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第2章 沢田くんとサバイバル
沢田くんと神様
しおりを挟む「さあ、島に着いたぞ~!」
叔父さんの操縦するレンタル船がもう島の桟橋に近づいている。
航行時間は40分くらいだっただろうか。けっこうあっという間だった。
島の大きさはよく分からないけど、沢田くんの別荘だけじゃなくて他にもたくさんの建物があった。定住している人もいるみたいで、港では漁師さんらしき人たちが立ち働いていた。
「この島には何人くらい住人がいるんですか?」
「人口は300人くらいかなー。みんなはじめはオヤジが連れてきたんだよね」
「オヤ……沢田くんのおじいさんが?」
叔父さんはうんうんとうなずいた。
「うちのオヤジ、買った島にやることない人集めて町を作らせるのが趣味でさ。昔、そういうゲームがあったらしくってリアルにそれがやりたかったんだって。住人からの話を聞いて必要なもの何でも作るから、みんなからは神様って呼ばれてるよ」
吟遊詩人(沢田くん父)のお父さんは神様でしたか……。
沢田くんの家族は本当にRPGに出てくる職業みたいなことしている人ばっかりだ。
「ところで、叔父さんは何をしてるんですか?」
「俺? 俺は島の管理人兼船乗り!」
船乗りって、船なくしちゃだめですよね!!
「さあ、別荘はここから歩いて10分くらいだけど、その前にビーチに寄ってみる? ここからすぐだから。綺麗だよ~! 誰もいないし!」
叔父さんが笑顔でみんなに提案する。
「わーい、ビーチ! とりあえず行ってみる⁉︎」
「水着に着替えてからの方がいいんじゃない?」
「脱衣所ならビーチにもあるよ。バーベキューできる施設もあるし」
「いいね! そこでお昼ご飯も食べちゃおうよ!」
みんなが盛り上がっているけど、沢田くんは一人で浮かない顔をしている。
「どうしたの? 沢田くん」
「うん……【陸くんがいつ襲ってくるか分からないと思うと気が気じゃない。これも罠かもしれない! ビーチに行こうとしたら巨大な落とし穴が掘られていて、みんなが捕獲されてしまうかもしれない……!((((;゚Д゚)))))))】」
そういえば、この島にはすでに陸くんが張った罠が仕掛けられているんだった。
「陸くんのことなら、大丈夫じゃない? 叔父さんも一緒だし、さすがに実の親までハメるなんてことは……」
「ぎゃあああああっ!!!」
って、言ってるそばからお約束!
いったい何が起きたの⁉︎
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