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確信
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「こちらへ」
羽角蓮は、ファルファト教授を誘うように、倒れた木造の船の下部にこじ開けられた穴の内部へ入っていく。
「大丈夫なのか、この内部に入って。」
暗闇しか見えない内部は、どこにいくのかわからない。
この蓮という男についていくしかない。
目がなれてくると、木材が引き締めあっている場所であることが分かってきた。
狭い天井を見ると蜘蛛の巣がところどころ張り付いてある。
足音の軋む音の中を進むと、外の光が当てられた場所が見えてきた。
蓮は、光の上に乗ると
「ファルファト教授。あなたは古代学の第一人者なことは世界を通じて有名な方だ。」
後ろ姿しか見えなかった、蓮はファルファト教授に顔を合わせた。
「古代学者として、文明の歴史とはどのように感じてらっしゃいますか?」
蓮は、爽やかな顔で質問を投げかけた。
「どう?と言われても、それは世界に向けての文明と言いたいのか?」
「ええ。其の通りです。」
「さすがに一言では言えないな。ただ、人間として性を受けての様々な文明が、各地に存在しているのは事実だ。」
「トルコ文化も紀元前15世紀頃のヒッタイト王国があるがその糧があっての今がある。」
文明改革と言う言葉がある、その為に犠牲になった争いだってたくさんあった。
ヨーロッパにおいてのケルト系文明は紀元前1世紀頃まで続いたが、以前から古代ローマ帝国が支配した時代がある。
一言においても文明は争いなくしては築けないものである。
「だが、どうしてここでそんな話を」とファルファトは言うと
「争いこそ、人間の生きる糧になってきたということですね。」
蓮は続けて語り始めた。
「あなたの祖先は、マルデック人なのは分かってます。古来のマルデック人は争いを好む文明族でした。」
「その為の犠牲は数多くありました、文明どころかこの世の破滅までも招いた」
「招いた?なにが言いたい?まるで世界が消え去ったような言い方だな」
「まさにその通りです!」
「マルデック人は、この星の者ではないのですから」
蓮は、悲しい顔になった。
「え!」
「そもそも君はなぜそんなことを知っているんだ。」
「まだ、若い君になにがわかるのだ。ただの仮説だろ?」
ファルファトは熱くなり言葉が強くなっていく。
「それを今からお見せ致しますよ。」
「さあ、こちらへ」
ファルファト教授は、外の光がかざす場所へと歩いていた。
そこから見える外の景色は眩しかった。
眩しさから手では顔を隠すと、手から無数の光の玉が飛び交っていた。まるで光が身体全体を覆い尽くすように。
下を見ると自分の身体が浮いていた。
《さあ!行きましょう!これから見る本当の事実を・・・》
「え!君は・・・」
ファルファトが目にしていたのは髪が腰まである、女神のような女性だった。
《私は、セイカ。この世界の神》
羽角蓮は、ファルファト教授を誘うように、倒れた木造の船の下部にこじ開けられた穴の内部へ入っていく。
「大丈夫なのか、この内部に入って。」
暗闇しか見えない内部は、どこにいくのかわからない。
この蓮という男についていくしかない。
目がなれてくると、木材が引き締めあっている場所であることが分かってきた。
狭い天井を見ると蜘蛛の巣がところどころ張り付いてある。
足音の軋む音の中を進むと、外の光が当てられた場所が見えてきた。
蓮は、光の上に乗ると
「ファルファト教授。あなたは古代学の第一人者なことは世界を通じて有名な方だ。」
後ろ姿しか見えなかった、蓮はファルファト教授に顔を合わせた。
「古代学者として、文明の歴史とはどのように感じてらっしゃいますか?」
蓮は、爽やかな顔で質問を投げかけた。
「どう?と言われても、それは世界に向けての文明と言いたいのか?」
「ええ。其の通りです。」
「さすがに一言では言えないな。ただ、人間として性を受けての様々な文明が、各地に存在しているのは事実だ。」
「トルコ文化も紀元前15世紀頃のヒッタイト王国があるがその糧があっての今がある。」
文明改革と言う言葉がある、その為に犠牲になった争いだってたくさんあった。
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一言においても文明は争いなくしては築けないものである。
「だが、どうしてここでそんな話を」とファルファトは言うと
「争いこそ、人間の生きる糧になってきたということですね。」
蓮は続けて語り始めた。
「あなたの祖先は、マルデック人なのは分かってます。古来のマルデック人は争いを好む文明族でした。」
「その為の犠牲は数多くありました、文明どころかこの世の破滅までも招いた」
「招いた?なにが言いたい?まるで世界が消え去ったような言い方だな」
「まさにその通りです!」
「マルデック人は、この星の者ではないのですから」
蓮は、悲しい顔になった。
「え!」
「そもそも君はなぜそんなことを知っているんだ。」
「まだ、若い君になにがわかるのだ。ただの仮説だろ?」
ファルファトは熱くなり言葉が強くなっていく。
「それを今からお見せ致しますよ。」
「さあ、こちらへ」
ファルファト教授は、外の光がかざす場所へと歩いていた。
そこから見える外の景色は眩しかった。
眩しさから手では顔を隠すと、手から無数の光の玉が飛び交っていた。まるで光が身体全体を覆い尽くすように。
下を見ると自分の身体が浮いていた。
《さあ!行きましょう!これから見る本当の事実を・・・》
「え!君は・・・」
ファルファトが目にしていたのは髪が腰まである、女神のような女性だった。
《私は、セイカ。この世界の神》
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