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*21-2(R18)

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 愛撫の途中でそんな申し出をしたからか、朋拓の動きが止まり俺の顔をまじまじと見つめてくる。もう既に裸同然の姿をいましているのに、それ以上に恥ずかしそうに顔を赤くしてこう呟く。

「……それってさ、ひとりエッチを唯人に見せろってこと?」

 そうなるね、と俺がくすくす笑うと、朋拓は複雑な感情を表情に滲ませて俺に覆い被さるように口付けてくる。舌を絡ませ、昂る想いを注ぐように。

「病院に精子を採取する専用の部屋ってあるんだって。そこは何時間も貸し切りになるらしいから、もし時間余って朋拓に体力があったら……そこでセックスする?」
「ええっ?!」
「冗談だよ。そんなことしたら怒られちゃうよ」
「でもそういうの、すっごい背徳感だね」
「でしょ?」
「でも、いまセックスすることは大丈夫? 唯人は治療中なのに」
「受精卵を入れる日まではセックスしてもいい、って……ん、んぅ……言われて、る、し……」

 そっか、いいね、と朋拓は嬉しそうに無邪気な顔で頷き、音がしそうな大袈裟なキスをしてくる。それも、何度も。
 あまりに何度もしてくるからおかしくなって笑っていたら、その内また愛撫が始まった。さっきまでよりもやさしくてやわらかで、でもどこか執拗な感じがする。
 下腹部に口付ける朋拓は、先走りをこぼす俺の屹立を舌先であやすように愛撫している。輪郭をなぞり、先端の蜜を吸い、全体をやさしく扱く。

「あ、ッは、ンぅ……あぁ、っや、あぁ、あ、なん、で、そん……っはぁう!」
「唯人、ちゃんとつんだね……」
「勃起、しないとでも思ってた、の? あ、あぁん!」
「だって、妊娠するためのホルモン剤使う治療だって言うから、さ」
「ん、んぅ! っや、あぁ!」

 まるで点検するように、だけどやっぱり駄々をこねる子どもをあやすように、朋拓は愛撫をしてくる。まとわりつくような執拗さでじわじわと俺を追い詰めるように体温をあげていく。
 あまりに執拗なので喘ぐのが止まらない。こぼれる声が自分でも恥ずかしくなるぐらいに甘くてますます肌が熱くなっていく。だけど、たまらなく心地いい。
 やがて朋拓の指先がいつも彼を受け入れる秘所へと滑り込む。治療のせいなのか、そこはじんわりと蜜を垂らしていた。

「すげぇ、唯人のここ、濡れてる……女の子みたいだ。治療のせい?」
「もしかした、ら……ホルモン剤、のせい、か、も……あ、あぁん!」
「ローションでするより滑りがいいんじゃない? もう二本入ってる」

 耳元に近づかれて囁かれた言葉に感情に神経が反応して心臓が暴れる。ナカに呑み込まされた彼の指の感覚が懐かしくて、放したくないと締め付けてしまう。
 締め付ける俺の身体をなだめるように指がナカを掻きまわし、何ともいやらしい音を立てる。確かに、いつものローションの時とは違った音色な気がした。

「唯人、エッチな体のままだね……俺のこと、欲しかった?」

 囁きながら耳たぶをんでくる朋拓の言葉に、俺は声にならない声で絶え絶えに返すのがやっとだ。

「欲し、いぃ……欲しい、よ……朋、拓ぉ……ねぇ……ちょう、だい」

 乞うようにそう呟いた時、朋拓の顔が嫣然と笑った。いつもの人懐っこさなんてどこにもない、欲情にまみれた俺の大好きな雄獣の顔だ。
 ――ああ、彼に喰われたい。彼に喰われて、そして彼の子を宿したい。
 そう、心の底から祈るように思った。
 もちろん今の状態では不可能だけれど、方法も違えど、いずれその時が来るかもしれない。それだけで俺はぞくぞくするほどの喜びを感じていた。

「あげるよ、全部。全部、唯人のものだよ」

 やさしく甘く微笑みながら朋拓は俺のナカから指を引き抜き、入れ替わりに熱く滾った屹立をゆっくりと貫く。その熱と硬度に、俺は無意識に食いしばっていた唇をほどいて甘く啼く。
 この感触……この熱さと硬さ、圧迫感。体内に在る雄芯の存在感を覚えながら俺はゆるゆると息を吐いた。久々に繋がり合った安心感に目の前が滲んでしまう。

「……朋拓」
「熱いね、唯人のナカ……こんなにとろとろだったっけ……っあぁ……気持ちいい……」

 これじゃすぐにイッちゃいそうなんだけど、と朋拓は苦笑していて、「そんなに?」と、俺が思わず吹き出したのだけれど、ほんの少しでも彼に動かれたら俺もまたすぐに達してしまいそうだった。
 ゆったりと俺の腰に手を宛がいながら、そっとやさしく朋拓は腰を押し付けてくる。やわらかく突かれるナカはその感触に悲鳴を上げるように彼を締め付けてしまう。
 濡れた音がふたりを繋ぎ、放すまいと絡みついているのがわかる。互いが互いを捕えている。

「ああ、唯人……そんな、締め付けないでよ……ヤバい……」
「ん、っは、んぅ……俺、も……朋拓の、アツい……あ、あぁ、あ」

 自分の意思とは関係なく、体が彼を呑み込まんばかりに締め付けていくのが止まらない。最奥おくに、彼が欲しい……俺の本能が求めてやまないのだ。求めてもそこに宿すことはないはずなのに。

「唯、人……もう、ダメ……動いていい?」
「いい、よ……いっぱい、シてよ」

 そして奥に熱を注いでよ――声にならない言葉が空気を震わせ彼に届いたのか、俺の言葉が終わらないうちに力強く肌がぶつかって来た。
 奥へ、最奥へ、熱が押し込まれていく――その快感に声があふれて止まらない。

「あ、あぁ、あ、あぁう! っは、あぁ!」
「っく……っう、ッはぁ……」

 濡れた音と肌がぶつかり合う音がリビングいっぱいにいびき渡り、間を縫うように互いの喘ぎ声がこぼれていく。名前を呼び合うことも忘れたふたりは、ただただ本能で求め合うばかり。
 ああ、もう限界だ――と思った瞬間、俺は不意に抱き上げられ、繋がり合ったまま朋拓の上に跨るような姿を取らされた。さらに奥へと彼が入ってくる――
 悲鳴も上がらない。屹立からは既にゆるく少量の白濁がこぼれているけれど、それさえも気にならない。

「あ、あぁう! あぁ、あ、あぁ、あぅ――――ッ」

 掻き抱くように互いにしがみつき、口付け合いながらふたりほぼ同時に絶頂を覚えていた。悲鳴とも嬌声とも取れない叫びは、うす暗くなった部屋の中でいつまでも響いていた気がした。


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