【完結】覆面ディーヴァの俺は最愛の我が子に子守歌を唄いたい

伊藤あまね

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*26-2(R18)

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 リビングのソファに朋拓がゆったりと座り、その足の間に俺は座り込んで剥き出しになった彼の下半身の中心に触れる。
 傍らには採取用のケースを置いていてすぐに収められるようにしているのだけれど、果たして上手くいくだろうか。若干の緊張を感じながらも、俺は朋拓の屹立に触れ手淫を施していく。

「ん、ッは……ッく、あ……」
「朋拓、気持ち良い?」
「うん……上手だね、唯人……ッは、あ……」

 唾液が入ってはいけないし、呑み込んでも行けないから口ですることは出来ないけれど、屹立の輪郭をなぞるくらいはいいだろう。そう思いながら太く脈打つところに舌を這わせると朋拓はわずかに腰を浮かせる。
 その反応が嬉しくて、俺は夢中で雄芯の胴体をまるでアイスキャンディーを味わう子どものように舐め尽くす。熱い肌がますます体温をあげていき、じんわりと朋拓の雄のにおいがする。

「ん、ッふ……朋拓の、おいし……」
「唯人、かわいいね……そんなに、おいし?」
「んぅ、美味しい……ああ、早く、欲しい……」
「待ってて、ちゃんと病院の採ってから、いっぱいあげる、から……」

 夢中で朋拓の雄芯を舐める俺の髪を梳きながらうっとりと囁く彼の声さえもいまの俺には性感帯を刺激する甘い催淫剤だ。一応いまは服を着ているけれど、その下は既に熱を帯びて疼いている。先走りが下着を濡らしているのが自分でもわかるくらいだ。
 きっと俺も腰を無意識に振っていたりしたのかもしれない。ふと、それまでソファの背もたれに身を任せていた朋拓が起き上がり、膝をついて彼の股座またぐらに顔を近づける体勢を取っていた俺の隙だらけの腰に触れてきたのだ。
 え? と思った次の瞬間、俺のボトムスは下着ごと下ろされて下半身が朋拓同様曝し出される。

「っや! 何してんだよ!」

 身を捩って拒もうにも既に衣類は床の上で、俺は手淫をしている最中だ。しかも俺の頭は何故か後ろから抑えられて殆ど動かすことができない。
 上目づかいで朋拓の顔を伺うと、彼はゆったりと笑んでこう言った。

「唯人、我慢できないんでしょ? 俺の舐めながらエッチな気分になっちゃった?」
「ッるさいな……仕方ないだろ、こん、な、あぁッ!」

 図星を指されてムッとする間もなく、俺の無防備な秘所に指が挿し込まれる。既に朋拓の熱を味わいながら彼のにおいにもあてられているので言い逃れのしようがないほどに俺が彼を欲しがっているのがわかってしまう。
 さっきまで自分の方が恥ずかしがっていたくせに……そんな苛立ちを軽く覚えつつも、咥えこまされた指の感触に声を漏らしてしまう。

「ッあ、ンぅ……ッは、あぁ……」
「唯人、俺も気持ちよくして……俺も、唯人気持ち良くしてあげるから」
「え、でも……セックス、あと、で……ンンッ」
「もちろんセックスもするよ。いまは、あくまで病院に出すやつを、ね」
「あ、あぁん!」

 病院用なら俺まで気持ち良くしなくてもいいのに、と言い返せないのは、俺もどこかでこういう展開になればと期待していたからかもしれない。だってもう既に、俺のナカには二本の指が咥えこまされているのだから。
 俺の身体が淫らな音を立て始めると朋拓の屹立は一層熱を帯びていき、天を衝かんばかりに隆起している。じんわりとこぼれる先走りを指先で掬い取って口に含むと舌に馴染んだ朋拓の味がした。
 呼吸が乱れ荒々しい吐息がリビングを満たしていく。狭間に混じる濡れた音がふたりを煽り立てるようにこぼれる。
 朋拓の屹立が一層熱を増し、呼吸が早くなり始める。

「ッあ、唯人……も、出る……」
「ん、待って、ここ、ここに出して……」

 朋拓の合図に合わせるようにケースを朋拓の屹立の傍に備え、俺は更に追い立てるように屹立を扱いていく。
 短く荒い吐息が早くなっていく。手の中で擦れる肌が雄のにおいを放ちながら熱をあげていく――

「ッあ、あぁッ!!」
「ん、ンぅ!!」

 朋拓の屹立から放たれあふれる白濁をこぼさないようにと受け止めていたはずなのに、俺の秘所は朋拓の指を咥えこんだまま同時に射精をしていた。フローリングの床に、俺が零した白濁が散る。
 それでも何とかケースに朋拓の精子を収めた俺は、快感の余韻に浸る間もなく汚れた手をティッシュで拭ってからアプリを立ち上げて病院へ精子が採れたことを伝える。
 なんとか服などを身につけて身支度を整えていたらアンドロイドが到着したので精子が入ったケースを預けることができた。

『オアズカリ、イタシマシタ』

 無機質な運搬船用のアンドロイドの声を確認して送り出し、玄関のドアを閉めた途端、俺はその場にへたり込んでしまった。

「唯人? 大丈夫?」

 背後から一応身支度を整えたらしい朋拓が声を掛けながら近づいてくる。その頬は少しだけまだ上気しているようだ。

「うん……ちゃんと渡せたら、何かホッとしちゃって……」
「そっか。お疲れ、唯人」

 そう言いながら俺を労うように頭を撫でてこようとする朋拓の手を取り、俺はそっとそれを自分の口に咥えこんでこう誘った。

「――ねえ、イイコト、してくれるんでしょ?」

 朋拓は一瞬目を見開いて驚いたような表情をしたけれど、すぐにゆったりと嫣然と微笑み、ぐっと俺の口中の指を蠱惑的に動かして乱してくる。俺はその指先を夢中で味わう。

「ん、ンぅ……朋、拓……」
「約束だもんね、イイコト……いっぱいしよう」

 うなずく代わりに俺が指と手の甲にキスをすると、朋拓も俺の頬と耳たぶにキスをしてくれた。
 それを合図にするように俺らは玄関先にもかかわらず互いの服を再びはぎ取るように脱がせ始め、抱き合い口付けしながら寝室へと向かっていく。
 リビングの窓からは真昼の光が容赦なく射しこんでいて、何も身に着けていない俺らを包み込む。光の中の朋拓の肉体は出会った頃よりもたくましく美しい。

「きれいだね、唯人……本当に、きれいだよ」

 朋拓は俺を抱き上げてうっとりとそう囁き、寝室のベッドへと導いて組み敷いていくのだった。


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