34 / 46
*17 幼馴染と思っていたのは僕だけなのか
しおりを挟む
僕はこの世界の一介の人間でしかない、と悟ってしまっても、僕の周りではやはり僕の都合のいい展開が度々起こった。
「ナイスシュート、リヒト!」
「これで逆転だな!」
「あ、ああ、うん……」
体操の授業で行われたサッカーの試合で僕が逆転のシュートを決めたりするなんて割と頻発したし、昨日なんて目の前で売り切れたはずのバタートーストが、何故かもう一人分出てきて僕のトレーに置かれたりもしたのだ。
極めつけは、今日のマナーの授業中に起こった。
「素晴らしい、リヒト=ベルガー!」
「え、あの……」
「みんなも彼を見習うように。紳士たる振る舞いはこうあるべきですよ」
普段、マナーの授業と言えば、僕の鬼門とも言える程教師に怒られてばかりだったはずだ。それなのに、ポケットチーフの使い方が良かったとか何かで、堅物で有名なマナーの授業の教師から絶賛されたのだ。
わがままでクラスの足を引っ張るような生徒だったはずなのに、いまじゃフィス以外の生徒にも囲まれる、ちょっとした人気者みたいになっている。
確かに、嫌われるより好かれている方が校内では過ごしやすいけれど……だからって、こうも一週間ほどの間に好都合なことが立て続けに起こるだろうか? しかも、それは僕が願ったかどうかわからないほどささやかで無意識な望みだというのに。
(やっぱり、この世界は僕の妄想でできているんじゃないんだろうか? 否定しようとしても、こうして都合の良いことが起こるのだから)
だけど、僕の言動に神がかった影響力のある、とは言い切れない気持ちと、やはりあのフィスからの否定のショックも根強くあり、現実世界である可能性も捨てきれないでいる。
目を閉じて、一晩経てば世界は明確に違っていた、ならまだしも、いままでと同じような景色を映し出しながらも微妙に展開の予想がついてしまう。まるで、結末まで知っている小説の再現をされているような、退屈にも等しい日々だ。これを、妄想世界であると言わないで何と言えばいいだろう。
「……なんかもう、わからなくなってきたな」
食堂で溜め息をつきながら、今日も僕は最後の一皿のバタートーストを手にすることができていた。トーストは湯気を立てて僕の前に毎日差し出されるのだけれど、特に僕が食堂の人に予約をしたり口利きをしたりしているわけではないし、それは規則で禁止されている。それでも、待ち受けていたかのように、そこにある。
「どうしたの? 食べないの、トースト」
「……欲しいならあげるよ、フィス」
「いいの?! やったー! ありがとう、リヒト」
バタートーストを一皿分けたくらいで、こんなに喜べるフィスの無邪気さがいっそ羨ましい。いまいる世界や景色を疑うこともなく生きられることが、どれほどしあわせなことか。僕は振り回される感情に疲れ切っていた。
「っはー……」
「リヒト、なんだか最近溜め息が多いね」
「ちょっとね……」
「最近結構真面目に授業出てるもんね。疲れがたまってるんじゃない?」
「……そう、かも」
僕の気など知る由もないフィスの呑気な推測に、僕は曖昧に笑う。それだけが理由なら、バタートーストを食べていれば、多少は解消されるのを僕は知っているからだ。
この前フィスは、僕がこの世界を創ったという言葉を否定してきたけれど、それは僕の抱えるもやもやを払しょくできたわけではない。むしろ、影を濃くしたと言える。
だからと言って、彼の存在が疎ましいわけではないのも確かだ。彼がいなければ、僕はこの世界で浮いてしまい、世界の在り方を試すことすらできなかったかもしれないのだから。
(それならばいっそ、僕はフィスとこの世界を過ごしていくことを進んで選んでいく方が、しあわせになれるんだろうか?)
幼馴染で何でも分かち合ってきた彼となら、この先僕が迷っても、心優しく、さり気なく手を差し伸べてくれるのではないだろうか。人生の相棒のように、寄り添い合って生きていくことこそこの世界で僕が生きていく最善の術なのではないだろうか?
よく解らないこの世界を生き抜いていくための灯火――それが、僕にとってのフィスなのかもしれない。
「ねえ、フィス」
「うん?」
「君は、僕にとって幼馴染だよね?」
「いまさら改めてなんだよ……またわからなくなっちゃった?」
フィスは溜め息交じりに苦笑し、しょうがないな、と言いたげに僕を見つめてくる。手の甲にキスをされて以来、眼差しはやはり慈愛に満ちてやさしくやわらかい気がするのに、どこかぞくりとしたものを、彼から向けられるものに感じてしまうのは何故なんだろう。
親友として、僕を想っているのはわかるのに、それを気味が悪いと思ってしまう。まるで、これ以上近づくなと僕の本能が警告音を鳴らしているかのように。
(フィスは幼馴染の親友なのに? どうして?)
頭の中が混乱しつつも、そうじゃないよ、とフィスの言葉に首を振って曖昧に笑う僕に、フィスは手にしていたナイフとフォークを置いて、僕の鼻先をつつくようにしながら触れて呟いた。
「君は大切な幼馴染だよ、リヒト」
「うん、それは僕も同じだよ。ぼくらは親友で――」
「親友……いや、それ以上と言ってもいいくらいだと俺は思ってるよ」
「フィス、それって……」
生徒が多く集う騒がしい食堂にいるはずなのに、切り取られたかのように周りの音が聞こえなくなる。僕と、フィスしか視界には映っていなくて、世界も僕らだけになっていく。
金色の輝く髪に薄いそばかすのある少年っぽい姿のフィスは、何故か嫣然と笑いかけながら、僕の手を包むように握りしめて囁く。
「そうだね、俺にとってリヒトはこの上なく大事な、愛しい存在、ってことになるね」
ぞくりとするような笑みの言葉に、僕はどう返せばよかっただろう。艶めかしさを覚える視線で僕を捕らえるようにして言うものだから、茶化してごまかすことさえできなかった。愛しいという言葉に曖昧に笑って返すことさえ、選択肢に入れてもらえないほどに、その視線は毒々しい何かを感じる。
僕の何もかもを知る、信頼のおけると思っていた相手からの、情念とも言える言葉を受け、僕の胸は大きく高鳴り、頬が淡く染まって――と、思った瞬間、フィスの指先がわずかに僕の手の甲を撫でる。
あ、フィスの指が……と、視界に映し出して認識したとたん、僕は言いようのない寒気、それ以上の不快感にも似た何かが身体全体にのしかかってくるのを感じた。
それは重苦しく、息がつまりそうな衝撃に僕は思わず手を振り払い、凍り付く。
思いがけない自分のリアクションに、僕も、フィスも呆気に取られていた。
「えっと……あの……僕……」
「リヒト?」
フィスが僕の名を口にすると、あの寒気のような不快感が再び僕を襲う。その気色の悪い感覚に僕は思わず立ち上がり、彼を置いて食堂を飛び出していた。
「リヒト!」と、フィスが呼んでいる声が聞こえた気がしたけれど、僕の脚は立ち止まらず走り続ける。食堂を飛び出し、長い廊下を駆け抜け、中庭を横切っていく。
多くの生徒たちをかき分けるように走り抜け、僕は夢中でフィスのいる食堂から遠く離れた場所を目指していた。それは無意識で、何か考えがあった行動ではなかった。ただ体が、足が、ここに居てはいけない、と言っているように走って行くのを止められなかったのだ。
「ナイスシュート、リヒト!」
「これで逆転だな!」
「あ、ああ、うん……」
体操の授業で行われたサッカーの試合で僕が逆転のシュートを決めたりするなんて割と頻発したし、昨日なんて目の前で売り切れたはずのバタートーストが、何故かもう一人分出てきて僕のトレーに置かれたりもしたのだ。
極めつけは、今日のマナーの授業中に起こった。
「素晴らしい、リヒト=ベルガー!」
「え、あの……」
「みんなも彼を見習うように。紳士たる振る舞いはこうあるべきですよ」
普段、マナーの授業と言えば、僕の鬼門とも言える程教師に怒られてばかりだったはずだ。それなのに、ポケットチーフの使い方が良かったとか何かで、堅物で有名なマナーの授業の教師から絶賛されたのだ。
わがままでクラスの足を引っ張るような生徒だったはずなのに、いまじゃフィス以外の生徒にも囲まれる、ちょっとした人気者みたいになっている。
確かに、嫌われるより好かれている方が校内では過ごしやすいけれど……だからって、こうも一週間ほどの間に好都合なことが立て続けに起こるだろうか? しかも、それは僕が願ったかどうかわからないほどささやかで無意識な望みだというのに。
(やっぱり、この世界は僕の妄想でできているんじゃないんだろうか? 否定しようとしても、こうして都合の良いことが起こるのだから)
だけど、僕の言動に神がかった影響力のある、とは言い切れない気持ちと、やはりあのフィスからの否定のショックも根強くあり、現実世界である可能性も捨てきれないでいる。
目を閉じて、一晩経てば世界は明確に違っていた、ならまだしも、いままでと同じような景色を映し出しながらも微妙に展開の予想がついてしまう。まるで、結末まで知っている小説の再現をされているような、退屈にも等しい日々だ。これを、妄想世界であると言わないで何と言えばいいだろう。
「……なんかもう、わからなくなってきたな」
食堂で溜め息をつきながら、今日も僕は最後の一皿のバタートーストを手にすることができていた。トーストは湯気を立てて僕の前に毎日差し出されるのだけれど、特に僕が食堂の人に予約をしたり口利きをしたりしているわけではないし、それは規則で禁止されている。それでも、待ち受けていたかのように、そこにある。
「どうしたの? 食べないの、トースト」
「……欲しいならあげるよ、フィス」
「いいの?! やったー! ありがとう、リヒト」
バタートーストを一皿分けたくらいで、こんなに喜べるフィスの無邪気さがいっそ羨ましい。いまいる世界や景色を疑うこともなく生きられることが、どれほどしあわせなことか。僕は振り回される感情に疲れ切っていた。
「っはー……」
「リヒト、なんだか最近溜め息が多いね」
「ちょっとね……」
「最近結構真面目に授業出てるもんね。疲れがたまってるんじゃない?」
「……そう、かも」
僕の気など知る由もないフィスの呑気な推測に、僕は曖昧に笑う。それだけが理由なら、バタートーストを食べていれば、多少は解消されるのを僕は知っているからだ。
この前フィスは、僕がこの世界を創ったという言葉を否定してきたけれど、それは僕の抱えるもやもやを払しょくできたわけではない。むしろ、影を濃くしたと言える。
だからと言って、彼の存在が疎ましいわけではないのも確かだ。彼がいなければ、僕はこの世界で浮いてしまい、世界の在り方を試すことすらできなかったかもしれないのだから。
(それならばいっそ、僕はフィスとこの世界を過ごしていくことを進んで選んでいく方が、しあわせになれるんだろうか?)
幼馴染で何でも分かち合ってきた彼となら、この先僕が迷っても、心優しく、さり気なく手を差し伸べてくれるのではないだろうか。人生の相棒のように、寄り添い合って生きていくことこそこの世界で僕が生きていく最善の術なのではないだろうか?
よく解らないこの世界を生き抜いていくための灯火――それが、僕にとってのフィスなのかもしれない。
「ねえ、フィス」
「うん?」
「君は、僕にとって幼馴染だよね?」
「いまさら改めてなんだよ……またわからなくなっちゃった?」
フィスは溜め息交じりに苦笑し、しょうがないな、と言いたげに僕を見つめてくる。手の甲にキスをされて以来、眼差しはやはり慈愛に満ちてやさしくやわらかい気がするのに、どこかぞくりとしたものを、彼から向けられるものに感じてしまうのは何故なんだろう。
親友として、僕を想っているのはわかるのに、それを気味が悪いと思ってしまう。まるで、これ以上近づくなと僕の本能が警告音を鳴らしているかのように。
(フィスは幼馴染の親友なのに? どうして?)
頭の中が混乱しつつも、そうじゃないよ、とフィスの言葉に首を振って曖昧に笑う僕に、フィスは手にしていたナイフとフォークを置いて、僕の鼻先をつつくようにしながら触れて呟いた。
「君は大切な幼馴染だよ、リヒト」
「うん、それは僕も同じだよ。ぼくらは親友で――」
「親友……いや、それ以上と言ってもいいくらいだと俺は思ってるよ」
「フィス、それって……」
生徒が多く集う騒がしい食堂にいるはずなのに、切り取られたかのように周りの音が聞こえなくなる。僕と、フィスしか視界には映っていなくて、世界も僕らだけになっていく。
金色の輝く髪に薄いそばかすのある少年っぽい姿のフィスは、何故か嫣然と笑いかけながら、僕の手を包むように握りしめて囁く。
「そうだね、俺にとってリヒトはこの上なく大事な、愛しい存在、ってことになるね」
ぞくりとするような笑みの言葉に、僕はどう返せばよかっただろう。艶めかしさを覚える視線で僕を捕らえるようにして言うものだから、茶化してごまかすことさえできなかった。愛しいという言葉に曖昧に笑って返すことさえ、選択肢に入れてもらえないほどに、その視線は毒々しい何かを感じる。
僕の何もかもを知る、信頼のおけると思っていた相手からの、情念とも言える言葉を受け、僕の胸は大きく高鳴り、頬が淡く染まって――と、思った瞬間、フィスの指先がわずかに僕の手の甲を撫でる。
あ、フィスの指が……と、視界に映し出して認識したとたん、僕は言いようのない寒気、それ以上の不快感にも似た何かが身体全体にのしかかってくるのを感じた。
それは重苦しく、息がつまりそうな衝撃に僕は思わず手を振り払い、凍り付く。
思いがけない自分のリアクションに、僕も、フィスも呆気に取られていた。
「えっと……あの……僕……」
「リヒト?」
フィスが僕の名を口にすると、あの寒気のような不快感が再び僕を襲う。その気色の悪い感覚に僕は思わず立ち上がり、彼を置いて食堂を飛び出していた。
「リヒト!」と、フィスが呼んでいる声が聞こえた気がしたけれど、僕の脚は立ち止まらず走り続ける。食堂を飛び出し、長い廊下を駆け抜け、中庭を横切っていく。
多くの生徒たちをかき分けるように走り抜け、僕は夢中でフィスのいる食堂から遠く離れた場所を目指していた。それは無意識で、何か考えがあった行動ではなかった。ただ体が、足が、ここに居てはいけない、と言っているように走って行くのを止められなかったのだ。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
王道にはしたくないので
八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉
幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。
これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる