遠い記憶、遠い未来。

長い眠りから

水面は波をただ寄せて、さらに大きな波をたてていく。

それはさらに小さな地鳴りへと変えていった。

響く地鳴りの中、その音が耳障りに着いていた。

「う。。」

透吾は目を覚ますとそこは大きな穴の中に浮いていた。

「ここは、、」

天井に映し出されているのは、地球とは思えない白の空間が広がっている場所だった。
まるで、ずっと見ていた最初の記憶。

「そうか、ここは」

意識がはっきりとしてきた。
HASUMIグループの羽角社長が準備をしていた「安眠水室」だった。

あの時、この地に保管した理由は自分が作ったからだ。
意図的に指示を送っていた、羽角社長を利用して。

この地、「神居古潭」に。

地球最初の生まれた場所だからだ。
この地から自分は始まっていた。

森羅万象をなしてきたことを。

白い水の中で体を起こすと、白い壁を押してみた。

「プシュー～」と音をたて、扉が開いた。
眩しさの中にいたせいで、なかなか身動きができない。

それでも起き上がると、外の世界へと向かった。

「早く、会わなければ・・・」

準備されていた服を着て、この崖から降りていった。