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アキとユズ*第五章
uneasy night*7
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「…っあ、っくぅ…アキ、く…平、気…?」
「ん…俺は全然…てか、ユズは?苦しくない?」
「…ぜんぜ…んぁ!っへ、きぃ…ん…っく…っあ…っや…」
「ユズ?」
「…ど、しよ…な、んかぁ…奥ぅ……っはぁ…!んぅ…!」
「気持ちい?」
「…イイ、よぉ…っん、あ…」
膝を付き、より深く彼を求めるたびに、呑みこむ彼の熱の存在を感じた。組敷かれる以外にこういう体勢を取ったことはこれまでにだってなくはないのに、なんだかずっと距離が近い気がした。よりはっきりと彼の熱と存在を感じてしまうと、放すまいと俺のナカが絡みつくのも。
ただじっとしているのも芸がないよね、って、熱で朦朧としかけた意識の中考えた俺は、アキくんの寄りかかる壁に手を付き、そっと腰を浮かせ、そしてまたゆっくりと沈ませることを繰り返してみることにした。
俺の口許に煽られ、アキくんの熱がはち切れんばかりに上昇していく。鼻先に掛かる彼の吐息の甘さと熱さで俺もまた熱をあげていった。
放れまいと蜜を零してからみつく俺の中で濡れた音が響く。触れてもいない筈の、置き去りにされているだけの俺の躰もまた、アキくんを追うように存在を露わにして熱を上げ始めていた。
「…キ、く…気持ち、い?…痛く、ない…?…っん、んあ、んぅ…っはぁ…」
「気持ち、い…ユズ、やーらしくて…すっげ、かわい…」
「っひ、ぅ…!ん…っあ、ん…」
「…だから、俺も、気持ちく、したげ…る…」
「…っえ…?っあ…んぁん!」
壁に寄りかかったまま身動きしていなかったアキくんが、不意に、俺の躰を掴んだ。彼を食んでいるだけで熱をあげて薄ら涙さえ浮かべていたそこを。
思い掛けない衝撃に俺は一瞬悲鳴を上げて崩れそうになった。必死に手で支えながら体勢を立て直すと、じんわりとまた躰に刺激が走った。
アキくんから突然与えられた刺激に崩れそうな俺を、彼は耳元で囁いて促す。「ユズ…一緒に、気持ちくなろ?」と。俺は、快感に震えながらちいさく頷くので精一杯だった。
それからは、お互い、夢中だった。俺はアキくんの熱を上げて食み続けることに、アキくんは俺の熱を煽ることに。
滴る蜜と体液と溜息が絡みあっていく淫らな音が、いつもと変わりないテレビの音と混じり合いながら部屋いっぱいに満ちていた。名前を囁く事も眼差しを交わす事も忘れ、ただただひたすらにひとつの塊に溶けあってく事ばかりに夢中になっていた。
「っあぁ、も…ダメぇ、っう、ンぁ…んぅ、あ、あ、イッちゃぁ…!」
濡れた音の狭間に、俺の嬌声が響いた。アキくんを食んだまま、貫かれたままの熱をそのままに悦びに震えた甘い啼き声をあげた。白濁の熱を躊躇うことなく向かい合う彼の手の中と、肌の上に吐き出しながら。
そうやって甘い傷みに痺れて震えていると、次の瞬間、ぎゅうっと強く、アキくんが俺の腰の辺りを掴んで俺を自分の方へ抱き寄せた。痺れたままの俺の身体に、より深く、彼の熱が刻まれる。
反射的に、俺も彼を抱きしめていた。ふたつの肉体が、ひとつに白く溶けあっていった瞬間だった。
アツい熱が自分の中を染めていく快感に、俺はまたちいさく啼きながらうっとりと眼を瞑った。
そして、もうそうなってしまったら自分の身体を支える事もできなくなっていて、ダメなのにと解っているのに、そのまま、アキくんの上に崩れ落ちてしまった。顔を埋めた肌はじんわりと汗ばんでいた。
「ん…俺は全然…てか、ユズは?苦しくない?」
「…ぜんぜ…んぁ!っへ、きぃ…ん…っく…っあ…っや…」
「ユズ?」
「…ど、しよ…な、んかぁ…奥ぅ……っはぁ…!んぅ…!」
「気持ちい?」
「…イイ、よぉ…っん、あ…」
膝を付き、より深く彼を求めるたびに、呑みこむ彼の熱の存在を感じた。組敷かれる以外にこういう体勢を取ったことはこれまでにだってなくはないのに、なんだかずっと距離が近い気がした。よりはっきりと彼の熱と存在を感じてしまうと、放すまいと俺のナカが絡みつくのも。
ただじっとしているのも芸がないよね、って、熱で朦朧としかけた意識の中考えた俺は、アキくんの寄りかかる壁に手を付き、そっと腰を浮かせ、そしてまたゆっくりと沈ませることを繰り返してみることにした。
俺の口許に煽られ、アキくんの熱がはち切れんばかりに上昇していく。鼻先に掛かる彼の吐息の甘さと熱さで俺もまた熱をあげていった。
放れまいと蜜を零してからみつく俺の中で濡れた音が響く。触れてもいない筈の、置き去りにされているだけの俺の躰もまた、アキくんを追うように存在を露わにして熱を上げ始めていた。
「…キ、く…気持ち、い?…痛く、ない…?…っん、んあ、んぅ…っはぁ…」
「気持ち、い…ユズ、やーらしくて…すっげ、かわい…」
「っひ、ぅ…!ん…っあ、ん…」
「…だから、俺も、気持ちく、したげ…る…」
「…っえ…?っあ…んぁん!」
壁に寄りかかったまま身動きしていなかったアキくんが、不意に、俺の躰を掴んだ。彼を食んでいるだけで熱をあげて薄ら涙さえ浮かべていたそこを。
思い掛けない衝撃に俺は一瞬悲鳴を上げて崩れそうになった。必死に手で支えながら体勢を立て直すと、じんわりとまた躰に刺激が走った。
アキくんから突然与えられた刺激に崩れそうな俺を、彼は耳元で囁いて促す。「ユズ…一緒に、気持ちくなろ?」と。俺は、快感に震えながらちいさく頷くので精一杯だった。
それからは、お互い、夢中だった。俺はアキくんの熱を上げて食み続けることに、アキくんは俺の熱を煽ることに。
滴る蜜と体液と溜息が絡みあっていく淫らな音が、いつもと変わりないテレビの音と混じり合いながら部屋いっぱいに満ちていた。名前を囁く事も眼差しを交わす事も忘れ、ただただひたすらにひとつの塊に溶けあってく事ばかりに夢中になっていた。
「っあぁ、も…ダメぇ、っう、ンぁ…んぅ、あ、あ、イッちゃぁ…!」
濡れた音の狭間に、俺の嬌声が響いた。アキくんを食んだまま、貫かれたままの熱をそのままに悦びに震えた甘い啼き声をあげた。白濁の熱を躊躇うことなく向かい合う彼の手の中と、肌の上に吐き出しながら。
そうやって甘い傷みに痺れて震えていると、次の瞬間、ぎゅうっと強く、アキくんが俺の腰の辺りを掴んで俺を自分の方へ抱き寄せた。痺れたままの俺の身体に、より深く、彼の熱が刻まれる。
反射的に、俺も彼を抱きしめていた。ふたつの肉体が、ひとつに白く溶けあっていった瞬間だった。
アツい熱が自分の中を染めていく快感に、俺はまたちいさく啼きながらうっとりと眼を瞑った。
そして、もうそうなってしまったら自分の身体を支える事もできなくなっていて、ダメなのにと解っているのに、そのまま、アキくんの上に崩れ落ちてしまった。顔を埋めた肌はじんわりと汗ばんでいた。
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