沢田くんはおしゃべり2

ゆづ

文字の大きさ
上 下
48 / 122
第3章 沢田くんと別荘の愉快な仲間たち

沢田くんと謎の浮遊物

しおりを挟む


 どうしよう……!
 さっき湯船に落ちた衝撃で、パットが外れたのは間違いない。
 ということは、この乳白色の広い湯のどこかに、私のパットが漂っているということに……。


 詰んだ_(┐「ε:)_チーン。
 って、沢田くん風にショックを受けている場合じゃない。
 早いとこ探さないと!
 でも、怪しい動きをしたら……。


「どうしたの? 佐藤さん。何か探し物?」
「う、ううん! なんでもないの、なんでもないから沢田くんはお風呂から出て!」
【そんな……ガアアアアン。゚(゚´Д`゚)゚。!!!】


 ──という感じになって、沢田くんを傷つけることになっちゃう。
 かといって「一緒に私の乳パット探して」なんて口が裂けても言えないし!


「邪魔するぜ【俺も混ぜて~~!!ヽ(*^ω^*)ノ】」


 そこへ、内心ウキウキの小野田くんまで入ってきた!
 波打つ水面。
 パットが浮かんできちゃう!!
 

【俺と佐藤さんの幸せタイムだったのに!!( *`ω´)】

 沢田くんもイライラしているけど、私はもっとイラッとしてる!

「おい、沢田。お前まだ体洗ってないだろ? 風呂入っちゃダメじゃね?【背中を流すなら俺が手伝うぞ!(๑• ̀д•́ )✧ドヤッ】」

「いや……【一番乗りで体は洗ったんで問題ないです。っていうか、なにその期待のこもった眼差し。俺に風呂から出ろと言いたげな。……はっ!Σ(゚д゚lll)さてはこの人、佐藤さんと二人きりで湯船に入りたいと思っているのか⁉︎ 毒キノコのくせになんて大それたことを! 佐藤さんは俺の天使だぞ!!( *`ω´)プンスカ】」


 それぞれの思惑が複雑に交錯している。
 その時だ。


「あっ、あれ⁉︎ 水面になんか浮かんでねえ?」


 小野田くんが何かに気がついた!
 やだ、よりにもよって小野田くんが第一発見者なの⁉︎
 発見されるならせめて沢田くんであってほしかった!


「何?【どうでもいいけど早く出てって(・Д・)】」
「ほら、あれだよ、あれ!」


 小野田くんが沢田くんに浮いているものを指差して教えている。
 万事休す!!
 私は二人に背を向け、こっそり湯船から逃げ出そうとした。
 すると──。


「あれってもしかして──筒じゃねえ?」


 えっ。筒?


 次の瞬間、ザバアアッ!! と大きく水面が揺らぎ、温泉から竹筒を持った忍者が出てきた。覆面の下は海パン一丁という、忍んでいるのかいないのか分からないスタイルだ。



【ちっ、見つかったか……! バカだと思って侮っていたぜ(>_<)】
 
「さっきの忍者じゃねーか!【水遁の術で潜んでたのか⁉︎ すげー!(((o(*゚▽゚*)o)))】」

【さすが忍者・:*+.\(( °ω° ))/.:+ でも、そうとは知らず、佐藤さんと二人きりの入浴だと浮かれていたよ!! 俺は三人目の男だったのか……!!。゚(゚´Д`゚)゚。】


 突然の忍者との再会に悲喜交交する沢田くんたち。

 ……待って。情報量多すぎて処理できない。




 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺は彼女に養われたい

のあはむら
恋愛
働かずに楽して生きる――それが主人公・桐崎霧の昔からの夢。幼い頃から貧しい家庭で育った霧は、「将来はお金持ちの女性と結婚してヒモになる」という不純極まりない目標を胸に抱いていた。だが、その夢を実現するためには、まず金持ちの女性と出会わなければならない。 そこで霧が目をつけたのは、大金持ちしか通えない超名門校「桜華院学園」。家庭の経済状況では到底通えないはずだったが、死に物狂いで勉強を重ね、特待生として入学を勝ち取った。 ところが、いざ入学してみるとそこはセレブだらけの異世界。性格のクセが強く一筋縄ではいかない相手ばかりだ。おまけに霧を敵視する女子も出現し、霧の前途は波乱だらけ! 「ヒモになるのも楽じゃない……!」 果たして桐崎はお金持ち女子と付き合い、夢のヒモライフを手に入れられるのか? ※他のサイトでも掲載しています。

自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話

水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。 そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。 凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。 「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」 「気にしない気にしない」 「いや、気にするに決まってるだろ」 ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様) 表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。 小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

ルピナス

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の藍沢直人は後輩の宮原彩花と一緒に、学校の寮の2人部屋で暮らしている。彩花にとって直人は不良達から救ってくれた大好きな先輩。しかし、直人にとって彩花は不良達から救ったことを機に一緒に住んでいる後輩の女の子。直人が一定の距離を保とうとすることに耐えられなくなった彩花は、ある日の夜、手錠を使って直人を束縛しようとする。  そして、直人のクラスメイトである吉岡渚からの告白をきっかけに直人、彩花、渚の恋物語が激しく動き始める。  物語の鍵は、人の心とルピナスの花。たくさんの人達の気持ちが温かく、甘く、そして切なく交錯する青春ラブストーリーシリーズ。 ※特別編-入れ替わりの夏-は『ハナノカオリ』のキャラクターが登場しています。  ※1日3話ずつ更新する予定です。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

処理中です...