遠い記憶、遠い未来。

haco.

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マルデック

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朝ごはんを食べ終えて、パパはまた外で家具作りに入りはじめ、

ママは、食器を洗い、家族分の服などを洗濯をしに、家の横に長く細い河川まで向かった。

私はパパから勉強を教わるために、暇をつぶした。


勉強はパパから教えてもらうのはこの世界で当然のこと。

自分の部屋で、とりあえず本棚にある「マルデック」と書かれてある
書物を手にして、暇があれば読んでいた。

「マルデック」とはどういう意味なのか、パパに教えてもらうまでは
どういったことなのかわからなかった。

「マルデック」とはこの星のこと。
つまり「マルデック星」と呼ばれる星の名前。

なんどもパパに言われ続けられた。

星の原理から、星とはどういう風に作られたのか。
そんな細かいことが詳しく書いてあった。


この前の続きはと・・・

「金星から火星へ移住へ」からだった。

と読もうとしたときに、
ノックの音が聞こえた


「トントン・・・」


パパが入ってきた

「どうだい!」

「今から読むとこだった・・えっとね。。金星から火星へ移住へから」と私。

「そうだったね。。」とパパが言いながら、私の横に一緒に寝そべるようにして
話かけてきた。

指で本をなぞりながら「太陽系というところが自分たちが住んでいるところなんだ。」
続きながら「その中のひとつにマルデック星があるんだ」

パパが言うのは、いつもマルデックだけに限らず
星そのものもそうだけど。宇宙についての勉強もよくさせられる。

その話を「ふーーん」と関心しながらも
この世界の仕組みを覚えていく。

「これだけは覚えてほしい!この星があるからこそ、自分たちという存在があるんだよ」

「わかった」と私。

その意味を知ることになるのは、後の話のことである。
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