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第二章 狂った愛情
06
しおりを挟む西尾が入ってきた事によって教室の雰囲気がガラッと変わった。
今までクスクス笑っていた奴らは脅えた様に教室の隅に固まり、雅樹の周りを囲んで俺を冷やかしてた連中はいつのまにか雅樹の後ろへ逃げている。
西尾の威圧感はそれほど凄まじい。
「潤の味方すんのかよ…。まぁお前らデキてるしな」
空気が読めていないのか、それとも西尾の威圧感など効かないのか。
俺の方を見ていた西尾の目がゆっくりと雅樹を捕える。
「な、なんだよ…」
雅樹の額にうっすらと冷や汗が流れた。
前者だ。
雅樹は完全に空気が読めてない。
あんな発言をして、次に自分がどんな目にあうか分かっていない。
「バカなの?おまえ」
「…は?」
いきなりバカと言われ、雅樹の眉間にシワがよる。
「俺と佐倉がデキてるわけないだろ」
西尾はきっぱりと言い切った。
「あぁ?何言ってんだよ!昨日ここで潤とキスしてただろうが!」
そう言って雅樹が俺を指さすとクラス中の視線が俺に向けられた。
俺の心臓の鼓動がどんどん早まっていく。
好奇の目に晒されて、今すぐにでも逃げ出したい。
もう止めてくれと心の中で何度も願う。
「なにムキになってんだよ」
ハァ、と溜め息をついて西尾はいきなり俺に話を振ってきた。
「佐倉、身に覚えあるか?」
「え、…」
突然の事に俺は口ごもった。
身に覚え、、、
"ない"と言ってしまいたい。
けれど、見られたのは事実。
ないと言ったところで雅樹には嘘をついた事が分かってしまう。
本当の事を言っている雅樹を否定する事になる。
これ以上、、雅樹に嫌悪されるのは嫌だ。
…でも、
マサキハ オレヲ ウラギッタ─…
「ない…、全くない…っ」
言った、、、言ってしまった。
ごめん、雅樹。
でも俺を信じてくれなかった雅樹が悪いんだよ。
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