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第二章 狂った愛情
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しおりを挟む俺の行動に西尾は驚きを隠せないでいたが、だんだんと俺のキスを受け入れていった。
「ん、んあ、…はぁッ」
何度も重なり合い、最初は触れるだけだったキスも、今では噛みつくように激しい。
優しくも強引に吸いついてくる西尾の舌に、俺は必死で自らの舌を絡めて答えた。
「佐倉…、さくらっ」
確かめるように何度も俺の名前を呼ぶ西尾。
西尾でも不安になったりするんだな…
俺はここにいるよ。
「佐倉っ」
「ん…ッ、な、にっ…」
心の中では、余裕ぶっこいてそんな事考えてるけど、実際はそろそろ息が苦しいんだよね。
俺、体力ないから。
「さ、くら…っ」
「…ッ、んぅ、はぁっ」
西尾があまりにも小っちゃい子どもみたく俺を呼ぶもんだから。
なんだか母性本能をくすぐられて、思わず俺も西尾の首に腕を回してた。
「に、しお…っ、」
ガラッ
…!?
やばっ!誰か来た!
慌てる俺に、
「布団の中潜ってろ」
いつもの低い声で西尾が耳元で囁いた。
「あれ?先生いねーよ」
「お、ラッキー。ちょっと寝て行こうぜ」
声からして生徒二人。
頼む、寝るな。
早く出ていってくれ…。
言われた通り、布団の中に潜って声を殺している俺。
横には胸から上の部分だけを布団から出して、あたかも寝てましたよ的な状態の西尾。
いや、でも、分かるだろ。
ベッドのふくらみからして、もう一人いるって気づかない方がおかしいと思うぞ、俺は。
シャッとカーテンが開く音がした。
ヤバい…
ドクッ、ドクッと心臓が鳴る。
「…!あ、西尾…、居たんだ」
カーテンを開けた生徒は明らかにビビった声をだした。
まぁ、誰だってカーテンの向こうに西尾がいたら驚くよな。
「…あぁ、寝てた」
不機嫌オーラ丸だしの西尾の声。
「あ…わ、悪いな、邪魔して」
そう言って慌てて走り去っていく足音。
俺、バレなかったみたい。
足音が聞こえなくなったのを確認し、もぞもぞと布団から顔を出す。
「…バレるかと思った」
そう言って横にいる西尾を見たら、ぐいっと顎を掴まれてキスされた。
「……んっ」
「続きはまた今度な」
おでこにも軽いキスが降ってくる。
「え、行くの?」
「…あぁ、今日はもう帰る」
そう言って保健室を出て行く西尾。
その背中を見ながら虚しさと少しの物足りなさを感じた。
何度もかわした口づけ。
嫌悪感も抵抗もしなかった。
途中フラッシュバックしてしまったけど、それでも完全に西尾の行為を受け入れていた。
………
俺、西尾が
好きなのかな…
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