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第2章 沢田くんとサバイバル
沢田くんと謎のトンネル
しおりを挟む「大丈夫? 沢田くん!」
沢田くんの青白い顔を覗き込むと、今にも昇天しそうな声が聞こえてきた。
【はああああ~~!(*´艸`*) 佐藤さんの俺に対する信頼度が高すぎて震える。信じてるって! 俺のこと信じてるって!!(੭ु´͈ ᐜ `͈)੭ु⁾⁾♡ でも騙されないで、佐藤さん。俺、何も動じないように見えるかもしれないけど、心の中はものすごいヘタレだよ? 路上で出会った猫にニャッ! と睨まれただけでその道譲るよ? リードに繋がれてないブルドッグ見ただけで怯えるよ? 機嫌の悪い母ちゃんに「おかわり」って言う勇気なくて、夜中に腹減って目が覚めるよ? でもつまみ食いする勇気なくて水飲んでまた寝るよ? そんな俺でいいの⁉︎ 俺はやだね!! 自分に絶望_(┐「ε:)_チーン】
どうしてそうなっちゃうの⁉︎ 沢田くん!
【じゃないだろ! 絶望してる場合じゃない! 佐藤さんの信頼に応えなくちゃ!】
沢田くんの目に精気が戻る。
「分かった、行こう【俺についてきて、佐藤さん(๑• ̀д•́ )✧キリッ】」
沢田くんは男らしい顔をして歩き出した。
「うんっ!」
私は大きくうなずいてそれに続く。
どんなにヘタレだろうと、私は沢田くんが大好きだよ。
顔とか、声とか、面白さとか、優しさ……全部、好き。
この気持ちはきっと誰にも負けない自信があるんだ。
例えばこんな山道だって、沢田くんが歩けば虹の架け橋みたいに輝いて見える。ヘビやカエルさえ出てこなければ、ずっと二人で歩いていたいよ。
……そんなことを思いながら歩くこと5分。
【あれっ?】
舗装道路を目指して歩いていた沢田くんが突然変な声を出した。
「どうしたの? 沢田くん」
「あ……うん【こんなところに知らないトンネルが……。こんなのあったっけ?】」
沢田くんの視線の先には、もう100年以上も前からあったんじゃないかと思われるような苔むした古い石造のトンネルがあった。
なんだか、古すぎてちょっと怖い。
苔が溶けた皮膚みたいにトンネルに貼り付いてる感じとか、風の反響音なのか、低くゴオオオって唸っているように聞こえるのがめっちゃ怖い。しかも、トンネルの中でカーブしているのか、入り口の先は暗くてよく見えなかった。
【方向的にはこの先だと思うんだけど、ここを抜けるべきなのかな(;´д`)なんか、すっごく怖い!((((;゚Д゚)))))))】
沢田くんもビビっているみたい。
でも私はあるものを見つけてしまった。
「あっ、見て、あれ!」
トンネルの手前に手書きの看板が立っている。見覚えのあるそのゆるーい字には、こう書かれてあった。
『(注)絶対に笑ってはいけないトンネル。笑うと大変なことになるよ!』
【り、陸くんの仕込み⁉︎((((;゚Д゚))))))) 絶対に笑ってはいけないって……こんな怖いトンネルで笑えるかあああああああ!!!】
やばい。沢田くんの心の声で私が笑っちゃいそうだよ!
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