、晴斗はわざとのように音を立てて味わったりする。
「ッやぁ! や、だぁ……」
「ちゃんと、光の味がする」
「バカ! もう、恥ずかしいじゃんか……」
「ごめん。でも、ちゃんと俺を感じて、欲しがってくれて、嬉しいよ」
当たり前じゃないか、と言いたいのに、晴斗の言葉に胸が締め付けられるように切なく痛んで、何も言えなくなってしまった。目覚めるまでの間、どれほど彼を心配させ、苦しませ、寂しい想いをさせていたかと思うと、僕はうつむくしかない。
「……ごめん、晴斗。僕、心配ばっかりかけてる」
「そんなことない。またこうして愛し合えるんだから……な、光」
「あ、ン、あぅ!」
晴斗が僕の名を囁いたと思ったら、その言葉ごと彼は僕の屹立に口付けをし、深く呑み込んだ。熱い口中と淫らな舌の動きに絆され、僕はすぐに体を震わせて感じてしまう。
言葉にならない声を漏らし、彼の激しくも甘い愛撫を受ける。段々と水に濡れた音を立て始めたそこからは先走りがどんどんあふれてく。
血液がギュッとそこに集中していき、熱が高まっていく感触がする。呼吸が速まり、息を吸うことも吐くこともままならない。
その内に、もっと高い熱を求め僕の身体の奥が疼くのを感じ、自然と腰を浮かせていた。それに。晴斗にも気付かれてしまい、ニヤリと笑った目から見上げられる。
「……そんな意地悪な顔、しないでよ、晴斗」
「本当にお前はかわいいな……口だけでイかせたかったけれど……やっぱり、繋がり合いたい」
そうして晴斗は僕の脚の付け根辺りから顔をあげ、自分の着ていたシャツなどを脱ぎ捨てて僕と同じ何もまとっていない姿になった。
晴斗もまた、屹立の熱が高まっているようで、隆々とした雄芯が天を突くように起き上がっている。
ハイターとして会っていた頃よりもはるかにたくましく、鍛えられた肉体に、僕は思わずため息を漏らす。ああ、この体の熱を、僕はとてもよく知っている……だからこそ、いま、欲しくてたまらない、と。
ソファの近くにあるサイドボードの引き出しから、晴斗はコンドームとローションを取り出し、丁寧に装着していく。手のひらで温められたローションは心地よく、晴斗の骨っぽく長い指で秘所にたっぷりと施されながら、僕はそれだけでも達してしまいそうだ。
「晴、斗……も、いい、よ……ッあ、ン……指だけ、で、イッちゃいそ……ッあ、ンぅ!」
「随分久しぶりだから、良くほぐしておかないと、光がツラいからな……もうちょっと、我慢してくれ」
「ッあ! ッや! あぁ、ンぅ! っら、らめ……ッはぁ、ンぅ……も、出ちゃ、うぅ」
そう、首を振りながら悶えた途端、僕の屹立は白濁を吐き出してしまった。震えながら熱を吐き、僕はひとりで達してしまった恥ずかしさで泣き出しそうな気分でいっぱいだ。
実際、目許も潤んでいたのかもしれない。晴斗が触れていなかった方の手で僕の目許を拭い、それからキスをして囁いてくる。
「ごめん、光……でも、最高にかわいい。いますぐ、お前のナカを満たしたい」
いいかな? と、問うように見つめられ、僕は「……来て、晴斗」と、返すと、晴斗は安堵したように微笑み、それから大きく開かれた僕の脚を抱え上げるように更に広げ、露わになった秘所に熱い屹立を挿し抜いてきた。
ゆっくりと、しかしためらいのない熱と、その存在感、そして圧迫感に僕は呼吸が止まりそうなほどの衝撃を受けていた。熱に脳天まで貫かれた、そんな感触がした程に、それは僕を甘く痺れさせて動きを奪っていく。
ソファにうずめられるように晴斗が重なり、彼が動くたびに、奥へ、さらに奥へと入り込んでくる感触がする。
「ッは、あぁ……お腹、晴斗で、いっぱい……」
この圧迫感から来る苦しさに、僕は甘い記憶が蘇る。苦しいのに心地よい、相反する感覚が僕を満たしていく快感が。
数カ月ぶりに呑み込んだ熱の形を、僕の身体は思い起こそうとばかりに包み込んでいくのがわかる。その感触に、晴斗が低く甘い声をこぼす。
「ッあぁ……すごい、しがみついてくる……光も、嬉しいんだな」
「ンぅ、嬉し……嬉しい、よ……だって、僕……晴斗、愛して、る……」
「俺もだ、光……」
「ッあ、ン! 晴斗、愛してる、愛してる……もっと、もっとぉ」
ねだるように晴斗の名を呼び、愛を囁く。そのたびに僕のナカの彼が熱をあげ、より存在感を増していく。それがまた一層、僕を酔わせて痺れさせていく。
腕を伸ばして晴斗を抱き寄せ、距離を失くしていく。濡れた音を立てながら奥に入り込んでくる雄芯が与える快感に、僕は悲鳴さえ上げられない。
「ッは、あぁ、あ、あ、あぁう! 晴斗、ン、ンぅ」
「光……愛してるよ、ずっと……」
「どこに、いても?」
快感の波に飲まれて途切れそうになる呼吸の狭間でそう訊ねると、晴斗はこの上なくやさしい顔をし。僕の額に口付けて答えた。
「どこにいても、誰に転生していても……俺はきっと、光を見つけ出し、愛するよ」
そうして、晴斗が僕に口移しでその言葉を注ぎ込むように口付けた瞬間、僕は快感が全身に駆け巡り、絶頂を迎えてしまう。晴斗は、甘い悲鳴ごと飲み込むように、僕が絶頂している間ずっと口付けていた。
激しくも甘い、そして確実に僕を愛してくれるぬくもりに包まれながら、僕は愛しい人と抱き合ったまま、その腕の中で意識を飛ばした。
でも、次に目覚めてもきっと――僕は彼と愛し合って生きていく。どこにいても、どんな姿になっていても。
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