沢田くんはおしゃべり2

ゆづ

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第3章 沢田くんと別荘の愉快な仲間たち

沢田くんと大暴走

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【混浴⁉︎ 佐藤さんと混浴⁉︎ こんにゃくの間違いじゃなくて、混浴⁉︎ コニャックでもニューヨークでもなくて混浴⁉︎((((;゚Д゚)))))))】

 見た目はまったく動揺していないけど、内心パニクる沢田くんのために、私は矢野さんに聞いてみる。

「あのう、男子たちが出たあとで私が交代で入るっていうのはダメですか?」
「そうなさいますと、お食事のお時間が遅くなってしまいますが──」


 食事が遅くなると聞いて、目の色が変わったのは小野田くんだった。


【ヤバい。俺の腹へりメーターは今やオレンジ色だ。これが赤に変わった時、ガス欠に陥る……!】


 オレンジとか赤とか、知らんけど。


【しかし、女子が混浴にためらう気持ちも分からなくはない。さっきはつい勢いで「いいぜ!」って言っちゃったけど、「小野田くん最低!」と思われないようにちょっとカッコつけとくか……】「まあ、お互いにあんまり長湯しなけりゃ交代でもいいけど? な、沢田!」【(ㆀ˘・з・˘)ぶうぶう】
 

 小野田くんが一番しっかり入らなきゃいけない人だと思うんですが。

 
「あ、うん【ぐーきゅるるるる(・Д・)】」


 沢田くんは思考停止状態。混浴と空腹に脳が追いついていないようだ。
 もう、アホな犬みたいで可愛いです。


「分かりました。それじゃあもう混浴でいいです! でも──水着だけは着させてください!!」



 というわけで、私はなんとか水着着用の許可を得て、沢田くんたちといざ混浴の大浴場へと向かったのだった……。
 まあ、海でも同じ格好をするわけだし。浸かる水が熱いか冷たいかの差があるだけだよね。

 とはいえ、男子用の大浴場の暖簾を前にするとさすがに緊張する。

「お邪魔しまーす……」

 意を決して入っていくと、二人はすでに体を洗いに行ってしまったのか、更衣室には誰もいなかった。
 私も女子トイレですでに水着には着替えていたから、すぐに洗い場に入ることはできたけど……。
 はあ、ダメだ。ドキドキしてなかなか勇気が出ない。


 すると、洗い場の方から男子たちの声が聞こえてきた。


「な、何するんだ沢田ーーっ!! やめろおおおお~~!!」


 まさかの沢田くん大暴走⁉︎ いったい何があったのっ⁉︎





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