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*27(R18)
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見慣れた天井に、肌に馴染んだベッドのシーツの感触、そして、朋拓の肌のにおい。
何もまとわないで向かい合い、無言のまま口付ける。唾液も欲情も食むように互いの口中を淫らに探る。
朋拓の指先がキスだけで小さく存在を示すように立ち上がっている胸元の飾りに触れ、摘まんだりこねたりしながら俺の反応を楽しんでいる。それだけで自然と腰を彼に押し付けてしまうのに気付かれているのだろう。
「唯人、エッチな動きしてる……そんなに欲しかった?」
「ん、ンぅ……ッは、あぁ……わかってる、こと……言うな、よ……ッあ!」
「ちゃんと言ってくれなきゃ、欲しいものあげられないよ、唯人」
唇から耳たぶに舌先が移り、外耳をなぞりながら穴へと舌が挿し込まれる。耳に触れられるのが弱い俺は、思わず体を震わせて朋拓にしがみついてしまう。
裸の肌と肌が密着し、既に熱を吹き返した互いの屹立の気配に気づく。さっき一度吐き出したよりも、熱い気がする。
肩に回していた手をするりと背に、腰に下ろし、やがて俺は圧しつけられている熱く硬いそれに触れてみた。
「朋拓、もうこんなになってる」
「唯人も、だよ」
「ん、ッあ!」
「エッチな汁もいっぱい……もっと触っていい?」
低く甘い声でそう囁かれ、俺はうなずくことしかできない。声が聴覚を刺激して俺を淫らにしていくからだ。
朋拓の大きな手のひらであやされるように俺の屹立が扱かれて、先走りを絡めているからすぐに濡れた肌の音が聞こえだす。それが一層、俺の欲情を煽り立てていく。
屹立に快感を与えられながら、俺もまた彼に手淫を施す。さっき病院へ提出するために勃起させた時よりもはるかに硬度があり、においも濃い。先端にあふれ始め先走りを指先にとりつつ扱き始めると、体温とにおいの濃さがさらに上昇していく。
つられるように、俺が彼を求める気持ちも強くなっていき、自然と扱く手の動きが加速していく。
「ッあ、唯人……そんな激しくしたら、手に出しちゃいそう……」
「ごめん……だって、なんかさっきより大きくなってる気がしたから、つい……」
「いっぱい欲しくなっちゃった?」
俺が頷くより先に、朋拓の指がまた俺の秘所に挿し込まれる。先程散々ほぐしたこともあってすぐに指を呑み込んでしまう。「唯人のここ、さっきよりヤらしくない?」なんてあえて指摘してくるものだから、恥ずかしさで一層肌が染まっていく。
ナカを探られ始めたことで俺は朋拓に触れていた手を離してしまい、啼き声をあげそうになった自分の口許に宛がう。思いがけず鼻先と口許にわずかに感じた彼の味と体温に興奮が煽られる。
だからなのか、思わず自分の指先や手のひらを舐めていたら、朋拓に苦笑されてしまった。
「今日の唯人、ホントにすごくエロい……どうしたの? そんなに俺とセックスしたかったの?」
「だって……もうすぐ俺、セックス自体出来なくなるじゃん? だから、いっぱい朋拓で気持ち良くなったこと憶えていたいし、朋拓にも忘れないで欲しくて……」
性別問わず、妊娠中基本セックスは禁止だ。精液が妊娠に悪影響をもたらす可能性が高いからだと言われている。
男性妊娠は直接精子が受精卵や胎児がある腹腔に注がれる恐れは、膣に挿入する場合とは若干違うというが、そもそも妊娠の維持が難しいのでセックスのような激しい動きを伴う行為は禁止なんだと言われた。
だからこの先順調に妊娠できたとしたら、その先十カ月近く朋拓とセックスができなくなる。それにより彼が俺のことを見限ったり捨てたり浮気したりするようなことはないと思っているけれど、肌の感触や熱を忘れられる可能性はなくはない。
それどころか、出産自体上手くいくかもわからないから、最悪の場合いまのセックスが最後になってしまうかもしれないのだ。
そんな不安を朋拓の目を見ながら話していたら、いつの間にか俺は涙をこぼしていた。
「だか、ら……朋拓、お願い……いっぱい、俺のこと、触っ、て……俺が、死、んでも……忘れない、よ、に……」
子どものようにしゃくりあげている俺を、朋拓は慈しむように微笑んで見つめながらそっと口付け、抱きしめてこう囁く。
「……俺も怖いよ、唯人……絶対亡くさないって言いきれないんだもん……だから、唯人も俺のこと、忘れられないくらい、感じてよ」
うなずく代わりに朋拓の顔を見つめて微笑み、惹き付けながら口付け合う。舌を絡ませて滴る音を響かせ、肌の温度を上げていく。このまま溶けてひとつになってしまってもいいくらいに、熱く。
ナカに挿し込まれていた指が引き抜かれ、空洞になったそこにすぐに熱い屹立が押し当てられた気配を感じた。
「――朋拓、来て……」
何もまとわないで向かい合い、無言のまま口付ける。唾液も欲情も食むように互いの口中を淫らに探る。
朋拓の指先がキスだけで小さく存在を示すように立ち上がっている胸元の飾りに触れ、摘まんだりこねたりしながら俺の反応を楽しんでいる。それだけで自然と腰を彼に押し付けてしまうのに気付かれているのだろう。
「唯人、エッチな動きしてる……そんなに欲しかった?」
「ん、ンぅ……ッは、あぁ……わかってる、こと……言うな、よ……ッあ!」
「ちゃんと言ってくれなきゃ、欲しいものあげられないよ、唯人」
唇から耳たぶに舌先が移り、外耳をなぞりながら穴へと舌が挿し込まれる。耳に触れられるのが弱い俺は、思わず体を震わせて朋拓にしがみついてしまう。
裸の肌と肌が密着し、既に熱を吹き返した互いの屹立の気配に気づく。さっき一度吐き出したよりも、熱い気がする。
肩に回していた手をするりと背に、腰に下ろし、やがて俺は圧しつけられている熱く硬いそれに触れてみた。
「朋拓、もうこんなになってる」
「唯人も、だよ」
「ん、ッあ!」
「エッチな汁もいっぱい……もっと触っていい?」
低く甘い声でそう囁かれ、俺はうなずくことしかできない。声が聴覚を刺激して俺を淫らにしていくからだ。
朋拓の大きな手のひらであやされるように俺の屹立が扱かれて、先走りを絡めているからすぐに濡れた肌の音が聞こえだす。それが一層、俺の欲情を煽り立てていく。
屹立に快感を与えられながら、俺もまた彼に手淫を施す。さっき病院へ提出するために勃起させた時よりもはるかに硬度があり、においも濃い。先端にあふれ始め先走りを指先にとりつつ扱き始めると、体温とにおいの濃さがさらに上昇していく。
つられるように、俺が彼を求める気持ちも強くなっていき、自然と扱く手の動きが加速していく。
「ッあ、唯人……そんな激しくしたら、手に出しちゃいそう……」
「ごめん……だって、なんかさっきより大きくなってる気がしたから、つい……」
「いっぱい欲しくなっちゃった?」
俺が頷くより先に、朋拓の指がまた俺の秘所に挿し込まれる。先程散々ほぐしたこともあってすぐに指を呑み込んでしまう。「唯人のここ、さっきよりヤらしくない?」なんてあえて指摘してくるものだから、恥ずかしさで一層肌が染まっていく。
ナカを探られ始めたことで俺は朋拓に触れていた手を離してしまい、啼き声をあげそうになった自分の口許に宛がう。思いがけず鼻先と口許にわずかに感じた彼の味と体温に興奮が煽られる。
だからなのか、思わず自分の指先や手のひらを舐めていたら、朋拓に苦笑されてしまった。
「今日の唯人、ホントにすごくエロい……どうしたの? そんなに俺とセックスしたかったの?」
「だって……もうすぐ俺、セックス自体出来なくなるじゃん? だから、いっぱい朋拓で気持ち良くなったこと憶えていたいし、朋拓にも忘れないで欲しくて……」
性別問わず、妊娠中基本セックスは禁止だ。精液が妊娠に悪影響をもたらす可能性が高いからだと言われている。
男性妊娠は直接精子が受精卵や胎児がある腹腔に注がれる恐れは、膣に挿入する場合とは若干違うというが、そもそも妊娠の維持が難しいのでセックスのような激しい動きを伴う行為は禁止なんだと言われた。
だからこの先順調に妊娠できたとしたら、その先十カ月近く朋拓とセックスができなくなる。それにより彼が俺のことを見限ったり捨てたり浮気したりするようなことはないと思っているけれど、肌の感触や熱を忘れられる可能性はなくはない。
それどころか、出産自体上手くいくかもわからないから、最悪の場合いまのセックスが最後になってしまうかもしれないのだ。
そんな不安を朋拓の目を見ながら話していたら、いつの間にか俺は涙をこぼしていた。
「だか、ら……朋拓、お願い……いっぱい、俺のこと、触っ、て……俺が、死、んでも……忘れない、よ、に……」
子どものようにしゃくりあげている俺を、朋拓は慈しむように微笑んで見つめながらそっと口付け、抱きしめてこう囁く。
「……俺も怖いよ、唯人……絶対亡くさないって言いきれないんだもん……だから、唯人も俺のこと、忘れられないくらい、感じてよ」
うなずく代わりに朋拓の顔を見つめて微笑み、惹き付けながら口付け合う。舌を絡ませて滴る音を響かせ、肌の温度を上げていく。このまま溶けてひとつになってしまってもいいくらいに、熱く。
ナカに挿し込まれていた指が引き抜かれ、空洞になったそこにすぐに熱い屹立が押し当てられた気配を感じた。
「――朋拓、来て……」
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