沢田くんはおしゃべり2

ゆづ

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第2章 沢田くんとサバイバル

沢田くんと謎の忍者

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「待てーい!! そのキノコを食うんじゃねえええ!!」

 突然、どこからか男の声がした。
 劇団員のように大きくてカッコイイ声だ。

「ナニヤツ⁉︎」

 私たちはキョロキョロと辺りを見回した。
 これ以上変な人が現れるのは嫌だなあ、と思っていると、頭上の木の枝から大量の木の葉とともに忍者のような黒ずくめの人が降ってきた。
 覆面の上、顔の部分にはさらに狐面で覆われていて、全く正体が分からない。


 やばい。思い切り変な人が来ちゃった。


「に……【忍者だ*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*】」
「忍者⁉︎【忍者なのか⁉︎・:*+.\(( °ω° ))/.:+】」


 男子二人は忍者が好きなようで、瞳がキラキラし始めた。

「あのー、どちら様ですか?」
「見れば分かるだろう。通りすがりの島民だ」


 ごめんなさい、見ても分かりませんでした。


「島民じゃないだろ、忍者だろ!【忍者であれ!・:*+.\(( °ω° ))/.:+】」
「……忍者ですよね【サインください。『沢田空くんへ、忍者より』でお願いします(((o(*゚▽゚*)o)))】」
「うっせえ、バーカ! 忍者なんかこの時代にいるわけないだろバーカ!」


 忍者が一番冷めてるってどういうこと?


「それよりお前、今のキノコは毒キノコだぞ。マジックマッシュルームっていって、幻覚を引き起こされるんだ。絶対食うなよ!」

「えっ?【モグモグ(・Д・)】」

 忍者は小野田くんが持っているキノコを指さしたけど、すでに遅かった。小野田くんは忍者の話を聞きながらキノコをモグモグ食べていたのだ。

「ダメだって言ったのになんで食べちゃうの⁉︎ バカなの⁉︎」
「しまった、無意識に!」
「すぐに川の水で胃を洗浄しろ!! こっちだ!【面倒くせえなバーカ!!】」


 忍者は山道とは思えないスピードでサササと駆けていく。

「あいつ、絶対忍者だな!【サインもらおう(((o(*゚▽゚*)o)))】」
【カッコイイ……(*´Д`*)】


 ワクワクしている小野田くんと沢田くん。
 でも、本当にあの人は何者なんだろう?


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