96 / 122
第4章 沢田くんと別荘の夜
沢田くんと夢の中
しおりを挟む【佐藤さん、夢の中でも可愛いなあ(*´艸`*)】
このシチュエーションが夢だと勘違いした沢田くんは……私のことをクマのぬいぐるみのようにぎゅっと抱きしめた。
きゃあああああ!!
これはまさかのドキドキ展開!
私は息を止めて至近距離の沢田くんを見つめた。
微かな光量に目が慣れてきたのか、沢田くんの整った顔立ちが見えるようになってきている。
リラックスしてちょっとトロンとしている瞳がちょっぴりセクシーでドキドキする。
【このままずっと朝までいたい……】
ズキュウウウウウウウン!
ヤバい、これは私の方が昇天するパターンだ。顔が沸騰したやかんみたいに熱くなっちゃう。
「沢田くん、だめだよ、こんなところで寝ちゃ。起きて」
【ああ、こんなふうに佐藤さんに起こされてみたい……(*´艸`*) 全部願望が表れちゃってる。やっぱり夢に違いない】
夢じゃないのになあ。
でもこれは滅多にないチャンスかもしれない。
普段じゃ照れて言えないことも、今なら言えるんじゃないかな。
私はドキドキしながら沢田くんに言った。
「私、沢田くんが大好きだよ」
「……!【おいおい、いくら夢の中だからってこんなに都合のいいことを佐藤さんに言わせていいのか⁉︎ 俺!!((((;゚Д゚)))))))あああ、再び頬がジュンジュワ~】」
沢田くんは幸せそうにニコッと笑った。
あああ、滅多に見れない沢田くんスマイルだ!!
私のほっぺもジュンジュワ~。なんやそれジュンジュワ~て。おそらくジュンと熱くなってジュワ~で溶けてるんだろうな。
沢田くんと心が通じ合っているのを感じて、幸せでいっぱいになる。
「大好きだから、ずっと一緒にいてね」
「……うん。俺も大好きだよ、佐藤さん……」
ああ、耳元で沢田くんのささやきボイス。キュン死しちゃう!!
【はああああ~~!! 言っちゃったあああ(*´艸`*)いくら夢の中だからって大胆すぎるだろ、俺!! 全身がもはや復活の早すぎた巨神兵。体の形を保てない~~! 溶ける~~!!】
見た目がカッコ良くて中身が可愛い沢田くんとぎゅっと抱きしめ合う。
夢の中、最高♡
抱き合っているうちに、私もいつの間にかポカポカして眠たくなってきた。
こんなところで寝ちゃダメ。
分かっているけどこの温もりから離れられないよ……。
ダメダメ、と思いながら私の瞼はゆっくりと閉じていった。
沢田くんの腕の中に包まれたままで。
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
「南風の頃に」~ノダケンとその仲間達~
kitamitio
青春
合格するはずのなかった札幌の超難関高に入学してしまった野球少年の野田賢治は、野球部員たちの執拗な勧誘を逃れ陸上部に入部する。北海道の海沿いの田舎町で育った彼は仲間たちの優秀さに引け目を感じる生活を送っていたが、長年続けて来た野球との違いに戸惑いながらも陸上競技にのめりこんでいく。「自主自律」を校訓とする私服の学校に敢えて詰襟の学生服を着ていくことで自分自身の存在を主張しようとしていた野田賢治。それでも新しい仲間が広がっていく中で少しずつ変わっていくものがあった。そして、隠していた野田賢治自身の過去について少しずつ知らされていく……。
【完結】カワイイ子猫のつくり方
龍野ゆうき
青春
子猫を助けようとして樹から落下。それだけでも災難なのに、あれ?気が付いたら私…猫になってる!?そんな自分(猫)に手を差し伸べてくれたのは天敵のアイツだった。
無愛想毒舌眼鏡男と獣化主人公の間に生まれる恋?ちょっぴりファンタジーなラブコメ。
全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―
入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。
遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。
本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。
優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。
ヤマネ姫の幸福論
ふくろう
青春
秋の長野行き中央本線、特急あずさの座席に座る一組の男女。
一見、恋人同士に見えるが、これが最初で最後の二人の旅行になるかもしれない。
彼らは霧ヶ峰高原に、「森の妖精」と呼ばれる小動物の棲み家を訪ね、夢のように楽しい二日間を過ごす。
しかし、運命の時は、刻一刻と迫っていた。
主人公達の恋の行方、霧ヶ峰の生き物のお話に添えて、世界中で愛されてきた好編「幸福論」を交え、お読みいただける方に、少しでも清々しく、優しい気持ちになっていただけますよう、精一杯、書いてます!
どうぞ、よろしくお願いいたします!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
水曜日は図書室で
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
青春
綾織 美久(あやおり みく)、高校二年生。
見た目も地味で引っ込み思案な性格の美久は目立つことが苦手でクラスでも静かに過ごしていた。好きなのは図書室で本を見たり読んだりすること、それともうひとつ。
あるとき美久は図書室で一人の男子・久保田 快(くぼた かい)に出会う。彼はカッコよかったがどこか不思議を秘めていた。偶然から美久は彼と仲良くなっていき『水曜日は図書室で会おう』と約束をすることに……。
第12回ドリーム小説大賞にて奨励賞をいただきました!
本当にありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる