沢田くんはおしゃべり２

【番外編】沢田くんと肝試し

沢田くんと罠回避

「沢田！　気をつけろ！　この階段は危険だぞ！」

　小野田くんの言う通り、トリモチのついた階段は物理的に危険だと思う。この肝試しが終わったら、陸くんには速やかにトリモチを除去していただきたい。

「佐藤さん……どうする？【佐藤さんを危険に巻き込む訳にはいかない。ここはリタイヤするべきか⁉︎】」

　沢田くんが真面目に悩んでいる。私は首を横に振り、

「大丈夫。行ってみよう！」

　と微笑んだ。
　呪いじゃなくて陸くんの罠だと思えば、何も怖いものなんてない。

　小野田くんの犠牲によって他のみんなもトリモチの存在に気が付いたらしく、小野田くんを踏み越えて続々と階段を登って行ってるし。

「もう、最低～！　私も先に行くからねっ」
　小野田くんは麻由香ちゃんにも置いていかれてしまった。あの二人のカップル化計画は早くも流れたようだ。

　階段の下にはとうとう私たちだけになった。
　沢田くんはそこでようやく決意したのか、キリッとした顔つきになった。

【分かったよ、佐藤さん。佐藤さんが行くというのなら俺はどこまでもついていく！　月だろうが、火星だろうが、天国だろうが！！ヽ(；▽；)ノ】

　いやいや、死んじゃダメだよ、沢田くん！

「いこっ」
　私は沢田くんの手を握った。

【ふわああああああ！！　キュン爆死_:(´ཀ`」 ∠):】


　いやいや、だから、死んじゃダメだって、沢田くん！！

　私は死にかけてフラフラしている沢田くんと階段を登っていった。


【あああ～佐藤さんの手は呪いを吹き飛ばしてくれるなあ(*´Д｀*)足元が全然気にならないよ～！】


　って沢田くん、小野田くんの頭を踏んでるよ！


「いてててて、早くどけ、沢田～！！【わざとか⁉︎((((；ﾟДﾟ)))))))】」
【今、俺無敵！ヽ(*＾ω＾*)ﾉ】


　良かったね、沢田くん。小野田くん、ドンマイ！