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第2章 沢田くんとお友達から
沢田くんとチャッピー
しおりを挟む女王⁉︎
またもや非現実的なワードが飛び出してきたんだけど、沢田くんちはいったいどうなってるの⁉︎
「おい、ふざけんなよ沢田!! それもゲームのキャラクターだろ⁉︎【え、違うの? えすとかえむとかのあっち系? ちなみに俺は何系が好きかと聞かれれば迷わずN700系を選ぶがそれは新幹線だろっていうツッコミは期待していない……!】」
小野田くんもこんらんしているようだ。メダパニ効かせすぎだよ、沢田くん。
「あ、でももう違うんだった……。女王は引退して、今はただのアルバイトしてる……」
沢田くんは困ったようにうつむいた。
元女王がなぜアルバイトに?
謎が深まるけど、あんまり突っ込んで聞くのも申し訳ない気がしてきたので追求はやめておく。
「あ、そういえば、沢田くんって何かペットとか飼ってたりする?」
確か、チャッピーっていう名前の(私の予想では)小型犬がいるはずだ。
ところが、沢田くんは【いない】と首を横に振った。
あれ?
じゃあチャッピーは何者??
「わんわんっ」
その時、部屋の隅から可愛い子犬の声がした。
「あ、チャッピー」
沢田くんがそっちに向かう。なんだ、やっぱりいるんじゃないの。
もしかして、拾った子犬を親に内緒で飼っているとか、そんな微笑ましいエピソードが……なんて考えていた時だった。
【沢田空! 死ねええ!!】
いきなり知らないおじさんの声がしたかと思ったら、沢田くんが「痛っ」と声を上げた。
「沢田くん⁉︎ どうしたの⁉︎」
慌ててそばに寄ると、沢田くんの手にふわふわした子犬のぬいぐるみが噛みついていた。
「えっ? な、何?」
「あ……驚かせて、ごめん……ただのぬいぐるみ。【道に落ちていたぬいぐるみのチャッピー、どこかに電池が入ってて勝手に動くんだよな……。佐藤さんびっくりさせちゃってごめん(>人<;)】」
なーんだ、ただのぬいぐるみか。でも、さっきのおじさんの声は……?
「な、なーんだ。ただのぬいぐるみかよ。そんなもんで遊んでるなんてガキだな、沢田は【あーびっくりしたあ((((;゚Д゚)))))))何事かと思ったぜ~!!】」
汗をかきながら笑い出した小野田くんを、沢田くんがちょっと怖い顔で睨み返す。
【しょーがないじゃん、何度捨てても気がついたら勝手に家に戻ってくるんだから】
……え?
待って沢田くん、今、なんて……?
冷たい汗が私の背筋を流れた。その時、
【沢田空、死ねえ~~! お前を殺して俺がお前に成り代わってやる~~! ケケケケケケ!!】
沢田くんの手に噛みついたぬいぐるみのチャッピーから、変な声が……。
やばい、そのぬいぐるみ、呪われてるよ!! 沢田くん!!!
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