38 / 58
アキとユズ*第五章
uneasy night*6
しおりを挟む
腕をつったままのアキくんはそのまま壁に寄り掛かったままでいてもらって、俺がまず彼の服を脱がしていくことにした。
少し腰を浮かせてもらってスウェットと下着をずり下げると、既に微かにアキくんの躰は熱を帯び始めていた。
躰の傍に蹲り、手を添えてそっとその輪郭を確かめるように、さっき首の辺りにしたように舌を這わせると、一層そこはアツくなっていった。
唇を寄せるだけで感じられる熱に俺は酔わされてしまったのか、輪郭を確かめ終えると同時に、彼を躊躇うことなく食んでいた。びくりと、俺の口中で彼が震えるのを感じた。
「…ッユ、ズ…?っあ…ちょ…だいじょ、ぶ…?っは、っく…」
平気だよ、そう応える代わりに、俺はちらりと上目づかいで彼を見、微笑ってみせた。平気だよ…だって俺も、アキくんが、欲しいんだもの…そう、伝えるように。
戸惑いを覚えつつも口中で熱と存在感を増していく躰を、俺はもっと味わおうと舌を絡める。濡れた音を立てて躰を包み、一層熱を上げさせようと煽る。
水音の狭間に聞える、アキくんの微かな喘ぎ声に俺もまた身体の奥から熱が湧いてくるのを感じていた。
もっともっと、気持ちくなるの、あげる…だからもっともっと、アツくなってよ、アキくん――――言葉にできない想いを、直接躰から彼に注ぎ込むように、俺は彼の熱を貪るように食んでいた。
口中の奥の奥で熱に震える躰を感じながら夢中で愛撫していると、ふと、アキくんが俺の名を呼んだ。
甘く掠れた声に顔を上げると、艶色に濡れた眼でアキくんがゆるく微笑っていた。
「…どした、の…?」
「すっげ、ユズ、気持ち、んだけど…どーせ、なら…ユズ、で…もっと、気持ちく、シてよ……ね?」
「えっ…でも……いいの?大丈夫?」
「うん…だからさ、ユズが、シてよ…」
ね?と念のを捺すように微笑って言われてしまうと、断ることなんてできないよ……やさしくそっと頬とか髪とか撫でられちゃったら、躊躇っている俺がバカみたいじゃん……ホントの事言えば、俺だって彼の躰を自分でより味わうことを望んでいたんだから。
爪先から耳の端まで、きっと俺は真っ赤に染まっていたんだろう。アキくんの躰を跨ぐように立ち膝をする俺を、彼は少しだけ意地悪そうに嫣然とした笑みで見上げていた。こんなとこまでいつも通りなんだから……呆れながらも、彼を欲する熱で俺の吐く息まで甘く乱れた物になっていた。
ゆっくりと、アキくんの身体に負担にならないように慎重に、俺はそっと彼の躰を身に収めていく。
ほんの少しだけ、殆ど儀式的にこの前に俺の躰の口許に触れてもらったんだけれど、そんな必要がないぐらいにほぐれていると、アキくんが耳元で囁いてきた。「全然、いつでもオッケーって感じだよ?」なんて。恥ずかしくてはずかしくて、赤く染まっている肌から煙が出るかと思った。だって俺、いつだってアキくんとこうなっていいようにしていて、それを見透かされてしまったからだ。
アキくんを求めてだらしなく空いている口許に、彼を宛がう。息を深く吸い、一層ゆっくりと慎重に、進む。微かな濡れた音と共に、彼が、俺との距離を一層なくしていった。
少し腰を浮かせてもらってスウェットと下着をずり下げると、既に微かにアキくんの躰は熱を帯び始めていた。
躰の傍に蹲り、手を添えてそっとその輪郭を確かめるように、さっき首の辺りにしたように舌を這わせると、一層そこはアツくなっていった。
唇を寄せるだけで感じられる熱に俺は酔わされてしまったのか、輪郭を確かめ終えると同時に、彼を躊躇うことなく食んでいた。びくりと、俺の口中で彼が震えるのを感じた。
「…ッユ、ズ…?っあ…ちょ…だいじょ、ぶ…?っは、っく…」
平気だよ、そう応える代わりに、俺はちらりと上目づかいで彼を見、微笑ってみせた。平気だよ…だって俺も、アキくんが、欲しいんだもの…そう、伝えるように。
戸惑いを覚えつつも口中で熱と存在感を増していく躰を、俺はもっと味わおうと舌を絡める。濡れた音を立てて躰を包み、一層熱を上げさせようと煽る。
水音の狭間に聞える、アキくんの微かな喘ぎ声に俺もまた身体の奥から熱が湧いてくるのを感じていた。
もっともっと、気持ちくなるの、あげる…だからもっともっと、アツくなってよ、アキくん――――言葉にできない想いを、直接躰から彼に注ぎ込むように、俺は彼の熱を貪るように食んでいた。
口中の奥の奥で熱に震える躰を感じながら夢中で愛撫していると、ふと、アキくんが俺の名を呼んだ。
甘く掠れた声に顔を上げると、艶色に濡れた眼でアキくんがゆるく微笑っていた。
「…どした、の…?」
「すっげ、ユズ、気持ち、んだけど…どーせ、なら…ユズ、で…もっと、気持ちく、シてよ……ね?」
「えっ…でも……いいの?大丈夫?」
「うん…だからさ、ユズが、シてよ…」
ね?と念のを捺すように微笑って言われてしまうと、断ることなんてできないよ……やさしくそっと頬とか髪とか撫でられちゃったら、躊躇っている俺がバカみたいじゃん……ホントの事言えば、俺だって彼の躰を自分でより味わうことを望んでいたんだから。
爪先から耳の端まで、きっと俺は真っ赤に染まっていたんだろう。アキくんの躰を跨ぐように立ち膝をする俺を、彼は少しだけ意地悪そうに嫣然とした笑みで見上げていた。こんなとこまでいつも通りなんだから……呆れながらも、彼を欲する熱で俺の吐く息まで甘く乱れた物になっていた。
ゆっくりと、アキくんの身体に負担にならないように慎重に、俺はそっと彼の躰を身に収めていく。
ほんの少しだけ、殆ど儀式的にこの前に俺の躰の口許に触れてもらったんだけれど、そんな必要がないぐらいにほぐれていると、アキくんが耳元で囁いてきた。「全然、いつでもオッケーって感じだよ?」なんて。恥ずかしくてはずかしくて、赤く染まっている肌から煙が出るかと思った。だって俺、いつだってアキくんとこうなっていいようにしていて、それを見透かされてしまったからだ。
アキくんを求めてだらしなく空いている口許に、彼を宛がう。息を深く吸い、一層ゆっくりと慎重に、進む。微かな濡れた音と共に、彼が、俺との距離を一層なくしていった。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜
・不定期
僕たち、結婚することになりました
リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった!
後輩はモテモテな25歳。
俺は37歳。
笑えるBL。ラブコメディ💛
fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。
皇帝陛下の精子検査
雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。
しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。
このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。
焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(10/21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
※4月18日、完結しました。ありがとうございました。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
淫愛家族
箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。
事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。
二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。
だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる